「小李白よ。お前は政治なんて、もうどうでも良い爺になったのに、よく毎日のように懲りずに書くな」・・こう呆れる内外の声が聞こえるが、愛する母国を想うなら 書かずには居られない。
此の気持ちは”自分達はガラパゴス島の茹でガエルだ”と、政治家だけでなく、国民自身も感じていないのでは?との恐ろしい想像が頭から去らないためだ。
毎日【時代の風】自民党新総裁決まる 惰性の政治、変われるか=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員
・岸田文雄氏が自民党総裁に選ばれた日の晩に、この原稿を書いている。党員・党友票で大差をつけた河野太郎候補に、党所属国会議員票は流れなかった。野党支持層にまで人気のある彼を掲げての
衆院選突入を、改選される彼らの方で拒否したのは、何とも因果な話である。
・新総裁は「生まれ変わった自民党を国民にしっかり示し、支持を訴えなければならない」と語った。「生まれ変わった」とは何か。野田聖子候補の得票は「善戦」のレベルにも達しなかったが、
だからこそ本音が言えたのだろう。彼女が述べた多くの正論は、「自民党にもこういう声があるのか」と強い印象を与えた。その一瞬は、この党の中にも“公論”があったのだ。
だが、これを最後に元に戻るのであれば、何も変わらなかったことになる。
・安倍晋三氏、麻生太郎氏、菅義偉氏、二階俊博氏と鉄面皮の面々が上に立ち、裏で官邸官僚が権勢を振るった安倍・菅政権の9年間。マスコミや検察や学界にも統制が広がり、反対論は封殺された。
石破茂氏は「安倍・菅への反対姿勢が過ぎて、党内で反感を持たれた」と聞くが、第2次安倍内閣発足当初の党幹事長に対する、その後の冷遇・排除ぶりの方が、異様ではなかったか。
岸田氏も、多くの辛酸をなめたはずだ。コロナ対策で彼の進めた「困窮世帯への30万円支給」が、途中で「全国民への10万円支給」にすり替わり、十数兆円がばらまかれた。にもかかわらず、
昨年の個人消費が一昨年より18兆円も減ったのは、多くの国民が、案の定、支給分を貯蓄してしまったからだが、岸田氏はいま何を思うのか。
そもそも彼は、安倍路線を継承するのか、そうしたものと縁を切るのか。
・安倍政権は、選挙で勝つことを目的に経済政策や外交をその手段に使った。目的と手段が転倒しており、選挙に勝てば政策実現はうやむやになる。たとえば北朝鮮のミサイル配備を受け、
「国難突破解散」なるものを行ったが、その先には何ら進展がなかった。対ロシア外交も同じだ。異次元の金融緩和にしても、日銀や年金基金まで総動員して株価だけは上げたものの、消費が一向に
増えないのを見ると、安倍氏は3%成長などの当初目標について一切語らなくなった。しまいには、少子化の末の人手不足に伴う若者の雇用改善を、成果だと牽強付会する始末である。
・そんな安倍首相に、実効的な政策立案・実施の能力のないことは、コロナ禍へのお粗末な対応でさすがに明らかになった。後を継いだ菅政権は、ワクチン接種を加速し、前政権の放り投げた
東京オリンピック・パラリンピックを満身創痍(そうい)ながら実施し、コロナ対応病床の絶対的不足という課題にもようやく手を付けた。政治家に不可欠な言語能力を欠き、人事権による
抑え込みに頼った彼が去るのは、それはそれで当然としても、その後に安倍氏とその取り巻きが復活したのでは、日本はこの9年間のよどみから何も学んでいないことになる。
本当に変わるべきは、岩盤のような惰性に乗っかった政治そのものだ。安倍氏をみこしに担いだ空疎な騒ぎの間に、日本は多くの時間を失った。
野田候補の語った通り、「少子化こそ最大の有事」である。河野氏並みに敵を作る覚悟がなければ、デジタル後進国を脱することもできない。岸田氏自身は変われるのか?
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嗚呼、藻谷氏の声に誰が耳を傾け、自分の事として考えるのだろう????
此の気持ちは”自分達はガラパゴス島の茹でガエルだ”と、政治家だけでなく、国民自身も感じていないのでは?との恐ろしい想像が頭から去らないためだ。
毎日【時代の風】自民党新総裁決まる 惰性の政治、変われるか=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員
・岸田文雄氏が自民党総裁に選ばれた日の晩に、この原稿を書いている。党員・党友票で大差をつけた河野太郎候補に、党所属国会議員票は流れなかった。野党支持層にまで人気のある彼を掲げての
衆院選突入を、改選される彼らの方で拒否したのは、何とも因果な話である。
・新総裁は「生まれ変わった自民党を国民にしっかり示し、支持を訴えなければならない」と語った。「生まれ変わった」とは何か。野田聖子候補の得票は「善戦」のレベルにも達しなかったが、
だからこそ本音が言えたのだろう。彼女が述べた多くの正論は、「自民党にもこういう声があるのか」と強い印象を与えた。その一瞬は、この党の中にも“公論”があったのだ。
だが、これを最後に元に戻るのであれば、何も変わらなかったことになる。
・安倍晋三氏、麻生太郎氏、菅義偉氏、二階俊博氏と鉄面皮の面々が上に立ち、裏で官邸官僚が権勢を振るった安倍・菅政権の9年間。マスコミや検察や学界にも統制が広がり、反対論は封殺された。
石破茂氏は「安倍・菅への反対姿勢が過ぎて、党内で反感を持たれた」と聞くが、第2次安倍内閣発足当初の党幹事長に対する、その後の冷遇・排除ぶりの方が、異様ではなかったか。
岸田氏も、多くの辛酸をなめたはずだ。コロナ対策で彼の進めた「困窮世帯への30万円支給」が、途中で「全国民への10万円支給」にすり替わり、十数兆円がばらまかれた。にもかかわらず、
昨年の個人消費が一昨年より18兆円も減ったのは、多くの国民が、案の定、支給分を貯蓄してしまったからだが、岸田氏はいま何を思うのか。
そもそも彼は、安倍路線を継承するのか、そうしたものと縁を切るのか。
・安倍政権は、選挙で勝つことを目的に経済政策や外交をその手段に使った。目的と手段が転倒しており、選挙に勝てば政策実現はうやむやになる。たとえば北朝鮮のミサイル配備を受け、
「国難突破解散」なるものを行ったが、その先には何ら進展がなかった。対ロシア外交も同じだ。異次元の金融緩和にしても、日銀や年金基金まで総動員して株価だけは上げたものの、消費が一向に
増えないのを見ると、安倍氏は3%成長などの当初目標について一切語らなくなった。しまいには、少子化の末の人手不足に伴う若者の雇用改善を、成果だと牽強付会する始末である。
・そんな安倍首相に、実効的な政策立案・実施の能力のないことは、コロナ禍へのお粗末な対応でさすがに明らかになった。後を継いだ菅政権は、ワクチン接種を加速し、前政権の放り投げた
東京オリンピック・パラリンピックを満身創痍(そうい)ながら実施し、コロナ対応病床の絶対的不足という課題にもようやく手を付けた。政治家に不可欠な言語能力を欠き、人事権による
抑え込みに頼った彼が去るのは、それはそれで当然としても、その後に安倍氏とその取り巻きが復活したのでは、日本はこの9年間のよどみから何も学んでいないことになる。
本当に変わるべきは、岩盤のような惰性に乗っかった政治そのものだ。安倍氏をみこしに担いだ空疎な騒ぎの間に、日本は多くの時間を失った。
野田候補の語った通り、「少子化こそ最大の有事」である。河野氏並みに敵を作る覚悟がなければ、デジタル後進国を脱することもできない。岸田氏自身は変われるのか?
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嗚呼、藻谷氏の声に誰が耳を傾け、自分の事として考えるのだろう????