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保守はゴジラを夢見るかⅤ

2014年06月10日 | 歴史
 私は2010年から2年間、京都大学大学院教授「日本強靱化論」の藤井聡氏の所に呼ばれて経産省から出向していました。そこは土木の学科でした。
彼が私を呼んだ理由は「公共事業をやらなけらばいけないのにみんな嫌だと思っている」「データを見ると公共事業は足りない」これを何とかしたいというのです。
理工系の先生にありがちなのは、まじめにデータを見せたり論文書いたり、あるいはまじめに立派な橋を作っていれば分かってもらえると思って、
10年間やり続けたらその間彼は世間から殴られ続けたのです。
「藤井さんこのやり方じゃダメなんじゃないの」と手探り続ける中で、「反撃したいので手伝ってくれ」と呼ばれたのです。
そこで新たに出した僕の提案と藤井さんの主張が全く内容が同じだったのです。それは”物語”です。
土建国家という”物語”で、「土建国家が良くないのだという物語」をみんなが共有している現状があります。
そうするとこれから外れる議論ができないので、別の”物語”を作らなければいけないでしょう。
逆に言うと土木が上手くいっていたときはその時の”物語”があったはずです。例えば世界一の新幹線を作って戦後の屈辱を克服しようと考えます。
たまたまその時にはオリンピックもあったり、田中角栄が出てきて日本列島改造論を出した流れがありました。その時に土木を上手くやっていたのも功罪があります。
”物語”なのでいい加減なこともやってしまうでしょう。一方で「土木はダメ」というのも”物語”です。

 ”物語”を分析に導入している研究は社会科学とか心理学とか文化人類学とかを漁ると結構あるのです。
例えば心理学で「自己とはなにか?」、「俺って何?」を分析する場合、「俺ってこういう人間なんだよね…」と他人に説明する場合です。
人生の”物語”がそこに作られているのです。自分で納得のいく人生の物語を作って、その主役として自分を描き出しています。
「私はこういう人間です」と言うのは実はそういうことを言っているのです。これを英語でNarrativeといいます。ナレーションと同じ意味です。
物語が必要な理由が2つあります。
1つはパラダイム論と同じで、世の中のデータや情報は無数にあるので、例えば俺という人間を示す必要な情報は無限にあるので全て出すわけにはいきません。
出身学校や職業など重要な情報をピックアップして表示することになります。しかし無作為にピックアップしても意味はないのである序列を付けます。
そうするとどうしてもストーリーを描かざるを得ません。
もう一つは時間という問題です。異時点感、つまり30の時の俺、40の時の俺、同じ人間です。でも成長しているし老けてきているし本当は違う人間なのです。
本来違う人間を一緒の人間として無理矢理繋げることをアイデンティティ、同一性といいます。それは『繋がっていいと考えていいんだよ』と言う意味です。
もしそれが繋がって考えられないと精神異常、人格分裂、アイデンティティーがない、同じ人間とは思えないということになります。
人格という物をパーソナリティー、アイデンティティーとして無理なく繋げる一貫した考え方の流れが必然的に物語になってしまうのです。
結局人間とは物語的なのです。例えばドラマを見て人格的に影響されるケースがよくあります。
”半沢直樹”を見て、「よし俺は銀行員になるぞ~!」とか、
物語に感化され易く、感動するというのはどこか自分、人間、セルフ、アイデンティティーは全て”物語”でできていることと関係していると思うのです。

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6月の予定:6月14日(土)学会出席のため獣医師全日不在です。スタッフは通常勤務。サービス内容はお問い合わせを。
7月の予定:7月12日(土)学会出席のため獣医師全日不在です。スタッフは通常勤務。サービス内容はお問い合わせを。