東京の新橋駅前に、中川聖山研究所というのがあります。
ある日ここに六十四、五歳ぐらいの女性と四十歳くらいの女性が相談に見えました。
この二人連れの女性は母とその娘で、娘さんの病気のことで相談に来られたのです。
「どうしましたか?娘さんは大変苦しそうですが・・・」
「はい。この子は私の長女で近くに嫁いでいますが、実はこの三年くらい前から身体の節々が痛みだしたのです。
今日はなんとしても先生にお会いしたくてきました」
中川聖山研究所は、新橋駅の銀座側ホームに立つと「吉相墓」という大きな看板をかかげた、あるビルの三階にあります。
この娘さんが全身の痛みに耐えながら階段を昇ってこられたことはすぐにわかります。
そしてまた、私自身の身体の節々がキリでも刺しこんだように激しく痛みを感じ、とりわけ左右の首すじから両腕にかけてがひどいのです。
この母娘の霊障は「水子」のもので、それもたくさんの水子だということがすぐわかります。そこで私は言いました。
「三年前からではないでしょう、もっと前から娘さんには痛みは出てたはずですよ」
「どうしようもなく痛みだしたのが三年前で、それからどこの病院で診てもらっても、原因すらわからないのです。
もう痛くて痛くて、何度も死のうかと思いましたが、子供が可哀想でこうして生きています・・・・」
「奥さん、水子がありますね?」
「どうしてわかりますか、実は三人堕しているんです」
「いや、四人。五人かな・・・・。正直に言ってくださいよ」
「水子と私の病気は何か関係があるのでしょうか・・・」
「あなたはいま、階段を昇ってきたとき、足の方も痛み出したでしょう・・・」
「ハイ、そのとおりです」
「その痛さに耐えてでもこられたのはなんのためですか。よくなりたいからでしょう。ちがいますか」
「ハイ、この痛みさえとれれば、あとはどんな苦労も我慢できます」
「病院の検査では、どこも悪くないのにどうして痛みはひどくなるのかと思いまして。それで思いあまってこちらに相談にきたのです・・・」
「あなたは、水子は三人といいましたが、そうではないでしょう。五人はいるはずですがね」
「・・・・・すみません、そのとおりです・・・・」
「五人とも人工中絶でしょう?」
「ハイ・・・・・」
「あなたはどんなふうに中絶するか、知ってますか?」
「麻酔注射を打たれて、なにもわかりませんでした」
「胎児の頭はグチャグチャにつぶされ、両方の手足はモギ取られて引きずり出されるのですよ」
「・・・・・」
「あなたは、身体のどこが痛いのですか?あなたは最初は頭痛がしていたはずです。それと腰ですね」
「・・・・・」
救いを呼ぶ水子霊
佐藤玄明 著
ある日ここに六十四、五歳ぐらいの女性と四十歳くらいの女性が相談に見えました。
この二人連れの女性は母とその娘で、娘さんの病気のことで相談に来られたのです。
「どうしましたか?娘さんは大変苦しそうですが・・・」
「はい。この子は私の長女で近くに嫁いでいますが、実はこの三年くらい前から身体の節々が痛みだしたのです。
今日はなんとしても先生にお会いしたくてきました」
中川聖山研究所は、新橋駅の銀座側ホームに立つと「吉相墓」という大きな看板をかかげた、あるビルの三階にあります。
この娘さんが全身の痛みに耐えながら階段を昇ってこられたことはすぐにわかります。
そしてまた、私自身の身体の節々がキリでも刺しこんだように激しく痛みを感じ、とりわけ左右の首すじから両腕にかけてがひどいのです。
この母娘の霊障は「水子」のもので、それもたくさんの水子だということがすぐわかります。そこで私は言いました。
「三年前からではないでしょう、もっと前から娘さんには痛みは出てたはずですよ」
「どうしようもなく痛みだしたのが三年前で、それからどこの病院で診てもらっても、原因すらわからないのです。
もう痛くて痛くて、何度も死のうかと思いましたが、子供が可哀想でこうして生きています・・・・」
「奥さん、水子がありますね?」
「どうしてわかりますか、実は三人堕しているんです」
「いや、四人。五人かな・・・・。正直に言ってくださいよ」
「水子と私の病気は何か関係があるのでしょうか・・・」
「あなたはいま、階段を昇ってきたとき、足の方も痛み出したでしょう・・・」
「ハイ、そのとおりです」
「その痛さに耐えてでもこられたのはなんのためですか。よくなりたいからでしょう。ちがいますか」
「ハイ、この痛みさえとれれば、あとはどんな苦労も我慢できます」
「病院の検査では、どこも悪くないのにどうして痛みはひどくなるのかと思いまして。それで思いあまってこちらに相談にきたのです・・・」
「あなたは、水子は三人といいましたが、そうではないでしょう。五人はいるはずですがね」
「・・・・・すみません、そのとおりです・・・・」
「五人とも人工中絶でしょう?」
「ハイ・・・・・」
「あなたはどんなふうに中絶するか、知ってますか?」
「麻酔注射を打たれて、なにもわかりませんでした」
「胎児の頭はグチャグチャにつぶされ、両方の手足はモギ取られて引きずり出されるのですよ」
「・・・・・」
「あなたは、身体のどこが痛いのですか?あなたは最初は頭痛がしていたはずです。それと腰ですね」
「・・・・・」
救いを呼ぶ水子霊
佐藤玄明 著