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シルディ・サイババ(ボロ布を盗んでドニャネシュワリを読む)

2011-10-21 | シルディ・サイババ

 

  ダハヌ(タナ地区)のマムラトダールであったB.V.Dev.氏は、長い間ドニャネシュワリ(ドニャネシュワールによる有名なバガヴァッド・ギータのマラティ語の解説書)やその他の聖典を読みたいと願っていた。彼は毎日バガヴァッド・ギータの一章を読むことができたが、彼がドニャネシュワリを手に取ると、何かしら問題が起きて読めなくなってしまうのだった。

彼は3ヶ月の休みを取ってシルディに行き、ポウドの家で休養をした。彼はそこで他の書物を読むことができたが、ドニャネシュワリを開くと、何かしら関係のない考えが心に浮かんできて、彼の努力を妨げるのだった。出来る限り頑張ってみたものの、彼は数行も読み進めることができなかった。そこで彼は、その書物に愛情が湧き、彼に読むようにとババが命じた時に読もうと決心した。

そして19142月、彼は家族とシルディへ行った。そこでヨグが彼に、毎日ドニャネシュワリを読んではどうかと提案した。Devは読みたいのだがうまくいかなかったこと、ババが彼に読むように命じたときに読み始めようと思っていることを話した。そこでヨグはその本をババに渡し、彼に聖別してもらってから読み始めてはどうかと助言した。Devは、ババは自分の心の内を知っているから、その手段には出たくないと答えた。ババは彼の望みを知らないだろうか、彼に読むように明確な指示を出して彼の願いを叶えてくれるだろうか?

 

  Devはババに会って1ルピーのダクシナを差し出した。ババは20ルピーを要求したので、彼はそれを差し出した。夜になって彼はバラクラムに会い、どのようにババへの信仰と恩寵を手に入れたのか尋ねた。バラクラムは翌日のアーティの後で全てを話すと言った。Devが翌日ダルシャンに行くと、ババは20ルピーを要求したので、彼は快く払った。マスジッドは混んでいたので、Devは脇へ行って隅に座った。ババは彼に近くへ来て静かに座るように言ったので、彼はその通りにした。

それから正午のアーティが終わって人々が分散していくと、Devはバラクラムに再び会ったので、ババが彼に語ったことや、どのように瞑想を教わったのかなど彼の体験について尋ねた。バラクラムが答えようとしていると、ババはらい病の帰依者のチャンドルをよこして、Devをババの元へ呼んだ。Devがババのところへ行くと、ババは誰と何を話していたのか尋ねた。

彼は、バラクラムからババの評判について聞いていたのだと答えた。するとババは再び25ルピーのダクシナを要求し、Devは喜んでこれを支払った。するとババは彼を中に連れて行き、柱の側に座ってこう言った。「君は私の知らない所で私のボロ布を盗んだだろう」Devは布のことは何も知らないと否定したが、ババは彼に探させた。彼は探したが何も見つからなかった。そこでババは怒って言った。「ここには誰もいない。盗めるのはお前だけだ。灰色の髪をした年寄りのお前がここへ来て盗んだのだ!」そう言うとババは腹を立てて、激しく激昂し、小言を言い始めた。

 

Devは黙っていたが、叩かれるのではないかとも思った。一時間近く経つと、ババは彼にワダへ行くように言った。彼はワダに戻って、ヨグとバラクラムに起きたことの全てを話した。すると午後になってババは皆を呼んで、自分の言葉が老人(Dev)を傷つけてしまったかもしれないが、彼は盗みを働いたので、彼を叱ったのだと言った。それからババは再びDev12ルピーのダクシナを求め、彼はそれを支払うとババの前にひれ伏した。するとババは彼に言った。

「これからは毎日ポティ(ドニャネシュワリ)を読みなさい。ワダに座って毎日きちんと読んで、読んだ部分を愛と信仰を持って皆に説明しなさい。私はここに座って、君に黄金の刺繍の入ったシェラ(高価なショール)を渡すつもりでいるのだ。それなのになぜ他へ行って、ボロ布を盗むのか!なぜ君は盗んでばかりいるのか?」

  Devは、ババから直接ポティ(ドニャネシュワリ)を読んで良いという言葉を聴いて、とても喜んだ。彼は欲しかった物を手に入れ、それ以後は安心してその書物を読むことができると思った。

彼は再びババの前にひれ伏して、自分は完全にババに全てを委ねるから、どうか自分を子供のように扱って、読書を助けてくれるようにと言った。その時彼は、ババの言っていたボロ布を盗むの意味を理解した。彼がバラクラムに尋ねたことが、ボロ布で、ババは彼の態度が気に入らなかったのだ。ババは彼の質問に答えるつもりでいたのに、彼が他の人に必要のない質問をしたのが気に入らなかったので、彼を叱ったのだった。Devは、ババは本気で彼を叱ったのではなく、ババが彼の望みを叶える準備ができているのに、無駄に他の人に尋ねるのは意味のないことだと教えたのだと思った。Devはそのように叱られたことを祝福と受け取り、心満たされて家路に着いた。

 

 

  この出来事はここで終わらなかった。ババはただ読書をすることを命じただけで終わりにはしなかった。一年のうちに、ババはDevのところへ行き、彼の進歩の度合いを尋ねた。191442日木曜日の朝、ババは彼の夢に現れた。ババは二階に座っていて、彼にポティを理解したかどうか尋ねた。Devは「いいえ」と答えた。ババは言った。「それではいつになれば理解するのかね?」Devは急に泣き出して言った。「あなたが恩寵を注いで下さらない限り、この読書は重荷でしかなく、内容を理解するのは更に困難です」ババは言った。「それなら私の前で読みなさい」Devは尋ねた。「何を読めばいいのでしょう?」ババは言った。「アディヤトマ(霊性)を読みなさい」Devは本を取りに行ったが、その時彼は目を開けていて完全に起きていた。このヴィジョンの後、Devがどれほどの喜びと至福を味わったかについては読者の想像に委ねることにする。

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