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シルディ・サイババ(第三十六章 二人の紳士)

2011-10-16 | シルディ・サイババ

ある時二人の紳士がサイババのダルシャンを受けにゴアからやってきて、彼の前でひれ伏した。二人は一緒にやってきたのだが、ババは彼らのうち一人にだけにダクシナとして15ルピーを出すように言い、彼は快くそれを支払った。もう一人は自発的に35ルピーを払おうと申し出たが、皆が驚いたことにこれはババに断られた。その場にいたシャマがババに尋ねた。「これはどういうことですか?二人は一緒にやってきたのに、一人のダクシナは受け取って、もう一人は自ら出そうとしたにもかかわらず断るとは。どうしてこのような差別をするのですか?」ババは答えた。「シャマ、お前は何も分かっていない。私は誰からも何も受け取らない。マスジッドマイ(マスジッドに鎮座する神)が借金を求め、寄付をするものは支払いをして自由になるのだ。私に家や財産や面倒を見る家族がいるかね?私は何も要求しない。永遠に自由なのだ。借金、対立、殺人は償われなくてはならず、逃れることはできない」それからババは独特の表現で次のように続けた。

 

  「最初彼は貧しく、もし自分が職に就いたら最初の給与を支払うと神に誓った。彼は月15ルピーの仕事を得た。それから彼は着実に昇進した。月給15ルピーから、3060100200ルピー、最初には700ルピーを得るようになった。だが彼が成功していく内に、彼は自分が立てた誓いのことをすっかり忘れてしまった。カルマの力が彼をここに連れてきたので、私は彼からダクシナとしてその金額(15ルピー)を要求したのだ」

 

  もう一つの物語はこうだ。海沿いを彷徨っていると広大な大邸宅に行き着いたので、そこのベランダに座った。するとブラーミンの主人が私を歓迎してくれ、豪華な食事をご馳走してくれた。彼は食器棚のそばの小綺麗で清潔な場所を私が眠る用にと提供してくれた。私はそこで眠った。私がぐっすり眠っていると、男は紅土の厚板をはがし、壁を壊して忍び寄り、私のポケットを切り割いて全財産を持ち去った。起きてみると、私は30,000ルピーを盗まれていた。

 

私は悲嘆に暮れて、座り込んでむせび泣きうめき声を上げた。金は紙幣だったので、私はブラーミンが盗んだのだと思った。私は食欲も無くなり、2週間の間ベランダに座って、失くした金のことを嘆いていた。2週間が過ぎると、通りがかったファーキルが私が泣いているのを見て、どうしたのかと尋ねてきた。

 

私は彼にわけを全て話した。すると彼は言った。「君が私の命ずる通りに行動するなら、失くした金を取り戻せるだろう。私が所在を教えるから、ファーキルのところへ行って、彼に全てを委ねなさい。そうすれば彼が君の金を返してくれるだろう。君が金を取り返すまでは、好きな食べ物もしばらく我慢するんだ」私はファーキルの助言に従って、自分の金を取り戻した。

 

それから私は海辺に行くと、汽船が浮かんでいたが、人で込み合っていたので中には入ることができなかった。だが人の良い水夫が仲介してくれたので、私は幸運にも乗船することができた。そこから別の海岸へ移動した私は、列車に乗ってマスジッドマイに来たのだ。

 

  話が終わると、ババは客を食事に連れて行くようにとシャマに言った。そこでシャマは彼らを家に連れて行って、食事をさせた。夕食時、シャマは客にババの物語はとても不可解で、ババは海沿いに言ったこともなければ、30,000ルピーという大金を持っていたこともないし、金を失くしたことも、取り戻したこともないと言った。そして客に向かって、ババの話の意味を理解できたか、と尋ねた。

 

客人は深く感動して涙を流していた。声を詰まらせながら、彼らは間髪を入れずに、ババは全知で、無限であり、至高の存在(パラブラフマン)だと言った。彼らは「ババが語った物語は紛れもなく私たちの物語だ。ババが語ったことは、私たちに起きたことだ。どのようにして彼がこうしたことを知ったのか、驚き入るばかりだ!食事が終わったら詳細を話そう」と彼らは言った。

 

  それから食事を終えると、彼らはキンマの葉を噛みながら、自分たちの話を始めた。一人の話はこうだ。

 

  「ガートの上の丘で私は生まれました。私は生活費を稼ぐためにゴアに行きました。私はダッタ神に向かって、もし私が職を得たら彼に最初の一ヶ月分の給料を捧げると誓いました。彼の恩寵により、私は月15ルピーの職を得て、それからババの言った通り昇進しました。私は誓いのことはすっかり忘れていました。ババはこんな風にして私に思い出させてくれ、私から15ルピーを取り戻したんです。これは人が思っているようなダクシナではありません。昔の負債の返済であり、長い間忘れていた誓いを果たしただけなのです」

 

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