まち・ひと・くらし-けんちくの風景-

建築設計を通してまち・ひと・くらしを考えます。また目に映るまち・人・くらしの風景から建築のあるべき姿を考えています。

1日目クエリーニスタンパリアへ

2017-05-06 13:18:44 | 海外巡礼 South Europe

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サンマルコ広場を離れ、再びスカルパの作品へ。クエリニスタンパリアQueriniStampalia。19後半にクエリニ家がVeneziaに寄贈したパラッツォや所蔵品、本、美術品などを基にした複合文化施設です。現在は財団が運営していて、図書館や博物館、展示スペースなどもあります。

スカルパによる改修が1963、その後マリオボッタの手も入り2013年に今の形になっています。

スカルパの設計した橋が入り口です。船の出入り口の隣に新しく設けられたものです。残念ながら今は使っていません。写真の左のほうに管理棟(隣の建物)があり、新しい玄関と橋(どちらもマリオボッタ)があります。

スカルパは洪水で中々使うことのできなかった一階と、中庭を設計しています。

下左の写真は船からの玄関。下右は外から見た玄関です。

 

満潮の時には水に浸ることを想定しています。この黄色と赤のスタッコに水面から反射される光が揺らぐ光景を目に浮かべながら設計したようです。ちなみに黄色の「スタッコ壁」は分電盤の扉です。

 

中庭も素晴らしい。小さくてどうしようもないので、何か建てることも検討されていたそうですがスカルパの手で、本当に静謐な小宇宙となっています。

踏み石もアイデアに満ちています。もちろん水と壁についてはスカルパそのものという雰囲気を作り出しています。

 

中庭と隣の管理棟との間の壁です。金銀黒のムラノガラスのモザイクタイルはMario De Luigiデザイン。タイルに触ろうと近づいたら、ドボンと水中に片足を落としてしまいました。気持ちいい、さわやかな落下です。

 

高谷時彦記


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