まち・ひと・くらし-けんちくの風景-

建築設計を通してまち・ひと・くらしを考えます。また目に映るまち・人・くらしの風景から建築のあるべき姿を考えています。

勝山で、改修された町家をたずねる

2012-07-20 19:17:44 | 建築まち巡礼大学院 Research Tour

午前中の市役所ヒアリングを受けて午後は実例を見学しました(ご紹介いただいた市役所F様有難うございました)。

   

ところで、視察先の手配などしてくれた大学院事務室のNさんは「福井の人は何でみんなこんなに親切なのか。福井には不親切な人はいない」と断言していましたが、私も同意します。

まずは、澤田屋呉服店。やはり本当に御親切な方でおうちの中の写真も取らせていただきました。明治29年の大火直後の建築です。本町の建物は大火後直ちに一斉に建て変わったそうです。

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ちなみに軒はいわゆる出桁造りです。しかし、腕木ではなく、太い登り梁(合掌)で桁を受けています。下の写真のように(これはほかの建物です)。

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当然登り梁は棟まで到達していると思ったら、こんな風に継ぎ手で部材を変えています。

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登り梁で内部空間を高く確保してはいるのですが、材については外部と内部でサイズを変えているのです(これは一般的な手法でしょうか)。

続いて丸屋松月堂。丸屋さんは地域の役員を長くおやりになっていて、300年の伝統を持つ左義長祭り(どんと焼き)の興隆のためにも尽力された方です。

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このお宅の店先にはなぜか赤瓦(越前瓦)が。また柱の礎石は錫谷石です。北前舟で越前から庄内に運ばれた二つの物産が自然に店頭に鎮座しています。

またこのお宅はこの地方特有の外転びの柱(外壁)となっていますが、その話しは後日別の機会にします。

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上の写真は上袋田区やぐら会館の太鼓やぐら。本来は祭りのたびに組み立てていたが人手不足で組み立てたまま置いておくことになった由。明治16年建立。二軒、扇垂木。入母屋。2月のお祭りの時にはレールで道路に運ばれます。勝山といえば左義長祭りだそうですが、この話も別の機会に・・・。

ところで勝山は恐竜のまちです。まちの中にも小さな恐竜がいます。

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