まち・ひと・くらし-けんちくの風景-

建築設計を通してまち・ひと・くらしを考えます。また目に映るまち・人・くらしの風景から建築のあるべき姿を考えています。

世田谷区役所思い出の写真展は・・・

2021-03-28 14:45:43 | 建築・都市・あれこれ  Essay

世田谷区役所、区民会館思い出写真展に行ってきました。世田谷区役所はこれから取り壊されようとしています。

私は、世田谷区役所新庁舎の検討委員会委員として、今の庁舎や区民会館をうまく活用して

求められる機能に対応したリノベーションを行ってほしいと願いました。そのためには、無理して大きな床面積の庁舎

をここにつくるのではなく、これまで通り、世田谷らしく地域密着型の分散型庁舎を、うまく機能させるのが良いと

考えました。

しかし、残念ながら巨大な床面積の建物を同じ場所につくるという方針に基づき、みんなの場所としての風格と落ち着いたたたずまいのある

区庁舎や区民会館は一部を除き取り壊され、巨大スケールの庁舎が同じ敷地に建てられることになりました。

なんとも残念だという思いとともに、「区役所・世田谷区民会館思い出写真展」を訪れました。

ただ、正直なところさらにがっかりしました。これまでの歴史や、区民の思いを反映したような充実した

展覧会を想像していたのですが、期待外れです。

 

外壁の一部に数十枚の写真が貼られているだけでした。企画した方々には申し訳ありませんが、もう少し、区役所建築や

この場所のもつ意味や歴史とじっくり向かい合える内容でもよかったのではないでしょうか。

 

建物の中にも入れません。中をのぞいてみると、この空間の良さを生かして大切に使っていこうという雰囲気では

ないようです。同じ設計者の同時期の作品である弘前市庁舎や市民会館が今でも丁寧に、うまく使われていること

と比べると、本当に残念な思いです。

弘前の建築めぐり01市役所 - まち・ひと・くらし-けんちくの風景- (goo.ne.jp)

 

区民は、この公共的な広場や、そこへのアクセスに用いられたピロティ空間(建物が持ち上げられて、

地上面が誰でも使えるようになっている)

をどのように評価しているのでしょうか?そういうことを少し考えるきっかけになる写真展であ

ればさらに良かったと思います。

 

 

帰りは久しぶりに下高井戸駅前市場訪問。人が多く住んでいるからこその賑わいですね。

そういえば、いま桜は満開ですね。区役所そばの松陰神社です。

Setagaya City is going to domolish the masterpiece of architect Kunio Maekawa to build a new city hall on the site.

I argued in the committee in front of the mayor  that we should not destroy the hitoric building but to renovate the elaborated work of Maekawa.

It was in vain!

Tokihiko Takatani 

architect/urban designer

 

 

 

 

 

 

 


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