まち・ひと・くらし-けんちくの風景-

建築設計を通してまち・ひと・くらしを考えます。また目に映るまち・人・くらしの風景から建築のあるべき姿を考えています。

Ver.3.1 まちキネの持続的、創造的解決に向けて 

2020-11-21 17:34:22 | 民間建築 Private Sector Building

鶴岡市からまちキネの活用案が出されました。

荘内銀行など5行の債権の対象となっている木造2棟の映画館と駐車場を買い取り、小さな方の2つのキネマを映像機能を持つ交流スペースとして地元に無償貸与するという鶴岡社会福祉協議会の英断には心から敬意を表します。また中心部に福祉の拠点ができる可能性があるということもたいへん明るい材料です。そのことも大いに歓迎です。

しかし、案の内容をよく見ると「たいへんもったいない」点が多いことに気付きます。少し視野を広げるだけで、同じお金(あるいはより少ないお金?)がより有効に使われ、関係者の皆さんに得になり、市民にとっても夢のある中心部の再生計画ができるだろうというのが私の変わらぬ思いです。

●税金でつくり、各界また海外からも評価されているキネマ建築を撤去して社協事務室にするのは大工事となり多額の工事費がかかる。

●活用案は社協さんにとっても使いにくい「間取り」となっている。また間取りに無理があるため、「残すはず」のキネマ3,4の交流スペースにも多額の改修費用(2500万円は税金を投入)が発生する。

●改修に「もったいない」費用(さらにSDG'sの観点からも問題)をかけるよりも、同じ敷地内にある大きな空き工場(鉄骨造、ここだけは荘内銀行が単独で所有)を買い取り、そこを社協の事務室にすれば広くで、将来的にも拡張の余地のある「映画芸術と福祉+α」の中心部が生まれる。

●大きな空き工場は解体するだけでも6千万円近くの費用が必要で、土地代とそれほど変わらないと思う。キネマ1,2やエントランスホールを取り壊したり、交流スペースを改修するお金で、十分買い取れると思われる。足りなければクラウドファンディングなども可能。

 

以下詳しく考え方を説明します。皆様のご理解が得られることを願っています。