まち・ひと・くらし-けんちくの風景-

建築設計を通してまち・ひと・くらしを考えます。また目に映るまち・人・くらしの風景から建築のあるべき姿を考えています。

長井のまちを歩きました

2011-07-10 15:50:10 | 建築まち巡礼東北北海道 Tohoku, Hokkaido

東日本パスを利用して山形県長井へ。

フラワー長井線は映画スイングガールズの舞台となったことでも有名です。JRから地元第三セクターが受け継ぎ、工夫を凝らした運営をしています。

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エドワード鈴木氏設計の赤湯駅でフラワー長井線に乗り換えです。

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長井駅到着。この駅は古い木造建築。大正3年(1914年)に旧国鉄長井線が開通した当時の駅舎だとのこと。どおりで小屋組みなども懐かしい趣(写真下)。

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駅前から大町通り方面に向かいます。かなり暑い・・・・・・。この通りは最上川に平行した旧街道筋に当たるのでしょうが、数十メートルおきに歴史的建造物があります。これは、芳賀醤油店の蔵。

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昭和初期の撞木橋とその橋詰にある岩城屋さん。大変立派なお屋敷ですが、中がどうなっているのか分かりません。壮大な長屋門から中をのぞくと土蔵造りの蔵が何棟か見えます。

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しばらく北に行くと旧西置賜郡役所。日本で2番目に古いものだそうです。ちなみに1番は郡山の旧安積郡役所。典型的な和洋折衷建築です。こちらの郡役所もバルコニーの軒周りに和様が表現されています。残念ながら棟梁は不明のようです。

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中に入ると親切に案内してくれました。古い郡役所ですが今も集会所や各種催し物会場として使われています。

郡役所のすぐ北側に庭に彫刻のある立派な住宅があります。長沼という表札がかかっています。豪邸のなぞはすぐに解けました。その隣には17世紀に長沼忠兵衛が開いた大店丸大扇屋の大きなお屋敷が控えていました。

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母屋は茅葺です。最近青森の職人さんの手で葺き替えられたばかりです。

中には豪華な仏壇が鎮座します。この屋敷の前の道を東に行くとすぐに最上川に出ます。江戸から明治にかけての舟運を利用して木綿、糸、綿などを商っていたそうです。

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このまちの町家は通り土間が屋外となっています。裏側の庭につながっています。

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また、長井の街中には最上川に向かう多くの水路があります。これも街の雰囲気を特徴付けています。

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更に、昭和初期の医院。

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こちらも医院です。昭和初期のハーフティンバーで、妻側の意匠はアールヌーボー的な香りもします。

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正面から見ます。

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以前見た栃木市の豪商の離れ(写真下)や旧役所の建物(写真下下)を思い出します。

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長井は歩いて楽しい町です。しかし、まちを維持していくためにはそこにすんでいる人がいる人がいることが必要です。

今どれくらいの方がすんでいるのでしょうか。町の中にある「まちの楽校」(写真下)には生活雑貨の店や薬屋さんをプロットした生活情報マップがおいてありました。何とかフラワー線も継続し、暮らし続けることのできる町として、がんばって欲しいものです。

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