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まち・ひと・くらし-けんちくの風景-

建築設計を通してまち・ひと・くらしを考えます。また目に映るまち・人・くらしの風景から建築のあるべき姿を考えています。

弘前の建築めぐり04博物館と緑の相談所

2016-03-19 22:44:10 | 建築まち巡り東北北海道 Tohoku, Hokkaido

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博物館は現在閉鎖中で入れませんでした。1976年築。

いわゆる前川風の安心して見られるスタイルです。

ここは旧城址である弘前公園の南のほうにありますが、ここから北に向かうと緑の相談所(1980築)があります。

大きな屋根とレンガタイルが特徴的です。中もどうぞ見てください、写真もokですよと係りの方が言ってくれます。前川建築を見てもらうということが市民に定着しているようです。

 

 

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高谷時彦記 Tokihiko Takatani

 


弘前の建築めぐり03こぎん研究所

2016-03-19 21:48:16 | 建築まち巡り東北北海道 Tohoku, Hokkaido

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旧木村産業研究所(こぎん研究所)は、1932年の竣工です。

前川國男がコルビジェの元から帰ってきての第一作だとのことです。

 

私たちが思う前川風というよりはコルビジェ風。

 

 

ラロッシュ・ジャンヌレ邸などを髣髴させます(といっても見ていませんが・・・)。

中に入りたかったのですね。上記写真中央部にいらっしゃる前川國男さんもお入りなさいといってくれていたのです(実際は京都会館の現場での写真)が、残念ながらどなたもいらっしゃいませんでした。ホールの中から外を見るとさぞかし開放的で、当時の弘前の人たちを大いに驚かせたのではないかと思います。

残念な気持ちを胸に弘前城のほうに歩いていたら下左の写真のような建物がありました。コールテン鋼の渋い赤と白い壁は似合いますね。実はこの近くにはこんな(下右写真)近代建築もありました。弘前は歩いて飽きることがない町です。

 

 

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高谷時彦記 Tokihiko Takatani

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Tokihiko Takatani 

Architect/Professor

Takatani Tokihiko and Associates, Architecture/Urban Design, Tokyo

Graduate School of Tohoku Koeki university ,Tsuruoka city, Yamagata

 


弘前の建築めぐり02市民会館

2016-03-19 20:01:58 | 建築まち巡り東北北海道 Tohoku, Hokkaido

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弘前市民会館は1964年竣工。

54年神奈川県立音楽堂、59年世田谷区民ホール、60年京都会館、61年東京文化会館、そして64年の弘前市民会館とこの時期に前川國男は多くのホール建築をつくっています。

 

少し話が飛びますが、古い 市民会館が今も使われているというのは大変うらやましいことです。

私の生まれ故郷の高松市市民会館は1961年(東京文化会館と同じ年)に当時としては四国一(と大人たちが言っていたような?)の1,500席のキャパシティで誕生。中学時代の部活動で時々ステージにあがっていたことが懐かしい思い出となっています。しかし今は跡形もありません。

ホールというのは時代を反映する(ブームがある)ビルディングタイプです。50年代から60年代の前半は「市民会館・公会堂タイプ」のホールが全国的にたくさん作られた時期です。

残る建築とあっさり見捨てられる建築・・・・・何が違うんでしょうか?。

建築史家・建築家の藤森照信氏は「本当に優れた建築は、つくった人や時代の意図を越えて、後の世に新たに発見されるような質を潜在させている。つくった人と時代の意図しか入っていない建築は、その人が死に時代が過ぎれば忘れ去られる」(『フジモリ式建築入門』ちくまプリマー新書、p128)といっています。蓋し至言。クワバラ、クワバラ・・・・・自戒、自戒・・・。

残念ながらホールの中に入ることはできませんでしたが、京都会館や東京文化会館につながる雰囲気です。昔からあるのだと思いますが、2階の食堂がなかなかよい味を出しています。コーヒーでも飲みたかったのですが、見たいものがたくさんあって、2日間ともきちんと食事を取ることもせずに歩き回っていました。

市民会館は、ホール棟と食堂・管理棟が長い回廊で結ばれています。右上写真の上から食堂・管理棟、回廊、ホール棟と続きます。その下にあるボリュームは今休館中の博物館です。

外観は前川さんとしては繊細でプロポーショナルな要素が卓越しているように思います。私自身はこういうスケール感を好みますが、一方では前川さんらしくブルータルなものと繊細なものが共存(対比的併置?)していて欲しいという思いもあります。ちなみに型枠は青森産のヒバだと市のHPの案内にあります。

同じくHPにこんな言葉がありました。竣工に当たって寄せたものだそうです。

「かつてヨーロッパの中世の市民はこうして彼ら自身の美しい町を築き上げてきました。現代都市を築き上げるものは市民社会の「市民の心」であって決して「予算」ではありません。この市民会館の建築もこうした立場にたって私どもの微力を尽くしました」

 

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高谷時彦

Tokihiko Takatani 

Architect/Professor

Takatani Tokihiko and Associates, Architecture/Urban Design, Tokyo

Graduate School of Tohoku Koeki university ,Tsuruoka city, Yamagata


弘前の建築めぐり01市役所

2016-03-19 19:21:44 | 建築まち巡り東北北海道 Tohoku, Hokkaido

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3月は何かと忙しいものです。しかし、合間を見つけ弘前建築詣で。

青森あたりはまだまだ雪がたくさんありました。そして、寒かった。日中でもせいぜい1,2度だったのではないでしょうか。

前川建築をうまく保存活用しているということで見に行ったのですが、それだけではありませんでした。町全体が歴史的建築を大事に使いこなしていました。またそれがゆえに、新しい感性の建物もところどころで清清しい存在感を放っていました。

お昼過ぎに弘前着。まずは前川國男氏に敬意を表して市役所へ向かいます。

お城の前の顔となっています。まち並みに群青色の天井もなじんでいます。

中もまさしく前川建築ですね。1958年の竣工ですから、丹下先生の香川県庁舎と同じ年になるのでしょうか。

世田谷区庁舎の2年前です。階段や吹き抜けのスケール感がよく似ています。 

 事務スペースは荷物と人であふれてあふれています。また耐震的にも問題があるそうです。

それゆえ、隣に新しい庁舎を増築しています。もちろんこの庁舎は耐震補強のうえ、使い続ける予定です。

案内してくれた方(突然の土曜日の訪問者をご親切に案内くださいました)に、建て替えの話はなかったのですかとお聞きしたところ、そんな話しはまったくなかったとのことでした。

大事に使うのが当たり前だとお考えのようです。面積が小さかったり、耐震壁の新設で使いにくくなるのはしょうがない、それに関しては増築棟があるのでまったく問題ないとおっしゃっていました。

市民的な合意のもとで前川さんの建築を大事にしているのでしょう。このときはまだ知りませんでしたが、まちの中にある他の建築も大事に、しかも十分に使い込むかたちでいきいきとしていました。

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高谷時彦記 Tokihiko Takatani

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由利本荘文化交流館カダーレ

2015-08-23 17:24:50 | 建築まち巡り東北北海道 Tohoku, Hokkaido

昨日遊佐に行ったあと、まだ少し時間があったので、由利本荘のカダーレまで足を伸ばしました。

大変印象に残る形態です(左写真)。基本的には1100席のホール、図書館、そして学習室や研修室、会議室などからなる公民館(あるいは生涯学習施設?)の3機能複合施設です。建築雑誌で見ると大変複雑な平面だというイメージがありましたが、実際には明快なゾーニングがありわかりやすいと思いました(ただし図書館の人が言うには迷う人が多いとのことでしたが・・)。上右写真は北から見ていますが、右の大きなボリュームがホール、左のドームを中心としたゾーンが図書館(2層)です。公民館ゾーンはホールの南側と3階のドーム(天体観測室)にあります。

上の写真がホールです。ホールはいわゆる多目的ホールとして作られています。この日はPAを使った民謡大会でした。

ホールのホワイエが不思議空間で大変印象的です(上の写真左、右)。光がいろんなところから落ちてきて、打ち放しコンクリートの重さがありません。なかなかよいと思います。

図書館もスリットが非常に効果的に光を導きいれます(上写真左、右)。複合施設にありがちな、閉鎖的で重い印象がまるでありません。

ちらちらと、ほかの階や吹き抜けの向こうの人が見えることが、この施設の楽しい雰囲気を作っています(上写真)。

また、当日は、展示用のギャラリー室を出演者の更衣室に使っていましたが、こういうことができるのも複合施設の良さでしょう。また市が一元的に管理しているということも使いやすさにつながっていると思います。・・・などと書いてきましたが、重いコンクリートが軽やかに空間を仕分けるというこの建築の最大の特徴は実物でないとおそらく伝わらないと思いました。

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