東日本大震災による液状化で被害を受けた千葉県浦安市の分譲住宅地の住民ら36人が「宅地造成の際に地盤改良を怠っていた」として、三井不動産などに総額8億4千万円余りの損害賠償を求めた訴訟の判決で東京地裁は8日、住民側の請求を棄却した。
三井不動産側が液状化被害を予測し、地盤改良工事の義務があったかどうかが主な争点だった。
松本利幸裁判長は「震災ほどの規模の地震が発生し、液状化が起こると予測するのは困難だった」と判断した。
原告側によると、同種の集団訴訟は複数起されており、判決は初めてとみられる。
原告は浦安市の「パークシティ・タウンハウスⅢ」の住民。
三井不動産が埋め立て地を造成して1981年に分譲を始めた。
棟続きのタウンハウスが計70戸あり、震災による液状化で建物が傾いたほか、共用部分の庭や駐車場が陥没したり、給水管が破損したりするなどの被害がでた。
松本裁判長は住宅の分譲、引き渡しが終わったのが82年で、賠償請求権がなくなる20年の「除斥期間」も既に過ぎていると判断した。