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落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

ジオットの首輪

2008年06月22日 | movie
『美しすぎる母』

1972年11月17日、ロンドンでバーバラ・べークランド(ジュリアン・ムーア)という女性がひとり息子のトニー(エディ・レッドメイン)に刺殺された。バーバラの元夫ブルックス(スティーヴン・ディレイン)は人工樹脂ベークライトを工業化し「プラスチックの父」と呼ばれたレオ・ベークランドの孫にあたる。
夫妻は68年に離婚し母子はふたりきりで各地を転々としながら暮していた。まるで恋人のように仲睦まじかったふたりにいったい何があったのか。史実を元にした愛憎ドラマ。

うーーーーーーーん・・・期待外れ。
監督のトム・ケイリンは1924年にシカゴで起きた実在の誘拐殺人事件を元にした『恍惚』という映画でデビューした人で、この映画はさりげに前衛的だったりしてかなりおもしろかったのだが、さすがにまだ当事者が存命中のこの事件に関してはそこまで大胆にはなれなかったよーで、細部にはあれこれとこだわりはみられるものの全体にはかなりおとなしい、ソツのない映画になってしまっている。
音楽とか美術とか、ディテールはホントにいいんだよね。リアルで。でもシナリオがすーんごい段取り調で、もーどーしよーもないくらい退屈。
同性愛や近親相姦はコトが史実であるからには観客全員先刻承知なワケで、それをまたあんな腰の引けたヌルい演出で見せられても今さら「だからどーした」って感じなのよ。事件は史実でも映画はあくまでフィクションなんだし、捏造までいかなくてももっとエモーショナルな描写も出来たはずだと思う。ヘンにセンセーショナルにしたくなかった気分もわからんではないけど、こんな題材を映画化しといて今さら気取ってどーするっつの。
ジュリアン・ムーアは確かに物凄い熱演だけど、演出がこれでは完全に空回りにしか見えません。気の毒。

あとやっぱ気になるのはジュリアン・ムーアの衣裳がヤバいくらい似合ってないってとこでしょーかね。
40代後半ってこともあってお肉垂れまくりで肩や腕はソバカスだらけ、露出に向いたボディとはなかなかいいがたいんだけど、なぜか全編やたらに肌を出した服ばっかり着ている。ぐりはこの女優さん好きだし、頑張って演じてる気合いもわかるだけに観ててせつなかった。
それも演出なんだよといわれてしまえばそれまでなんだけど。

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