落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

ナイフに映る顔

2006年10月27日 | movie
『十三の桐』

おもしろかったです。
コレは『美人草』の監督の作品ですね。ぐり『美人草』はあーんま好かんか?チたですけど、『十三〜』はなかなかよかったんではないんでしょーか。
人物造形がとにかくすてき。すばらしい。おそらく出演者そのものの素のよさをうまく活かしてあるんだと思うんだけど、非常に自然なんだよね。それぞれの人物像がどの子もリアルで、説得力がある。
なかでもヒロイン何風を演じた劉欣(リウ・シン)がもーーーうパーフェクト!!エクセレント!!!ブリリアント!!!!カワイイんだよー!マジで(大丈夫か<自分)!昂然とつっぱらかった雰囲気がデビュー当時の葉月里緒菜にちょっと似てる。目の力強さは『誰も知らない』のころの柳楽優弥っぽい。すっごくボーイッシュな役柄だから。しかもそれがま?チたくイヤミにならないとこがスゴイ・・・と思ったらば。ティーチインに出てきた劉欣が「何風」そのまんまな人だった(笑)。
おそらくこの映画の魅力のかなりの部分が彼女の個性によるところなのではないだろうか。それほど彼女は輝いていた。実際現在17歳、ほんとうにほんとうにこの年齢のほんの一瞬にしか赦されないような、儚いけれど煌々と厳然たる存在感、爆発的な生命力、そんなものを全身から燦然と発散しているような女優さんだと思う。でもたぶん、1年かそこら経てばまったくの別人になってしまうのだろう。そんな魅力。
映画は内容にやや過激な部分もあったようで、原作をイマイチ消化しきれてないね?なパートがまま見受けられ。主人公の幻想シーンの演出なんかはちょっとダサかったですよねえ(笑)。そこは『青春期』の方がまだオシャレやったよ(笑)。この監督は物語やキャラクターに対する愛情は非常に深いけど、作品を見映えよくパッケージする器用さはイマイチ足りないような気がする。もったいない。
それと、中国映画に限らず香港映画でも台湾映画でもしょっちゅうみかける「オチ」のシーンを冒頭にもってくる編集法、いー加減ヤメませんか。物語の構造上そうする意味があればべつだけど、なんだかあまりにもどの映画でもやってて単に安易なハッタリのよーにしかみえないです。ここまでしょっちゅうやられると緊張感が削がれてしまって逆効果なのでは。
どーでもいーですけど、この邦題は『13本の桐』とすべきだったのでは?なぜ単位ナシなのだろー。単位がないことで意味が不明瞭になってるけど、なんか意図があるんだろーか・・・。


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