落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

クマと鬼ババア

2008年07月13日 | movie
『チュエカタウン』

2005年に同性婚が合法化されたスペイン・マドリードのゲイタウン、チュエカ。
レオ(ペポン・ニエト)とレイ(カルロス・フエンテス)はクマ系のゲイカップル。住んでいたアパートの大家が亡くなり、身寄りのない彼女の遺産として建物を相続したレイは母親のアントニア(コンチャ・ベラスコ)を呼んで同居することにしたのだが、息子に“玉の輿”を期待していた彼女はしがない自動車教官のレオが気に入らず、何かというとふたりのジャマばかりする。
そんな折り、再開発がブームのチュエカでは不動産を所有する老女が殺害される事件が連続していた。犯人は不動産屋のビクトル(パブロ・プジョル)。やがて彼の魔手はレイたちにも迫り・・・。

もー、サ・イ・コー!!おもしろかったあ。
今までに観たゲイが主役の娯楽映画としてはベスト3に入る大傑作です。
まずとりあえずキャラクターが全員おもしろすぎ。レオは良い人なんだけどすぐ頭に血が上っちゃう単細胞。レイは絵に描いたように天真爛漫とした底抜けのお人好し。アントニアは超自己中で劇薬並みの毒舌ババア。ビクトルはサイコなシリアルキラーを気取ってるけど実はかなりマヌケ。女刑事ミラ(ロサ・マリア・サルダ)は頭はきれるけど虫やら人ごみやら何やらいろんな“恐怖症”にとりつかれてる。
こんなムチャクチャなキャラがわんさと出て来て、画面中をグッチャグッチャにかきまわしまくる。台詞のひとことひとことすらいちいちおかしくて、会話だけでも大爆笑の連続です。

しかしそれにしても、ゲイタウンとゲイのカップルという設定が、ここまでコメディ映画の二大要素としてしっくり来てる映画ってひさしぶりに観たかも。
雰囲気としてはペドロ・アルモドバルの映画にも似てる。キョーレツなママキャラなんかはもろに共通してる。
登場人物が全員で力いっぱいボケまくるノリって、スペイン映画独特な気がする。一見するとこんなんでどーやって話収拾するんやろ?なんて不安になっちゃうんだけど、意外にちゃんと収拾するからまたおかしい。
この映画は機会があればまた観たい。てゆーか一般公開してもウケると思うんだけど・・・無理かなあ?


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