落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

17年

2012年01月17日 | diary


去年、11月の下旬になって街にイルミネーションが灯り始めた時、「あ、今年もクリスマスってくるんだ」と思った。
マジで。
クリスマスもお正月も、おめでたいことはもう来ないんだとどこかで勝手に思いこんでた。
でもそんなワケないんだよね。
クリスマスだってお正月だってなんだって毎年決まって来るもんなんだよね。
当り前なんだけど。

個人的には去年は身近で亡くなった人が多くて、クリスマスもお正月も何もぜんぜんおめでたくなかった。
そういうのはどっかよその、遠くのことのように思っていた。

年末に、死刑廃止運動をやってる人たちの忘年会にお邪魔する機会があったんだけど、去年は一年を通して執行が一件もなかったので完全にお祭り騒ぎになっていた。執行がなかったのは19年ぶりのことなんだそうだ。
こないだ内閣改造があって法相がまた替わって、それもよりにもよって新しい小川敏夫さんは死刑推進派だから、彼らの戦いも再びハードにヘヴィーな局面に向かってくことは間違いない。よしんば交替しなかったとしても、死刑制度がある限りいつなんどき執行があってもおかしくはない。
だからこそ、忘年会の一日くらいは、みんなでめでたいお酒を飲みたかった気持ちはすごくわかる。
いつもいつも暴風雨の吹きすさぶ絶壁にしがみついて真っ暗闇を登っていくような運動をしている人たちにとって、おいしいお酒を心ゆくまでとことん酌み交わせる夜なんて、それこそ何年かに一度くらいしかないのだから。

おめでたいことはそういつもないからめでたい。
東北の皆さんにも、いつか、心からおめでたい杯を交わせる日がくることをせつに祈る。

今日は悲しいことがあった日だし、そのことは絶対に忘れてはいけないと思う。
それでもやっぱり日はまた昇る。
明けない夜はないし、止まない雨もない。
そう思いたい。