落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

ボランティアデブ

2011年11月08日 | 復興支援レポート
日本の田舎の習慣をあまりよく知らないぐりですが。

田舎の人って往々にして客をもてなすのが好き、人にものを食べさせるのが好き、というのはなんとなくわかるんだけど、この震災ボランティアで訪れた地域の人たちの「客にはとにかく食べさせるべし」という情熱はちょっと異常じゃね?と思う。
だいたいぐりたちはいわゆる「客」ではない。あくまでも復興支援を目的にボランティア活動をするために自発的に来ている。もてなしてもらわなくてはならない筋はとくにないはずである。
しかし地元の彼らにはそんな理屈はどうでもいいらしい。

作業は毎朝8時~8時半頃始まり、10時半~11時頃にお茶休憩がある。余談だがこのへんの人は休憩を“お茶っこ”“たばこする”という(“たばこする”は関西でもいう)。休憩ではお茶やコーヒー以外に果物やお菓子や漬け物などの食べ物も大量に出される。個別包装のお茶菓子などは遠慮できても、手作りのものを皿に出されてしまうと断りきれずいただくことになる。
12時の昼休みには、ボランティアは自前の昼食を用意している。しかし漁師さん一家のお母さんお嫁さんはやはり手作りのおかずやあたたかい汁物をテーブルに並べてくる。これもなかなかに断りづらいのでいただくことになってしまう。
こういう手作りの料理がまたいちいちものすごくおいしい。おいしいからつい食べてしまう。

ここまではまだわかるのだが、ある日のお昼はなんとバーベキューだった。
作業中のぐりたちの隣で漁師さんたちがバーベキューセットを準備し始めたのでなんとなくイヤな予感はしていたのだが、気づけば大量の肉やとれたての海産物(てゆーかまだ生きてる)が作業場に運び込まれ、秋晴れの空の下で宴会が始まってしまった。ただしこのうちの漁師さんは一滴も飲まないのでアルコール抜きの宴会である。
それにしても焼かれる肉の量がハンパではない。もう満腹です、もう食べられませんと何度いっても許してもらえない。途中からもしかしてこれは何かのいやがらせ?罰ゲーム?イヤさては食後の我々を鍋で煮て食べる気では?と思うくらい「もっと食べて」と勧めたおされた。お陰で翌日の朝までおなかがいっぱいだった。
念のため申し添えるが、ここの漁師さんたちは津波で全財産を失い、現金収入は現在¥0である。それでこのレベルっていくらなんでもちょっとおかしいと思う。一種の強迫観念にさえ思える。

夜は夜で、わざわざ材料を都内から持ち込んで来たボランティアの方が鍋料理をふるまってくれた。しかも三晩連続で。
おいしいお鍋を囲んで夜も宴会。楽しいんだけど、あたしは何しに来たんやろ?とうっすら疑問に感じないこともない。
お陰様で5日間の活動ですっかり太ってしまった。昼間どんなに頑張って活動しても、ふだんがそんな生活じゃないから体内の代謝機能が急には追いつかない。
しばらくは摂生して少しは痩せないとなとさすがに思う。つーか胃の調子が・・・。


ショッピングセンター。天井に新品の商品がひっかかっていた。陸前高田市にて。

11月1日(火)~6日(日)震災ボランティアレポートIndex
10月21日(金)~24日(月)震災ボランティアレポート
10月6日(木)~10日(日)震災ボランティアレポート
8月26日(金)~9月4日(日)震災ボランティアレポートIndex
8月11日(木)~15日(月)震災ボランティアレポートIndex
4月29日(金)~5月7日(土)震災ボランティアレポートIndex
Googleマップ 震災ボランティアレポートマップ(ver.3.2)