goo blog サービス終了のお知らせ 

落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

Chaos reigns.

2011年03月02日 | movie
『アンチクライスト』

愛し合っている最中に事故で幼い息子を喪った夫婦(シャルロット・ゲンズブール/ウィレム・デフォー)。
セラピストの夫は精神的なショックから立ち直れない妻を連れて山荘に出かけるが、大自然に囲まれ、外界から完全に遮断されたふたりきりの家で、妻の真の妄執が徐々に暴かれ・・・。
シャルロット・ゲンズブールは今作で2009年カンヌ国際映画祭で主演女優賞を獲得している。

あ~~~~イタかったあ。
イタいとは聞いてましたけどこれほどとわ~~~~ぬかったわぁ。
めっちゃイタかったです。この悪趣味なわたくしをして直視できないシーンもちょいちょいアリ。これから鑑賞される方はご注意あれ。
けどそういうイタいシーンも含め、映像はとにかく綺麗。つーか全体になんかもっそい観たことあるな?デジャヴュ?な画面構成なんだよね。
と思ったら、最後に「タルコフスキーに捧ぐ」みたいなクレジットが出て来てー。あーなるほどと。
確かに『鏡』とかそっくりだよね。映像も、ロケーションも。
イッちゃってる奥さんに振り回されるダンナとゆー設定は『惑星ソラリス』か。ある意味萌えるシチュエーションのテンプレみたいなもんなんかしら?

流血シーンは置いとくとしても、登場人物がふたりしかいなくて(アンド亡くなったひとり息子の回想。乳飲み子)、会話もめちゃ限定されてるから、それだけでもしんどい映画ではあるんだよね。
観てる方にかなり忍耐を求められるとゆーか。
でもそれだけにハンパなく感情移入できる。この女はちゃんと治るんやろか?とか、このダンナのセラピーにはホントに効果あんのやろか?とか、観ててすごい疑心暗鬼になるわけ。
で、実際、この夫婦自身もすごい疑心暗鬼なんだよね。すっごい不安なんだけど、お互いしか信じられなくて、心底頼りきっていて、なのにだんだんお互いのことも信じられなくなって、それでも離れられなくて、結局どうしたいのかもわかんなくなっていって、漠然とした恐怖感に支配されていく。自分でも何を怖がっているのかもわからないのに、ただただ怖い。
こーゆーのマジ怖いっす。どー考えてもふたりとも自滅まっしぐらコースなのに、どーやってコースアウトしていいのかもわかってないとゆー。こーわーすーぎーるー。

今日鑑賞した劇場は平日昼間にも関わらずほぼ満席だったんだけど、これってやっぱR指定だからかなあ(爆)。
確かにベッドシーンは多かったさ。いや、ベッドでやってるシーンは少なかったな(どうでもいい)。しかしさっぱりエロくはなかったっす。シャルロット・ゲンズブールががりがりに痩せこけてる(役のせいでもあろー)のもあるんだけど、雰囲気としてエロティックではまったくないんだよね。
ただそのものズバリがばっちり写ってるシーンが多過ぎて、やたらに修正が入ってるのが超邪魔くさかったわぁ。めっちゃ興醒めでしたん。アレもういいでしょー?いらんって絶対。つうかあそこまで体当たりで演じてる出演者に対して失礼でしょ。
興醒めといえば、今日観た劇場、満席だったせいもあるんだけど画面が観づらくて観づらくてすっげえ疲れた。上映前に3回座席を移動してみたけど、全部ハズレ(爆)。しかもぐりの周りの席の人もみんな超観づらそうだった。どんだけ。