遊廓の女のごとく身をかわすおたくさまには存ぜぬことと
ねこまた@葛城 (ねこちぐら)
「おたく」が本来の意味で使われていて、気持ちがいいです。
「あちきは嫌でありんす」(里言葉)の世界ですね。
「身をかわす」ほど余裕がある「遊郭の女」というと、花魁クラス
でしょうか。
相手への媚びは残しつつ、冷たさと拒絶を相手に示す。
高等技術ですが、本能的にこの技を身につけている人も、時々
います。
いますよねー。
-----------------------------------------
布ソファーをおたおたくんくん鳴く犬の毛並みのような月が照らせり
行方祐美 (やまとことのは)
こちらは「おたく」がちょっとはずして使われています。
「布ソファーを」「月が照ら」している。その月の説明を2・3・4句
でしているわけですね。
心細げな犬の毛並みのような月。
笠がかかっているようなおぼろ月、それも半月くらいを思い浮かべ
ます。
不安げで、ちょっと暖かそうな月光。それに照らされるのは、やは
り皮より布のほうが似合います。
-----------------------------------------
市町村人口動向気になるは我も一種のおたくなるべし
西中眞二郎 (しなやかに、したたかに、無責任に…西中眞二郎雑記帳)
知人に、「今日の琵琶湖の水位」を毎日ホームページで調べている
人がいます。純粋な趣味として。
主体も、仕事や生活や利害に全く関係なく、自発的に折れ線グラフ
かなんか作っていそうです。
マニアの意味での「おたく」というと、ちょっと不気味な雰囲気が
ありますが、このヒトはさっぱりした性格なんじゃないかな。
ツボにはまると、話は長そうですが。
-----------------------------------------
突き抜ける情熱持てず おたくにもなれないボクラの凍った視界
愛観 (ひ と ひ ら こ と ば)
「ボクラ」のカタカナが、とても冷たく感じます。
この歌を読んでいると、「おたく」という言葉の持つ意味は本当に
難しいなあと思います。
熱すぎると気味悪がられる。冷めていると蔑まれる。中庸を行こう
とすると、調子がいいと言われる。
考え方によれば、情熱が持てない、というのも生き方のひとつかも
しれない。
むしろこの歌を肯定的に読んだ自分がいました。
ねこまた@葛城 (ねこちぐら)
「おたく」が本来の意味で使われていて、気持ちがいいです。
「あちきは嫌でありんす」(里言葉)の世界ですね。
「身をかわす」ほど余裕がある「遊郭の女」というと、花魁クラス
でしょうか。
相手への媚びは残しつつ、冷たさと拒絶を相手に示す。
高等技術ですが、本能的にこの技を身につけている人も、時々
います。
いますよねー。
-----------------------------------------
布ソファーをおたおたくんくん鳴く犬の毛並みのような月が照らせり
行方祐美 (やまとことのは)
こちらは「おたく」がちょっとはずして使われています。
「布ソファーを」「月が照ら」している。その月の説明を2・3・4句
でしているわけですね。
心細げな犬の毛並みのような月。
笠がかかっているようなおぼろ月、それも半月くらいを思い浮かべ
ます。
不安げで、ちょっと暖かそうな月光。それに照らされるのは、やは
り皮より布のほうが似合います。
-----------------------------------------
市町村人口動向気になるは我も一種のおたくなるべし
西中眞二郎 (しなやかに、したたかに、無責任に…西中眞二郎雑記帳)
知人に、「今日の琵琶湖の水位」を毎日ホームページで調べている
人がいます。純粋な趣味として。
主体も、仕事や生活や利害に全く関係なく、自発的に折れ線グラフ
かなんか作っていそうです。
マニアの意味での「おたく」というと、ちょっと不気味な雰囲気が
ありますが、このヒトはさっぱりした性格なんじゃないかな。
ツボにはまると、話は長そうですが。
-----------------------------------------
突き抜ける情熱持てず おたくにもなれないボクラの凍った視界
愛観 (ひ と ひ ら こ と ば)
「ボクラ」のカタカナが、とても冷たく感じます。
この歌を読んでいると、「おたく」という言葉の持つ意味は本当に
難しいなあと思います。
熱すぎると気味悪がられる。冷めていると蔑まれる。中庸を行こう
とすると、調子がいいと言われる。
考え方によれば、情熱が持てない、というのも生き方のひとつかも
しれない。
むしろこの歌を肯定的に読んだ自分がいました。
あの嘘をそろりと注ぐその日からシャーレに増殖してた白黴
小軌みつき (小軌みつき-つれづれ日和-)
「嘘をそろりと注ぐ」という表現で、精神的状況が生物学的反応
として表されています。
ちょっと読みにくかったのは時制の問題で、「そろりと注ぐ」と
いう現在形と「増殖してた」という過去形。
これが逆ならすんなりと意味が通るのですが、そう簡単にはいか
ない。
注いだときには、すでに白黴が増殖していた?
うーん、ちょっと違うような。
----------------------------------------------
恋として嘘をかさねながら抱く 犬のにおいのする公園で
花夢 (花夢)
初めは犬を抱いているのかと思いましたが、そこにあるのは匂い
なんですね。
「これは恋だよ」と自分にも相手にも嘘を重ねつつ、相手を抱き
しめている、ということでしょうか。
漂っているのは、犬の匂い。腕の中の人も、犬であるかのように
錯覚してしまう。
相手も、そう思いながら抱かれているのかもしれません。
----------------------------------------------
シーソーを漕ぎつつ多分わたしたち嘘はつけない春の公園
秋野道子 (気まぐれ通信)
こちらも、嘘と公園。
恋人同士が、シーソーに乗っているのでしょうか(男の方が、少
し軸寄りに座ったりして)。
普段はいざ知らず、この春の空間の中では、嘘はつけないだろう
なあ、とお互いに思っている。
古来、天秤は公平なる裁き(ジャスティス)の象徴としてありま
した。
この歌には、シーソー以外にはありえないですね。
----------------------------------------------
縁先に仕込む蚊遣りの渦巻に火ともす指を嘘が揺らめく
ひぐらしひなつ (エデンの廃園 ー題詠百首のためにー)
縁側の蚊取り線香に火を付けようとしたとき、誰かが(旦那さん
かな)何か聞いたんでしょうか。
「(昼間の)PTAの集まりでは何か決まったのかね」とか。
「ええ、何にも決まりやしませんわ。愚痴の言い合いばっかりで
…」
とか言いながら、マッチの火が微妙に揺れている。
さりげなく体をずらして、それを隠す。ブタの鼻先から立ち上る
煙…。
また妄想暴走してしまいました。
小軌みつき (小軌みつき-つれづれ日和-)
「嘘をそろりと注ぐ」という表現で、精神的状況が生物学的反応
として表されています。
ちょっと読みにくかったのは時制の問題で、「そろりと注ぐ」と
いう現在形と「増殖してた」という過去形。
これが逆ならすんなりと意味が通るのですが、そう簡単にはいか
ない。
注いだときには、すでに白黴が増殖していた?
うーん、ちょっと違うような。
----------------------------------------------
恋として嘘をかさねながら抱く 犬のにおいのする公園で
花夢 (花夢)
初めは犬を抱いているのかと思いましたが、そこにあるのは匂い
なんですね。
「これは恋だよ」と自分にも相手にも嘘を重ねつつ、相手を抱き
しめている、ということでしょうか。
漂っているのは、犬の匂い。腕の中の人も、犬であるかのように
錯覚してしまう。
相手も、そう思いながら抱かれているのかもしれません。
----------------------------------------------
シーソーを漕ぎつつ多分わたしたち嘘はつけない春の公園
秋野道子 (気まぐれ通信)
こちらも、嘘と公園。
恋人同士が、シーソーに乗っているのでしょうか(男の方が、少
し軸寄りに座ったりして)。
普段はいざ知らず、この春の空間の中では、嘘はつけないだろう
なあ、とお互いに思っている。
古来、天秤は公平なる裁き(ジャスティス)の象徴としてありま
した。
この歌には、シーソー以外にはありえないですね。
----------------------------------------------
縁先に仕込む蚊遣りの渦巻に火ともす指を嘘が揺らめく
ひぐらしひなつ (エデンの廃園 ー題詠百首のためにー)
縁側の蚊取り線香に火を付けようとしたとき、誰かが(旦那さん
かな)何か聞いたんでしょうか。
「(昼間の)PTAの集まりでは何か決まったのかね」とか。
「ええ、何にも決まりやしませんわ。愚痴の言い合いばっかりで
…」
とか言いながら、マッチの火が微妙に揺れている。
さりげなく体をずらして、それを隠す。ブタの鼻先から立ち上る
煙…。
また妄想暴走してしまいました。