題詠100首blog

こちらは「題詠100首blog」のイベント会場です。「イベントの仕組み」をお読みの上、ご参加ください。(五十嵐きよみ)

077:針

2005-12-31 | 071-080の歌
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077:針(エクセレント安田) (風流三昧)
針金を器用に曲げて作りだす数多(あまた)のオブジェ見てて飽きない

077:針(美山小助) (小助の和歌)
出先にて ボタンが外れ 恥ずかしく 針持つ我が手 一人身虚し

077:針(ねこまた@葛城) (ねこちぐら)
運針の不確かなるは歳のせい  いいえもとより不器用なのよ

077:針(しゃっくり) (春雨じゃ)
寿の君は天国引き継いだ吾は地獄の釜の中なり

077:針(しゃっくり) (春雨じゃ)
寿の君は天国引き継いだ吾は地獄の針の筵や

077:針(はこべ) (梅の咲くころから)
秒針がひとまわりするしじまには さくらの蕾色を増すなり

077:針 行方祐美 (やまとことのは)
秒針をこの頃見かけぬ春となり明日の約束ひろう夕暮れ

077:針(西中眞二郎) (しなやかに、したたかに、無責任に・・・西中眞二郎雑記帳)
千人針贈りし人も着けし人も果てし八月また巡り来ぬ

077:針(船坂圭之介) (kei\'s anex room)
銀鱗をひるがへしつつ曳かれ来る鯛の涙のごと見ゆる針

077:針(みずき) (空)
針の穴ぬけてし魂(たま)はほうほうと天上あをき回廊のぼる

077:針(まつしま) (心の空)
今はもう過去とは知らずレコードに針があの曲なぞる優しさ

077:針(丹羽まゆみ) (All my loving ♪)
棒針に育つセーター菜の花の色の時間も編み込むやうに

077:針(草野つゆ) (草野つゆ@はてな)
針千本 約束通り飲むのなら砕いて一気に喉の奥まで

077:針(ほにゃらか) (♪おみそしるパーティー♪)
子のための袋ばかりを縫ふからに針はわたしを<おふくろ>にせむ

077:針(飯田篤史) (ひこうき雲)
はるの日のボタンをとめるきみのてが針から糸へめぐるやさしさ

077:針(よっきゅん) (よっきゅんの100首)
何気ない 言葉が僕の 心臓を 針で刺された ように痛いの

077:針(紫女) (クロッカスの歌)
轢いたのは猫かあなたか真夜中の針葉樹林を車逃げゆく

077:針(本原隆) (それについて)
針と糸器用に使う人になれブルース・リーが言えばやるのに

077:針(aruka) (外灯都市)
真夜中に絶滅危惧種の少年が舗道に針で文字を書いてる

077:針(川内青泉) (青泉の部屋)
小学の家庭科の時おさぼりか運針にがて料理も苦手

077:針(柴田匡志) (明日はきっといいことがある)
針の穴なかなか糸の通らずに眼精疲労目薬をさす

077:針(春畑 茜) (アールグレイ日和)
針刺しに針のひかりを立たせおく木綿の糸の紺をのこして

077:針(畠山拓郎) (想いまっすぐに)
さっぱりと理解できない授業とか針の筵に堪えられなくて

077:針(animoy2) (~うたよみ日記(短歌とともに)~)
針先にかかった魚うまくとる 惚れてしまったただそれだけで

077:針(新津康) (NOTHING WORKS)
あの彼(ひと)は指きりしても針など平気。私の言葉が針でも。...

077:針(暮夜 宴) (青い蝶)
野良犬にさえなれなくて俯いた空に待ち針ほどの悲しみ

077:針(水都 歩) (水都blog)
来ぬ人をずっと待ってる駅前の大きな時計の秒針見つめて

077:針 (暗黒星雲)
先のない俺にはたぶん糠に釘 針のむしろとなるはずの日も

077:針(髭彦) (雪の朝ぼくは突然歌いたくなった)
少女など買ふ男らの捕まりて妻子の座る針の筵に

077:針(藤原 湾) (湾の歌詠の日々。)
いつ見てもすごく気になるハリセンボン針の数を数えてみたい

077:針(秋野道子) (気まぐれ通信)
針のない空綴じをしたホッチキス「ご飯はまだ」と上目遣いに

077:針 (新井蜜) (暗黒星雲)
先のない俺にはたぶん糠に釘 針のむしろとなるはずの日も

077:針(西宮えり) (aglio-e-olio)
紫の雲はうらはら針を刺す密度できみに会っても良いか

077:針(ゆあるひ) (ゆあるひの鍛高短歌4)
昇華したフタール酸は束の間の針状結晶の後に溶けゆく

077:針(中村成志) (はいほー通信 短歌編)
刺したのは蜜蜂でしょう首すじの針を深紅の爪が引き抜く

077:針 (青野ことり) (こ と り の ( 目 ))
すんなりと通らなくなり針の穴 別の世界が邪魔をしている

077:針(スガユウコ) (ココロに花を)
どうしても理解できない構造がナンなんだろう針穴カメラ

077:針(濱屋桔梗) (桔梗の独白)
秒針も分針も抜きゆくけれど結局同じ時間を刻む

077:針(ドール) (花物語?)
ぐるぐると同じところをまわるだけ何処へも行けぬ時計の針は

077:針(改行やたら好きな人) (骸骨レイアウト)
 指さきに  そげが刺さって  騒いだら  針あぶられて  あおざめました

077:針(Yosh) (★光に向かって★)
良き事は亀足の如く伝われど 悪事、針小棒大に飛ぶ

077:針(ざぼん) (グレイト・エスケイプ!)
針のような言葉ちっとも平気だよ全てが悲しいほど熱い人

077:針(ふしょー) (DEATH IS A LONELY BUSINESS)
つんつんに立てたおいらの髪の毛は君限定の避雷針です

077:針(謎彦@題詠100首) (ジャポン玉)
シーボルト・三浦按針・ザビエルは白銅ほどもつよき頬骨

077:針(やな) (やなさんの基地)
我がうちの無数の針に触れた手のその血を抱いて落ちていきます

077:針(みゆ) (*** ことばあそび ***)
羅針盤 進むべき道導きて迷う事なく目的地へと

077:針(愛観) (ひ と ひ ら こ と ば)
満たされず人差し指を針で突く赤い地球が丸く膨らむ

077:針(わかば) (わかばのうた)
針ばかりそんなに撒いてでも絶対空の話をし続けるから

070:針(あんぐ) (あんぐの短歌)
腕時計の秒針のごとく忙しいあなたはきっと暇人だよね(077)

077:針(あんぐ) (あんぐの短歌)
腕時計の秒針のごとく忙しいあなたはきっと暇人だよね

077:針(寺田ゆたか) (素浪人Joeのスローライフ)
・針千本のまされたとてわが癖の小さな嘘は止められもせず

077:針(goldfish) (月と金魚鉢)
針の上に座る気持ちで劣勢の会話へくる日も通勤をする

077:針(花夢) (花夢)
うつくしい夜にかぎってレコードの針が壊れてうまく泣けない

077:針(澁谷 那美子) (題詠100首に参加中)
シャツの釦直しをりせばあの指の針の動きを君が見つめむ...

077:針(小早川忠義) (ただよし)
振り向かぬ君に向かひて背後から心を突き刺す針になりたし

077:針(るくれ) (とっても単純なこと)
秒針を真っ赤に塗って走ってもふたつの夢は混ざらないもの?

077:針(五十嵐きよみ) (ドン・ジョヴァンニはアリアを歌わない)
(審査員のひとりが奴の)オーディション前まで時計の針を戻そう

077:針 (     Popん?TANKA)
針葉樹の強さのように風に立て若き獅子たちよ夢へ走れ

077:針(遠山那由) (百億粒の灰の鳴る空)
痛みだけが友達だった掌を何度も刺したコンパスの針

077:針(笹井宏之) (【些細】)
釣り針に路面電車がひっかかりあわてて糸を切ったのでした

077:針(碓井和綴) (雨歩日記)
最後には針金のように締め付ける指輪はハッピーエンドに贈ろう

077:針(日下智世) (万美愛任叶結実)
君を待ち時計の針を眺めてる日付が変わる頃ドアの音。

077:針(桑原憂太郎) (桑原憂太郎.com)
針を刺す代はりに少女は夜半過ぎにデイスプレイに悪罵を放つ

077:針(原田 町) (カトレア日記)
針生姜に青紫蘇そえし冷や麦を梅雨空つづく食欲にせん

077:針(星桔梗) (風船がわれるまで)
長針と短針出会うその刹那眠りに落ちた君は小悪魔

077:針(栗凛) (ス芸紙一重?)
針の穴から覗くあの大空をくださいなんて頓知は聞かない

077針(帯一 鐘信) (361℃)
変ります 針人間の猛烈が猛烈なほど和尚の頭

077:針(はるな 東) (菜の花の道)
七色の帽子をつけたマチ針で作るオブジェに願い込めつつ

077:針(智理北杜) (智理北杜)
羅針盤が未来を指した もう二度と明けない夜の帳が下りる...

077:針(なまねこ) (路地裏稼業)
針山の奥に隠れた縫い針で刺されるような不意打ちがあり

077:針(鈴雨) (鈴雨日記)
猛毒のことばで鎧った針ねずみに彼女をしたならそれがかなしい

077:針(びっきい) (チョキで殴るぞ!)
毒針に刺された方がましですよ あなたにじっと見られるよりも

077:針 (紫峯) (時空の扉)
人の世に一冊だけの歌集ゆえ金の針にて装丁すべし...

077:針(David Lam) (でたらめなうたどもよ!)
針のごと別れの言葉待ちいしが君が「さよなら」猶もやさしく  

077:針(みの虫) (みの虫が居る「書」のぷらぷら道)
針の先に止められてゐる伝言あるやうでない選択肢

077:針(素人屋) (素人屋雑貨店)
夕食の空気の和み薄皮に針刺すように子は席を立つ

077:針(飛鳥川いるか) (しぐなすの短歌感電ノート)
この愛の巷に電気検針員「レイ子」はたぶん魔性のをんな

077:針(小雪) (朱紗)
知らせ待つ 身内の安否 気になりて 部屋に響くは 秒針の音

077:針(おとくにすぎな) (すぎな野原をあるいてゆけば)
九時二分ゆびさす針を袖口にアップリケして見送りにゆく

077:針(富田林薫) (カツオくんはかもめ第三小学校5年3組&『まぐろ袋ブログ』)
立ち込める夏のかおりにあわよくば避雷針から求婚されて

077:針(佐藤紀子) (「題詠100首blog」参加作品)
嘘つけば呑まねばならぬ針千本棚上げにして「嘘も方便」

077:針(月影隼人) (人間万事塞翁が馬)
絶対に針を飲むのは嫌だから君と交わしたゆびきりだけは...

077:針(やすまる) (やすまる)
乗換えて「小針」を過ぎたらあと半分 近づいてくる「ばあちゃんちの夏」

077:針(みなとけいじ) (海馬)
心の辺に針あつまって集まって憎しみよりも痛む言葉は

077:針(彼方) (心を種として)
針先をめまいするほど凝視しておのれの悲哀と対峙している

077:針(振戸りく) (夢のまた夢)
かえしのない釣り針みたいな手紙なら太平洋に撒いたっていい

077:針(小籠良夜) (DARKSIDE OF THE MOON)
大海に投じられたる金の針きみをすくいにゆくぼくのひれ

077:針(凛) (臥薪嘗胆)
もちろんさ気づいていたよそんなこと君が毒針忍ばせてるの

077:針(ワンコ山田) (歩道を走る自転車のこども)
くるりくる定まらぬ風身に受けて磁石の針に逆らうばかり

077:針(末松さくや) (旅人の空(待ち人の雪別館))
秒針がきこえるくらいきみの腕ちかくもたれて縮まってゆく

077:針 (お気楽堂) (楽歌三昧)
針千本飲むより辛い嘘もある多分あなたも知っているのだ

077:針(市川周) (ミルミルを飲みながら)
僕たちは傷つけあってまるで針ねずみのようだねとアルマジロ

077:針(田崎うに) (楽し気に落ちてゆく雪)
 青葉とのお別れのため針葉樹森を抜けたら気配は秋に

077:針(野良ゆうき) (野良犬的)
秒針の支配下にあるこの部屋の静けさと組む共同戦線

077:針(村上はじめ) (spidyな日々)
秒針が真上に来たら話そうと壁の時計を見つめる 虚空

077:針(岩井聡) (North Marine Drive)
秒針に抜かれるだけが生ならば爆ぜる蓮花の夢もまた痴夢

077:針(ぱぴこ) (テクテク)
終止符を打たないままで襟元に忘れ去られた待ち針がある

077:針(本田瑞穂) (空にひろがる枝の下から)
買ってきた二重ガーゼのゆく先はミシンの針にまかせっきりで

077:針(瀧口康嗣) (可燃性連鎖)
窓を打つ雨が(世界は突然に)針の形で目を痒くする

077:針(萱野芙蓉) (Willow Pillow)
月光は繊やかな針、血流にまじらぬままに身ぬちをめぐる

077:針 (里坂季夜) (コトノハオウコク)
待つのには飽きた頭は捨てた でもぼくはやっぱり待針だった

077:針(松本響) (春色ぶれす SIDE-D)
身体がばらばらとなる夕暮れに買い求めてる針と髪の毛

077:針(kitten) (kitten song)
静寂を裂く針の落ちる音が、沈黙とは絶望に似た病。

077:針(佐原みつる) (あるいは歌をうたうのだろう)
運針のあやうい丸い指先のそれでも縫い上げる五時間目

077:針(空色ぴりか) (題詠100首blog/空色ぴりか)
やさしそうな言葉にそっと仕込まれた針がちくちく吾の胸を刺す

077:針(今泉洋子) (sironeko)
縫針で縫つてあげたしゆふばえのすこし気になる空の綻び

077:針(我妻俊樹) (喜劇 眼の前旅館)
いつもの声のはじめて会う人駅前に七時で針の止まった広場

077:針(あおゆき) (メソトリウム)
秒針の世界はまわる退屈な薔薇があくびをしているときも

077:針(水須ゆき子) (ぽっぽぶろぐ)
針山の針ひとつずつ数えては好きになれない姑と蛸

077:針(上田のカリメロ) (ほわほわの森)
ちくちくと一針一針縫いすすむ 幼き子らの通い袋を

077:針(田丸まひる) (ほおずり練習帳。)
きみの好きなひとがやさしいことくらいわかる運針ゆびでたどれば

077:針(みち。) (虹色アドレナリン。)
やさしさの針があたしの水風船刺した 神様、こぼしてもいい?

077:針(Harry) (四月なかなか)
縫ひ針をときどき頭にこすりつけ浴衣など縫ふ母のいませり

077:針(幸くみこ) (そこそこがんばる)
刺繍針ひたすら×(ばつ)に刺しながら 「結婚祝?」ふと手が止まる

077:針(KARI-RING) (ほとりほとりと藍色の海)
穴あいた帽子を針で繕っただけで大喜びする男を信じる

077:針(方舟) (方舟)
明朝の秋晴れを期し釣り針の仕掛け整ふ老眼鏡に

077:針(理宇) (±雑記蝶)
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077:針(佐藤羽美) (one hundred gumdrops , elephants and sandals)
文字盤を滑り落ちたる秒針が蔓植物に変わる瞬間

077:針(きじとら猫) (きじとら小部屋)
どこまでも樹々の緑が深すぎて二度と出られぬ針葉樹林

077:針(かっぱ) (きゅーりをこのむ)
針先のほんのわずかな傷口でみるみる腐っていったオレンジ

077:針(睡蓮。) (睡蓮。の隠れ家ブログ)
鈍色の雨が降る降る針のよに痛い痛いと彼岸花咲く

077:針(斉藤そよ) (つれづれつづり)
すきのない立ち居振る舞い見届けて神無月です針葉樹林

077:針(黄菜子) (月待ち人の窓辺)
行き先を決めぬ旅こそ面白い古い羅針盤は鰐にくれやる

077:針 (砺波湊) (となみ☆みなと)
十二時で魔法がとけて針鼠に戻るんだけど抱き続けてね

077:針(黄菜子) (月待ち人の窓辺)
行き先を決めぬ旅こそ面白い古い羅針盤は鰐にくれやる

077:針(shall3) (山歩き録)
針のよな 緑の松葉 鮮やかに とがりて立ちぬ 青い空まで

077:針(夢眠) (夢眠・日々綴り)
繕うかぼやけて見えぬ針の穴泣いて霞んだ訳じゃないのに

077:針 (みあ) (言の葉たち)
信じきることの出来ない風船は針先ほどの邪心に消える

077:針(内田誠) (その言葉の行方)
蛍光の塗料を塗ったマチ針で留めた翼が光る暗闇

077:針(わたつみいさな。) (乱切りくじら)
今はもう傷つくこともないけれどあなたが刺した針ならわかる

077:針(癒々) (Romantic irony)
祈るように縒った生糸が針穴にどうしてもどうしても通らない

077:針(癒々) (Romantic irony)
祈るように縒った生糸が針穴にどうしてもどうしても通らない

077:針 (如月綾) (お気に召すまま)
罰ゲーム考えようか?針千本よりも手軽に課せれるものを

077:針 (題詠100首blog-あいっちのうたあそび。)
この夏のあなたは嘘をついたけど針は千本飲まなくていい

077:針(ヒジリ) (*tRIGger.)
いままでの明日と今日のゆめうつつパチリさされた針の先折る

077:針(新藤伊織) (月が堕ちるころ)
どれほどに想っていても叫んでも避雷針へとのみ込まれてく

077:針(新野みどり) (明日は明日の風が吹く)
ジャケットの取れたボタンを留めようと数年ぶりに針を手にする

077:針(瑞紀) (歌信風(かしんふう))
約束を何もせざれば針千本飲ますることができぬ 互ひに

077:針(濱田花香) (紅葵爽♪)
数億の神経細胞ハ 針痛す。虐待暴力の辛さ名残ぞ。

077:針(透明) (limerence)
約束は仮縫いに似て気を抜けば待ち針で手を刺したりもする

077:針(遠藤しなもん) (忘れちゃった。)
不器用な針はかくしておきました 恋をしたてのヤマアラシです

077:針(まほし) (うた・たね)
珈琲の縁にレコード針下ろし君の吐息を察する夜更け

077:針(林本ひろみ) (いきがかり上いたしかたなく・ぶろぐ)
針のような言葉を君に投げつけるわかってほしい本当のこと

077:針(村上きわみ) (北緯43度)
つくづくとひかる縫い針うけとめて木綿豆腐の生真面目な白

077:針(寒竹茄子夫) (鶴太屋別館「マニエリスム」)
針の瞳(め)の黒猫わが辺(へ)に昼つ方琥珀いろの大鼠なぶる

077:針(フワコ) (きくとわたし)
金色の針を飲んだら金持ちになれると聞いてまだ悩んでる

078:予想(わたつみいさな。) (乱切りくじら)
予想した夜明けはやっぱりやってきてファンデーションは半分昨日

077:針 (翔子) (花こみち)
はじけだす綿の実四つ十字架に針山くらいできるといいな

077:針(橋都まこと) (笑って東京サヴァイヴァル)
レコードに針を落としていく時の緊張感に止まった時間

077:針(もりたともこ) (短歌、すきです。)
目の前へ飛びくるものに毒の針あるかなきかと迷い見ており

077:針(ひろこ) (ひろたんの創作日記)
あと少しお題を詠みて脳ひねり 私の歌の羅針盤になる

077:針(yurury**) (Scene-Flow into space*写真短歌・五行詩)
針穴に通らぬ我の現実は千々に撚れ撚れ絡まる糸屑

077:針 夜さり (夕さり夜さり)
畳針五寸の長きしろがねのぎらんぎらんが盆の窪打つ

076:針(まゆねこ) (家事、ときどき短歌)
千人針携え征きし父の死は終戦前年八月なりき

077:針(まゆねこ)再投稿 (家事、ときどき短歌)
千人針携え征きし父の死は終戦前年八月なりき

077:針(まゆねこ)再投稿 (家事、ときどき短歌)
千人針携え征きし父の死は終戦前年八月なりき

077:針 (象と空)
陽が落ちて獣の匂い鼻に来る斜めに歩く針葉樹林

077:針 (にしまき) (びおん書局 ※にしまき※)
口だけで嘘吐き通す意思もない布団針なら貫通するか

077:針(島田久輔) (裏庭のきりぎりす)
錆び付いたごとく動かぬ羅針盤 もう少しだけ信じさせろよ

077:針 (ケビン・スタイン) (In Other Words・別の言葉で)
星たちを数える夜中針山に刺した叶わぬ希望のように

077:針(究峰) (思い浮かぶがままに)
針刀鬼の身体に突き刺して一寸坊師は暴れ狂ひたり...

077:針(大辻隆弘) (大辻隆弘 題詠100首のために)
平針は名古屋の果つるところにてやや丘となる初秋のひかり

077:針(浅葱) (空耳の森*番外地)
長針が一つ動けばあの日から一年が経つ もう、忘れなさい

077:針 (佐田やよい) (言の波紋)
ガリバーの大きな服を縫い合わすお針子になる日曜の午後

077:針(ことら) (ことらのことのは)
仏蘭西の香水染むる針箱の銀の指貫盗みたき春

077:針(ゆづ) (透明ランドセル)
針千本分の約束 その細い小指はちぎれてしまうね、たぶん

077:針(けこ) (あきのうた声)
磁場乱す熱情ありて狂騒の方位磁針に騙されたこと

077:針(ひぐらしひなつ) (エデンの廃園)
針箱に針の輝き 夏草の匂いも色も置き去りにして

077:針。   (P) (猫の毛玉 別荘 -しろうとたんか-)
刺さったら痛いとわかっていながらも 触れなば触れよ針の切っ先

077:針( 小軌みつき) (小軌みつき-つれづれ日和-)
干からびた砂地にかつてなくしたままのいつかの羅針盤を見つけた9月

077:針(pig_pearl) (ブタに真珠)
腕時計 とくに秒針 好きなのよ 分かるでしょうか チクチクタクタク

(077:針) 小軌みつき 再投稿  (小軌みつき-つれづれ日和-)
干からびた砂地にかつてなくしたままの羅針盤を見つけた9月

077:針(堀 はんな) (たん たん 短歌)
夕べから君の地雷を踏むまいと針呑むごとく言葉詰まりて...

076:針(小太郎) (ねこのにくきゅう)
秒針が刻み始めた音(ね)に押されゴールを目指すアスリート達

077:針(内田かおり) (題詠2006深い海から)
ホチキスの使い勝手を知った児が針なくなったとまた言いに来る

077:針(近藤かすみ) (気まぐれ徒然かすみ草)
『秒針』の弛みを見せぬ働きを無視する族を世間と呼ばむ (乾千枝子歌集 本の泉社)

077:針(折口弘) (はっちんずBLOG)
レコードの針が下りていく瞬間の息詰めていた空気ピリピリ

077:針(のんちゃん) (のんちゃんの衣裳部屋裏)
針穴が見えぬが勘で糸通す最近その勘も針穴みたいだ

077:針(瀧村小奈生) (陽だまりのふちっこで)
水泡に針を当てればあふれだすわたしの水の部分に触れる...

077:針(春村蓬) (風見鶏)
ゆるやかに午前が過ぎて今午後へ時計は丸く針を運べり

077:針(星川郁乃) (Air Station)
レコードに針を落とすという死語を懐かしい日のタイトルとして

077:針(中野玉子) (薔薇がなくちゃ生きていけない)
逃げ込んだ先はなぜか針山でいつだってちぐはぐだった あきらめもつく

076:あくび (nine) (songs)
スペードのエースがくにゃりと音を立て大あくびする黒猫現る

077:針 (nine) (songs)
一対の瞳大きく膨らんで「思い出せ」針の瞳孔が刺す

077:針(ベティ) (Betty's second Bar)
わたしにはいらないはずの羅針盤もう後悔の海に戻らず

077:針(みにごん) (MINI'S LIFE blog)
短針は未来を指して笑ったり泣いたりしてる青いリズムで

077:針(くろ) (鎌倉日記)
運針のうつくしきははの手のひらが糸をとほせる針を欲しぬ

077:針(魚虎) (脳内に散らばり在りし言の端をDJ的感覚で編む棄てるダム)
待ち針で留めておいたはずの言葉あなたのものになってしまった

77.針(文月万里) (Kagerou つれづれ)
呑まされた針千本がわたくしの骨をいっそう逞しくする

077:針(千) (Mille et une nuits)
まち針を打ちてズボンをまつり終え畳んでおきぬ/もせぬように