はるの日はためらいがちなぼくたちのやさしい王の政治のように
飯田篤史 (ひこうき雲)
王政は、どんなに立派な王が行っても独裁であることに変わ
りはありません。
やさしく包み込む、抗いがたい支配。春の気分とは、まさに
そんな気分ですね。
2句が3句にかかり、それが「やさしい→王→政治→ように」
とかかり、その全体が「はるの日」に導かれる。
複雑な構造ですが、意味を掴むのはそれほど困難ではない。
技巧的にもうまいなあと思いました。
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合併の町に小さな政治あり曇硝子を塞ぐポスター
水須ゆき子 (ぽっぽぶろぐ)
「政治」というお題。今の政治に遺憾の意を表する人が多か
ったですが、その中で、政治の複雑さを風景描写的に詠んだ
歌だと思いました。
「小さな政治」とは、すなわち住んでいる人にとっては、一
番身近で大事な政治。
そして、卑近な政治でもあります。
「曇硝子」をわざわざ「ポスター」で塞ぐ。
息苦しいほどの閉塞感が表れています。
建物にとっても、政治にとっても。
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この店に今度入ってきた人と政治とか愛とかの話をしたい
やすまる (やすまる)
「とか」の使い方が好きです。
別に政治や愛でなくても(お好み焼きとかカンガルーとか人
類とか終末とかでも)、なんでもかまわない。
さらに言えば、話し合う人も誰でもかまわない。
胸の内を打ち明けたいし、打ち明けてほしい。
初めに読んだときは「おいおい」と突っこみたくなるような
楽しい歌でしたが、だんだん胸が切なくなってきました。
そんな歌です。
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野いばらにおるがんの音照り映えて恐怖政治下したたる五月
萱野芙蓉 (Willow Pillow)
「恐怖政治」の読み方で、歌意が変わってきます。
恐怖政治(戦時下日本とかスターリンとか)の元でも新緑の
季節は巡ってくるのだ、という意味か。
五月という季節そのものが「恐怖政治」であるのか。
どちらを取っても、胸に響く歌です。
いばらの緑、紫外線降り注ぐ五月の太陽、そして「おるがん」。
その音色は、呪術的にすら聞こえるのでしょうか。
飯田篤史 (ひこうき雲)
王政は、どんなに立派な王が行っても独裁であることに変わ
りはありません。
やさしく包み込む、抗いがたい支配。春の気分とは、まさに
そんな気分ですね。
2句が3句にかかり、それが「やさしい→王→政治→ように」
とかかり、その全体が「はるの日」に導かれる。
複雑な構造ですが、意味を掴むのはそれほど困難ではない。
技巧的にもうまいなあと思いました。
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合併の町に小さな政治あり曇硝子を塞ぐポスター
水須ゆき子 (ぽっぽぶろぐ)
「政治」というお題。今の政治に遺憾の意を表する人が多か
ったですが、その中で、政治の複雑さを風景描写的に詠んだ
歌だと思いました。
「小さな政治」とは、すなわち住んでいる人にとっては、一
番身近で大事な政治。
そして、卑近な政治でもあります。
「曇硝子」をわざわざ「ポスター」で塞ぐ。
息苦しいほどの閉塞感が表れています。
建物にとっても、政治にとっても。
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この店に今度入ってきた人と政治とか愛とかの話をしたい
やすまる (やすまる)
「とか」の使い方が好きです。
別に政治や愛でなくても(お好み焼きとかカンガルーとか人
類とか終末とかでも)、なんでもかまわない。
さらに言えば、話し合う人も誰でもかまわない。
胸の内を打ち明けたいし、打ち明けてほしい。
初めに読んだときは「おいおい」と突っこみたくなるような
楽しい歌でしたが、だんだん胸が切なくなってきました。
そんな歌です。
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野いばらにおるがんの音照り映えて恐怖政治下したたる五月
萱野芙蓉 (Willow Pillow)
「恐怖政治」の読み方で、歌意が変わってきます。
恐怖政治(戦時下日本とかスターリンとか)の元でも新緑の
季節は巡ってくるのだ、という意味か。
五月という季節そのものが「恐怖政治」であるのか。
どちらを取っても、胸に響く歌です。
いばらの緑、紫外線降り注ぐ五月の太陽、そして「おるがん」。
その音色は、呪術的にすら聞こえるのでしょうか。