早起き鳥 

【未明混沌】今日も必ずお元気で…!

rakuten

一本の木もなく、空の青もない

2013年07月31日 03時19分26秒 | 読書








たくさんの人の住む
石造りの箱、

無数の川のように
あちらこちらに通じる
高い石の割れ目、

その中の人並み、
うるさい音と大騒ぎ、
すべてのものに
降り注ぐ黒い砂と煙、

一本の木もなく、
空の青もない、
明るい風もなく、
雲もない所、

これをパパラギは
「都市」と呼び
それを作ったことを
誇りにする。

たとえそこには
一本の木も森も
広々とした
青空を見たこともなく、

まだ一度も大いなる心と
対面したことのない
人間ばかりが住んでいようとも。

 「パパラギ」
     はじめて文明を見た南海の酋長ツイアビの演説集







     
     












大都市の街並みこそが
文明の証し
ずっと信じて疑わなかった
憧れの大都会

サモアの暮らしと比較して
どちらが文化的なのか
それはもう哲学の領域かも

今まさにサモアの人がいう
パパラギの暮らし
そのものが自分の暮らし

でもこれを改めて、もっと田舎で
サモアの人のような
暮らしをする勇気はない

こうしてブログの日記
ネタにはなっても
現実の暮らしは
そう簡単には変えられない

サモアの人の暮らしに敬意を表し

これからの生き方に
思いあがりをつつしみ
自然の摂理を
破壊するような意思だけは
排除せねば…

      早起き鳥






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お金持ちになって召使を…!

2013年07月30日 03時16分27秒 | 読書








ときにパパラギは、
彼のいわゆる家庭の安息を捨て、
仕事のための箱へ移る。

ここでは誰も
邪魔をしてはいけないし、
妻や子供もはいってはいけない。

その間、娘と妻は
料理小屋で食事を作ったり
足皮を光らせたり、
腰布を洗ったりしている。

お金で召使いがいる場合、
それは召使の仕事であり、
娘や妻たちはよそを訪問したり、
新しいごちそうの
材料を探しに行ったりする。

こんなふうにヨーロッパでは、
サモアのヤシの木の数ほど、
いやもっとたくさんの
パパラギが暮らしている

 「パパラギ」
     はじめて文明を見た南海の酋長ツイアビの演説集







     
     












ジャパニのお父さんは
なかなか自分の箱に帰れない
いや帰らないのかもしれない
会社という大きな箱から出られない

そして夜中日付がかわるころ
最終電車に乗って自分の箱に帰る
家族はもう夢の中

自分の箱に自分の書斎
というホンのささやかな
ちいさなお父さんの夢

でもそれは永遠に叶わぬ夢
今の現実の箱には
お父さんの存在さえ感じられない

何のために仕事をして
何のために自分の箱をつくったのか
省みる時間さえない

多額のローン返済のため
より一層の過激な仕事をもとめて
上司に嫌われないように頑張るお父さん

あああ、お察し申し上げる

      早起き鳥






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木の翼をいくつも通り抜けて…!

2013年07月29日 03時18分03秒 | 読書








この小屋にはさらに、
平らなたくさんの
石の壁で仕切られており

木の翼をいくつも通りぬけ、
箱から箱へはいっていく。

そのたびに、箱は
だんだん小さくなる。

それぞれの箱、
これをパパラギは
「部屋」と呼ぶ


サモアの小屋に吹くような
新鮮な風は
どこからも入ってこない。

このような箱の中で、
サモアの人なら直ぐに
窒息するだろう。

その上、料理小屋から出る
匂いも出口をさがしている。

といって、外から
はいってくる風がずっと
ましだと言うものでもない

だから不思議でならないのは、
どうして人がこの箱の中で
死んでしまわないのか
ということである。

 「パパラギ」
     はじめて文明を見た南海の酋長ツイアビの演説集







     
     












なんとも厳しい御指摘
外との環境を完全シャットアウト
完全密閉の魔法瓶のような箱の家

各部屋は断熱材をふんだんに使用し
完全冷暖房で常に25℃
一年中、Tシャツで暮らせる
快適空間を手に入れるのである

子供はしょっちゅう
風邪をひいて高熱を出す
インフルエンザなど
ウィルス疾患が大流行

その対処として完全滅菌処理
まるで無菌状態での暮らし

外出時にはマスクを常用し
その暮らしは昔とは様変わり、
ますます、サモアの人々の生活様式からは
遠く離れていく

梅雨が明ける前から冷房使用も凄まじい
でも職場や公共施設では省エネ
もう身体がびっくり
いつも変調をきたし

まったくもって、病忙しい人々
ジャパニの最近事情である

      早起き鳥






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他の家のことは何も知らない…!

2013年07月28日 03時30分07秒 | 読書








たいていの小屋には
サモアの一つの村くらい
たくさんの人間が住んでいる。

だから、訪ねようとする
アイガ(家族)の名前は
正確に覚えてなければならない。

それぞれのアイガは、
石の箱のどこか、
上か下か真ん中か、

または右か左か真正面か
とにかくどこか一つの所に
住んでいるからだ。

それぞれのアイガは
壁一枚をへだてて
隣り合っているにもかかわらず、

普通、ほかの家のことは
何も知らない。
まったく何も知らない。

いっしょに
住まなければならないことに
よっぽど腹が立つらしい

 「パパラギ」
     はじめて文明を見た南海の酋長ツイアビの演説集







     
     












マンションを考えると
たしかに最重要事項は
マンションの名前と部屋番号

普通の民家では○○町○○字で
郵便局の配達人は易々と届けてくれる

でもマンションだと
部屋番号だけが頼り
表札もなく、間違いなく
郵便物が届くのが不思議

耐震性に優れ
災害からも安全を
うたい文句のマンション

雪かきも不要、台風の備えも不要
万一の場合の避難勧告も
非難しない方が安全かも

でも一方では悲惨な孤独死や
考えられないような犯罪
殺伐とした居住空間

そんなマンションを
ジャパニの人々は
スゴイ借金をして全財産をはたいて
手に入れるのである

でも隠居の身になれば、
駅前のバリアフリーのマンション
そんな暮らしに憧れてしまう

      早起き鳥






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パパラギの住む家は石の箱

2013年07月27日 03時14分11秒 | 読書








パパラギは、
巻貝のように堅い殻の中に住み、

溶岩の割れ目に住むムカデのように、
石と石のあいだで暮らしている。

頭の上も、足の下も、
からだの周りもすべて石である。

パパラギの小屋は石でできていて、
まっすぐな箱のような形をしている。

たくさんの引き出しがつき、
あちこちの穴だらけの箱である。


この石の箱を出入りするのは、
たった一つの場所からだけである。

この場所をパパラギは
家を出るときには出口と呼び
入るときは入口という。

たとえ二つの名前がついていても
二つはまったく同じものだ

 「パパラギ」
     はじめて文明を見た南海の酋長ツイアビの演説集







     
     












コンクリートの中での
暮らしも一般的だが
やはり木の香りがする
木造住宅で住みたい

とたくさんの借金をして住んできた
今振り返れば、
木の家も石の家も同じかも

仕切って区切って
ドアという入口兼出口から出入り
家族といえどプライバシーを守り
自分の時間を過ごす

これが幸せであり
満足のいく暮らしである

そんな当たりまえの僕たちの暮らしも
サモアの人から見れば、
なんと不思議な暮らし、

ものの考え方、生活文化
何もかもが僕の常識は
他人の非常識である

こうして省みることも
ある意味、楽しいものである。

ところでサモアの人たちは
入口と出口が違うのだろうか
どんな住み家なんだろう…?

      早起き鳥






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