竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
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掃きとりて花屑かろき秋うちは 西島麦南

2018-09-01 | 


掃きとりて花屑かろき秋うちは 西島麦南


秋団扇(あきうちわ) (秋の季語:生活)
     秋うちは(秋うちわ) 秋扇 団扇置く 捨て団扇 忘れ団扇

季語の意味・季語の解説
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 秋になって使われなくなった団扇を秋団扇(あきうちわ)と呼ぶ。
 単に団扇(うちわ)とすれば夏の季語。

 古くから使われる季語に「秋扇(あきおうぎ)」があるが、これより、生活感が強い。

 団扇置く、捨て団扇、忘れ団扇などの副題も「あはれ」を感じさせる。

季語の用い方・俳句の作り方のポイント
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 クーラーの普及したこの時代に、夏の季語として団扇(うちわ)に注目するということだけを見ても、俳人というのは特異な表現者です。

 ただ、それに飽き足らず、涼しくなってあまり見向きもされなくなった「秋」の団扇にも詩情を抱き、それを季語として積極的に詠んでいこうというのですから…

 俳句はなんとも懐の深い文芸です。

 秋団扇が俳人に詠ませようとするもの…
 それはやはり「 あはれ 」であると思われます。 


 嫁がせて秋の扇を使ひけり 沢 ふみ江
 
 捨てられぬ扇文箱の中に在り 大森扶起子
 
 出囃子にそつと畳める秋扇 寺井芳子
 
 語り部のときどき使ふ秋扇 日下野仁美
 
 信濃にもパリにも行きし秋扇 松本恍昭

 やせぎすの猫の踏みゆく秋団扇 (凡茶)

 掃きとりて花屑かろき秋うちは 西島麦南
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