竹とんぼ

先達の秀句を味わいながら
自得の一句を求めて多作多捨です
古希すぎの晩学で楽しみながらの遅々緩歩です

晩学の小さき応え冬苺  たけし

2018年01月14日 | 
晩学の小さき応え冬苺




俳句を始めたのは古希を迎える前年だった
以来6年 文字通りの晩学だった
休まず急がずを念頭につづけてきた
最近はいくつかの気づきもあって面白くなってきた

気が付けば雪の中の小さな苺
小さな小さな実りが温かい


原句発表 2014/2/15 岳37-4
晩学の小さな応え冬苺

「小さな」を「小さき」に改めた
説明的なところが薄らいだ感じだが・・・
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大マスク防ぎにあぐぬ大陸禍 たけし

2018年01月11日 | 
大マスク防ぎにあぐぬ大陸禍




大陸からの黄砂塵
この季節になると大型のマスクが目立つ
黄砂は江戸時代から飛んできていたようだが
最近は黄砂どころかミサイルまで
到底マスクでは防げない



原句発表 2013/2/15 岳36-4

大マスク防ぎあぐねし大陸塵
大陸塵は黄砂のことで
大マスクと季語が重なる
大陸からは黄砂を凌ぐ災禍がやってくるので
大陸禍としてみた
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奥津城のなにも動かず余花曇 流伴

2018年01月06日 | 
奥津城のなにも動かず余花曇




奥津城は墓域
時期におくれた余花がさびしく
おりからの川風にゆらいでいるが
他に動くものは無い
無音の静寂があるばかり
この景は昨年もまたその前年も同じ
くもった空も同じようだ
悠久の時の流れ
何も変わるものは無い


発表 2016/9/25  地梼圏
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薬喰理性のへこむ好奇心 流伴

2018年01月03日 | 
薬喰理性のへこむ好奇心



げてもの料理には勇気が必要だが
その味覚には魅せられる
一度はまるとその好奇心は膨張する
薬膳料理にもそのきらいはあえう
おそるおあおる箸をつけるのだが
いつか理性は飛んでいる

発表 2016/2/2 街118x
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遠嶺の一望に満つ寒気かな 流伴

2018年01月02日 | 
遠嶺の一望に満つ寒気かな




遠山の連山に雪
その前から此方までは大刈田
一望の冬景色の整然とした佇まい
身も心も引き締まる


原句発表 2016/1/14 地梼圏66
遠嶺の一望と云ふ寒気満つ
語順と措辞を改めた
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顔ぢゆうに構え漲る大くさめ  流伴

2018年01月01日 | 
顔ぢゆうに構え漲る大くさめ





嚏の出る時じゃ途中で停まることはできない
でる瞬間には大きく構えるかたちになっている
矜持も威厳もあったものではない
鼻水まで吹き飛んでからには
しならく声もない


発表 2015/12/10 街117
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白障子ひと日を閉づる音ひとつ  流伴

2017年12月31日 | 

白障子ひと日を閉づる音ひとつ



真っ白に張り替えられた障子
冬座敷の設えは凛として清しい
小さくも音立てて閉じた障子は
有無を許さぬたたずまいだ
見事な一日の終わりである



癌句発表 2015/1/15 岳38-4
音ひとつひと日を閉じし白障子

下五を上五にでぃたことで
句意が明らかになった
またこの句意では「閉ず」の新かなでは
しまらないので「閉づ」とした
旧かな ならではの毅然さが出たようだ
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両耳に喰いついてくる寒九郎

2017年12月30日 | 
両耳に喰いついてくる寒九郎



毎朝6時に散歩をしていたところ
医師に「週一度くらいが丁度よい」と助言された
毎日行うよりもこれがなかなか難しい

寒風吹きすさぶなかをトライした
両耳が喰いちぎられる感覚が達成感に繋がった
家人に云えばしかられそうだ



原句発表 2015/1/15 岳38-3

両耳に食いついている寒九郎
食いついている」を「喰いついてくる」に改めた

※ 寒・寒の内・寒四郎・寒九郎
 寒の入りの小寒から、寒明けの節分までのおうおそ三十日間が寒で、これを寒の内という。年間を通じて最も寒い時期。
 寒の入りから第四日目を《寒四郎》、第九日目を《寒九郎》といい、《寒四の雨》《寒九の雨》などの言葉がある。
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風花や殉死の墓の粗造り 流伴

2017年12月29日 | 
風花や殉死の墓の粗造り




日光には有名な寺社が多いが
小さな名もない寺も数多い
そんな寺社を参内するのが好きである
判じ得ない碑文に目を凝らしたり
寺社の由来をたしかめたり興味は尽きない
境内の入口、門外に粗末な墓が並んでいたりもする
殉死者1墓である
殉死者の墓は門内には祀られないきまりのようだ
そんな時に風花が散ったりすれと
なんとも無常の哀れを感ぜずにはいられない
ひとつひとつに合掌するのはいうまでもない



原句発表 2014/1/15 岳37-3

粗づくり殉死の墓に雪冠る
雪の冠った墓で十分だと思ったが
風花のほうが私の心情に近いようだ
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斎場の屋に黒点寒鴉

2017年12月28日 | 
斎場の屋に黒点寒鴉



自宅の近くに斎場がある
12月はこころなしか葬式が多い
通夜式の夕暮れ
烏が何匹も屋根に集まる
死者を送るのか はたは迎えるつもりか


原句発表 2014/1/15 岳37-3   
斎場の屋に喧し冬鴉
斎場と冬鴉は近すぎるとの評価だった
改作にも斎場は動かなかった
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矍鑠とわが杖のあり寒四郎 流伴

2017年12月26日 | 
矍鑠とわが杖のあり寒四郎





朝のウオーキングはほとんど元気な老人ばかりだ
中にはトレッキングで使用するスティックも見受ける
できることを無理せずに行う
寒い朝 交わす挨拶はなんとも矍鑠がありがたい


発表 2013/1/15 遊牧084

矍鑠の語源にある
紀元48年、後漢という王朝が支配していた中国
馬援(ばえん)光武帝の勇将
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どの道も果のありけり冬銀河  流伴

2017年12月25日 | 
どの道も果のありけり冬銀河



冬の夜空は神々しくさへある
来し方を辿ってみたりする
たくさんの邂逅 そして別れ
果てしないような道に思えていたものが
思い違っていたことに気が付く
見えるはずもない冬銀河がなんとも神々しい


発表 2012/1/15 岳35-3
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声高にあの世のはなし日向ぼこ 流伴

2017年12月24日 | 
声高にあの世のはなし日向ぼこ



公園の日向には
お年寄りがいつも談笑している
健康の話、若い時の思い出話、
家庭内の愚痴などさまざまだが
いつしか黄泉の国の話まで
笑い声を交えての高い声が
現在の安息を語っている

傍らには猫まで
彼らの話も「あの世の話なのかもしれない」


原句発表 2015/11/15 遊牧101

日向ぼこあの世のはなし声高に
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冬蝶の黄泉比良坂八合目  流伴

2017年12月23日 | 
冬蝶の黄泉比良坂八合目




冬蝶は凍蝶として越冬するものもあるが
そのまま死ぬほうが多い
飛んでいるのか浮いているのか
死んでいるのか眠っているのか
黄泉平坂八合目
進むか戻るかは創造主に委ねるばかり


発表 12/15/2016 遊牧107

「黄泉比良坂」(よもつひらさか)とは、日本神話に登場する「場所」である。島根県(出雲)に縁の地がある。
黄泉の国への入口
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寒月光やさしい嘘の見透かさる 流伴

2017年12月22日 | 
寒月光やさしい嘘の見透かさる



冬満月 冬三日月 寒月
冬空の月はなんとも美しい
寒気の中で見上げる月には
だれもが素直に善人になっている
優しさがつく嘘は見透かされるが
それを責めることはない


発表 12/15/2016 遊牧107
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