竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

天高し手持無沙汰のスクワット 丈子

2024-08-22 | 第一句集「裂帛」自選


2024年 秋
秋天の高さは老躯にも爽気を与えるが
手持無沙汰の無為無聊
スクワットが精一杯というところ

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空白のひと日の挽歌秋の雷 丈子

2024-08-21 | 第一句集「裂帛」自選


2024年 秋
何事もなかった今日のひと日
おりからの秋の雷は挽歌のようだ

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八月来戦車を折って鶴を折る 丈子

2024-08-20 | 第一句集「裂帛」自選

2024年 秋
重い八月という季語
戦車と鶴はつきすぎだが避けては詠めない

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優しさは野にある強さ吾亦紅 丈子

2024-08-10 | 第一句集「裂帛」自選


2024年 秋
吾亦紅の審美に
女性の優しさと強さを感じる

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曼珠沙華褪せることない罪の色 丈子

2024-08-09 | 第一句集「裂帛」自選


2024年 秋
朱色の曼殊沙華
ふとこんなフレーズが浮かんでくる

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行き合いの空極彩の熱気球 丈子

2024-08-08 | 第一句集「裂帛」自選


2024年 秋
夏から秋への行き合いの空
熱気球の群れが高く

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長生を倦む日のありて毛虫焼く 丈子

2024-08-07 | 第一句集「裂帛」自選


2024年 夏
長生は思うほどには楽ではない
時には倦む気もある
毛虫を焼くのは憂さ晴らし

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我楽多を棄てて大の字夏座敷 丈子

2024-08-06 | 第一句集「裂帛」自選


2024年 夏
家財道具はどれも我楽多
エイッヤで始末したがらんどうの座敷
この大の字の至福

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山門の守宮の四肢に千社札 丈子

2024-08-04 | 第一句集「裂帛」自選


2024年 夏
鎌倉の寺社巡りはもう10年になる
山門のとりどりの千社札が一興だが
とこおり守宮があらわれる

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夜の秋もと健脚のシニアカー 丈子

2024-08-03 | 第一句集「裂帛」自選


2024年 夏
やっと涼しさを感じる夜道
健脚自慢がシニアカーの新車で
あてのない彷徨に出る

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人去んでひと夏あらう土用波 丈子

2024-08-02 | 第一句集「裂帛」自選

2024年 夏
土用波の海
あの賑わいも嘘のよう
さまざまなひと夏を洗い清めるよう
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まだ飛べる自惚れている羽抜鳥 丈子

2024-08-01 | 第一句集「裂帛」自選

2024年 夏

だれもいないところでそっと羽搏く
自惚れ癖は変わらない
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サングラスほうれい線に笑い皺 丈子

2024-07-31 | 第一句集「裂帛」自選

2024年 夏
紫外線除けのサングラス
はみ出しているほうれい線に笑い皺
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常夜灯波頭の猛り大南風 丈子

2024-07-30 | 第一句集「裂帛」自選

2024年 夏
深夜の浜辺
かすむ常夜灯に大南風による
波の飛沫が容赦ない
光と風と波音のせめぎあい

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花桐にむらさきの雨三回忌 丈子

2024-07-29 | 第一句集「裂帛」自選

2024年 夏
義妹の三回忌
彼女の好きな桐の花に紫の雨がやさしい

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