竹とんぼ

先達の秀句を味わいながら
自得の一句を求めて多作多捨です
古希すぎの晩学で楽しみながらの遅々緩歩です

葉牡丹の恍けた色の自己主張

2015年01月31日 | 
葉牡丹の恍けた色の自己主張 






葉牡丹はあまり鮮やかな彩には感じないが
妙に存在感を感じる
公園の花壇でその群生をみたりもする
なんとも捨てがたい
しかし主役ではない

黙して語らず
問えば必ずの正言を発する元老のような
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雪婆朽ちし案山子に潜みしや

2015年01月30日 | 
雪婆朽ちし案山子に潜みしや たけし




夜半から雪である
1月の終わり 初めての雪らしい雪だ
窓からは一面の銀世界
どこかに潜んでいるはずの雪婆(ゆきばんば)
死ぬことを忘れ髪ふりみだしや一本足の不幸な妖怪だそうだ
あの捨て案山子 雪婆の変身かもしれない
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雪の原先ずは一歩を踏み出せり   

2015年01月29日 | 
雪の原先ずは一歩を踏み出せり たけし






眼前はみわたす限りの銀世界
北海道の羊蹄山のふもとの原野である

30歳を目前のころ
母と妻そして二人の小さな娘をつれて
牧場経営を志して移住した

大いなる理想と冒険心、同じくらいの不安感と恐怖
先ずは一歩を踏み出したのだった
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

雪原は未経験や新しい野心や冒険とすれば
なんでもまずは一歩だろう
結果の良否は問題ではない
人生はつねにプロセスだ
結果は死の床まで不明なものだと思っている
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冬青空エンディングノート買いに行く

2015年01月28日 | 
冬青空エンディングノート買いに行く







1月も末になると日の出も早まって
朝の空気も和らいで感じるようになる
空は「冬晴れ」秋の高い空の石蓴ではないが
透きとおるように青い
冬の低いくぐもった空を長く見ていたせだろう

最近は「終活」として身の回りのものを整理することが
高齢者のたしなみのように言われている

子育て 孫のおともり
精一杯やってきたのだ
死後の始末くらいいくら手間がかかろうと文句をいうな

と言いたいが
死後の悪口には反論できない

この青空 気分も良い
こんな時に「エンディングノート」を買うと良いかも知れぬ
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本堂に写経の一女寒暮光

2015年01月27日 | 
本堂に写経の一女寒暮光






最近は写経をする人が多い

鎌倉の寺めぐりをしていると大がかりな教室もあれば

自由に一人で筆を運んでいるところもある



先日もう夕暮れであったが

北鎌倉の小さな寺の本堂で一心に写経している若い女性を発見した

おりからの寒中、暮れゆく日差しが彼女を彩っていた

美しい光景であった
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着膨れて人格はだかになりにけり

2015年01月26日 | 
着膨れて人格はだかになりにけり たけし







最近は保温性の優れた素材が開発されて

厚着をしたり重ね着をする姿は少なくなったように感じる



それでも高齢者は

昔購入したお気に入りは捨ててはいない

寒い日にはこの日とばかり

毛皮など引っ張り出して思いっきりのおしゃれをする



普段の達観したような表情が変貌する

どちらも本人だが

性格は多面性なのだとつくずく納得し苦笑する
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少年の覚えし挫折冬北斗

2015年01月25日 | 
少年の覚えし挫折冬北斗 たけし






人生はたくさんの矛盾にみちていて

理想と現実の狭間に挫折することの連続のようでもある



その挫折を踏み台にして成長するのが人間なのだとも思える

冬の空に揺るぎなく輝く北斗星

挫折を知った少年の瞳にある涙に

エールを送っているようでもある
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大寒の落款として海入日

2015年01月24日 | 
大寒の落款として海入日 たけし







鎌倉は住まいからJRで乗り換えることなく行けるので

気軽に身支度いらずで出かけるこちが多い



今年は大寒に七里ヶ浜で夕日をみた

誰もいない海は冬凪で静か



乾坤に沈む夕日はこの大寒の空と海を見事に描いた

大いなる自然神のおす落款に思えた
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笹鳴や亡父の香炉に耳ふたつ

2015年01月23日 | 
笹鳴や亡父(ちち)の香炉に耳ふたつ たけし







冬の鶯の舌打ちするような鳴き声のことを笹鳴ろいうそうだ

日本語のつつましやかな品位の高みにおどろかされる



笹鳴におもわず視線をうつす 耳をすまして確かめる

床の間の香炉も気づいた風な

亡父の気に入っていたものだ
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達観の一年とおす置炬燵

2015年01月22日 | 

達観の一年とおす置炬燵 たけし







人生も後半、それにも慣れてきた

さまざまな事がみえてくるようだ

本当に大切なものを大切にすると

そうでないものには執着がなくなってくる



なんとつまらぬことに拘って生きてきたのだろう

達観にはほど遠いが

これからの遺された時間

他人の視線を気にしなければ暮らしやすいものだ
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粗末なる殉死の墓の雪冠る

2015年01月21日 | 
粗末なる殉死の墓の雪冠る たけし









日光にはたくさんの寺社仏閣がある

東照大権現はいうまでもなく「徳川家康」を祀るが

小さな名もよく知れない寺社も多い

そんなところには朽ちかけた山門

その山門からの小路に3尺にも足りない石塔が並んでいる

文字のその名残だけで判読はできない

殉死の士達の墓でである

いつも片隅で振り返られることもないのだが

雪を冠った時だけは気づかれているようだ



私はこんな雪景色に誘われると動けない
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腸をあらいざらいに寒月光   

2015年01月20日 | 
腸をあらいざらいに寒月光   たけし





今日は大寒 朝の月は凍るように白く東天にあった
北風もつよく歩く足は震えてしまった
冬の畔持ちを早足で30分 白い息を吐き出しながら

月光は私の腸(はらわた)をあらいざらいにするようだ
ごまかしや偽りはみなあからさまに
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首交わす今こそよけれ大白鳥 たけし

2015年01月19日 | 
首交わす今こそよけれ大白鳥 たけし






白鳥の渡りがたけなわの季節である

隣町に「大沼」という池があり毎年やってくる

水面に浮かぶ白鳥はその池のキングかクイーンのようにふるまう

にわかに二羽の白鳥が首を交わして睦みあっている

「愛のささやき」が聞こえるようだ

この今が大切

この今がなければ未来はない

長い旅路の後の愛の交換 

人間世界の何倍も尊い感じてならない
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第17回  炭継ぎの沈黙の間がものをいい たけし

2015年01月17日 | 
「第17回竹とんぼ句会たより」vol.7
しんがりにはこのサイト管理人の「たけし」です
多作多捨多読の毎日に大きな疑問を感じています
発表する前に捨てる この自選が難しく煩悶しています
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炭継ぎの沈黙の間がものをいい たけし

2015年01月17日 | 

炭継ぎの沈黙の間がものをいい たけし




「第17回竹とんぼ句会たより」vol.7
しんがりにはこのサイト管理人の「たけし」です
多作多捨多読の毎日に大きな疑問を感じています
発表する前に捨てる この自選が難しく煩悶しています

表題句の自解
囲炉裏や火鉢に炭が赤々として 時折はぜる
火の勢いがおとろえたり乏しくなると炭たす
それを炭継ぎといった
なんとも味わい深い言葉だろうと感心する
炭継ぎはその火の支配者の役目だ
火そして炭が基調であった時代の名残で余人の勝手は許されない
火の周囲ではさまざまな会話が交わされる
主が炭継ぎをする間は誰もが口を閉じて
炭継ぎの動作を見守る
かえがたい沈黙という時間
こんな景はもうめったに見ることがない


竹林の雪をはじくや奥ノ院

本堂の裏手にまわると必ずといってよいほど竹林がある
本堂までと違って人影も少なく
落ち着いた佇まいなのが良い
雪の降った後などはその竹林の風情は格別な景である
しばらく眺めていると
雪の溶けるのと竹のしなりの微妙なバランスが解けて
雪をはじいてかわいた音をたてる
立派な社殿はなくともここは奥の院なのだ



両耳に食いついている寒九郎


朝歩きする午前六時
寒晴れの澄み切った空の下
冷たい風が音もなくおそってくる
私の両耳をとらえてはなさない
寒九郎 貴様に歯があったとは・・・・・
寒に入って9日目を「寒九」「寒九郎」と表現すると知ったのは昨年
「寒四郎」という言葉もあわせて覚えた
先人の言葉のあつかいにはほとほと感心する
毎年この季語で一句は作ろうと思っている



花柊女世帯の男下駄



女世帯の玄関や庭先にいるはずのない男性の
履物がおいてある
防犯や男除けのシルシになるという
どこまでの効果かは知れぬが心情の理解は容易だ
女世帯の強がりと寂しさがないまぜに感じられる
柊の花は葉にかくれて小さい
柊の葉は常に戦闘態勢で敵をよせつけない
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