竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

星冴ゆる他人のように靴の音 丈子

2023-11-30 | 第一句集「裂帛」自選


誰もいない深夜の家路への舗道
コツコツと乾いた靴音が
歩調に遅れがちについてくる
他人のように不気味に感じ足早になる
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冬の鳶怪盗ルパンは黒マント 丈子

2023-11-29 | 第一句集「裂帛」自選


冬の鳶は孤高の怪鳥のようだ
怪盗李流伴を連想した
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炭継ぎの沈黙の間がものを言う 丈子

2023-11-28 | 第一句集「裂帛」自選


炉端、火鉢など家族が囲む団欒の一刻
炭火を継ぐ間はだれもが沈黙して見守る
この一刻が家族愛

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熱燗や頑張れそうな気の少し 丈子

2023-11-27 | 第一句集「裂帛」自選


悄然たる気分であったが
熱燗をひとえい酌んでると
少しだけ頑張れそうな気分になってきた

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冬日向ひとりが好きでさびしくて 丈子

2023-11-26 | 第一句集「裂帛」自選


家人といても所在なく
冬の日向でのひとり時間
さびしさはどこにいてもついてまわる

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性悪な強情ぞろい泥大根 丈子

2023-11-25 | 第一句集「裂帛」自選

第一句集「裂帛」自選大根の器量がなんとも悪い
性悪な強情は私に似たのかも

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枯蟷螂死んだふりしてそのまんま 丈子

2023-11-24 | 第一句集「裂帛」自選


蟷螂が枯色で死んだように眠っているが
よく見ると既に死んでいる
こんな往生な最高だ
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北国に風雪という一人称 丈子

2023-11-23 | 第一句集「裂帛」自選


日本海に面うる寺泊に行ったのは
8年前の1月
横殴りのの雪の中の市場で熱い酒を
飲んだ時の即吟

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冬あたたか双子じたての乳母車 丈子

2023-11-21 | 第一句集「裂帛」自選

冬のあたたかい日差しの中を
嬉々とし声をあげて双子さんが通る
なんとも可愛い双子用の乳母車である
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現代俳句協会インターネット句会 2023.11.20

2023-11-20 | 句会レポート
現代俳句協会インターネット句会 2023.11.20

〇中の数字は選句された票数
☆の文章は選句者の選評

32回会員限定 投句3句
豊の秋胎を蹴る子の自己主張 ④ 総合6位
☆・米の稔りと胎児の誕生を結びつけた発想がみごと。(無円)
無為徒食敬老の日のふた寝入り⓵
☆・無職78歳の私の生活です。確り食べ、確り運動し、確り眠りましょう。(芭行(バイク)
侘助や他人行儀の慎ましさ⓵

40回 両句会参加自由フリー句会 投句2句
空蝉や自画像多き無言舘   ⑤ 総合6位タイ
☆季語が似合っている。(帆村帆里)
律の風行方知れずになる心地②        
☆言い得て妙。って言いたいのですが、片や、悲しく切ない思いが詰まり心に迫ります。(直井あまね)

今回は両句会ともに選が入り無六点句はなかった
総得点数も⑬は嬉しい
それぞれの句会で1句が6位タイを記録した

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第15 Y結社 全国通信句会 2023.11.15

2023-11-19 | 句会レポート
第15 Y結社 全国通信句会 2023.11.15

今回が15回目となるY結社の全国通信句会
参加者は18名 5句出句の総数90句
出句者の互選 8句(内特選1句を含む)  持ち点は9点

高点句⑤以上 ベスト10位タイは下記のとうり
51山霧を吸って正面から老いる 美絵 選/9
10三島忌の切火のような冬の薔薇 伶 選/9
72淋しい象啼いて寒月みがきたる 葉月 選/8
39荒髪の白鳥守にならなれる 公子 選/7
87どの星も砕ける定め日記買う たけし 選/7
  ☆浪岡 この地球はもとより、おそらくどの星にも最後が来る。人間もしかり。死なない人間はいない。だからこそ、消えて行くものを少しの間でも留めるために、私たちは日記を書き、俳句を作るのかもしれない。何だかそのささやかな行為が愛しく思える。
☆川森 宇宙的な、あるいは自然法則からすれば当たり前のことを、なにか人倫の法則めいて語る「俳句的表現」。取り合わせの措辞とピタリとはまれば共感を呼ぶ。だれも組み合わせたことがないような17音になっていれば良し。まさにこの句はその条件にピッタリ。日記を買うという行為を選択した遠因に星の終末を持ってくるなんて!
1   てのひらに一個の柿と落日と みずき 選/7
88木枯らしをスケッチすれば蒼き馬 葉月 選/6
9   羊水を出てより続く湯ざめかな はるか 選/5
43白鳥の白を消さんと雪降れり はるか 選/5
36みぞおちに匿う父の寒紅梅 美絵 選/5
18暗黒のガザ垂直に月が墜つ 道郎 選/5
久しくなかったが今回⑦得点が1句 ベスト10入りした
特選選者2名の選評も嬉しい


たけしの得点(高点句他)
7 クレジットカードに鋏十二月 ⓵
20ホワイトアウト結界の声を聴く ⓵
40遠吠えに慚愧の憶え冬三日月 ⓪
61忘れ花アップデートに乗り損ね ⓪


無得点句が2句 ひとりよがりは通じない

今回の無得点句は32句 投句者平均2.18句 だれもが厳しい

総得点上位 ⑨以上
美絵⑲/伶⑱/葉月⑰/はるか⑬/みずき⑫/道郎⑪/仁⑨/たけし⑨
餅点⑨をクリアしてたけしもランクインした

パソコン入力も厳しい視力で事務局に世話をかけているので
近々退会も余儀ないと思っているところだ

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赤ひげの学僧の作務実万両 丈子

2023-11-18 | 第一句集「裂帛」自選


宿坊の朝
真赤な実がいっぱいの万両の庭
赤ひげの修行僧が朝の作務に勤しんでいた
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雪もよい無声映画のように街 丈子

2023-11-17 | 第一句集「裂帛」自選


今にも雪が降りそうな曇天と寒気
音も色も消えて無声映画の待ちのよう
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マンモスの小骨と紛う山うなぎ 丈子

2023-11-16 | 第一句集「裂帛」自選


見事に大きな自然薯である
山間の野菜直売所にでんと座している
マンモスの小骨かと見まがうほどだ
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熱燗やのぞく本音の早すぎる

2023-11-15 | 第一句集「裂帛」自選

酒の勢いでつい本音を言ってしまう
気持ちは分かるがちょっと早すぎる
後悔してもしらないぞ
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