竹とんぼ

先達の秀句を味わいながら
自得の一句を求めて多作多捨です
古希すぎの晩学で楽しみながらの遅々緩歩です

朝靄にそっと戻りし龍の玉   たけし

2014年10月31日 | 
朝靄にそっと戻りし龍の玉   たけし




龍の髭なる命名の草に紫紺色の実がつく

晩秋から冬に美しい

朝歩から、戻ると朝靄も明るくなりかけていて

家を出るときには気付かなかった龍の玉が美しい

朝靄の晴れぬ間に戻ってきたかのようだ
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億年の来し方の果木の葉髪 たけし

2014年10月30日 | 

億年の来し方の果木の葉髪 たけし





岩宿遺跡を訪ねての吟行

初案は <万年の来し方習う木の葉髪>であったが

頭髪の薄くなった老どちが熱心に語り部の説明を聞く様だった

これを猿人が長い進化の歴史の果てのもの

木の葉髪も次の進化の過程とみたい
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釣る人も見るも老どち秋うらら たけし

2014年10月29日 | 

釣る人も見るも老どち秋うらら たけし







昨日「岩宿」の遺跡を訪ねる吟行に参加した

縄文時代を2万年も遡って人類がこの地に生存していたという

現代がその命脈の結果であることに神秘さえ感じる



語り部の熱心な説明や展示物の見事さに感心し感動は大きかったが

学ぶという頭脳構造は退化して

秋の日差しを受けてゆっくりとした五感だけ



俳句は掲句他一句

立派な展示館のかたわらの公園、小沼に

たくさんの釣竿、それを見ている老人の語らいがひびいていた
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瞑目す五色にしぐるる滝紅葉   たけし

2014年10月28日 | 

瞑目す五色にしぐるる滝紅葉   たけし





滝を背景にした紅葉

滝壺に映る紅葉

滝しぶきに洗われる紅葉

滝にゆれる枝紅葉

滝ともみじはあまりにも見事でただ見とれるだけ

写真や絵画

詩や短歌、俳句にも詠まれるが現実の滝と紅葉を超えるものはない



時雨のなかじっと眺めること小半時

瞑目して残像を脳裏に焼き付ける
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初霜や咲き残るまま菊花鉢 たけし

2014年10月27日 | 

初霜や咲き残るまま菊花鉢 たけし








初霜や しっくりこない

霜降などと言いえて妙なる季節の言葉

どうにも借物のようでしっくりしない



この寒空にしまい忘れの菊花鉢が店先にあったりするのを見えう

ひとしきりの喝采を終えての小休止なのか



菊花の手入れは不明だがこの季節外出しは正しいのだろうか

まだ花は盛りを過ぎたものの咲いている
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ぽつねんと鼻ほじりなど菊日和 たけし

2014年10月26日 | 

ぽつねんと鼻ほじりなど菊日和   たけし







秋はもの悲しく侘びしくなにか寂しい

こんな定番があるが

老境に入りしばらく経過してみるとあまり気にならない

茹で蛙みたいにその環境に逗留していると

感覚が鈍くなるのかも知れない



掲句は初案は ぽつねんと鼻ほじりなど秋さびし  であった

ぽつねんとしている「老どち」は寂しさを感じてはいない

己の長寿を喜ばしくもあり疎ましくもありで

秋のうららかは「菊日和」となった
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訃の報らせ今年限りや今年米   たけし

2014年10月25日 | 

訃の報らせ今年限りや今年米   たけし







毎年新米が送られてくる

その度に送り主である旧知の皺ぶいた顔が浮かんでくる



企業戦士だった好敵手が一念発起して実家の農業を継いだのは25年ほど前だったか

米が届いて2日後

彼の訃報が届いた



彼の届けてくれる今年米は今年限り

合掌し冥福を祈りながらあるがたくいただく
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ひたひたとなおざりの恩冬の海   たけし

2014年10月24日 | 

ひたひたとなおざりの恩冬の海   たけし






だれもいない冬の海をみることがある

波はしずかにゆっくりと運ばれて

またゆっくりとひいてゆく



昔のことが昔の顔とともに蘇ってきては

また入れ替わる



なんとたくさんの恩

なおざりのまま
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横たわる鮭の泪目秋了る   たけし

2014年10月23日 | 
横たわる鮭の泪目秋了る   たけし






先日、那須烏山の「矢沢の梁」に行った

パンフレットでは十月いっぱいの営業とのことだったが

あいにくの雨と低音で梁領は行っていなかった



ただ梁の上に遡上したと思われる鮭が二本横たわっていた

その目は泪目、

秋のおわりを告げているようであった
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眼裏にいらぬ自分史ちちろ虫   たけし

2014年10月22日 | 

眼裏にいらぬ自分史ちちろ虫   たけし






今年は虫の音が多いように感じる

虫の音を感じる時空が増加しているのかも知れない

徐々に用事もなくなって所在無い時間が増えている



虫の音を聞いていると

眼裏にいろいろな過去が蘇って楽しい

時には思い出したくないようなことまで浮かんでくる
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フレンチに見合う古民家秋の暮  たけし

2014年10月21日 | 
フレンチに見合う古民家秋の暮  たけし





30年ちかく馴染みにしていたレストランが突然閉店したのは3年前
偶然に同盟の店を隣町で発見した

ファミリー向けの大型店だったが此方は古民家を改築したフレンチ
客席は20人ほどだろうか
照明を落として雰囲気はなかなかのもの
大きな梁、高い天井、懐かしい建具 ほとんど江戸、ねいじ

現れたウェイターはなんとなじ物ママだった
聞けば店にでていた創業のオカアサマが亡くなったそうだ

ゆっくりとの食事 ワインを昼間から味わって
外にでたら夕闇ちかく雨だった
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初時雨素手なるなじみ月参り   たけし

2014年10月20日 | 

初時雨なじみし素手の月参り   たけし





月に一度墓参りを欠かさない

曽祖父母、父の墓を神奈川から移してから30年が経過している

母の葬ったのはこの墓だ

月命日はたくさんあるので、まとめてお参りしている



線香は墓に備えの納処に常時用意してあるので

時には花ももたずに手ぶらで気軽に散歩がてら立ち寄ることが多い



少し早いが初時雨のなかをお参りした
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触れたれば拳で返す鶏頭花   たけし

2014年10月19日 | 
触れたれば拳で返す鶏頭花   たけし




竹とんぼ14回句会だより」Vol.7
この句会では最高得点句には短冊を認めて
3ヶ月句会席上に掲示されるというルールが存在する
今回は表題句がその該当となった
作者(筆者)にとっては14回ではじめての経験 なんとも気恥ずかしい


表題句については作者の自句自解がある

鶏頭の花の俳句はたくさんある
いくつか読んでみたがなかなかうまくいかない
思い切って手のひらで包もうとしてみた
なんとその感触の頑なな抵抗のような
拳で拒絶を主張していた
一瞬で手をはなした


温め酒おおむねたいら我が年譜

酒をたくさん飲むことはあまりないが
家でのひとり酒は好きである
宴席での酒は酒を楽しむのが目的ではない
商売をしている時の酒に酔うことはできないものだ
気温が低くなってくると燗した日本酒が良い
あまり熱くない温めの酒が好みだ
ゆっくりと「クサヤ」んど噛みながら
辿ってきた旅路をふりかえる
過ぎてみればあの山川が「おおむねたいら」
悪くない

陽をつつtむ桜紅葉や退院日

友人が退院した
今年中に退院したい といっていたが
本人や家族の思いよりも医学の進歩は早かったようだ
鼓室形成術 というみ鼓膜を移植する施術だったが
紅葉の時期を待たずに退院できた
紅葉はさくらが一番早いそうだ
だから桜もみじはさびしくない
陽をたくさんその葉につつんで柔らかく染まっている

老どちの哄笑ばかり秋うらら

秋うらら
平日の秋の公園にはお年寄りの声がひびく
うららかとはいうものの空クハ冷たく気温は低い
春のうららかな日差しには赤ちゃんを抱いた母親もみえるが
秋麗にはお年寄りばかりの元気がめだる
その声は高らかで明るく聞こえるが涸れている
ここで「老いだち」と時間をつぶす他に居場所がない
笑い声も枯葉の音に消されそうだ
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よそいきの言葉ひろわん秋日和 たけし

2014年10月11日 | 
よそいきの言葉ひろわん秋日和    たけし





台風がまたやってくる
大型で強い台風との報道が普通になった昨今である
雨量も50年に1度のかって経験したことのないほど
これも最近は耳慣れてしまうほどだ

こんな時だがさわやかな秋晴れ
そして少し残っている桜もみじ
秋の日差があたたかい

「秋は目にするもの全てが俳句になる」と聞いたふうな
よそいきの言葉が散らばっている
拾おうと漫歩してみるが・・・
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台風過葦は方舟濁り川 たけし

2014年10月10日 | 
台風過葦は方舟濁り川 たけし




台風の過ぎ去ったあとの
川は増水し濁った急流となっていた
橋脚は少しを残しそこには上流からの
草や流木などがまとわっている

その竦まをぬって流れる葦に
なにやら小さな生き物がいる

葦は彼らの方舟だ
彼らはえ選ばれしものというわけか
幸いあれ
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