北朝鮮は実質的な大陸間弾道ミサイル発射について、当初の2月8~25日からの予告を前倒しし、2月7日から14日まで発射するとしていたが、今日7日正午、北朝鮮国営の朝鮮中央テレビは、日本時間同日午後0時半、特別重大報道として、「地球観測衛星『光明星4号』を打ち上げ、軌道への進入に完全に成功した」と発表した。
同テレビは「偉大な朝鮮労働党の科学技術を重視した政策の結実だ」と強調したうえで、「今後も衛星をより多く、より遠くに打ち上げる」とし、長距離弾道ミサイルの発射を継続していく構えを見せた。
同テレビは、金正恩第1書記が6日に発射の命令を出したとし、正恩氏が命令書に署名する姿について写真を交えて報じた。
北朝鮮が2日に国際海事機関(IMO)に通告した資料によると、機体の落下予想海域はそれぞれ、1段目が韓国南西部・全羅道の西方沖、「衛星」をカバーする先端部が韓国済州島の西方沖、2段目がフィリピン・ルソン島の東方沖となっている。日本領土については、沖縄先島上空を通過することになっていた。
政府は、日本に機体や破片が落下する可能性に備え、海上配備型迎撃ミサイル(SM3)搭載のイージス艦3隻を日本海や東シナ海に派遣。地対空誘導弾パトリオット3(PAC3)を首都圏と沖縄本島、石垣島、宮古島に配置した。
北朝鮮が今日ミサイルを発射した理由は主に天候のためのようだが、加えて、日にちを変えることによって世界の注目を浴びる目的もあったようだ。
北朝鮮については、1月に自ら水爆実験と評して核実験を行い、国連安保理で経済制裁を科せるための国連決議をしたばかりだ。
国際社会は、それを実効あるものにするため、北朝鮮の友好国中国の協力を求めてきたが、その中国が手をあぐねている中で、丁度中国が、旧正月を祝う春節の時期に合わせたかのようなミサイル発射については、中国の鼻を空かすような行為であり、関係悪化が深まるばかりだ。
また、当然、韓国との関係もさらに悪化し、アメリカの苛立ちもいっそう募るだろう。
北朝鮮からしてみれば、国威高揚とアメリカへの面当てが目的だろうが、客観的にみても失うことの方が圧倒的に多く、得る所はほとんどない。ことを一日も早く認識しなければならない。「関連:1月7日」