今年のノーベル平和賞は、女性や子供に教育機会を与える必要性を訴えているパキスタン人のマララ・ユスフザイさん(17)=英国在住=と、インドで貧しい子供や若者に教育機会を作る活動を続けるカイラシュ・サティヤルティさん(60)の2人に決まった。マララさんは史上最年少のノーベル賞受賞者となる。
選考委員長は2人の授賞について、世界の貧しい国では人口の60%が25歳以下の若者である点を指摘し、「子供や若者の権利が尊重されることは、世界の平和と発展のための前提条件だ。特に紛争に苦しむ地域では、子供たちの権利を侵害することで暴力が世代から世代に継続される」と述べた。
また、2人への同時授賞について「ヒンズー教徒とイスラム教徒、インド人とパキスタン人がともに教育のために過激主義と闘っている点を重視した」と説明した。
今年のノーベル平和賞には過去最高の278個人・団体への推薦があった。授賞式は、ノーベル賞の創設者であるアルフレッド・ノーベルの亡くなった日にちなみ12月10日、オスロ市庁舎で行われる。今年の賞金は2人合わせて800万スウェーデンクローナ(約1億2000万円)。パキスタン人の平和賞受賞は初めて。
ノーベル平和賞は、1901年に創設され、「国家間の友愛関係」「常備軍の廃止・縮小」「平和会議の開催・促進」に最も貢献した人物や団体に授賞されてきた。ノルウェー国会に任命されたノーベル賞委員会が多数決の投票で選ぶ。ノーベル賞の他の5部門はスウェーデンで決めているが、平和賞だけはノルウェーで選考している。
今回のノーベル平和賞には、日本から「憲法9条をノーベル平和賞に」と一人の主婦が発案 委員会が推薦受理したが、受賞はならなかった。
ノーベル賞受賞の賭けでは、「憲法9条をノーベル平和賞に」はトップとなっていたようだが、駆けが外れ、自民党をはじめ憲法9条改正派はほっとしたことだろう。安倍晋三首相は、石破茂氏とともに、平和賞が政治的だと揶揄したようだ。
また、イギリスのノーベル文学賞の賭け屋ラドブロークスの予想オッズでは、村上春樹氏がケニアの作家と同率トップだったが、こちらも3回目の正直とはならなかった。「関連:10月8日」