ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2013J1リーグ第23節FC東京vsサガン鳥栖@国立霞ヶ丘20130828

2013-08-30 01:32:39 | サッカー

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列島を猛暑が襲った2013年の夏もそろそろ盛りを過ぎました。お盆が明けるとにわかに秋めいて、朝夕が涼しうございます。寒暖の差が激しく、皆様体調はいかがでしょうか?

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本日より霞ヶ丘でホーム開催です。その緒戦はミッドウィーク開催の鳥栖戦。GWにアウェイでお邪魔した際は、千真の電光石火ゴールで終始リードする展開で、終盤の追い上げを辛くも逃げ切った試合でした。あの時は東京が連勝中で、鳥栖が引き分けを挟んで連敗中でした。ちょうど反対のシチュエーションで今節を迎えます。

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結果も絵に描いたような真逆の展開で、リベンジを果たされてしまいました。重苦しい雰囲気をチームが纏う結果になってしまいました。

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東京はヨネがサスペンションで不在。アーリアがボランチに入り、秀人と組みます。マリノス戦、磐田戦と無得点が続いたためか、前線を組み直してきました。ルーカスに代わり、磐田戦に続いてナオがスタメンです。アーリアのところにたまが入ります。モリゲの今日の相棒は加賀です。

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鳥栖はこの夏積極的な補強をしてきました。移籍規定の撤廃で移籍が活発になっています。夏の補強は毎年の風物詩になるような気がします。清水からGK林彰洋、新潟から菊地直哉、セレッソから播戸を獲得しました。ウィークポイントを補う、的確な補強だと思います。とくに菊地と林の参加が鳥栖に安定感をもたらしました。菊地の相棒はヨ・ソンヘ。丹羽とキム・ミヌのSB。今日の藤田の相棒は高橋義希。4-2-3-1の前線は、豊田を頭に池田を真ん中に置き、宏太と早坂が脇を支えます。

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昨シーズンの鳥栖はフォアチェックを代名詞にしていました。ところが今年は、1stレグも今日も、東京相手にフォアチェックをかけてきません。6月の中断中に韓国キャンプをしたようですけど、キャンプテーマはフォアチェックだったようですから、これは東京をスカウティングした上での作戦かもしれません。つまり鳥栖のターンオーバーラインは高くないです。守備ブロックを維持することを優先します)。このため東京はカウンターを仕掛けられません。ただ、逆に攻めきることはできます。今日は比較的前半からシュートを打てていた鳥栖の守備バランスを維持させていたのは菊地です。今シーズンは後ろが不安定なところが泣き所です。ボランチ、SB、CBと後ろならどこでもこなせる菊地の守備視野が、ようやく鳥栖に戦えるレベルの守備をもたらせたかもしれません。

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一方東京も、鳥栖にボールを持たせる守備を選択しました。鳥栖はCB菊地が攻撃の起点ですから、東京がハイプレスを試まなかったのは必然かもしれません。鳥栖の攻撃の軸は、言わずもがなですけど豊田です。豊田はアタッキングエリアをかなり広範囲に動きます。鳥栖の攻撃は豊田を中心に回っていて、攻守で豊田の動きをフォローするのがトップ下の池田のタスクです。早坂はサイドからカットインしてゴール前を狙います。純粋なサイドアタッカーは宏太だけで、クロスとミドルショットを担当しています。

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鳥栖の攻撃は、基本的に右で作り左で仕掛けるサイドアタックです。丹羽を中間に置いてビルドアップの基点にします。左は早坂が開けたスペースをキム・ミヌが使い、クロスをゴール前に併せるイメージです。これつまり、東京と同じ攻撃システムで、がっぷり四つです。序盤は互いに攻め合います。

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25分を過ぎたあたりからこの攻め合いを東京が征します。四つに組むと地力が勝るほうがイニシアチブを握るのが道理です。今日はアーリアが前に行き秀人が後ろでオーガナイズする、中盤の役割分担をヨネ秀人コンビよりもはっきりさせていました。秀人が好調で、視野が広かった印象です。もう一つ鳥栖に対して有効だった中盤のプレーは、アーリアからのサイドチェンジで左を一気に攻めるパターンです。

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たまは粘り強いキープと積極的なシュートを見せてくれました。中盤の役割は、秀人が攻撃のタイミングとスピードを決め、アーリアがスイッチを押し、たまとナオがリズムを作り、慶悟がスペースメイクと決定チャンスを演出するイメージです。なかでもたまは、中盤での1on1に粘り強く対処し、東京のリズムを失わないことに貢献していました。

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東京の圧倒的なイニシアチブ下で、先制点を期待して待ちわびていた前半終了間際、意外な形で試合が動きます。

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前半40分。菊池のロングフィードをモリゲがカット。これを宏太が拾います。宏介が宏太に寄せていて、池田がその背後を狙います。宏太がワンタッチで池田に。池田がポストを義希に落とします。義希はマークに来た秀人を引き付け、フリーの藤田にパス。藤田はルックアップします。この時、藤田に誰もついていません。慶悟もたまもナオも攻撃を意識していたのかもしれません。ここが失点のポイントです。アーリアがバイタルエリアを開けて藤田に対面します。そのぽっかり空いたバイタルエリアを狙ったのが早坂でした。藤田は早坂にパス。早坂はたま、秀人、加賀を引き付け、義希に落とします。右にいたたまが早坂について行ってしまったので、キム・ミヌの前がぽっかり空きます。義希は良く状況を見ていました。ワンタッチでサイドチェンジ。キム・ミヌはトラップしてゴール前にクロスしますけど、これはアーリアの顔面に当たります。こぼれ球が運悪くキム・ミヌに戻りました。ゴール前を見て、丁寧にクロス。モリゲと競る池田の頭を越え、豊田に。ゴール前で豊田は加賀の常に前に位置取っていました。加賀はポジションを微調整して豊田の前に出ようとしますけど、この動きがアダになります。ちょうど逆サイドに体重移動していたタイミングでクロスが来ました。結果、豊田に一歩先んじられます。加賀の前に体を入れた豊田がヘッドでゴール隅に決めました。トヨコプターゴラッソ。東京0-1鳥栖。

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虚をつかれた東京は集中を取り戻せていませんでした。立て続けに失点します。

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前半41分。加賀のパスを受けたたまが藤田に寄せられターンオーバー。鳥栖のカウンターになります。こぼれ球を早坂が拾い、一気に東京陣にドリブルイン。早坂にアタックしようとして懸命に戻るたまが豊田と交錯し転倒します。ここがポイントになりました。たまを除くと、東京陣で4on4の状況です。アタッキンサードに入り、早坂を加賀がマークします。豊田には秀人、宏太にはモリゲが付きます。少し遅れ気味に攻撃参加した池田が早坂の外を回ります。早坂は加賀を十分に引きつけてから池田にパス。池田の眼前にシュートコースがぽっかりできます。加賀が飛び込んでシュートを阻止しますけど、池田は冷静に切り返し、加賀を死に体にしてからシュート。ゴラッソ。東京0-2鳥栖。

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ポポさんが早々動きます。2失点に絡んだ形の加賀をヒョンスに代えます。加賀は東京が支配していた時間帯に積極的な攻め上がりを見せていました。失点シーンはわずか1、2分のことなので、ポポさんは加賀の積極的にも危機感を持ったのかも知れません。

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呼応するように、ユンさんも動きます。早坂に代えて播戸を投入。サッカーでは2点差アヘッドの戦いかたが難しいと言われますから、大ベテランの経験をできるだけ早く注ぎたかったのかもしれません。パフォーマンスでは、むしろ池田のほうが鳥栖の攻撃をノッキングさせていたように見えましたけど、直前のゴールが効いたのかもしれません。このまま前半終了。

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後半に入り、鳥栖がガラリとサッカーを現実路線に変更します。ユンさんはロマンチストのイメージがあったのですけど、連勝中のチームが上昇気流に乗る大事な局面と見たんでしょう。プレーの特長は二つ。ファールを辞さないアグレッシブなコンタクトプレーと時間稼ぎを駆使します。とくに彰洋は執拗な時間稼ぎで警告を受けるほどです。彰洋は、再三東京のシュートを拒み続け、とても安定感のあるゴール守備でした。時間稼ぎは確かに不快でしたけど、鳥栖の意図を考えると妥当な作戦だと思います。

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対する東京は、工夫の足りない手詰まりな攻撃を続けます。鳥栖が自陣に引きますので、後半はほぼ、東京がポゼッションできます。東京はせっかく与えてくれたイニシアチブを、偏重な右サイドからの攻撃で自滅し続けます。徳永を攻撃で活かすなら、最終局面でフリーでボールを渡さなければ有効ではありません。もしくは、徳永を絡め、ショートパスを繋いでゴールに向かうのであれば、相手の一歩先を視野にした個人のムービングと連携が必要です。慶悟がよく動いてビルドアップに絡みましたけど、次のパスを受ける選手の動きに工夫が足りませんでした。

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それに加えて、前半から、宏介を中心とする左サイドの攻撃が鳥栖に対して有効なことはわかっていたのに、この時間帯は宏介を使うアイデアを持てなかったことが悔やまれます。後半17分にナオとたまに代えてルーカスと相太を投入します。千真と相太の2トップが実現します。ルーカスを入れはしましたけど、宏介のクロスが有効だったことを考えると、相太を入れた時点でもっとシンプルに攻撃してもよかったと思います。ある意味、無為な30分を過ごしてしまいました。

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後半30分を過ぎ、ようやく宏介を使えるようになりました。鳥栖ゴールに向かって、ゴールの香りが漂うクロスが送られるようになります。この流れで、ようやく待望のゴールが生まれます。

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後半36分。東京自陣のFKを鳥栖がカット。これをモリゲが拾います。この時、鳥栖の守備の問題点が出ました。鳥栖は綺麗な3ラインを引くのですけど、中央に片寄せ勝ちになります。この時も、宏太、丹羽とも内に寄っていて、結果、宏介が左サイドでどフリーになります。モリゲは宏介にパス。宏介はルックアップしてゴール前を見、シンプルにクロスを送ります。ゴール前では、常にヨ・ソンへの前を取っていた相太が、このクロスにニアサイドで合せます。度重なる怪我がありました。相太、実に3年ぶりのゴールです。おかえり相太。東京1-2鳥栖。

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そして、この流れに乗り、ついに追いつきます。鳥栖はあの手この手を使ってここまで凌いできましたけど、けして守備がいいわけではありません。1点入ると決壊するとおおよそ予想していました。

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後半39分。権田のパスから。モリゲ、宏介を経由してアーリアへ。アーリアはドリブルで鳥栖陣に入り、秀人にパス。秀人はターンしてクイックに右ライン際の慶悟にパス。慶悟はルックアップして、ポストを受けにきた相太にパス。これを相太がスルーします。受けた千真が右足でトラップして反転しながら豪快にシュート。ゴラッソ。東京2-2鳥栖。

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これで、選手もスタンドもイケイケ状態になりました。もしこのまま逆転していれば秋に向けて上昇気流に乗るきっかけを掴んでいたかもしれません。だから、このイケイケは致し方ないような気もします。残念ながら、前がかりな東京に水を差すように、決勝ゴールが生まれます。

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後半40分。ゴールキックからのビルドアップ。池田がアタッキングサードで落としたボールを義希がキープ。右サイドをオーバーラップしてきた丹羽にパスします。丹羽にルーカスがつききれていません。ゴール前の豊田にはモリゲ。ヒョンスは池田につられて飛び出しています。バイタルエリアにはアーリアがいますけど、背走。宏太には宏介。逆サイドの徳永と秀人は誰のマークにもついておらず、まったく効いていません。丹羽はルーカスを引きつけて大外宏太にパス。宏太は宏介が寄せる直前に、権田と最終ラインの中間を狙ってクロス。中央でモリゲを振り切った豊田が合せたボールは権田に当たりますけど、跳ね返ったボールはゴールに吸い込まれました。東京2-3鳥栖。

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鳥栖は手堅く小林とニルソンを投入して、逃げ切りに成功しました。このまま試合終了。東京2-3鳥栖。

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相太が入ってからの東京は、澱んだ後半から目が覚めたようにいい攻撃をしていました。無為な30分間をあと5分だけでも短縮できていれば、結果は真逆になっていたかもしれません。

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もう一つ悔やまれるのが加賀の交代です。ポポさんのミスだと思います。この交代で二つのミスを犯しました。鳥栖が守りに入ることが予感されるなかでは、ヒョンスよりも加賀のほうが特性があります。加賀はラインを守備陣形を低くする状況では活きません。加賀の長所は圧倒的なスピードですけど、瞬発系ではなく加速系です。なのでスペースがあるほうが利し、逆に1on1には難点があります。鳥栖が引くということは、守る東京は広大なスペースの対処が求められます。ヒョンスより加賀のほうが適しています。ミスの二つ目は、ポポさん自身がCBに不安を抱えていることを自ら露見したことです。内では、スタメン起用していても加賀を信頼していないことを宣言したようなものです。外に対しても、モリゲの相棒を狙えばポポさんが慌てることを知らしめたようなものです。さらに二次的には、大事なカードを浪費したことで、イケイケの大事な局面でネマニャんないし容平を使えなかったことも問題です。ポポさんには猛省してもらいたいです。

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加賀とヒョンスが心配ですね。パフォーマンスに満足していないという通告を受けたようなものですから。気持ちを入れ直して、チャレンジして欲しいです。

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試合中、選手にほとんど笑顔がありませんでした。ポポさんのサッカーは、やっている選手を含めて楽しいことが大前提です。それなのに、いつの間にか勝利至上な様子になってしまいました。ポポさん自身、フロント、それからサポーターも、矛盾するようですが、好まざるもこうなることを望んでいたような気がします。もう一度、東京は何を目指してポポ体制をとっているのか、見つめ直す必要があるような気がします。非常に重苦しい雰囲気に、東京を取り巻く関係者自ら陥ってしまいました。

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とは言え、フットボールは続きます。勝利こそ、この重苦しさを吹っ飛ばす強力なカンフル剤はありません。間を開けず難敵広島戦、しかもアウェイですけど、楽しんで支配してそして勝つサッカーを見せてほしいです。

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2013J1リーグ第21節FC東京vs横浜Fマリノス@味スタ20130817

2013-08-18 21:17:46 | サッカー

お盆週間があけます。夏休みを取られていたかたも多いと思います。お仕事されてる皆さん、ファイト(o^^o)。北海道では学校も始まりますね。

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とはいえ、東京は夏真っ盛り。残暑厳しいですけど、がんばりましょう。

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今日は首位広島と勝ち点1差の2位、好調マリノスです。日スタで、悔しい逆転サヨナラ負けを喫し、リベンジを誓う東京です。

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マリノスに完膚無きまでに叩きのめされました。単純な一敗ではなく、価値ある敗戦にし得る一戦だったと思います。ボクらはいいものを目撃しました。東京にとって、もの凄くいい経験になった試合だったと思います。この経験を活かすことができるならば、東京はさらにワンランク上がります。そんな素晴らしい目標を見せてくれたマリノスに感謝です。

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東京は慶悟と加賀が戻り、ベストメンバーです。試合前のアーリアと宏介の儀式

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マリノスは怪我の不安がある学ではなく端戸が入ります。その他はベストメンバー。日スタではマルキーニョスがサスペンションで不在でした。今年仕様のベストなマリノスと初めて対戦することになります。

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開始早々、東京がリズムを掴みます。ワイドオープンのアタックが有効で、とくにドゥトラの背後を狙ったカウンターを仕掛けられました。わずかな時間でしたけど、ここで先制していれば、また違った戦い方もできたかもしれません。でも、結果論ですけど、今日のマリノスにはやっぱり適わなかったような気がします。

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5分を過ぎるとマリノスのリズムになります。東京がリズムを掴んでいた時間は、俊輔がまったくボールを触れませんでした。これは東京が俊輔を抑えていたわけではなく、俊輔自身が敢えて触らなかったんだと思います。トップ下の高さを維持して、左右に動いていました。序盤のマリノスは、中央を経由せずサイドを攻めます。これでは単調になりますけど、点を取りに行くというよりは、東京の攻め所を伺っているような印象を受けました。マリノスがリズムを掴んだ要因は、マリノスの戦い方にあります。まず、マリノスの攻撃は急ぎません。東京がハイポジションでプレッシャーをかけてくると、バックパスでいなします。最終ラインのこの判断が的確で、かつ前線ともコンセンサスが取れています。なにげないですけど、チームとしての完成度の高さを表していたと思います。

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マリノスの攻撃はボランチから始まります。バックパスで落ち着かせたボールは、富澤か中町に渡します。ボランチが攻撃ルートを決めます。マリノスの両ボランチはとてもよく動きます。主に中町がチェイサーで富澤がアンカーのようです。動きはしますけど、この役割分担でバイタルエリアのマネジメントができています。

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攻撃ルートの選択肢は、ようするに俊輔です。序盤自分の居場所を探るようにトップ下に張り付いていた俊輔が、この時間当たりから本来の俊輔に戻ります。中盤を自由に動き回ります。マリノスのパス出しは、俊輔の動きを基準にしていると思います。俊輔がパスを受けようとしているのか、パスコースを開ける動きをしているのかをメンバー全員が理解しているんだと思います。The俊輔システム極めりというところでしょう。

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後方がどっしりしていますし、全員のプレー判断の基準が明確ですから、前線の選手は、ディシプリンのあるなかで自由にプレーできます。個々に役割分担があります。攻守に4-2-3-1の穴を埋めているのが兵藤です。俊輔の動きを見て、守りの際はその穴を埋め、攻撃ではパスコースになります。兵藤と中町の運動量が、マリノスの約束事として決められないシステムそのものです。端戸はアタッカーです。マルキーニョスよりもトップにいることも多く、ポスト役も担っています。マルキーニョス、兵藤と絡むことで、攻撃のアクセントになっています。そしてマルキーニョスは、中央と左サイドが主戦場のようです。どちらかというとセカンドアタッカーっぽい動きで、東京守備陣のプレッシャーがない場所に消えてから、中央に侵入してきます。この消えた所から一瞬のスピードでシュートできそうな場所に顔を出す嗅覚が、マルキーニョスの真骨頂でしょう。

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マリノスの守備は、試合を支配する守りかたをします。ポゼッションできるようになると、マリノスの最終ラインはほぼハーフウェイまで上げます。東京はカウンターのチームです。マリノスはラインを高くすることで東京がターンオーバーする基点、つまりカウンターの起点を低く押し留めます。東京のカウンターは、スピード系のアタッカーに一発で放り込むのではなく、トップ下を絡めてワンタッチのパスを縦に速く送ることを基軸にしています。自陣に押し込められるとカウンターができませんから、バックパスを選択します。東京もマリノスもバックパスをしますけど、意味合いがちょっと違います。マリノスが主体的な意図のあるバックパスであるのに対し、東京は消去法的な意味合いです。さらに、後ろでポゼッションする場合東京はサイド、とくに徳永にボールを預けます。ここからの展開シナリオを東京は持っていません。東京のサイドは、高く位置取ることで有効で、パス回しの基点とオーバーラップを狙うことができます。でも、低い位置からのビルドアップは今のところできません。マリノスは東京を自陣に押し込めることで、ターンオーバーの位置を高く保ち、結果、試合を支配します。

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前半の東京で唯一気をはいていたのがルーカスでした。攻撃でルーカスを基点にするのが東京の常套ですけど、序盤は兵藤とドゥトラに寄せられ不安定でした。これを、ちょっとポイントをずらすことでアジャストしました。守備では大貢献で、中盤を広範囲にチェイスし、ボールを奪いに行っていました。時には激しいスライディングタックルを見せ、闘志が伝わってきました。

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それから守備陣はマリノスの攻撃をよく凌いでいました。結局マルキーニョスにゴールを許しませんでしたから、その点は良かったと思います。残念ながら、それでも前半の東京は成す術がありません。マリノスはマルキーニョスだけではないのです。

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前半31分。中澤がマルキーニョスに送ったロングフィードを徳永がカット。このボールがドゥトラに納まります。この不可抗力が綾でした。徳永はカットのため前に出ていました。その背後にマルキーニョスが残っています。さらに兵藤も徳永の背後にいます。加賀がカバーに行きますが、その前にドゥトラがマルキーニョスに当てます。マルキーニョスは基点になりターン。ドゥトラがバイタルエリア中央に侵出。ヨネがマーク。マルキーニョスの背後を兵藤が上がります。加賀がマーク。マルキーニョスは徳永がマーク。マルキーニョスの選択は、インサイドを上がってきた俊輔。俊輔はフリーで受けワントラップ。前線の状況を見て、左外にいた兵藤にパスします。ここから兵藤ショー。兵藤は対峙する加賀の股を抜きます。そこに端戸。端戸にはモリゲがついていましたけど、常にモリゲの前に体を入れていました。状況を見て何ども動きなおしていました。兵藤は端戸とタベーラ。戻りをダイレクトで流し込みます。なんだか何時も兵藤にやられているような気がしますね。似合わずと言ったら失礼ですけど、スキルフルなゴールでした。ゴラッソ。東京0-1マリノス。

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やはりこのまま成す術なく、マリノスに支配されたまま前半終了。

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ポポさんの判断は早かったです。後半頭から秀人に代えてたまを投入します。アーリアをボランチに下げます。これが奏功します。意図は右サイドの活性化です。狙うはドゥトラ。スピードとアジリティのあるたまを高い位置に据えます。兵藤は動き回る分、実はドゥトラが孤立する状況ができます。ここが狙いです。たまを有効活用するため、徳永を攻撃的に使います。アーリアをアンカーとして置きパスを集めます。アーリアが時間を作り、徳永が高く位置取らせます。ここで徳永にパス。兵藤が徳永に付きますから、ドゥトラはフォローがなく丸裸です。たまを軸にアタッカーが寄せ、ドゥトラの背後を再三狙います。これで東京の攻撃が活性化しました。この時間帯が15分ほど続きます。前半まったく成す術がなかった東京を、ひとつの采配で蘇らせ、強いマリノスと対峙できるまでにしたポポさんはグッドジョブだったと思います。ただ、結局この時間帯を凌ぎ切ったことがマリノスの勝利に継ります。

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学が使える状態だったら違っていたと思うのですけど、樋口さんの打ち手は対処療法的なものでした。端戸に代えてディフェンダーの奈良輪を投入し、ドゥトラの前に置きます。端戸のコンディションもあった思いますけど、守備を安定させる意図でしょう。それ以前に、すでにマリノスの選手が東京の戦い方に合わせてアジャストしていたので、奈良輪投入は補完的な意味合いになりました。マリノスがリズムを取り戻すのに有効だったことには変わりありません。

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もう一度リズムを掴みなおすために、ポポさんがどんな手を打ってくるのか注目でした。ポポさんの選択はナオでした。慶悟に代えての投入です。ずっと基点になり続けていたルーカスをトップ下に置きます。ナオはアタッキングサードでパス回しに参加すると、無理にドリブルすることがあるのですけど、フィニッシャーとして使うと非常に有効です。ルーカスとたまで攻撃を作ることが前提の選択だと思いますけど、何度かビッグチャンスを作っていたので、この交代は合理的だったと思います。結果が伴わなかったことが残念です。

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最終盤、ポポさんがギャンブルに出ます。どうしても負けたくなかったんでしょうね。気持ちは伝わりましたけど、結果は裏目に出ます。ヨネを容平に代え、2トップにします。たまをボランチに下げます。たまのボランチとしての特性は、クリティカルな状況でしたので評価するには可哀想です。守備が不安定になることは覚悟の上だと思いますので問いません。むしろ、攻撃の基点とアクセントになっていたたまを前線から失うことになりました。

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樋口さんはコンディションを考慮してか、兵藤を小椋に代えます。この両者の采配は樋口さんに軍配が上がります。

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後半44分。東京は結果的にパワープレーに出ます。モリゲが前線のルーカスに当てようとします。この時たまはルーカスのフォロー。アーリアは右に開いていました。宏介と徳永もほぼ最前線。後方には加賀しかいません。モリゲのパスを中町がカット。こぼれたボールを小椋が拾い、前線のマルキーニョスに送ります。マルキーニョスがハーフウェイで受けた時、俊輔が攻め上がっています。東京自陣には加賀のみ。一時1on2の状況です。モリゲと徳永が戻ります。ペナルティエリアの前でマルキーニョスは俊輔にパス。ゴール正面で、俊輔が持ちます。右ワイドを小椋が上がっていて、3on3。マルキーニョスはモリゲがマーク。小椋はフリーですが離れすぎていて、実質、加賀+徳永vs俊輔です。ここから俊輔劇場の始まり。加賀と対峙した俊輔は、跨ぎフェイクから左、右と切り返し、加賀を死に体にします。最後に左にフェイクした時は目の前が開いていました。左足で左隅に決めました。スーペルゴラッソ。東京0-2マリノス。

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マリノスは、最後は富澤を天野に代え、小椋をなかに持ってきて逃げ切りを図ります。このまま試合終了。東京0-1マリノス。

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マリノスの試合運びは完璧でした。自分達のやりたいサッカーをしただけでなく、東京にアジャストしていました。ベテランが多いチームならではですね。マリノスの選手は、プレーひとつ一つにすべて意図があるんです。何気なくプレーしちゃうシーンがほぼ皆無です。

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単に負けたではなくて、こういう面も含め、まだまだ東京は学べきところが多いことをマリノスは教えてくれました。レベルの高いチームと対戦するとホントにいい経験ができます。大事なことは、この経験を活かすこと。敗戦からできる限り多くを学習することです。

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スポーツ祭東京2013が始まりますので、味スタでの試合はしばらくお休みです。秋に味スタで再会する時には、バージョンアップした東京を期待したいと思います。

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あまちゃんロケ地の旅 ―2013/08/10 秋葉原―

2013-08-11 21:28:38 | 連続テレビ小説あまちゃん

40度近い酷暑の秋葉原は、それでもやっぱり秋葉原でしたw。人でいっぱい。週末にアキバに来たのはいつ以来かな。ちょっこしロケ地。ユイちゃんのお母さんが男のひとと歩いていた道。

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ベルサール秋葉原です。アニソンアカデミーをやってました。遠巻きに、しょこたんと森口博子さんを見ました。「ETERNAL WIND」聴きたい。

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週末にアキバにきた目的は、やっぱりあまちゃん(^_^;)。

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「NHK WONDER LAND2013」でございます。

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スタジオパークで先月やっていた「じぇじぇじぇ展」が出張中。

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地下におりますと、あまちゃんコーナーがあります。今回は3パートです。

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アキちゃんバージョン。ユイちゃんバージョンも見たかったな。

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アキちゃんとユイちゃん。ちなみにカメラのオートフォーカスは、可愛いほうにピントがあたりましたw。

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潮騒のメモリーズと記念写真撮れます。

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まずは、北三陸駅のコーナーです。セットのデザイン画とジオラマのパネルは、先月もありました。

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リアス(梨明日)の外観も先月とほぼ同じ。

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海女さんになってみませんか?

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顔の部分からはこんな風に見えます。

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大吉さん。

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北鉄のクラフトワーク。

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北三陸鉄道リアス線の全景。

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時刻表。

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足立先生の講演会ポスター。

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駅舎内が見えるリアスのガラス窓。

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リアスをあとにします。

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外に出ますと、ここから今回初公開です。GMTのコーナーです。地元に帰ろう♪発売の告知ポスター。

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GMT祭り!で出てたGMT5ののぼり。下のほうに出身地の地図があったんですね。てか、ベロニカは山梨とブラジルのハイブリッドw。

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東京EDOシアターの案内板とアメ横女学園楽屋の案内板。

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office Heartfulの社標。

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東京EDOシアターの外に出てた看板。水口さんがアキちゃんを迎えるために立っていたテラスにかかっていましたね。

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GMT5の衣装と太巻さん。

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アイドルカフェ太巻の看板。

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ステラの告知。

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「あまちゃんメモリアルブック」は9月18日に緊急発売です!

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続いて。

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北の海女のコーナーです。

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袖が浜に出ていた北の海女ののぼり。

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こちらは、収録で使われたものではなく、記念撮影用です。

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海女さん気分で潜れますw。

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ちなみに今日は8月10日。

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「オラ、この海が好きだ」

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スリーJプロダクション(アキちゃんの実家)の表札。

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「見つけてこわそう」のコーナーです。スタジアムの背景にかかっていたボード。

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おじいちゃんとスイカ。

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おじいちゃんを横から見るとこんな感じです。

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床に転がっていた大きなサイコロ。

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ギョギョw。

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アキちゃんが壺を見つけた樽。

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さかなクンのメッセージカード。ハッピー?でギョざいますw。

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それでは最後に、アキちゃんの衣装です。

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かわいいですねーo(^▽^)o。「逆回転だー」

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靴は、同じスタイルだったんですね。カラーデザインが違うと別ものに見えます。

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衣装の右側。

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左側。まったく別ものに見えますねw。

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帽子と、ウニw。

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初公開の衣装や小道具が見れて楽しかったです。袖が浜のアキちゃんの部屋も見たいでーす(^o^)/

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2013J1リーグ第20節川崎フロンターレvsFC東京@等々力20130810

2013-08-11 17:10:06 | サッカー

本日の東京は、バカみたいに暑いです。実質の気温は40度を超えていたとか。一方で、秋田と岩手で集中豪雨があり、水害にあった街もあります。ご苦労がおありだと思いますが、一日も早い復興をお祈りします。

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2013多摩川クラシコの2ndレグでございます。自分は等々力のほうがクラシコ感が出るように感じます。味スタだと普段と変わりませんからね。等々力は、現在メインスタンドを改装中です。市長公約の屋根付きメインスタンドが待たれます。

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東京こそすべて♪feat.ドロンパ

凛々しいドロンパとYou'll never walk alone♪

春先、調子の上がらない川崎を2-0で粉砕した1stレグでした。あの時の川崎は、とくに守備組織の整備が進んでいない印象がありました。現在の川崎はリーグベスト。一方失点数はリーグ2番目の多さ。打ち合いで勝ったり負けたりというチームです。東京は打ち合いを挑むのか、さにあらずか。

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川崎に内容的には圧倒された試合でしたけど、千真と宏介が救ってくれました。終盤は足がとまった川崎を攻め立てましたけど、ドロー。

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東京は慶悟をサスペンションで欠きます。トップ下にはアーリアが入ります。代わってナオがWGでスタートです。

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正直クラシコ1stレグの川崎は、本来の川崎ではありませんでした。攻撃力偏重の川崎のなかで、憲剛とレナトが不在ではもはや川崎ではありません。その点、今日の川崎はリアル川崎です。4-2-3-1の嘉人がトップで、その下に憲剛。両WGはブラジル人が固めます。右にアラン・ピニェイロ、左にレナト。ボランチは真希と森谷。最終ラインは裕介、實藤、中澤、登里。GKは西部です。

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川崎は、攻守とも主義主張がはっきりしたチームです。まず守備です。川崎のターンオーバーポイントは非常に低いです。相手がボールを持つと3ラインの守備網を作ります。この位置に特長があります。ほぼ自陣に戻ります。前線からプレッシングすることはけしてありません。相手のボールの位置で、守備網全体が左右に動きます。位置が低いので、前後に動く必要がありません。基本的には中央を固めます。サイドに押し出し、SB、ボランチ、WGで囲い込みます。ただ、ここもアグレッシブに押し出してきません。あくまでも攻めさせます。むしろ相手に最後まで攻めさせて、一番低い位置から、ヨッコイショとビルドアップします。ただ、組織的に守っている割には、脇は相変わらず甘いです。とくにバイタルエリアの処理に難があります。意識的にサイドに片寄せするんですけど、そのときボランチが動きます。最終ラインはステイなので、必然的にボランチとCBの間にスペースができます。ここが相手チームの狙いところでしょう。

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さて、川崎最大の特長はアタックです。フレームワークをベースにして、個のアイディアとスキルを最大限に活かす戦いかたは、非常に魅力的です。相手守備網のトライアングルの真ん中を狙い続けることと、プレーの1stチョイスは前方へのアタックであることが川崎のフレームワークです。スモールスペースを狙い続けるには、パス&ゴーが条件です。そして、常にゴールに向かって相手の隙を探します。川崎の攻撃は、アタッカー4人とSBで構築しますけど、全員がプリンシパルを共有してプレーを繰り返します。このディシプリンが川崎の凄みの源泉です。

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全員が同じ志向というと誤解を生み易いのですけど、全員が個性的です。各自の個性を活かしたプレーを選択します。憲剛はパス。レナトとピニェイロはドリブル。登里はリンクマン。裕介はクロッサー。嘉人はオールマイティに幅広く。お互いに特長をわかった上で、パスを出す相手にその特長を出させるようなプレーを選択します。つまり、個性が噛み合ったとき、川崎の攻撃は、手をつけられないほどの猛威をふるいます。逆に言うと、選手が代わるとチームとしてのプレーも変わるということです。それはそれでOKというのが、風間さんの考えなんでしょう。最近、ポゼッション志向のチームが増えていますけど、どちらかというと組織を重視した発想です。風間さんは方法論は同じでもプリンシパルが違うのだと思います。良い悪いは別にして、自分はそういう考えは大好きです。

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もともとポポさんが志向していたサッカーも同じようなプリンシパルでした。ところが今年は、速攻型に変貌しています。結果が出ていますから、自然な流れと受け取っていいと思います。これも良い悪いではありませんね。カウンターの東京に対しポゼッションの川崎。キャラクターが相反する喧嘩四つの取り組みです。結果は、川崎が主導権を握ります。それほど川崎のスモールスペースサッカーの威力は絶大です。正直見ていて楽しかったです。

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川崎最大の強みは、なんと言っても憲剛と嘉人です。とくに嘉人の加入は影響大です。憲剛はもちろんフィニッシュもできますけど、基本的には活かすべき相手がいて活きる選手。その点嘉人は、単独でも打開できるアイディアと技術を持っています。嘉人が最前線にいる存在感が相手にあたえる脅威は絶大です。

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それからレナトです。川崎のWGは左右のポジションを入替えません。ですので、サイドの選手の個性とコンビネーションが勝負のポイントになります。左サイドはレナトのスキルフルな突進が基軸です。レナトをどう活かすかをテーマに、憲剛と登里が絡みます。残念ながらレナトは最終局面の手前までは凄いのですけど、シュート精度に難があります。ピニェイロも同じく。そこに助けらた感が少なからずあります。川崎が完全にイニシアチブを握りつつも、東京最終ラインと権田が凌ぐ状況が続くなか、ついに試合が動きます。

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前半33分。川崎らしいパス回しから、左サイドでパスを受けたレナトがヨネを引きつけてターン。この時、秀人、ヒョンス、モリゲのトライアングルの真ん中に嘉人が流れます。嘉人は細かいタッチでキープ。秀人とヨネが嘉人を見ます。レナトは嘉人に預けてそのまま前線へ。ヨネに代わってヒョンスがマーク。左には憲剛がいて徳永がマーク。東京はラインが揃っています。ただ、モリゲと宏介の距離が微妙に開いていました。宏介の奥にピニェイロがいたためです。嘉人はおそらく、そこをルートに定めます。右にトラップして秀人をかわし、モリゲをおびき寄せます。これでモリゲの背後にスペースができました。嘉人はピニェイロに預けます。ピニェイロもわかっていて、嘉人の狙うスペースにタベーラ。嘉人は権田が触る前に流し込みます。実に風間川崎らしいラブリーゴールでした。川崎1-0東京。

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川崎にドミネートされていましたから、先制は厳しいなあと思っていました。でもここで、川崎がボールを持たせてくれました。川崎は常にボールをホールドすることで優位に立とうとします。序盤の東京は、カウンターに偏る余りロングボール基調になっていました。結果、中途半端にアタックを終え、川崎の術中にはまっていました。先制され、アタック時に秀人を下げるお馴染みのポゼッションスタイルに変えました。これがさっそく奏功します。

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前半39分。例によって川崎は全員が自陣に引きます。東京はラインを上げます。センターライン付近でモリゲが持ち、ルックアップ。前方ヨネがバイタルエリアに侵出。モリゲは、隣の秀人ではなく縦を選択します。これはグッドチョイス。バイタルエリアにはアーリアもいて、やはり川崎の泣き所です。右寄りでモリゲのパスを受けたヨネがターンし、ルックアップ。この時千真は中澤とマッチアップしていました。細かい前後左右の動きで瞬間中澤の背後に回ります。ヨネがターンしたタイミングで一気にゴール前に飛び込みます。ヨネは得意のトォウループで千真にスルー。千真は胸トラップからシュート。川崎1-1東京。

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Happy Birthday to You 千真。ヨネのバースデープレゼントですね。ヨネのループから千真ゴールは、今年の2節柏戦でありました。ヨネがモーションに入ると千真がスタートしてます。ホットラインができているんでしょう。前半はこのまま終了。

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後半開始早々、追加点を浴びます。

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後半1分。右ライン際アタッキンサードで森谷がキープ。裕介のオーバーラップを促します。ここは宏介がウォッチ。インサイドにピ二ェイロには秀人がマーク。中央嘉人にはヨネ。憲剛にはヒョンス。最奥レナトには徳永。モリゲが一枚余ります。東京の守備網は揃っています。ただ、中央の3人、モリゲ、ヒョンス、ヨネがみんなボールを見ていました。ヨネの背後を嘉人がするするっと上がります。森谷が裕介にスルー。裕介はなかを見て、嘉人に合わせます。クロスが上がったところでようやくヒョンスが嘉人に気付きますけど、時すでに遅し。タイミングがバッチリ合った嘉人はどフリーでヘッド。これは権田が神セーブします。それがクロスバーに当たって跳ね返ります。ここでも東京の守備陣は反応が遅れます。先に詰めたのは憲剛でした。川崎2-1東京。

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先制失点もこの追加失点も、東京は、最終局面の前は守備網が一見揃っています。でも、組織的に整備されているわけではありません。いずれもわずかですけど、物理的あるいは意識的なギャップがありました。東京はゾーンですので、ギャップが生まれやすくはあります。ただここは、もちろん東京の守備に課題があるし真摯に取り組むべきですけど、そこを瞬時に見つけ的確に活かせる川崎の攻撃力のほうを感嘆すべきでしょう。

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そんなほぼ一方的な状況にもかかわらず結果をドローに持ち込めたのは、限られたチャンスを、しかも失点直後に活かした成果です。ポポさんの判断ははやかったです。失点してすぐ、ナオをたまに代えます。おそらくポゼッションされることを考慮して、ロングカウンターに備えてのナオ起用だったと思います。川崎が自陣に引くのでなかなかカウンターが成立しません。むしろ川崎の弱点はバイタルエリアです。たま投入はそこを意図したものだと思います。これがいきなり奏功します。

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後半11分。ゴールやや右寄りのFK。絶好のポジションです。アーリアのフェイントにレナトがつられ、壁が崩れます。さらに壁のインサイドにいたたまが壁を外側にプッシュ。コースを開けるファインプレー。宏介がたまの脇を通したシュートが、西部の指先を弾きます。ゴラッソ。川崎2-2東京。

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直後に川崎に不運がおそいます。レナトが怪我で退場。本来はアタッカーの登里を上げ、本職SBの小宮山を投入します。もちろん、酷暑による疲労も影響したと思いますけど、この不慮で川崎の攻撃力が激減します。憲剛と嘉人で最終局面を描く前がレナトの持ち場ですけど、ここがすっぽりなくなります。登里は魅力的なアタッカーなんですけど、レナトが作っていたリズムを登里仕様に変換するのは、いかにプロでも困難です。さらに小宮山のガテン系な守備が、むしろ川崎のセレブリティなリズムを自ら壊すことになりました。彼我の差は微妙です。急に東京のポゼッションが活性化し、イニシアチブは完全に東京に渡ります。

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東京はルーカスをネマニャんに代えます。東京のリズムになるとルーカスが活きるようになっていました。流れに対し順目のルーカスに対して意外性のネマニャん。ポポさんの勝ち点3を狙った采配です。内容で圧倒された試合を、しかも逆転でものにすれば、大事な8月に追い風が吹きます。それを意図したのでしょう。如何せん、今日のネマニャんは精度に欠きました。川崎にさらにアクシデントが遅い、實藤が怪我で宏樹に代わっても、東京に逆転ゴールは生まれません。

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最終盤、風間さんは森谷を福森に代え試合をまとめにきました。いっぽうポポさんは千真を相太に代え、押せ押せ状況に持っていきます。この采配は、風間さんの意図が勝りました。もう少し時間があったら逆転できたかもしれません。結局このまま試合終了。川崎2-2東京。

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正直申しまして、川崎の攻撃に魅了されました。川崎に先制されるまでの流れは、手も足も出ない完全支配されてしまいました。近年の東京では、滅多にみることができない状況です。東京がカウンター志向になっているので不思議なことではないのですけど、これほどいいようにやられる試合に慣れてないのでw、ただただポカーンとしてしまいました。自分は相手が強いとむしろワクワクするので、誤解をおそれず言えば、滅茶苦茶楽しかったです。この状況をどう打開するのか、自分でも考えポポさんの選択を確認する作業が、脳を激しく刺激してくれるのです。誰も彼もがディープである必要は全然ありませんけど、サッカーの楽しみかたの一つです。

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とはいえ、守備の再整理は必要ですね。今日は千真、宏介、ヨネ、たまに助けられました。マークの受け渡しがポイントです。結局個人の技術になりますけど、自分と敵味方の位置関係を理解し、的確なポジション選択をする戦術眼が必要です。見ている側も、ミスをした本人だけでなく、周囲の関係性を見てあげるべきと思います。

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クラシコと銘打つに相応しいナイスゲームになりました。酷暑のなか、両チームの選手、スタッフ、サポーターは素晴らしい働きだったと思います。正直、この環境での試合開催は、この気候が続くのなら環境衛生面を考えると厳しいと思います。じゃあ秋春制にしようなんて短絡的でオルタネイティブな考えじゃなく、幅広い選択肢を議論するステップが必要だと思います。

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酷暑の連戦が続きます。みなさん健康に十分注意して乗り切りましょう。

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2013J2リーグ第27節ファジアーノ岡山vsガンバ大阪@カンスタ20130804

2013-08-07 23:36:15 | サッカー

あだっちーはすごいですね。昨日味スタでステージを見たと思ったら、今日はカンスタに来ていました。ひとり「あだっちーと行こうJリーグ二日間」w。

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ひさしぶりにドリームライナーでございます。いろいろありますけど、自分は運航再開を大歓迎です。

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実家の父は絵を趣味にしておりまして、自分を絵のなかに登場させたんだそうです。

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岡山の夏は白桃の夏!。

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ファジサポの今年最大のお楽しみ、ガンバが岡山にやってきました。早々とチケットはソールドアウト。父の日にプレゼントしたファジユニを着た父もワクワクしてました。

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驚いたのがガンバの選手紹介です。ヤットと宇佐美に大拍手です。コアな人たちはそんなことないと思うのですけど、今日の多くのお客さんはファジより代表が上位ってことなのかもしれません。ちょっと寂しかったです。ファジの選手もびっくりしたんじゃないかな?。まだまだ頑張らないといけませんね。これはホスピタリティの域を超えてます。真にファジと共に闘いJ1を目指すのなら、彼らはファジから勝ち点を狙うライバルなんですから、最大限のリスペクトを込めたブーイングで迎えないと。あ、ちなみに今ちゃんのときは無反応でした(^^ゞ。

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リーグ最多得点と最少失点のある意味頂上決戦は、ゴールがいっぱい入りました。上位に強いファジの地力を発揮した2ゴールでしたけど、ガンバの攻撃力に屈しました。

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今日のファジの前線3枚は、久木田を軸に桑田と関戸のシャドゥです。ボランチは千明と仙石。あとは不動のメンバーです。

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ひと月前に見たときからガンバは前線が入れ替わりました。レアンドロと家長が抜けた穴は、そのまま新加入のロチャと宇佐美が埋めました。ハーフの一枚に大森が入ります。大森、岡崎、阿部、内田、西野と、ガンバは続々とレギュラー予備軍の有望株が出てきています。来年以降のガンバはリニューアルされてくるかもしれません。楽しみです。

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スタンドのちょっとお祭りムードはともかくも、ファジは非常に気合いが入っていました。作戦面も整理され、コンセンサスがとれていたと思います。まず守備ですけど、バイタルエリアを閉じる作戦です。後ろ3枚と中盤4枚のブロックをしっかりと作ります。とくに中央は5枚で守りますから、非常に堅固です。

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なのでガンバの攻撃はサイドに流れます。とくに序盤は加地のサイドに片寄っていました。もともとガンバは右で作って左で仕掛けるチームですから自然ではあります。ただファジが加地サイドをターンオーバーポイントにしていますから、そこからの展開の選択肢が限られます。強引に加地が仕掛けてつぶれるシーンが続きます。

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ロチャと宇佐美は役割分担します。宇佐美がポゼッションに絡みます。序盤は宇佐美に入るタイミングが少し早かったです。宇佐美はパスを受けるとフィニッシュに持っていくイメージがあったんでしょう。バイタルエリアで受けて強引にドリブルインしてつぶれるシーンを繰返します。宇佐美へ繋ぐプロセスに問題があるわけですけど、ただ、これらの仕掛けがボディブローになるだけ、ガンバの圧力は強かったと思います。

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ファジはガンバの右サイドを狙います。明神、加地、西野のトライアングルです。桑田と久木田が仕切りにトライアングルの真ん中に侵入します。ことしのガンバは、そこが泣き所です。ファジの基本的な攻撃プロセスはボランチからのロングフィードです。今日は、諒サイドに限ってはビルドアップが有効でした。これで右も活性化し、奏一へのフィードが決まります。結果ガンバが誇る両SBを閉じ込めることに成功しました。ガンバの攻撃を封じファジの攻撃を活性化する両得作戦が奏効し、ファジが先制します。

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前半14分。センターライン付近のFKを千明が最終ラインに戻します。最終ラインでパスを回し、時間を作って龍仁朗が久木田にポスト。久木田は西野を背負いながら綺麗にポスト。落としを千明が受け、左サイドで明神、大森、ヤットのトライアングルの真ん中に位置取る桑田にダイレクトではたきます。桑田もダイレクトで久木田に。久木田のポストについて上がっていた西野はラインに戻ろうとしていました。ヤットは千明をマーク。明神は桑田。加地は大外にいる諒をマーク。トップに関戸がいて今野がマーク。結果、久木田がターンしたときはゴールに向かうバイタルエリアががっぽり空いています。久木田はドリブルで進みながらルックアップ。藤ヶ谷の過重移動を確認して、逆をつきました。ゴラッソ。ファジ1-0ガンバ。

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なんと万博と同じような展開です。ちょっと早く先制したので、ガンバに焦りはないなと思いました。逆にファジには長い長い時間が残ります。

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健太さんが動きます。二川に代えて内田を投入します。ヤットを一枚上げます。フィニッシュに繋ぐ役の二川が、バイタルエリアを封じられ機能しません。ヤットは単純に二川の役を引き受けるわけではなく、守備の負担を解放し攻撃のハブ役に専念します。パスを受けるため、中盤を広範囲に動きます。困ったときのガンバが見せるザ・ヤットシフトです。ガンバにこの選択をさせたということは、その点でファジの成果だと思います。

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効果は抜群で、ガンバのパスがスムーズに回り、バイタルエリアを使えるようになります。これで宇佐美がパスを受ける位置が高くなり、計算通り追いつきます。

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前半43分。ガンバ自陣から。ファジのシュートを止めた藤ヶ谷から左サイドを今野、ヤットと渡り、宇佐美のところでサイドチェンジ。逆サイドの大森に渡します。大森は背後をオーバーラップする加地にパス。加地はキープして大森の上がりを待ってパス。この時ファジは綺麗な2ラインを保っています。大森がルックアップしたのを見て、ひとり前線にいたロチャが龍仁朗の背後を狙ってダッシュします。それを見た大森がロブスルーを上げます。これがいいアイディアでした。スルーは龍仁朗がカットしますけど、落ちたところに大森が上がっていました。龍仁朗とのタベーラのような形になります。この一連のアクションでファジの守備網にギャップができます。竹田は大森のシュートコースを消します。千明も大森に寄せる諒のカバー。後藤がゴール正面を守ります。バイタルエリアには仙石がいますけど、その背後からスルスルっと宇佐美が上がってきます。これを見た大森が宇佐美にパス。ここから宇佐美がスーペルでした。大森のパスを右足でトラップし、ファジの5人が寄せてくる前に右足でショット。スーペルゴラッソ!。ファジ1-1ガンバ。

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このまま前半終了。

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万博の第一戦とまったく同じ展開です。後半は2013シーズンの決戦になりました。ただ、第一戦とは状況が少し違います。健太さんの打ち手が決まり、後半はガンバが完全にイニシアチブを握ります。前半はほぼなりを潜めていた藤春が頻繁に攻め上がるようになります。そして早々追加点が生まれます。

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後半10分。自陣右サイドで大森と宇佐美がパス交換するなかで、大森が抜け出します。センターラインでフリーのヤットに。ファジは守備陣形が前傾していました。ガンバ陣深くでターンオーバーしたので、そのまま前線からプレッシングをかけようとしました。ボールを奪えたらビッグチャンスになりますから、このリスクテイクは納得です。むしろそこを抜け出た大森と宇佐美が巧みでした。ヤットはターン。ドリブルで一気にファジ陣内へ。完全にカウンターになります。ファジは竹田、後藤、諒、奏一が残っています。ガンバは前にロチャ、ヤットの後ろに大森です。ヤットに竹田がチャージ。シュートコースに諒。ここからヤットが凄いです。竹田を引き連れながら諒も巻き込んだところでヒール。大森が後ろにいることがわかっていたのでしょうか。大森のシュートは中林が弾きますけど、ロチャがつめていました。ファジ1-2ガンバ。

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立て続けに加点します。

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後半13分。ヤットの左CK。ファジはゾーンです。ロチャはファジのゾーンの真ん中にいました。そこから後藤と龍仁朗の間に入ってジャンプ。案外視界に入らない場所なのかもしれません。ヤットのボールがロチャのヘッドにドンピシャ合いました。ファジ1-3ガンバ。

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2点目を取られ、一瞬集中が切れたかもしれませんね。ファジにとって残念な魔の時間帯でした。ここから影山さんは果敢です。関戸を石原に代え、さらにその石原を仙石に代えてボランチに置く攻撃加重シフトで、押谷を投入します。

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ガンバは大森を岡崎に代えます。ゆったりとポゼッションするようになり、この点差のままクローズする選択をします。ファジに敬意を払った選択ですけど、少し裏目にでます。西野がアクシデントで丹羽に代わった影響もあったのか、ファジの攻撃加重がガンバの守る意識に噛み合い、ガンバがうまくいなしているように見えた流れが徐々にファジに傾きます。そして1点差になります。

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後半39分。ロチャのポストを後藤が阻止。こぼれ球を竹田が拾い千明へ。千明は前線から降りてきた久木田にポスト。久木田は、キープにつられて寄ってきた岡崎の背後を伺う石原にパス。石原は切り返して岡崎との距離をおき、ルックアップ。ガンバ最終ラインは揃っています。一番奥、押谷が藤春と対面しています。石原の視線を見て、押谷が藤春と今野の間を狙います。そこに石原が柔らかいクロスを送ります。これが絶妙でした。押谷はヘッドを振り、右隅にゴール。ファジ2-3ガンバ。

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諦めムードが漂い、家路につく人が出始めていたカンスタのボルテージが一気に上がります。ファジは奏一を妹尾に代えて攻勢を高めます。だけど残念ながら時が足りませんでした。このまま試合終了。ファジ2-3ガンバ。

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今シーズン初スタメンの久木田が非常によかったです。シュート意識が高く、精度も威力もありました。ミンキュンが加わりライバルが増えましたけど、今シーズン見たなかでは、ファジのアタッカー陣で一番おもしろいシュートを持ってます。

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桑田は中盤で組み立てに絡んでいました。ビルドアップというこれまでファジになかった攻撃パターンを加えてくれるかもしれませんね。

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負けましたけど、楽しい試合でした。「強ぇーチームとやったらエエ財産になる。こういう経験を重ねて活かしていきゃあ、ファジも強ぅなるんじゃあ」とは、満足げな父親の言葉です。

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帰りの飛行機もドリームライナー。CAさんたちが乗客として乗っていたので、「新人さんの研修ですか?」と聞いたら、「そんなに初々しく見えます?。みんな大ベテランですよ」と笑ってらっしゃいましたw。

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