ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2013J1リーグ第20節川崎フロンターレvsFC東京@等々力20130810

2013-08-11 17:10:06 | サッカー

本日の東京は、バカみたいに暑いです。実質の気温は40度を超えていたとか。一方で、秋田と岩手で集中豪雨があり、水害にあった街もあります。ご苦労がおありだと思いますが、一日も早い復興をお祈りします。

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2013多摩川クラシコの2ndレグでございます。自分は等々力のほうがクラシコ感が出るように感じます。味スタだと普段と変わりませんからね。等々力は、現在メインスタンドを改装中です。市長公約の屋根付きメインスタンドが待たれます。

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東京こそすべて♪feat.ドロンパ

凛々しいドロンパとYou'll never walk alone♪

春先、調子の上がらない川崎を2-0で粉砕した1stレグでした。あの時の川崎は、とくに守備組織の整備が進んでいない印象がありました。現在の川崎はリーグベスト。一方失点数はリーグ2番目の多さ。打ち合いで勝ったり負けたりというチームです。東京は打ち合いを挑むのか、さにあらずか。

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川崎に内容的には圧倒された試合でしたけど、千真と宏介が救ってくれました。終盤は足がとまった川崎を攻め立てましたけど、ドロー。

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東京は慶悟をサスペンションで欠きます。トップ下にはアーリアが入ります。代わってナオがWGでスタートです。

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正直クラシコ1stレグの川崎は、本来の川崎ではありませんでした。攻撃力偏重の川崎のなかで、憲剛とレナトが不在ではもはや川崎ではありません。その点、今日の川崎はリアル川崎です。4-2-3-1の嘉人がトップで、その下に憲剛。両WGはブラジル人が固めます。右にアラン・ピニェイロ、左にレナト。ボランチは真希と森谷。最終ラインは裕介、實藤、中澤、登里。GKは西部です。

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川崎は、攻守とも主義主張がはっきりしたチームです。まず守備です。川崎のターンオーバーポイントは非常に低いです。相手がボールを持つと3ラインの守備網を作ります。この位置に特長があります。ほぼ自陣に戻ります。前線からプレッシングすることはけしてありません。相手のボールの位置で、守備網全体が左右に動きます。位置が低いので、前後に動く必要がありません。基本的には中央を固めます。サイドに押し出し、SB、ボランチ、WGで囲い込みます。ただ、ここもアグレッシブに押し出してきません。あくまでも攻めさせます。むしろ相手に最後まで攻めさせて、一番低い位置から、ヨッコイショとビルドアップします。ただ、組織的に守っている割には、脇は相変わらず甘いです。とくにバイタルエリアの処理に難があります。意識的にサイドに片寄せするんですけど、そのときボランチが動きます。最終ラインはステイなので、必然的にボランチとCBの間にスペースができます。ここが相手チームの狙いところでしょう。

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さて、川崎最大の特長はアタックです。フレームワークをベースにして、個のアイディアとスキルを最大限に活かす戦いかたは、非常に魅力的です。相手守備網のトライアングルの真ん中を狙い続けることと、プレーの1stチョイスは前方へのアタックであることが川崎のフレームワークです。スモールスペースを狙い続けるには、パス&ゴーが条件です。そして、常にゴールに向かって相手の隙を探します。川崎の攻撃は、アタッカー4人とSBで構築しますけど、全員がプリンシパルを共有してプレーを繰り返します。このディシプリンが川崎の凄みの源泉です。

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全員が同じ志向というと誤解を生み易いのですけど、全員が個性的です。各自の個性を活かしたプレーを選択します。憲剛はパス。レナトとピニェイロはドリブル。登里はリンクマン。裕介はクロッサー。嘉人はオールマイティに幅広く。お互いに特長をわかった上で、パスを出す相手にその特長を出させるようなプレーを選択します。つまり、個性が噛み合ったとき、川崎の攻撃は、手をつけられないほどの猛威をふるいます。逆に言うと、選手が代わるとチームとしてのプレーも変わるということです。それはそれでOKというのが、風間さんの考えなんでしょう。最近、ポゼッション志向のチームが増えていますけど、どちらかというと組織を重視した発想です。風間さんは方法論は同じでもプリンシパルが違うのだと思います。良い悪いは別にして、自分はそういう考えは大好きです。

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もともとポポさんが志向していたサッカーも同じようなプリンシパルでした。ところが今年は、速攻型に変貌しています。結果が出ていますから、自然な流れと受け取っていいと思います。これも良い悪いではありませんね。カウンターの東京に対しポゼッションの川崎。キャラクターが相反する喧嘩四つの取り組みです。結果は、川崎が主導権を握ります。それほど川崎のスモールスペースサッカーの威力は絶大です。正直見ていて楽しかったです。

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川崎最大の強みは、なんと言っても憲剛と嘉人です。とくに嘉人の加入は影響大です。憲剛はもちろんフィニッシュもできますけど、基本的には活かすべき相手がいて活きる選手。その点嘉人は、単独でも打開できるアイディアと技術を持っています。嘉人が最前線にいる存在感が相手にあたえる脅威は絶大です。

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それからレナトです。川崎のWGは左右のポジションを入替えません。ですので、サイドの選手の個性とコンビネーションが勝負のポイントになります。左サイドはレナトのスキルフルな突進が基軸です。レナトをどう活かすかをテーマに、憲剛と登里が絡みます。残念ながらレナトは最終局面の手前までは凄いのですけど、シュート精度に難があります。ピニェイロも同じく。そこに助けらた感が少なからずあります。川崎が完全にイニシアチブを握りつつも、東京最終ラインと権田が凌ぐ状況が続くなか、ついに試合が動きます。

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前半33分。川崎らしいパス回しから、左サイドでパスを受けたレナトがヨネを引きつけてターン。この時、秀人、ヒョンス、モリゲのトライアングルの真ん中に嘉人が流れます。嘉人は細かいタッチでキープ。秀人とヨネが嘉人を見ます。レナトは嘉人に預けてそのまま前線へ。ヨネに代わってヒョンスがマーク。左には憲剛がいて徳永がマーク。東京はラインが揃っています。ただ、モリゲと宏介の距離が微妙に開いていました。宏介の奥にピニェイロがいたためです。嘉人はおそらく、そこをルートに定めます。右にトラップして秀人をかわし、モリゲをおびき寄せます。これでモリゲの背後にスペースができました。嘉人はピニェイロに預けます。ピニェイロもわかっていて、嘉人の狙うスペースにタベーラ。嘉人は権田が触る前に流し込みます。実に風間川崎らしいラブリーゴールでした。川崎1-0東京。

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川崎にドミネートされていましたから、先制は厳しいなあと思っていました。でもここで、川崎がボールを持たせてくれました。川崎は常にボールをホールドすることで優位に立とうとします。序盤の東京は、カウンターに偏る余りロングボール基調になっていました。結果、中途半端にアタックを終え、川崎の術中にはまっていました。先制され、アタック時に秀人を下げるお馴染みのポゼッションスタイルに変えました。これがさっそく奏功します。

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前半39分。例によって川崎は全員が自陣に引きます。東京はラインを上げます。センターライン付近でモリゲが持ち、ルックアップ。前方ヨネがバイタルエリアに侵出。モリゲは、隣の秀人ではなく縦を選択します。これはグッドチョイス。バイタルエリアにはアーリアもいて、やはり川崎の泣き所です。右寄りでモリゲのパスを受けたヨネがターンし、ルックアップ。この時千真は中澤とマッチアップしていました。細かい前後左右の動きで瞬間中澤の背後に回ります。ヨネがターンしたタイミングで一気にゴール前に飛び込みます。ヨネは得意のトォウループで千真にスルー。千真は胸トラップからシュート。川崎1-1東京。

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Happy Birthday to You 千真。ヨネのバースデープレゼントですね。ヨネのループから千真ゴールは、今年の2節柏戦でありました。ヨネがモーションに入ると千真がスタートしてます。ホットラインができているんでしょう。前半はこのまま終了。

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後半開始早々、追加点を浴びます。

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後半1分。右ライン際アタッキンサードで森谷がキープ。裕介のオーバーラップを促します。ここは宏介がウォッチ。インサイドにピ二ェイロには秀人がマーク。中央嘉人にはヨネ。憲剛にはヒョンス。最奥レナトには徳永。モリゲが一枚余ります。東京の守備網は揃っています。ただ、中央の3人、モリゲ、ヒョンス、ヨネがみんなボールを見ていました。ヨネの背後を嘉人がするするっと上がります。森谷が裕介にスルー。裕介はなかを見て、嘉人に合わせます。クロスが上がったところでようやくヒョンスが嘉人に気付きますけど、時すでに遅し。タイミングがバッチリ合った嘉人はどフリーでヘッド。これは権田が神セーブします。それがクロスバーに当たって跳ね返ります。ここでも東京の守備陣は反応が遅れます。先に詰めたのは憲剛でした。川崎2-1東京。

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先制失点もこの追加失点も、東京は、最終局面の前は守備網が一見揃っています。でも、組織的に整備されているわけではありません。いずれもわずかですけど、物理的あるいは意識的なギャップがありました。東京はゾーンですので、ギャップが生まれやすくはあります。ただここは、もちろん東京の守備に課題があるし真摯に取り組むべきですけど、そこを瞬時に見つけ的確に活かせる川崎の攻撃力のほうを感嘆すべきでしょう。

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そんなほぼ一方的な状況にもかかわらず結果をドローに持ち込めたのは、限られたチャンスを、しかも失点直後に活かした成果です。ポポさんの判断ははやかったです。失点してすぐ、ナオをたまに代えます。おそらくポゼッションされることを考慮して、ロングカウンターに備えてのナオ起用だったと思います。川崎が自陣に引くのでなかなかカウンターが成立しません。むしろ川崎の弱点はバイタルエリアです。たま投入はそこを意図したものだと思います。これがいきなり奏功します。

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後半11分。ゴールやや右寄りのFK。絶好のポジションです。アーリアのフェイントにレナトがつられ、壁が崩れます。さらに壁のインサイドにいたたまが壁を外側にプッシュ。コースを開けるファインプレー。宏介がたまの脇を通したシュートが、西部の指先を弾きます。ゴラッソ。川崎2-2東京。

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直後に川崎に不運がおそいます。レナトが怪我で退場。本来はアタッカーの登里を上げ、本職SBの小宮山を投入します。もちろん、酷暑による疲労も影響したと思いますけど、この不慮で川崎の攻撃力が激減します。憲剛と嘉人で最終局面を描く前がレナトの持ち場ですけど、ここがすっぽりなくなります。登里は魅力的なアタッカーなんですけど、レナトが作っていたリズムを登里仕様に変換するのは、いかにプロでも困難です。さらに小宮山のガテン系な守備が、むしろ川崎のセレブリティなリズムを自ら壊すことになりました。彼我の差は微妙です。急に東京のポゼッションが活性化し、イニシアチブは完全に東京に渡ります。

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東京はルーカスをネマニャんに代えます。東京のリズムになるとルーカスが活きるようになっていました。流れに対し順目のルーカスに対して意外性のネマニャん。ポポさんの勝ち点3を狙った采配です。内容で圧倒された試合を、しかも逆転でものにすれば、大事な8月に追い風が吹きます。それを意図したのでしょう。如何せん、今日のネマニャんは精度に欠きました。川崎にさらにアクシデントが遅い、實藤が怪我で宏樹に代わっても、東京に逆転ゴールは生まれません。

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最終盤、風間さんは森谷を福森に代え試合をまとめにきました。いっぽうポポさんは千真を相太に代え、押せ押せ状況に持っていきます。この采配は、風間さんの意図が勝りました。もう少し時間があったら逆転できたかもしれません。結局このまま試合終了。川崎2-2東京。

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正直申しまして、川崎の攻撃に魅了されました。川崎に先制されるまでの流れは、手も足も出ない完全支配されてしまいました。近年の東京では、滅多にみることができない状況です。東京がカウンター志向になっているので不思議なことではないのですけど、これほどいいようにやられる試合に慣れてないのでw、ただただポカーンとしてしまいました。自分は相手が強いとむしろワクワクするので、誤解をおそれず言えば、滅茶苦茶楽しかったです。この状況をどう打開するのか、自分でも考えポポさんの選択を確認する作業が、脳を激しく刺激してくれるのです。誰も彼もがディープである必要は全然ありませんけど、サッカーの楽しみかたの一つです。

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とはいえ、守備の再整理は必要ですね。今日は千真、宏介、ヨネ、たまに助けられました。マークの受け渡しがポイントです。結局個人の技術になりますけど、自分と敵味方の位置関係を理解し、的確なポジション選択をする戦術眼が必要です。見ている側も、ミスをした本人だけでなく、周囲の関係性を見てあげるべきと思います。

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クラシコと銘打つに相応しいナイスゲームになりました。酷暑のなか、両チームの選手、スタッフ、サポーターは素晴らしい働きだったと思います。正直、この環境での試合開催は、この気候が続くのなら環境衛生面を考えると厳しいと思います。じゃあ秋春制にしようなんて短絡的でオルタネイティブな考えじゃなく、幅広い選択肢を議論するステップが必要だと思います。

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酷暑の連戦が続きます。みなさん健康に十分注意して乗り切りましょう。

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