ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2014J1リーグ第22節鹿島アントラーズvsFC東京@カシマ20140830

2014-08-31 18:01:59 | サッカー

お盆明けから天候不順が続き、8月とは思えない涼しさです。一気に秋めいて、サウダージ。

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毎年アウェイ鹿島に行くときは、偶然ですけどロケ地巡りをセットにしていまして、今年は花子とアン。そちらはのちほど。

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浦和戦の試合中に相太が骨折し、長期の離脱になってしまいました。相太が軸となって、縦にはやい攻撃リズムが出来はじめていたので、この離脱は、相太にとってもチームにとっても痛いです。しっかり治して戻ってきて欲しいです。相太にエールを送る東京ゴール裏。チームも、もう一度攻撃の組み立てを作りなおすことになりましたけど、起こったことは仕方ないので、残ったメンバーでもう一度トライしてほしいです。

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直前に新生日本代表アギーレジャパンの初代スコッドが発表され、モリゲとよっちが選出されました。アギーレさんが東京に注目しているという報道もあって、ヨネ、権田、秀人、宏介も噂に上がっていましたけど、今回は見送り。まあ、ロシアへの道は先が長いですし、まだまだチャンスはあると思います。

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鹿島でございます。茨城南部とは言え北関東ですから、雨模様でもあり東京よりも秋は進んでいると思っていました。結局ほとんど雨は降らず、ナイターにちょうど心地よい気候でした。

今日のYou'll Never Walk Alone♪

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鹿島に押し込まれ秀人のミスから前半に2失点しましたけど、後半ミステルの策がぴったり当たって、粘り腰のドローに持ち込みました。

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東京は相太不在の穴を千真に委ねます。GKは権田。CBはモリゲとカズ。SBは右に徳永左に宏介。3CHは今日はオリジナルで、右から羽生、秀人、ヨネ。トップ下に河野。2トップはエドゥーとよっち。

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鹿島は満男、康、植田がサスペンションで不在です。シフトはお馴染み4-2-3-1。GKは不動の守護神曽ヶ端。CBは昌子の今日の相棒は山村。SBは右に大伍左に修斗。ボランチは今日は岳が満男に変わって下がり目の役で、前目に梅鉢。WGは今日は右にカイオ左に新加入のジョルジ・ワグネルが入ります。Jリーグにおかえりなさい。トップ下に土居。1トップはダヴィです。

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現在3位の鹿島は、リーグ唯一の得点40点代です。いっぽう失点は少ないわけではなく、かつての守備が堅いのイメージは少し薄らいでいますけど、その分攻撃が強力です。今日はメンバーが代わっていましたけど、攻撃特性が非常によく出ていました。鹿島伝統の攻撃は、いわずもがなですけどサイドアタックです。鹿島のサイドアタックの特長は、常に数的優位を保つことです。数的優位の作りかたは、選手の組み合わせで毎年変わっています。今年の鹿島は、今日は満男と康がいないのでまた違うかもしれませんけど、ボランチを上手に使います。

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まずサイドで数的優位を作る基盤です。ポイントは岳とジョルジ・ワグネルです。今日は岳が満男に代わってアンカーに入り、攻撃をオーガナイズします。岳が低い位置で長短のパスを左右に捌きます。岳のパスの選択、タイミング、コース、スピードは、驚異的なほど的確で、素晴らしいです。数年間低迷が続いた鹿島でしたけど、岳が満男と遜色ないレベルまで成長しているのが今年の好調を支えているのではないかと思います。

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ジョルジ・ワグネルの加入は鹿島を大きく前進させるかもしれません。なにしろジョルジは、前線で時間を作れます。ジョルジがひとり加わることで、鹿島はダヴィ頼みを脱却できたようです。以前の鹿島はダヴィに預けるしかなく、ダヴィもポストが上手いわけではありませんでしたから、どうしても攻撃リズムがスタックしていました。今日の鹿島が縦にはやい鹿島らしい攻撃ができていたのは、ワンタッチを基調としたパス交換ができていたからですけど、そこには、鹿島の選手のなかにジョルジという安心感が存在していたのだと思います。

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さて、鹿島のサイドアタックです。担うのは両SBとカイオ、土居、そして梅鉢です。オリジナルは土居がトップ下ですけど、ジョルジがボールを持てるので中央に絞ります。その分土居が自由に動けます。土居は主に、ダヴィとポジションチェンジする形で前線、もしくは左サイドに顔を出します。カイオはほぼ右サイドに固定。このため同じサイドアタックでも左右で味付けが少し異なります。右は、固定したカイオが基点になります。ここに大伍に加えて梅鉢が加わります。梅鉢はボランチというよりトップ下に近い形で前線を広範囲に流動します。この梅鉢の動きが、鹿島の攻撃に複雑性、守り辛さを生み出します。

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左はジョルジが基点です。数的優位の作りかたは、ジョルジのキープです。ジョルジがDFを引き付ける間に、修斗がオーバーラップします。もうひとつは土居とダヴィの動きです。どちらかが徳永に付きます。パターンとしては、ジョルジがバイタルエリアで持ったときに土居かダヴィが流れ、徳永を引っ張り出します。空いたスペースに修斗が飛び込みます。

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鹿島伝家のサイドアタックは、長年熟成してきたものではありません。同じことをやり続けているのですけど、監督、選手が代わると、リーグのなかで相対的に良かったり悪かったりします。ここ数年の鹿島には、サイドアタックの優位性を作るための何かが欠けていたのだと思います。それがジョルジ・ワグネルでありカイオであり梅鉢であり土居であったりするのでしょう。年によって順位の上下動はあるにせよ、そして復活にかかる時間に長短があるにせよ、鹿島には「鹿島のサッカー」という回帰する場所が存在するのです。これは他のクラブにはない鹿島のクラブとしての最大の長所です。サッカーのテイストに対する好き嫌いはあると思いますけど、この点については、つくづく鹿島には見習うべきところがいっぱいある、大いなる目標だと思います。

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というわけで東京は鹿島のサイドアタックに手を焼きます。今日、鹿島のサイドアタックを、東京守備陣に相対的に優位成らしめた最大の味付けは、カイオと土居だと思います。たんに数的優位を作るだけであれば、いまの東京守備網は抜けません。数的優位とは言え、必ず局面は1on1になります。ここで勝てないとそれまでのプロセスは水泡。カイオと土居は、ためらいなく1on1を挑み、そして勝っていました。1on1の強さが、東京の9試合連続負け無しを下支えしています。前半の東京が不出来に見えたのは、ここに原因があると思います。ようするに、東京が不出来だったというよりは鹿島が絶好調だったと言ったほうがいいでしょう。序盤の主導権争いは、そんな感じで鹿島がイニシアチブを握ります。そして、高圧力のなかからミスを誘い、鹿島が先制します。

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前半10分。鹿島陣での東京のスローインから。河野の戻しを秀人がやや右寄りで受けます。この時、羽生は最前線右ライン際。ヨネはバイタルエリア中央。つまり、東京の中盤は秀人ひとり。このリスクテイクが仇となります。主導権争いの末鹿島に押し込まれていましたので、リズムを取り戻したかったのかもしれません。ヨネが受けに戻ってきますけど、秀人がパスミス。ヨネを通り越してカイオに渡ります。ヨネが詰めますけどカイオははねのけ、距離をとりルックアップ。最前線にダビィがいますけどモリゲとカズが見ています。前方に梅鉢。右を大伍がオーバーラップ。宏介が両方見るかたちでカイオの選択のひとつ。逆サイド土居が上がっていてフリー。カイオの選択は大伍へのスルー。大伍は受ける前にルックアップ。最前線の状況は変わらず。宏介が大伍に寄せていて、その背後を梅鉢が狙っています。ヨネも大伍に寄せているので、後方カイオもフリー。逆サイド土居は依然フリー。大伍が選択したのは、一番フリーで確度の高い土居でした。アタッキングサードに入ります。ロブフィードはちょっとコントロールミスのように見えましたけど、これが土居のもとに届きます。土居は右足で綺麗に止め、倒れそうになりながら権田が寄せる前にそのまま右足で流し込みました。鹿島1-0東京。

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先制された東京は、ここから大きく動きます。シフトチェンジで状況に対処する、ミステルらしい判断です。失点直後にシフトをフラットな4-4-2に変えます。中盤は右から羽生、ヨネ、秀人、よっち。サイドで数的不利を作られていたので、そのケアだと思います。

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前半20分過ぎ、東京はさらに、秀人を真ん中に置いた3バックにシフトを変更します。3-4-1-2です。ボランチは右に羽生左にヨネ。WBの使い方は高めでしたので、5バック気味にしてサイドのケアを厚くするというよりは、相手SBを閉じ込め鹿島のサイドの数的優位を崩そうという狙いだと思います。ところが、予想外ではありますけど、結果的に裏目に出ます。

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前半26分。曽ヶ端のゴールキックが秀人の背後、いやらしいところに落ちます。秀人がバウンドを計って権田に戻そうとしたところにダヴィが詰めてきました。秀人からボールを奪ったダヴィは、寄せてきた権田をロブでかわして一人タベーラ。そのまま抜け出します。秀人が体ごと投げ出して止めようとしますけど、一瞬はやくダヴィが追い付きました。鹿島2-0東京。

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前半30分過ぎ、東京は3たびシフトチェンジします。4-3-1-2に戻します。いずれも秀人のミスが失点につながったので、秀人を落ち着かせるためか、もしくはシフトをいじり過ぎるのは得策ではないという考えかもしれません。オリジナルシフトに戻して、ここから東京はリセットです。以降も鹿島の猛攻が続きますけど、細かなシフトチェンジに鹿島の攻勢がいなされたか、ようやく守備が落ち着き始めます。

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一方で攻撃のほうはなかなか機能しません。千真はパス交換のなかでリズムを作るタイプです。いまの東京の攻撃は縦に急ぎますので、千真のゆったりとしたリズムはどうしてもスタックの原因になります。それでもよっちが何度かシュートチャンスを作りました。よっちは、J1でも優位に立てるシュートアテンプトのタイミングを作れたようです。もしかすると、浦和戦の2点目でヒントを得たのかもしれません。世界的に見ても、外からカットインしてシュートに持ち込むパターンは、いまやサイドアタッカーの必須技術のようです。これまで東京には高い精度でこれを具現できる選手がいませんでしたので、ますますよっちへの期待が高まります。

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前半はこのまま終了。結局ミス絡みの失点だけでした。鹿島のリサイタルのような展開ではありましたけど、権田の神セーブも含め、守備陣は粘り強くかわせていたとも言えるかもしれません。

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後半頭からミステルが動きます。二枚同時交代。羽生に代えてエドゥー、河野に代えてたまを投入します。前線は右から千真、エドゥー、よっちの3トップになります。そして、この交代がいきなり奏功します。

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後半4分。ヨネのロブスルーに反応したよっちがペナルティエリアで、岳の背後を取り抜け出します。出遅れた山村がたまらず足を出しPK。これをエドゥーが豪快に決めました。鹿島2-1東京。

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鹿島は、攻撃に関しては強かった頃に戻りつつありますけど、問題は守備です。一気に世代交代を進めています。植田と山村の差がどれくらいあるのかわかりませんでしたけど、今日の山村は東京のハイスピードアタックについていけてませんでした。鹿島の弱点はストロングポイントの裏返しでサイドバックの背後ですけど、強い鹿島はCBがSBをフォローします。この課題をクリアすると、鹿島の時代がまた戻ってくると思います。

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鹿島は東京の強力な中盤のプレッシングに対抗するため、序盤からフォアチェックをかけてきました。このことが主導権争いに優った下地でありますけど、さすがに後半になると切れ味が鈍ります。東京がエドゥーという目標を得たこともあり、前半とうってかわって攻め合いの様相になります。サッカーでは2点差アヘッドが難しいといいますけど、ミステルの采配がはまり、選手の心身のかかりもよく追い上げのゴールが生まれ、鹿島の足がとまりつつあるこの展開は、まさに追いかける側優位です。2戦続けてのドキドキ感。トニーニョ・セレーゾさんが対処します。前半動き回っていた梅鉢に代えて青木を投入。青木をアンカーに使って守備を安定させます。

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さらにセレーゾさんが動きます。加入したばかりでコンディションがまだ整っていないのでしょう。ジョルジを下げ杉本を右WGに投入します。カイオが左にまわります。前線でボールを持てる選手がいなくなったため、鹿島の攻撃は個人突破の比重が高まりました。

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ここで、試合の流れを大きく左右することになる事件が起きます。青木がエドゥーを倒し、一発退場となります。今日のエドゥーは、前節と同じく途中交代でしたけど、今日は入って早々機能していました。鹿島のバイタルエリアの弱さ故です。そのつけを青木が払うことになりました。

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セレーゾさんは対処せざるを得ません。攻撃を主導していたカイオを下げ、浩二を投入します。4-4-1です。鹿島は攻撃ではダヴィに預けるしかなく、独力突破のないダヴィに期待はあまりできなくなります。加えてトップ下がいなくなったので、東京は中央が自由になります。

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これを受け、ミステルが攻撃指令を下します。カズに代えて富山から復帰したばかりの翔哉を投入。同時にシフトを3-4-1-2に変更します。DFを一枚削って前線の圧力を増します。秀人がまたリベロに下がり、ヨネとたまがボランチ。翔哉はトップ下です。これが機能します。鹿島はボランチに対するプレスをかけられませんので、東京はボランチを縦配列にします。ヨネにカバーを任せ、たまが攻撃加重です。この急造シフトを機能成らしめたのは、たまと翔哉です。たまと翔哉は互いを感じあって一定の距離を保ちながら激しく動きます。たまが上がれば翔哉が下がる。そして二人でワンタッチのパス交換をしながら攻撃リズムを作り出します。そして、勢いを増した東京が鹿島を押切ます。

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後半42分。東京陣の鹿島のスローイン。大伍は右前方のダヴィにスロー。ダヴィは宏介を背負いながらポストを杉本に落とします。これを杉本より一瞬はやく反応した翔哉が拾います。前線を削った鹿島の弱点が出ました。翔哉、たま、よっちとワンタッチで回し、攻撃リズムを作ります。中央秀人に。鹿島は一斉に帰陣します。秀人は右フリーの徳永に。この様子を、真ん中にいた翔哉が見ていて、秀人が徳永に出そうとするのを感じ一気に前線に上がります。狙ったのは、修斗の背後。徳永は土居が見ています。徳永の前方にエドゥーが流れようとしていて、修斗が付きます。修斗の裏があき、昌子にカバーするよう言っている浩二の背後を翔哉が抜け出し、昌子よりはやく入り込みます。ルックアップしていた徳永がこの動きを見ていて、うかせ気味のスルーを修斗の背後に送ります。アタッキングサードに入ります。ここで極上のパスが生まれます。翔哉は右足ヒールでダイレクトにペナルティエリアに流し込みます。上がっているときに前線を見ているので、千真が山村と1on1だと見えていたのかもしれません。ゴール前に転がったボールには山村が一瞬はやく追い付きます。曽ヶ端に戻しますけど、曽ヶ端も前に出ていて勢い余ってファンブル。混戦から山村がかき出したところによっちが詰めました。起死回生。鹿島2-2東京。

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その後は互いにチャンスをつかみますけど、ゴールは割れず。このまま試合終了。鹿島2-2東京。

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どうもカシマスタジアムは鬼門の印象があって、鹿島の猛攻の前に大量失点するイメージが強いです。今日も、これまでの東京であれば、前半の流れのまま大量失点していたんじゃないかと思います。そこを、ミステルの的確な作戦変更に導かれ、チームは良くアジャストできたと思います。結果はドローでしたし、それもレフリーの判定に影響されたものとは言え、東京がチャンピオン経験豊富な鹿島と肩を並べるところまで来たことを実感できた試合でした。

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さわさりながら、8試合1失点のあとの2試合連続で失点の計6失点は、課題を洗いなおす必要があると思います。鹿島は伝統芸がはまったとは言え、東京の弱点を狙ったことは確か。やはり3CHの泣き所はWHの背後のスペースです。このバイタルエリアをどう対処するか。さらにしばらくフォアチェックをかけるチームとやってなかったですけど、今日の鹿島が東京攻略に成功したことを受け、しかけてくるチームも増えてくるかもしれません。一層中盤のコンタクトが激しくなりますので、当たり負けしないこと。さらには、怪我。もう一つ心配なのがコンディションです。とくに心の疲労。毎試合ハイテンションで臨んでいるのが、選手の表情を見たら傍目からでもわかります。秀人のミスも、心、つまり頭の疲労から来る体のコントロールミスのような気がします。休めるときにしっかりリフレッシュしてほしいです。

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いろいろ心配ごとはありますし、上位との差を縮めるという願った結果は得られませんでしたけど、粘り強く、負けないことは評価したいと思います。上位は混戦ですから、知らない間に勝ち点が縮まっているかもしれませんから。

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さあ、季節は秋に向かいます。みのりの秋を期待して、夜長を楽しく過ごしたいです。

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2014J1リーグ第21節FC東京vs浦和レッズ@味スタ20140823

2014-08-24 16:42:37 | サッカー

夏はあっという間に過ぎていきます。お盆を過ぎると少しずつ秋の空気が漂っています。

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とはいえ、今年の夏は天候に悩まされます。大阪以東は酷暑。この夏いちばんの暑さではないかと思います。西日本は一転豪雨。広島で甚大な被害にあわれた皆さまが、一日もはやい平安を取り戻されますよう、心より願います。 

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夏の巡業を好調のなか終えた東京が東京に帰ってきました。ワクワクしながら待っていたこども達のために、夏祭りといきたいところです。

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ぼくらは、過去13年間感じたことがない興奮と緊張を、静かに感じはじめています。これまで数字の上では優勝争いの可能性を考えたことはありますけど、実感として、つまりリーグのなかでのチームの力量を考慮した上での優勝争いは、まったく経験したことがありません。残り13試合で首位との勝ち点差8。実際に優勝争いをしている上位4チームは勝ち点差4ですからまだ東京は渦中にいるわけではありません。まずは、この輪のなかに入ることが肝心です。

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そして、第20節から第24節までの5試合で上位4チームと対戦する、とてもわかり易い天王山シリーズがやってまいりました。初戦20節アウェイ鳥栖戦を快勝し凱旋してきた東京は、天王山中の天王山、首位浦和との決戦です。もとい、天正の天下人争いに例えるなら、名乗りを上げるための戦いですから、中国大返しくらいでしょうかw。

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宿敵浦和です。おもえば原さんが監督をされていたあたりから、浦和との対戦は常に激闘になります。ポポさんvsミシャでいっそう拍車がかかりました。今年はポポさんがいないのでいくばくか沈静化すると思いきや、なんと上位争いです。加えてミシャが、なぜか東京には歯をむき出すかのように獰猛に挑んできます。東京もいま、闘志むき出しの集中した良い状態ですから、激闘は必至です。

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ただ、リーグ失点数1位(14失点)の浦和と2位(15失点)の東京の対戦ですから、極めてロースコアな局地戦になると思っていました。

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今日のYou'll Never Walk Alone♪

東京史上に残る名試合になりました!。観ているこっちも疲れきって、試合後しばらく震えていました。とくに後半は緊張しっぱなしで、胃が痛くなりました。予想外のゴレアーダでのドロー。

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東京はまた少し布陣をアジャストします。GKは権田。CBは心配されたモリゲは元気にスタメンでカズと組みます。SBは徳永と宏介。3CHは右に今日はヨネ、秀人、左に羽生が入ります。ここにミステルの意図がありました。トップ下に河野がスタメン復帰。2トップはよっちの相棒は今日は好調相太。

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浦和は天皇杯をターンオーバーで臨み、敗戦しました。ターンオーバーによるコンディションの差は、直接的には今日の試合に影響あるのではと危惧してました。間接的には、まだ残り今日を入れて14試合もありますから、天皇杯のある無しによるコンディション調整がどう影響するか、気になるところです。上位で残っているのは東京と鳥栖だけ。天皇杯に出場したのは那須と柏木。フル出場は那須だけ。コンディションは、どう考えても浦和のほうが有利です。シフトは3-4-2-1。GKは西川。CBは右から森脇、那須、槙野。ボランチは啓太と阿部。WBは右に平忠左に宇賀神。2シャドウは右に柏木左に梅崎。1トップは興梠です。

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予想通り、浦和は元気でした。ミシャ浦和は進化しています。ミシャのサッカーは、広島の連覇で完成したと思っていました。一般のイメージも同じだと思うのですけど、ロマンチストのミシャが基礎を育て、リアリストのポイチさんが勝てるサッカーに仕上げたと思っていました。両者の違いは守備。ミシャのサッカーは一般的には攻撃的と言われていますけど、もっと柔軟なものだったというのがポイチさんの示唆です。つまり攻撃性を重視するか守備性を重視するか、指揮官の志向で取り組みかたを変えられるサッカーだということです。で、ミシャはひたすら攻撃性を追求するものと思っていました。ところが、J1記録の7試合連続無失点で証明するとおり、オリジナルのミシャサッカーはけして攻撃性だけにフィーチャーしたものではありません。もしかすると、ミシャもポイチさんの取り組みを参考にしたのかもしれません。

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ところが今日の浦和は、攻撃性がむき出しでした。相手が東京なるが故と信じます。ミシャ浦和の特長といえば、攻撃時のシフトにあります。言わずもがなですけど、阿部が最終ラインに下がって啓太だけが中盤に残り、両WBが最前線まで上がる4-1-5です。今日の浦和は、これを基礎にしますけど、柔軟性が出ていました。阿部と啓太の関係です。阿部と啓太が二人とも最終ラインに下がることもあれば、啓太が下がって阿部が残ることもあります。ミシャ初年度は阿部がほぼ全て捌いていましたけど、那須が入った2年目は阿部と那須が捌きました。ここまではポイチ広島のカズと千葉の役割と同じ。3年目にミシャはポイチさんを越えます。阿部、啓太、那須の役割が流動的になります。

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そうです。2014浦和のキーワードはおそらく流動性。流動性は起点だけではありません。むしろいまの浦和の強さの源泉は、前線の流動性にあります。昨年までの浦和の前線は、1トップ2シャドウの間でポジションチェンジをしていました。ことしの進化はさらにWBが絡むことにあります。5人のポジションチェンジ!。これは守るほうにとって見れば非常にやっかいなことです。しかも浦和は、前線の5人をすべて、アジリティが高くサッカーIQの高い選手で構成しています。なればこその作戦とも言えます。これにターンオーバーによるコンディションの維持が重なりますから、序盤の東京は一気に浦和の攻勢を受けるかたちになります。そしていきなり浦和が先制します。

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前半6分。浦和のカウンター。右サイドを平忠がドリブル。アタッキングサードに進出します。平忠には秀人が寄せます。ゴール前は、モリゲ、カズ、徳永がペナルティエリアまで戻っています。興梠をカズが見ています。徳永の背後を梅崎が上がっています。平忠のインサイドをやや遅れて啓太が上がっています。ヨネがマークに走ります。ドリブルしながらルックアップして状況を見た平忠の選択は、啓太でした。啓太はパスを受ける前ゴール前を見ます。徳永の背後に忍び寄る梅崎がフリーです。啓太は梅崎にパス。左足で受けた梅崎は、右足のワンフェイクで徳永をつり、右に持ち出して右足で叩き込みました。東京0-1浦和。

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非常に拙いことになったと思いました。浦和の守備力を考えると、このまま守り切られることも心配でした。ところが最初のCKですぐに追い付きます。

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前半9分。宏介の右CK。相太をゴールエリアにひとり残した東京は、ペナルティエリア外ギリギリにニアから秀人、モリゲ、カズと並びます。それぞれ森脇、那須、槙野がつきます。宏介のキックとともに後ろの3人が前に出てきます。このとき秀人が、森脇より一瞬速くアクションしました。宏介は走りこんだ秀人にドンピシャ合わせます。ゴラッソ。東京1-1浦和。

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この同点ゴールがこの試合の方向性を決定付けました。時間をおくと、浦和はいろんな作戦で試合をオーガナイズできたと思います。それを許さず、結局試合を終始落ち着かせなかったのは、秀人のこのゴラッソのおかげだと思います。試合をコントロールしようとしかけた浦和は、再度当初の作戦に戻します。あらためて両者の狙いを考察します。浦和はサイドアタックです。右は平忠のクロスをニアの興梠ファアの梅崎に合わせます。左は宇賀神、梅崎がカットインからのシュート。阿部、啓太、那須が起点となって攻撃の方向性を決めている間に森脇と槙野を上げます。サイドの高い位置で基点を作ります。サイドからのアタックルートは三つ。前方のWBに出して相手SBとの1on1。自らがキープからのアーリークロス。それと、唯一の中継役であるトップ下に位置する柏木。

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ここまでは従前の浦和と変わりありませんし、ポイチ広島と同じです。進化は、先に言いました流動性。浦和の攻撃陣はものすごくポジションチェンジをしているように見えます。一見は。でも、よくよく見るとパターンがあります。流動しているように見えて、役割分担が実ははっきりしています。流動性を生むポイントは宇賀神、梅崎、槙野です。柏木は中央縦に動きます。平忠と森脇は基本右サイドのみ。興梠はおそらく意図的に消えます。サイドにボールが集まるので、案外中央に注目がいきません。興梠は動いているように見えて中央に構えています。動き出しのきっかけはおそらく梅崎だと思います。梅崎が前後左右に動くのを受けて宇賀神がその逆をとる形で動きます。ただ、宇賀神も非常に広範囲に動きますので、きっかけ作りは両者の呼吸なのかもしれません。宇賀神は頻繁に右サイドに顔を出します。開けた左のスペースに槙野が侵入し、ゴール前にまで迫ります。結果、平忠のクロスにしろ左の仕掛けにしろ、ゴール前には常に少なくとも3人がいることになります。これで相手守備陣に脅威を与え続ける。この執拗なジャブが、浦和の強さの源のような気がします。

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ところが今日の相手は、如何せん東京でした。東京はいちはやく浦和の動きを見切ります。ようするにポイントは浦和左サイドの処理です。10分を過ぎるころ、東京はひとつの対処をします。秀人を徳永とカズの間におきます。つまり、浦和の流動性に対しゾーンを強化するという思考です。相手がどんなに動こうが、動いたゾーンには必ず誰かがいる。そして、浦和の流動性の狙いは、梅崎ないし宇賀神が動いたあとのスペース、そこはカズと徳永の間ですけど、そこを誰かが狙うというものです。もう一方、平忠のクロスも脅威ですけど、あえてそこは羽生、モリゲ、宏介に任せたのだと思います。羽生を左に置いた意図のひとつがそこだろうと思います。

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これで浦和の攻勢が止まります。東京が攻勢に出ます。東京の狙いは言うまでもなくロングボール主体の左サイドアタックですけど、今日はもうひとつ味付けがありました。那須と森脇の背後です。浦和の守備陣の泣き所は、那須と森脇のアジリティとスピードです。両者ともパワーとポジショニングの巧さはあるのですけど、裏を取られたときの初動に難があります。東京は執拗にここを狙います。これを成し得たのは、相太とよっちです。現在の東京のストロングポイントは、よっちの抜け出しになりつつあります。よっちは、少し下がり加減の位置から、球出しのタイミングを測って一気に裏に抜け出します。このとき、あえてマーカーを定めます。たとえば森脇と1on1を狙おうと定めると、那須の後方からダイアゴナルに森脇の背後に寄って、そこから一気に抜け出します。このタイミングとランニングのコースが絶妙なのです。もし相手が槙野であればまた違ったかもしれませんけど、森脇と那須では、一歩先んじて抜け出したよっちの敵でありません。

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そして、よっちの抜け出しタイミングを作っているのが、相太です。よっちだけが仕掛けるのであれば、さすがに浦和ですから対処できると思います。相太がよっちとは違う相手を定めて、これまた執拗に裏を狙います。さらにその1枚後ろから河野が絶妙な動きを見せます。ときにバイタルエリアに顔を出し、浦和のCBとボランチを乖離させ、ときに相太と役割を変えて裏に抜け出します。序盤の東京は、出し手と受け手、そして攻撃陣の間でコンセンサスがしっかりできていました。執拗に縦に速く森脇と那須を狙う。これが結実します。

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前半15分。最終ラインで浦和の攻撃をカットした東京は、左ライン際の羽生にパスが渡ります。ここから一気に縦へのスピードが上がります。羽生は前方をルックアップ。目の前ライン際に河野。その少し前に相太。間に森脇がいます。羽生は相太にパス。河野に出ると予測していた森脇は一瞬遅れます。相太はターンしてドリブルしながらルックアップ。前方那須の背後をよっちが抜けようとしています。相太は那須の横からよっちの前に出る絶妙なスルーを送ります。那須よりはやく抜け出したよっちが追い付き、西川と1on1。西川の動きを見て、右を抜きました。ゴラッソ。東京2-1浦和。

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ほどなく、この試合を方向付けるもうひとつの重要なプレーが起こります。

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前半23分。森脇とペナルティエリアで競り倒された河野が、自ら落ち着いてPKを決めました。東京3-1浦和。

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ワールドカップ開幕戦での西村さんのジャッジが示した、新しい国際基準である、ペナルティエリアでの接触プレーに対する厳しい判断を体感することになりました。今日の3つのPKの是非については、そういうことが好きなかたにお任せします。最後の徳永の場合を除くと従前の感覚だと微妙ですけど、レフリーのジャッジを含めてサッカーの偶発性だと受け取ったほうが試合が面白くなりますから。実際に、繰り返しますけど是非はともかく、今日の試合をレフリーのジャッジが演出し、結果的には、少なくとも今日いっぱいいらっしゃってた初めてJリーグを、そして東京を観戦されたかたにとっては、大満足の内容になったと思います。

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東京が優位に試合を進めますけど、試合はなかなか落ち着きません。両者の攻撃が速く、アグレッシブなものだったことが起因しています。もうこの時点ですっかり忘れていましたけど、あらためて失点数1位と2位同士の試合とは思えませんねw。ところがここで事件が起きます。相太が接触による負傷で退場。エドゥーに代わります。今日のひたすら裏を狙い続けるゲームプランは、相太が演出していました。相太が繊細なポジショニングと動きで、よっちと河野の進撃コースとタイミングを作っていました。攻撃の主軸が代わる影響が心配でした。案の定、エドゥーが機能しません。エドゥーが入った場合の攻撃は、一度エドゥーのポストに収めることでリズムができます。相太が作っていたリズムはポストを使わない形でしたので、東京の攻撃リズムが大きく狂います。アジャストに時間がかかっている間に、浦和にイニシアチブを渡してしまいます。

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ふたたび息を吹き返した浦和の攻撃を落ち着いて弾き返していた東京守備陣ですけど、河野のPKが微妙だったので、イコライズがあるかなと少し心配していました。残念なことに、その機会がやってきました。

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前半43分。モリゲのスライディングに絡んだ興梠が、自ら豪快にPKを決めました。東京3-2浦和。

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20分間コントロール下で浦和の攻撃に耐えていた東京ですから、前半をしのぎ切れば試合を落ち着けたし、エドゥースタイルへアジャストする時間も稼げたかもしれません。そうはさせなかったこのイコライズは、後半の興味を引き立てました。前半はこのまま終了。

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後半に入っても浦和のイニシアチブは変わりません。エドゥーが入った攻撃の形を体が思い出せないまま、ずるずると浦和の攻撃を受ける時間が続きます。浦和の狙いは羽生の裏です。それほど高くない位置に森脇を置きボールを預けます。羽生をおびき出す作戦。羽生が前に出たスペースに平忠が入り、森脇からパスを受けます。これで宏介と平忠が1on1の形になります。この時間帯が一番胃が痛かったです。まさに、これから秋に向かって上位争いに名を連ねる権利を得られるかどうかの、非常に重要な時間帯でした。浦和の猛攻をしのぎつつエドゥースタイルへにアジャストする、流れのなかでこの難しいタスクをこなせたならば、東京はホントに優勝候補になれると思いました。十分に耐えていた東京ですけど、ついに猛攻に屈します。

後半15分。オフェンシブサードやや左よりの混戦から槙野が抜け出ます。カズの寄せを振り切ってシュートしますけど、足を伸ばしたカズに跳ね返されます。こぼれ球が梅崎の前に。左足トラップで右に出した梅崎は、得意のかたちから右足でシュート。これも秀人が足を伸ばして防ぎます。こぼれたボールが平忠の前に飛んできました。平忠はダイレクトで叩き込みます。ゴラッソ。東京3-3浦和。

そして、ここからがハイライトです。同点に追い付いた浦和は、リトリートします。さしものの浦和も、さすがに15分間の猛攻はコンディションにとって過負荷だったのだと思います。それに、終始ハイテンションな試合をし続けましたから、もうそろそろ落ち着いてもいいんじゃないって思っても仕方ないと思います。ところが、そうは問屋が卸しません。東京は息を吹き返します。ずっと苦労していたエドゥーに突然ポストが納まるようになります。エドゥーには那須と槙野が付いていました。ハイプレス時はエドゥーに密着してポストを許しませんでしたけど、リトリートしてエドゥーを自由にしてしまいます。エドゥーがコントロールできる範囲でポストを抑えるようになると、東京のチーム全体がエドゥースタイルを思い出したようです。エドゥーサイドを河野、ヨネが駆け抜け、逆サイドでよっちが裏を狙います。つまりは、エドゥーが作るタメのタイミングが、東京の選手の蘇ったのだと思います。もしも今後、相太スタイルとエドゥースタイルを両立できたら、相手によってプランを変えられるし試合途中のアジャストも可能です。相太の負傷によるスクランブルでしたけど、この試練を乗り越えた東京は、またひとつ大きく成長したのではないかと思います。そして、ふたたび掴んだ流れから、再逆転ゴールが生まれます。

後半19分。右サイドで宏介がドリブルしながらルックアップ。前方ライン際に、那須の背後をとっているエドゥー。インサイドには羽生が受けに来ています。ゴール前は、森脇と槙野がロングスルーに備えて下がりつつあります。いっぽう啓太と阿部がステイ。これでバイタルエリアに小さなスペースができます。そこに広貴とよっちがいます。宏介の選択は河野。アタッキングサードに入ります。パスを受けターンした河野はドリブルでペナルティエリアを目指します。この動きに森脇だけじゃなく槙野がつられます。河野は横にいたよっちにパス。槙野が寄せますけど、右に大きく出して槙野を振り切り、カバーにきた宇賀神にも触らせず、西川の左を抜きました。東京4-3浦和。

もしかしたらよっちはゴールに向かう嗅覚の何かを掴んだかもしれません。今日の2ゴールは形が違いますけど、いずれもハイプレッシャーのなか極めてピンポイントなシュートタイミングで落ち着いてコントロールしていました。こういうプレーができるアタッカンチは、これまで東京にはいませんでしたから、なんというか、心地よい違和感を感じます。同じスタイルの嘉人と比べると、まだまだ代表には遠いと思います。言い換えると、いい目標が国内、しかもライバルチームにいてくれますから、よっちには高い高い目標と目的意識をもって、にわかなフィーバーを気にせず取り組んでほしいと思います。よっちのことだから、落ち着いていると思いますけど。

この時点ですでにお腹いっぱいなのですけど、ふと気づくと残り25分。まだまだ十分にドラマの時間は残っています。ここからはミステルとミシャの頭脳戦、心理戦に入ります。いっそうこの試合が魅力的になってきます。先に動いたのはミシャでした。右サイドで危険なクロスの供給源として機能していた平忠に代えてマルシオ・リシャルデスを投入。布陣をアジャストします。ポイントはおそらく、森脇だと思います。森脇は結果的に4失点すべてに絡みましたから、ミシャも補強が必要と感じたのでしょう。阿部をリベロに下げ、右CBに那須を移します。森脇は右WB。柏木をボランチに下げ、柏木のいた位置にマルシオを入れます。右サイドの1on1の守備力と、最終ラインのカバーリングを強化することが主眼です。これによって右サイドのクロス精度とトップ下の機能性を失いますけど、これはミシャの選択のうちだと思います。こういうリスクテイクの判断も、プロの試合ではエンターテイメントの源として重要なことだと思います。

この交代は、ミシャの思惑通りになります。右サイドの守備が安定するとともに、攻撃の流動性を失います。そして、ミシャがさらに動きます。宇賀神に代えて忠成を投入。興梠をシャドウに下げ、梅崎を左WBに据えます。マルチロールな選手が豊富な浦和ならではの布陣変更です。こういうところは羨ましい限り。興梠と忠成はスタイルが似ていますけど、少ない違いは忠成は寄り目立ちたがり屋だということです。ヨーロッパを経験していますから当然のこと。つまり、消える興梠に対して、忠成は頻繁にゴール前に顔を出します。しかも頭から飛び込んでくるなどアグレッシブに。そして、いきなり忠成投入が忠成らしく奏功します。

後半35分。ペナルティエリア右で忠成が突進。忠成のトラップをクリアしようとした徳永のハイボレーが、忠成の胸あたりに入ってしまいます。忠成自らPKを決めました。東京4-4浦和。

アクシデントで動かざるを得ないなかで4点とった東京と、ロジカルに動いて4点もぎ取った浦和。スクランブルが無ければ、もしかしたらミステルは動きたくなかったかもしれません。残り10分強。残ったカードはミステル2枚、ミシャ1枚。勝ち点1を分け合う考えもあったと思いますけど、ミステルは勝ちに行きます。もしかするとミステルも相当興奮して楽しかったのかもしれませんね。よっちに代えて千真を投入。河野かよっちか羽生か、どこを代えるか注目していたのですけど、選んだのはトップでした。河野のトップ下が機能していたので、ここで3トップに変更するリスクを気にしたかもしれません。

これを受けてミシャも動きます。梅崎に代えて関根を投入。本職のWBを入れて布陣を安定させるとともに、ずっと動いていた梅崎のコンディションを考慮したのでしょう。どちらかというとミシャは、勝ち点1でもOKとこの時点で考えたかもしれません。首位ですから当然のことです。

ミステルが最後のカードを切ります。河野に代えてたまを投入。あまりトップ下に入ることがないたまですから、コンディションを考慮したのでしょう。たまは羽生と代わることが多いですけど、3CHの安定感を考えたら、攻撃性は増すけどリスクが大きい。ミステルもこの時点で勝ち点1をイメージしたと思います。

ところが、結果的に東京の布陣変更が機能します。千真がゴール前に張ることで浦和守備陣を中央に引きつけますので、エドゥーがフリーになります。少し下がり気味のところでエドゥーが基点になり、たま、ヨネ、羽生、徳永、宏介が高くポジショニングできるようになります。最終盤、この至極のドラマは東京の猛攻で一気にヒートアップ。スタジアム全体がハイテンションのなか、アディショナルタイム5分を過ごすも、結局ゴールは割れませんでした。このまま試合終了。東京4-4浦和。

試合直後にスタンディングオベージョンすることは滅多にないのですけど、今日は両チームに対し、心からの拍手を送りました。ありがとう!。そしておつかれさまでした。

いろいろなことを含めて、申すことのない最高の名勝負でした。今日のような試合をときどき見せることができれば、お客さんが味スタに来てくれますし、東京のサポーターも増えるでしょう。惜しむらくは、このようなベストマッチを地上波とBSで放送しなかったこと。なんというJリーグとメディアの失態。リーグ戦の方式うんぬん言う前に、放送試合のチョイスをしっかりやって欲しいと思います。

次節は現在3位鹿島。神戸戦をはさんで現在4位川崎。いずれも、守備力の犠牲を承知のうえで圧倒的な攻撃力でリーグ優勝を目指している、エポックメイキングなチームです。さすがに4失点は堪えますので、守備の課題を整理して臨んで欲しいです。ただ、ずっと課題だった攻撃の組み立てに光明が見えてきたので、続けざまのゴレアーダの激戦を期待できるかなと思います。観る側も疲れますけど。

いずれにしろ、心身のコンディションがちょっと心配です。日頃のケアをしっかりして、これからの東京の成長を左右するかもしれない重要な局面に挑んで欲しいと思います。


広島東洋カープvs読売ジャイアンツ20140815@マツダスタジアム

2014-08-17 23:24:55 | 野球

お盆西日本旅の3日目後半は、隣県に生まれ育って実は初の広島カープ観戦です。

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竹原から広島にバスで戻りました。鉄道のような風情はないけど、楽だし早いですね。

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広島市内に入ると、雨が降り出しました。これは降り続くなぁと思いました。

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広島駅に戻ると赤一色。これが毎週何日かあるんですから、やっぱり野球の引力は強いですね。

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見えて参りました。

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人波に押されるまま、やって来ましたは、念願のマツダZOOMZOOMスタジアム広島!

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新広島市民球場です。

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今日はジャイアンツ戦です。お盆のジャイアンツ戦なので、一般発売当日たしか3月にチケットを買いました。

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先発をチェックしましたら、なんとマエケンと内海!。両投手とも不本意なシーズンとは言え、エース対決です。いっそう楽しみになってきました。

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それほど楽しみだったのに、よりによって雨。前日のスワローズ戦も降雨ノーゲームだったので、二日続けてもあるかな?と半ば諦めていました。スタジアム近くのローソンが赤かったです。

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スタジアム内のBAR。壁に落書きができます。

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コンコースの構造は、外見に比べてシンプルです。

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席についてみると、なんと屋根下でした(^o^)/。

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本日は、丸選手のユニフォーム。

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がんばれ広島カープ♪

中川翔子さんが始球式でいらしてました。

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心配された雨は、試合開始前にパラパラっときただけでプレーボール時には止んでました。

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順調にすべり出したかに見えたマエケンは、一回2死後、坂本にソロを打たれます。今日の乱調を予告するようなスタートでした。

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続く2回も先頭の由伸にソロを浴び、いきなりビハインドのスタートです。

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3回表。雨が徐々に強くなってきていて、スタンドから見てもマエケンの投球に影響が出ていました。先頭内海に四球。ここでマエケンのリクエストで一度中断して、マウンドを整備します。再開後もマエケンはピリッとしません。長野に二塁打で2、3塁。球筋が安定せず、置きにいったところを狙い打たれました。橋本にタイムリー。坂本、慎之助も続いて無死満塁から由伸が今日3打点目の2点タイムリー。あっと言う間に6失点し、試合がここで決まってしまいました。巡り合わせというか、マエケンは確かに本調子ではなかったとは言え、マエケンの投球の時とくに雨が強くて、ホントに気の毒でした。切り替えて欲しいです。

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広島は細かく継投します。4回は横山、5回から小野、7回から中田、9回は永川勝とつないで、終わってみれば4回以降は、小野が慎之助に打たれたソロの1失点のみ。

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広島の強さをかいま見れたような気がします。

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カープラッキー7のがんばれ広島カープ♪

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いっぽうの内海は、7回以外は毎回出塁を許す、必ずしも調子がいいとは言えないピッチングでした。それでも4回の小窪の犠牲フライと、8回の田中のタイムリーの2点に収めます。内海の被安打12は、ジャイアンツのチーム安打数と同じ。ヒットを打たれる割には要所をしっかり抑えていて、悪いなりに責任を全うする、マエケンとは正反対の内容になりました。内海の凄みを感じました。

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雨は4回から5回表にかけて強くなり、5回表二死でアンパイアの判断で中止。カープファンからは万来の拍手、ジャイアンツファンからは怒号が聞かれました。

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ただ、前日も降雨ノーゲームとなり日程が厳しいカープの運営側は、結果はともかく試合を成立したいという祈る思いだったでしょう。幸いにして雨は止み、長い中断を経て再開しました。最終回にまた少し降り出しましたけど、9回まで成立できました。キーパーさん、スタッフさん、おつかれさまでした。

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ジャイアントがホームラン3本を含む効果的な加点と内海の粘りのピッチングでカープを抑えこみました。カープ2-6ジャイアンツ。

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長い中断でちょっと帰路が心配でしたけど、広島駅から歩いて10分という好立地は、マツダスタジアムの魅力ですね。噂通り見やすいですし、選手を身近に感じられます。雰囲気もいいですし、素晴らしいスタジアムです。欲を言えば、koboスタ宮城のような、選手のスタッツ、とくに当日のスタッツを詳しく表示してくれるスコアボードがあれば最高です。あのボードは全チームで採用すべきです。

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完全に中止を覚悟していたのですけど、奇跡です。雨のなかがんばった選手とスタッフに感謝です。すっかりカープとマツダスタジアムのファンになってしまいました。また来ます。

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2014J1リーグ第20節サガン鳥栖vsFC東京@ベアスタ20140816

2014-08-17 18:24:11 | サッカー

明け方の雨は、広島を立つころには雨が止みました。九州に入ると晴れ間が見えました。

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福岡でございます。

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福岡をあとにし、今回の旅の終着地、鳥栖にやって来ました。

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長くお世話になった切符も鳥栖で回収されます。

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3年連続になりました。アウェイ鳥栖戦です。鳥栖は、鳥栖サポさんとお会いする機会があって、毎年楽しみなのです。

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鳥栖ゴール裏のこの横断幕を東京サポが気に入ってしまいました相太バージョン

待ってましたのヨネと鳥栖と言えば千真のゴールで、激闘を制しました。

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東京は少しシフトをアジャストします。GKは権田。CBはモリゲとカズ。SBは徳永と宏介。3CHは、慶悟が直前に負傷し、右に羽生が入り、秀人とヨネと組みます。前線は今日は1トップ2シャドウ。右にベアスタ男千真左によっち。1トップは背の高い相太。

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鳥栖は、突然の監督交代の衝撃がまだウズんでいます。交代後最初のホームマッチです。ユンさんから吉田恵さんに代わり、クラブがどうしたいのかサポーターに示す重要な試合です。注目のシフトと布陣はユンさん時代を踏襲しています。シフトは4-2-3-1。GKは彰洋。CBは菊池とキム・ミンヒョク。SBは右に丹羽左にミチ。ボランチは藤田と義希。メイヤは右に宏太左にキム・ミヌ。トップ下に池田。1トップは大エース豊田です。

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鳥栖の一般的な印象は、豊富な運動量に裏付けされたタイトなフォアチェックからのショートカウンター、サイドアタック、そして豊田の頭です。非常に個性的でありながら、チームのコンセンサスがしっかりとれています。欠けるピースもほとんどなく、選手個々の個性がぴったりはまっている、完全されています。だからこそ、微妙な心理的な経年劣化があるのかもしれません。慣れというか刺激というか。吉田さんの本意かどうかはともかく、チームとして何かを変える必要があるのだと思います。

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以下、たまたまお隣で観戦した鳥栖サポさんと、試合後cafe風さんで暖かく混ぜていただいた鳥栖サポさんたちに伺った内容も交えて綴ります。鳥栖はこういう取材ができるから素晴らしい。

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ポゼッションに取り組んでいるのは、ユンさん時代からの継続です。昨シーズン前半に急激にポゼッションサッカーに変化しようとして失敗しました。カウンターサッカーに切り替えて波に乗りました。今年もまたポゼッションに取り組んでいるようですけど、昨年とはポゼッションの方向性が少し違うようです。基本はタッチ数を少なく心がけます。中盤で、ボランチを基点にした縦のタベーラを頻繁に使います。タベーラで、ミヌ、宏太、義希(あるいは藤田)をフリーにします。彼ら2列めアタッカンチが狙うのは、おなじみ羽生とヨネの背後です。とくに羽生、徳永、カズの中間が狙われました。

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アタッカンチがフリーでパスを受けるとターンして、そこから一気にスピードが上がります。1stチョイスはCBの間。そこに池田と豊田が飛び込みます。

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2ndチョイスは、ミヌです。鳥栖はいつの間にかミヌのチームになっています。ミヌの活かしかたは3パターン。まず先ほどのラストパサー。それからランニングバックのような使い方。ミヌがライン際でボールを持つと、逆サイドの宏太が寄ってきます。宏太とのタベーラでミヌ自身が裏に抜けます。最後はミヌを基点にするプレー。ミヌが内に絞ってボールを保持し、ミチを押し上げます。とくに前半良かった時間帯は、ミヌを軸にしたクイックな攻撃が機能しました。

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鳥栖の攻撃の特長は、サイドチェンジを多用することです。大きいサイドチェンジすることで、相手の守備陣形を片寄せします。これもサイドアタックを有効にするための工夫だと思います。

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フィニッシュの形は、なので3パターン。アタッカーを走らせてGKと1on1を作る形。ミヌからペナルティエリア内のグランダークロスに合わせる形。そしてミチのアーリークロスにアタッカーが飛び込む形。最後のサイドアタックは、言わずとしれた伝家の宝刀です。ニアに池田を飛び込ませてファアの豊田に合わせるパターンです。

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ショートパスを思考しますから、守備のやり方も変わりました。陣形を作って網を張るスタイルです。唯一のチェックポイントは、これまたおなじみの秀人です。秀人がパスを受けるタイミングを池田が狙います。

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ただ、以上の変化はユンさんが今年取り組んできたことのようです。非常に興味深かったのは、鳥栖サポさんがこのサッカーを望んでいることです。ユンさんが作り上げ完成しているショートカウンターサッカーが、鳥栖サポさんのなかでオリジナルなサッカー、つまり鳥栖の原点として染み込んでいると思っていましたけど、そんなことはないようです。その意味では、ユンさんのサッカーと、鳥栖という地が目指すサッカーに少しずつ乖離ができていたのかもしれません。ただまぁ、鳥栖サポにとっても、監督交代は寝耳に水なニュースだったようですけど。

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東京が集中したとても素晴らしい入りかたをします。今日から上位連戦の絶好のチャンスですから、チームは相当に気合いが入っていたようです。今日はトップ下がいませんからバイタルエリアを省略します。ロングボール基調です。狙いは左右のSBの背後。とくに繰り返しよっちを使います。丹羽を狙ったというより、好調なよっちのサイドで仕掛けるのが今の東京の定番です。この仕掛けがいきなり奏功します。

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前半5分。相太とヨネが左に流れ基点を作ります。このサイドに寄せてブロッキングする鳥栖を見て、逆サイドに展開。秀人を経由して徳永に。鳥栖は右加重になっていますから、徳永サイドが空きます。秀人に対しミヌが寄せますたので、徳永の前には広大なスペースがあります。ミチが詰めるために前進。ミンヒョクの前にいた千真がこれを見逃しません。ミチの背後に入りこみます。ミンヒョクの反応が一瞬遅れます。徳永は千真にパス。アタッキングサードに入ります。千真はミンヒョクを引きつけながらペナルティエリアに侵入。この時ゴール前によっちがいて菊池が見ています。ファアの相太には丹羽。その手前は両ボランチがケア。千真はおそらくルックアップしていなく、感覚でゴール前にマイナスのクロスを送ります。これが藤田と義希がいるさらに後ろに入ります。そこにヨネがどフリーでいました。ヨネはダイレクトで叩き込みます。ゴラッソ。鳥栖0-1東京。

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このゴールで試合が一気にヒートアップします。両チームともコンタクトのタイトさが売りですから、局面で激しい競り合いが起こります。これを助長したのが権田と豊田のコンタクトでした。

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この不安定な主導権争いを制したのは鳥栖です。先述のミヌを軸にしたアジリティの高いアタックで東京のタイトな守備陣をかわし、アタッキングサードに進出します。

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しばらく鳥栖の時間が続いた20分が経過すると、東京が守備をアジャストします。ポイントは羽生です。羽生はミヌの動きに苦労していましたけど、次第に見切れてきたようです。羽生が守備のコースを作り、徳永と千真と組んでミヌを包囲します。

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ミヌが封じられると鳥栖の打ち手は二つ。ミヌを囮にしてミチを上げるか、豊田のポストです。豊田に対しては東京は非常に厳しいコンタクトで挑みました。エースモリゲをあて、豊田も逃げませんから、音が聞こえそうなくらい迫力溢れる戦いでした。結局豊田は一度も効果的なポストをできませんでした。モリゲの完勝です。

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一方のミチは肝心のクロスが不安定でした。威力も無いしタイミングもずれていて、ほとんど機能してません。ようするに鳥栖はミヌと豊田のチームということで、ここを封じることが勝利への条件。東京はほぼ完璧にこなしました。右WHに羽生が入っていた妙味です。

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東京がイニシアチブを握ることで、荒っぽくなってた試合が落ち着きます。いったいいつの間に東京は、こんな強さを身につけたんでしょう。ここまで来るのに7ヶ月。早かったのか?遅かったのか?w。前半はこのまま終了。

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後半開始早々試合がふたたび動きます。東京の守備はほぼ完璧なのですけど、リトリートした時の攻め方に課題があります。今日はロングボール基調ですからアタッキングサードにボールを入れることはできます。そこから個人のアタックで局面を突破して、他のアタッカーが絡んでゴールを狙います。その最初の仕掛けでなかなか突破に至りません。何度か突破してもいい形でシュートを打たせてもらえません。鳥栖の最終ラインも東京同様体をはってがんばってました。そんな、数多くないチャンスを東京がものにします。

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後半7分。アタッキングサードでこぼれ球を拾ったヨネがドリブルで前進。丹羽を引きつけて背後をオーバーラップする宏介にスルー。トラップした宏介はルックアップ。ゴール前は、正面に相太がいてミンヒョクが付きます。ペナルティエリアの外、手前にヨネ、中央に羽生、逆サイドに千真がそれぞれフリー。宏介は彰洋がゴール手前にいるのを見て逆サイドを狙ってループシュート。彰洋はワンハンドで弾き返しますけど、このボールが、ミチの背後からゴール前に進出していた千真の前に。千真はダイレクトボレーで流し込みました。苦しんだ千真に、地元九州の神様からのプレゼント。鳥栖0-2東京。

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これで名実ともに東京が支配します。吉田さんが大きく動きます。宏太に代えて岡本を投入。シフトを4-3-1-2に移行。3ボランチは右から義希、岡本、藤田。トップ下にミヌ。豊田と池田を並べた2トップです。おそらく基点を下げてパス供給源を安定させることと、義希と藤田の攻撃参加を促す意図だと思います。興味深いのは、攻撃のための4-3-1-2はユンさん時代には無かったということ。守備と攻撃では、3ボランチの役割はぜんぜん違います。東京もさることながら清水もトライしていて、3CHと呼ぶか3ボランチと呼ぶかはチームの志向性に寄るとして、中盤3枚のトレンドが来つつあるのでしょうか。残念ながら機能しません。肝心の岡本が、よっちと千真の厳しいフォアチェックでなかなか自由のボールを持てません。ただでさえ丹羽のサイドが狙われていたところで、丹羽の前の義希を攻撃的に使うのは危険だと思っていました。結果的には、東京がリトリートしたので問題にはなりませんでしたけど、ひょっとすると吉田さんは、けっこうリスクテイクする監督なのかもしれません。

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吉田さんがさらに動きます。ミヌに代えて早坂を投入。ゲームメーカーがいなくなりますけど、おそらくコンディションでしょう。早坂は東京戦でゴールしてますし危険な印象がありますから、遜色はありません。それでも大きな起爆剤にはならず。

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ようやくミステルが動きます。羽生に代えてたまを投入。たぶんこれもコンディションでしょう。

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すぐに吉田さんが最後のカードを切ります。池田に代えて谷口を投入。谷口を前線にはらせてターゲットを作ります。東京がリトリートしたこともあって鳥栖が攻め立てる時間になりました。

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続けてミステルも動きます。よっちに代えてナオを投入。おかえりなさいナオ。攻勢を強める鳥栖ですけど、東京守備陣は落ち着いて跳ね返し続けます。ミステルは安心したのではないかと思います。

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もう打ち手がなくなった吉田さんを横目に、ミステル最後のカードはこれまた前線のコンディション調整でした。千真に代えて河野を投入。

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試合をオーガナイズし続けた東京が、鳥栖の攻勢をしのぎ切りました。このまま試合終了。鳥栖0-2東京。

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ナオのチャント

ヨネと千真のシュワ~

鳥栖はこれで監督を代えて連敗です。首位陥落。チームをステップアップしていくための決断でしょうけど、もしかすると時間がかかるかもしれません。現実的に考えて、クラブ経営という意味ではACL出場は、現状では非常にハイリスクだと思います。チームの体力をつけるために、この時期に一歩引いたと考えていいと思います。

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東京はいつの間にか強くなりました。首位鳥栖相手に、フィジカルのパワーとスピードだけなじゃく、メンタルの強さも見せて完勝です。まだまだ順位のことは気にしませんけど、この上位連戦を好成績で乗り切れば、もしかすると豊穣の秋ということになるかもしれません。

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姫路、広島、福岡と、西日本を巡ってきたお盆休みの旅は、鳥栖で無事ゴールとなりました。山を幾つも登ったり、雨に気をもまされたり、いろいろ内容の濃い旅で、楽しかったです。東京に戻ります。

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軍師官兵衛ロケ地の旅 ―20140813 竹田・神河・書写―

2014-08-15 00:25:43 | 旅行記

お盆休みの軍師官兵衛の旅、二日目でございます。

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今日の相棒。

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但馬は、竹田にやってまいりました。

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時間帯によっては、JR竹田駅付近か、もっと南に下った臨時駐車場に回されることがあるようです。自分は道の駅に停めることができました。

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駐車場から望む竹田城。

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道の駅です。ここからタクシーで途中まで上がることができます。体力に自信がないかたはタクシーがいいと思います。

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盾がありました。

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さて竹田城攻略戦。開始。くれぐれも歩きやすい靴を履いてください。かなり疲れますし、途中から舗装されてませんから。

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ここまでバスが来ます。タクシーのりばもここですけど、降りるのはもうちょっと上まで行けます。

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大手門の広場に売店があります。夏は熱中症の危険がありますから、注意してください。

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大手門です。

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大手門からさらに登ります。汗だくです。

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竹田城全容。

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分岐点です。ここから先は、一方通行です。混雑をさけるためだと思います。城内で逆行できませんので、見学のときは見逃しのないよう注意してください。

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入城口です。

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300円也。

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竹田城の苦瓜。

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さて、攻城戦とまいりますか。

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この先、城に入るまで土の道です。と言ってもちょっとだけですけど。

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カーブをひとつ曲がると、いきなりどどんと。

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竹田城址。

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山の尾根に沿って石垣が続きます。

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実際に竹田城に入ってみると、予想以上に規模が大きいことに驚かされました。山ひとつ分、まるまるお城です。

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北門です。

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北千畳から本丸を望みます。

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さて、軍師官兵衛ロケ地巡りスタートです。「これだけの軍勢を見て、北条め。肝をつぶしておるでしょうな。殿下、ひと思いにひねりつぶしては?」。秀吉公が眼下に小田原城を見ていた風景。竹田の町です。

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三の丸です。竹田城内には桜がいっぱいあります。春は桜の名所なんでしょうね。

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三の丸から二の丸に渡ります。

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二の丸です。本丸には入れませんので、ここが一番高い場所です。二の丸からの風景

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南側です。よく出てくる風景ですね。

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「お待ちください」「官兵衛か。よいよい。それより、軍師官兵衛の考えを聞こう」。秀吉公が立っていたのは、天主台の一段下本丸の突き出しです。端に階段のように石垣が組まれている、その突端でした。残念ながら、竹田城のロケ現場には近づけませんでした。

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城内の道は、黒いシートで覆われています。たぶん雨対策なんでしょうね。土嚢が敷いてありますから、ぼこぼこします。

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西側です。播但道が通ってます。

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本丸。

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「殿下。人は殺せばそれまで。生かしてこそ、使い道があるのではないでしょうか?」。官兵衛さまと秀吉公が話していたのは、天主台の一段下の左側。ちょっと石がもこもこと積まれて階段のように見える辺りです。

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本丸の構えは複雑に構成されています。山城ならでは。驚くのは、割と石が大きいことです。これだけの量だと、この山だけでまかなえないでしょうから近隣から運んだのでしょうけど、大変でしょうね。

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南二の丸です。ドラマではここに塀が作られていました。

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秀吉公が見ていた風景です。奥側、南千畳敷の突き出しにもドラマでは塀がありましたね。

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正門です。

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