ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2012J2リーグ第14節東京ヴェルディvsファジアーノ岡山@味スタ20120513

2012-05-13 21:48:41 | スポーツ

ふるさとの訛りなつかしスタジアム 人ごみの中にそを聴きにゆく

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なんちゃって。今シーズン初めてファジを観戦しました。味スタに到着したらゲートの前にテレビクルーがいて、インタビューされちゃいました。観衆3,515人。ヴェルディは味スタを使う意味があるのかしら。1試合分のコストを払えないんじゃないかな。東京でも入場料だけだとギリギリだと思うのです。西が丘でもJ2できますよね。名前も味の素フィールド西が丘になったし。

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ファジが渋く勝ちました。内容も濃かったし、大満足です。

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ファジのやり方は、注目に値します。ナポリなど、世界的に3バックが再興しています。4バック隆盛の次ぎは3バックの時代が来るのは、これまでの歴史が示すナチュラルな流れだと思います。Jで3バックといえば広島ですけど、これは流れというよりはペトロビッチのこだわりですからちょっと除外。2トップのチームが増え、それに対抗する意図で3バックを採用するチームが出てきても不思議ではないなと思っていました。影山監督の意図は知りませんけど、もし世界的な潮流を意識してのものであれば、非常に興味深い志向だと思います。

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最新3バックの志向は、その攻撃性にあります。3バックは、ウィングバックを攻撃加重にするか守備加重にするかで大きく趣向が異なります。守備重視な例はことしの広島。3バックというのが中途半端ならば5バックと呼んでもよいと思います。90年代初期の3バックは、守備的な内容でした。ところが最新の3バックは逆で、攻撃を志向しています。ウィングバックは攻撃の組み立てや、クロッシング役として機能します。

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さて、ファジの3バックは攻撃志向です。フォーメーションは、中盤をボックス型にした3-4-3。モデルでいうと、クライフ時代のバルセロナと同じ仕組みです。攻撃のシステムは、サイドアタックを重視したものです。いや、現状では偏重と言ってもいいと思います。攻撃のバロメーターは、川又です。1トップの川又にポストが収まることが攻撃の前提です。川又を経由せず直接WBにパスを入れると、多くの場合相手ブロックに引っかかり、ポゼッションを無力化されます。川又に収まると、攻撃陣の距離感をコンパクトにできますから、WBにフリーランニングさせることができます。MFを経由して、敵陣サイド深くでWBにボールを預けられる。

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ファジのビルドアップは、基本的にポゼッションです。ワンタッチでパスを繋ぎ、スピードをあげることで相手DFを翻弄しスペースを作る。これは最近のJのトレンドですね。バルセロナのサッカーがもてはやされることで研究され、そのやり方がJ2のレベルでも実践できるまでモデル化されているんだと思います。J1とJ2の技術面における違いは、ムービングとパスワークが一番小さいんですね。視野、思考、トラップやドリブル、ターンなどは顕著な違いがあるんですけど。ワンタッチでパスを繋ぐことは、ある程度ルール化できます。たとえばトップにボールが入れば、あらかじめトップが次にボールを落とす場所を決めておき、そこにMFがフリーランニングする、といったプレーを決まり事にできるということです。練度を高めれば、ワンタッチパスの連鎖をスムーズにできるようになります。つまり、個人技術の差を補完することを目的として、バルセロナスタイルは浸透しているのです。少なくともJリーグでは。これ、非常に興味深いことだと思います。ファジのポゼッション練度は、かなり高いです。ただし条件は、川又に綺麗に収まること。川又が安定してポストできる、つまり次の選手が扱いやすいボールを落とせることが条件となります。

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ファジの守備は、基本的にリトリートです。攻撃の連携はかなりできていますけど、守備はもうひと頑張り必要だと思います。とくに攻守の切り替えがまだ遅い。だからリトリートなんだと思います。味方の守備陣形が整う前にフォアチェックすることは、味方との信頼関係、すなわち後続のDFが続いてくれるだろうことを前提とします。ゆえに高度。練度を高めれば実現できますから、志を高く持てば、夏頃にはもっと強くなっているかもしれません。

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ヴェルディは割合、現実的なサッカーをしますね。攻撃のタクトは土屋と西が振っています。中盤が行き詰る場合は、土屋のロングフィードを前線に入れます。それを除くと、基本的に攻撃は西を経由します。西が中盤でタメを作り、SBとくに森勇介がオーバーラップする時間を作ります。西はドリブルも持っていますから、SBに出してもいいし、自分でカットインしてもいい。西がフリーでボールを持つとヴェルディの攻撃が機能し始めますから、結果的にファジは押し込まれることになる。

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そんなわけで、前半はヴェルディが圧倒しました。詳細なスタッツはわかりませんけど、ヴェルディのシュートは、前半のほうが多かったんじゃないかと思います。この試合の流れを作ったのは、中林です。ヴェルディのシュートを尽く止めました。ちょっとシュートが正直だったこともあるんですけど、奮迅の活躍でした。MVP級。前半をおえ、岡山0-0ヴェルディ。

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後半、影山監督の打った手がバッチリ当たります。西に、ときにダブルチームを織り交ぜ、フォアチェックをかけてきました。前半リトリートしていたのは、ひょっとするとパスカットのポイントを探っていたのかもしれません。西は一人だけレベルが違うのですけど、逆にいうとヴェルディのポゼッションはほぼ西を経由しますから、パスを読みやすいのかもしれません。ポゼッションを、ビルドアップではなくカウンターで使えるようになりました。もうひとつが川又のポストが安定したこと。推測ですけど、川又のポジショニングを微妙に変えたのかもしれませんね。ヴェルディは攻められると守備が機能しなくなりますね。ブロックを作っているのだけど、受けに回ると立ってるだけで、相手のスペースメイクの後手を踏んでしまう。だから一気に攻め込まれるのです。

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ファジの攻勢が続き、惜しいシュートが数本ありましたけど、ゴールを割れませんでした。勝てる試合を引分けにしちゃうかなーと思っていた矢先、先制点が入ります。

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後半36分、関戸のゴールが生まれます。パスワークで左サイドを崩し、川又のシュートがDFに弾かれ溢れたところに関戸がつめ、ゴール。岡山1-0ヴェルディ。

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両者のチーム力が拮抗してますから、あまり多くの点は期待できません。残りの時間、ヴェルディが攻勢に出ますけど、同時3枚交代などで切り抜け、試合終了。岡山1-0ヴェルディ。

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前半の問題をハーフタイムできっちり修正したことに驚きました。前半を見る限り、ハイ・プレッシングに切り替えるか、チアゴを入れて放り込むしか手がないかなと思っていたのですけど、西を潰すというピンポイントでシンプルな対策を打つことで、一気に試合全体の流れを変えることに成功しました。影山監督の手腕と、それを実現する選手の練度、スキルに感動しました。正直なところ、これほどのサッカーが見られるとは思ってませんでした。素晴らしい。

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もっと上を目指すには、やはり補強が必要です。ひとりで局面を打開し、シュートまで持っていける選手。服部宏太がいるとアクセントがつけられたかもしれません。香川、清武、斎藤学、田中順也など、J2で経験を積んで成功する例が増えてます。J1クラブには出場機会がない逸材はいっぱいいると思います。東京だと、草民や健太郎。J1クラブと提携していくのも、ビジネスモデルとして面白いと思うのですけど。

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初めてファジのゴール裏にお邪魔したのですけど、楽しかったです。コールリーダーのかた、面白いですね。「笑顔、笑顔、笑顔、笑顔」、「アウェーは家に帰るまでがアウェー」。名言がいっぱいでございますw。

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連勝がとまった後も連敗をしないことが、上位にいる条件になります。難敵ヴェルディを相手に、渋い勝ち方をしたことは、今後の流れにとってとても大きい結果だと思います。ホーム開催のホスピタリティや、サポーターの雰囲気という観点では、いつJ1にあがってもまったく問題ないと思いますけど、チームはまだJ1は苦しいと思います。昇格を期待するのは時期尚早だと思います。だけど、年々内容がよくなっているのは確か。極めて近い将来の昇格を視野に、クラブもチームもサポーターも、志を高くしてもいい頃かもしれません。大きな期待とともに、チームを見守っていきたいですね。

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試合中にボールパーソンが熱中症で倒れてました。意識を戻していたので大事はなかったと思いますけど、これからの季節、もっと危険になります。選手、スタッフ、サポーター、一般のお客さんに熱中症のリスクが高まります。運営側はもとより、ひとり一人がしっかりケアしたいですね。


2012J1リーグ第10節横浜Fマリノスvsコンサドーレ札幌@日スタ20120506

2012-05-13 10:13:01 | スポーツ

ゴールデンウィーク後半は天候不順でした。今日も雷やら雹やら集中豪雨やら。それでも順調に季節は巡り、盛春です。

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今節と次節は東京が遠征中なので、近場の試合を観戦です。今日は日産スタジアムに来ました。鯉のぼりです。

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マリノスvs札幌です。どちらも今シーズン初めて見るし、前節勝ってて好調だから楽しみです。マリノスはスタートダッシュに躓きましたけど、ここに来て連勝です。選手も揃ってますから、流れがよくなれば順位も上になるでしょうね。

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結果を先に言うと、俊輔のゴールで先制したマリノスが、古田のゴールで追いつかれるも途中出場の谷口のヘッドで突き放して、3連勝しました。

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マリノスは4-4-2ですけど、特長的なのは俊輔中心のシフトということです。いちおう俊輔はアタッキングハーフですけど、中盤で攻撃を組み立てる仕事です。だから、ポジションフリーです。サイドに張ったり低い位置でパス供給をしたり。

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奪ったボールは基本的に俊輔を経由します。これは相手も分かりきったことですから、俊輔のポジショニングと札幌のスペースマネジメントの勝負となります。もうひとつマリノスの攻撃オプションは、左奥へのロングボールです。そこに裕二か学を置き、ボールキープから自力突破、もしくは他の選手(ドゥトラ、兵藤、俊輔)の攻撃参加を待ちます。札幌が中央に絞る守り方ゆえの作戦だと思いますけど、ゴール前に二人置いてるため、サイドが空きやすいこともあると思います。それに裕二にしろ学にしろ、スキルフルだからできること。トラップが上手いのでしっかりキープできるし、パワフルなドリブルも、パスもできる。ロングボールから、相手の守備陣形が整う前に裕二や学がシュートを打つタイミングを作るという意図だと思います。

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守備は、最終ラインが高齢ゆえのスピード不足が否めません。それを補うために、ボランチ(今日は富澤)の位置でスイープします。このポジションにハードワークを求めますから、心臓部になります。攻撃については俊輔が機能すれば一定の内容を期待できると思います。攻守のバランスという意味では、ボランチ。いま、小椋が不在で谷口もスタートから出られません。アンドリューや富澤を試しているようですけど、この状態で結果を残せているのはポジティブに考えていいと思います。

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去年のマリノスを見たとき、小林裕三が攻撃のキーマンだと思っていたのですけど、ドゥトラが入って様変わりしているようです。どちらかというとドゥトラの攻め上がりの方が多く、裕三はバランスをとってる印象です。なればこそ、ここぞという時の秘密兵器として裕三のオーバーラップをとっておくと、マリノスの攻撃オプションとして面白いかもしれませんね。

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樋口さんは、辛抱していいチームを作ってきました。

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札幌です。石崎さんのチームですから大まかにプレースタイルの予想はできてましたけど、予想は外しませんでした。基本的にブロックを作ってフォアチェックをしていきます。前線は、チームにいる選手でやり方をチョイスします。柏時代はフランサを軸にしたゼロトップが話題になりましたね。

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札幌の攻撃オプションは3つ。祐介のパワフルなドリブルとシュート、前田俊介のスキルフルなドリブル、それから古田のスピード。とくに現代サッカーにフィットしているのが古田です。香川が示してくれた、高いアジリティと確かなトラップやシュートの技術で、ヨーロッパのトップリーグでもスター選手をはれるという、日本人の攻撃的な選手が目指す方向性を、古田も目指せると思います。

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細かいプレーはわかりませんけど、若いDFラインに大きな破綻はありませんでした。ただ、結局失点した2つのシーンで粘りきれないのは、課題かもしれませんね。石崎さんはチームの将来を考えているのかもしれませんね。

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終了後、マリノスゴール裏のコールに応じて、河合がやってきました。

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第11節はマリノスが広島に3-1で快勝して4連勝し、ついに貯金生活になりました。大黒がゴールに嫌われているのが気になりますけど、マルキーニョスが戻りましたから、裕二と学が調子を維持するなら、大きく崩れないかもしれません。ちなみにこの試合で、広島の青山が超ロングゴールのゴラッソを決めました。

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一方の札幌は、東京に0-1で敗戦。がんばってるのに勝てないのは、確実に力不足です。あたたかく見守りたいですね。

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AFCチャンピオンズリーグ2012グループステージ第5節FC東京vsブリスベンロアー@国立霞ヶ丘競技場20120502

2012-05-03 13:40:42 | スポーツ

ゴールデンウィークど真ん中は大雨となりました。ACLも5試合目。最初の相手がブリスベン。今日はリターンマッチです。オーストラリアからいらしたんでしょうか。天気がよい日本のゴールデンウィークを楽しんで欲しいですけど。かなりかわいそう。

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初戦をテレビで見る限り、パスを繋いでくるサッカーをするブリスベン。もう一つ、とてもクリーンでオープンな試合をするチームだなという印象が残ってました。

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実際に見たブリスベンは、印象通りの爽やかなチームでしたね。やっぱりクリーンでオープン。オージー魂なんでしょうか。サポーターの陽気さと相まって、とても好印象です。東京とオープンに戦うと結果がどうなるかは初戦で知るとおり。点の取り合いの末、東京が逆転で差し切りました。ACLベスト16進出決定です。

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ブリスベンは4-3-3。中盤はパタールをアンカーに置く、逆三角形の布陣。アンチェロッティ・ミランや、モウリーニョ・チェルシーのような、ひと昔前のシフトです。ブロイヒがちょっと前目に出るので、トップ下を置いた正三角形だったのかもしれません。3トップですけど、左右のFWがワイドオープンに開き、ウイング様になります。サイドの突破を主軸にしているのでしょう。これもひと昔前な印象。Aリーグでこの布陣がどのように機能するのかわかりませんけど、日本勢相手には良いかもしれません。ブリスベンはポゼッションを重視するとはいえ、J相手だと、やっぱりストロングポイントはパワーですから。両ウイングがボールを持つと、パワフルなドリブルを仕掛けてきます。もっとも、東京DFは、とくに徳永を中心にドリブルには強い。むしろパスを主体にして、2列目、3列目の攻撃参加が怖かったです。

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前半4分、いきなり試合が動きます。ベリシャと競り合ったモリゲのファールでブリスベンにFK。ブロイヒ(U-21ドイツ代表だそうです)が蹴ったクロスがベリシャにドンピシャ。ポストにあたって跳ね返ったところを再びベリシャが決めました。東京0-1ブリスベン。

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羽生の裏から入ってきましたけど、マーカーが誰もいませんでした。ベリシャはAリーグ得点王だそうですけど、情報が少ないのかな。ルーズな対応でした。

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東京はすぐに追いつきます。前半5分。徳永が自陣でヒョンスからのパスを受けドリブル。ブリスベンの左サイドがヒョンスにプレスに行ったため、徳永の前がぽっかり空きました。徳永はセンターラインを超えたところで、タッチライン際にいる千真の前、グランダーで千真を走らせるパス。千真は、パスを受ける前にスウェーバックする動きをして、相手CBを前に引き出します。これで徳永のパスを拾う競争で優位に立つことができました。ゴール前に走り込んだ羽生を狙ったグランダーのクロスはDFに跳ね返されます。そこにいた梶山の正面に。梶山のボレーはDFに当たります。跳ね返ったところに秀人がダイレクトボレー。東京1-1ブリスベン。

結果としてこのゴールが大きかったです。リーグ戦で調子がよくないなか、ブリスベンに先制されてしまい、流れがよくなかったです。なかなか追いつけないとメンタルが厳しくなりますから、失点直後の同点は、チームを落ち着かせたことでしょう。

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点が示すとおり、試合の入り方はバタバタしてけしてよくなかったです。雨の影響もあるかもしれません。ブリスベンもフォアチェックを軸にしますから、主導権争いが激しかったのでしょう。試合を落ち着かせたのは、やっぱりフォアチェックとワンタッチのパス回し。2012東京の基本です。ボールロストした時にすばやく切り替える、あるいはフォローする。そして、自分達がボールを持つと、ワンタッチで素早くパスを回す、また回すことができるようにムーブする。といったことを繰り返すことで、相手のペースを壊すことができます。前半10分を過ぎたあたりから、東京が主導権を握ります。ゴール裏からオーレが聞こえてきたのもこの時間帯。オーレはある意味、東京のバロメーターかもしれませんね。パスが小気味良く繋がる東京を観るのはひさしぶりです。ACL北京戦以来ですね。

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この時間帯に追加点をとれたことも、チームの自信になったんだと思います。前半20分、追加点が生まれます。徳永のバックパスを権田がダイレクトでフィード。自陣で秀人が受けます。この時、左サイドに大きなオープンスペースができてました。秀人が持ったタイミングでむっくんがオーバーラップを開始。秀人のパスを受けたアーリアが、相手2枚を大きなワントラップで振り切ります。このプレーがチャンスを生みました。ドリブルで一気に相手陣に進出。スピードでボランチを突破したところで、右にフリーでいた千真にシルキーなスルーパス。千真がゴール前に走り込んだアーリアへのグランダークロスは相手に当たりますけど、その奥側、おなじくゴール前に進出していたむっくんの前にこぼれます。落ち着いて決めました。東京2-1ブリスベン。

秀人に入ってから、秒にして14秒。タッチにして6個でシュートまで持っていきました。ポゼッションに加え、このようなクイックな攻撃があると相手にとって脅威になると思います。縦に攻める意識と視野と技術の問題だと思います。現状ではトリデンテなればこそできるプレーですけど、ヨネ、草民、大竹、河野にも身につけてほしいテクニックです。

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今日の課題はここから。リードしてからの試合運びです。ブロックをつくってリトリートするのはいいのですけど、相手を受けてしまうのは、ピンチを招くリスクになります。リトリートするんだけど主導権は渡さない。そんな試合運びができるようになると、強くなれるし結果も伴うと思います。

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前半33分、ブリスベンが綺麗なゴールで追いつきます。センター付近のFKから右フラニッチに出ます。東京陣内に進出。梶山を引き連れ攻撃に進出した中央パタールに折り返したパスが繋がり、ダイレクトでゴール前のブロイヒに縦パス。このパタールのプレーが効果的でした。ブロイヒのシュートは一度モリゲに当たりますけど、こぼれたボールをブロイヒが押し込みました。東京2-2ブリスベン。

むっくんのサイドであっさりフラニッチにボールを持たせたことと、パタールをフリーにさせたことが問題でした。アンカーの攻撃参加は捕らえづらいですから、全体が相手を受け過ぎたことが一番の問題でしょう。

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前半のうちに突き放せたのはよかったです。前半44分。徳永の縦パスを受けた千真が倒されPK。ま、ペナルティーエリアの外でしたけどねw。主審さんありがとう。千真が自分で決めました。前半終了。東京3-2ブリスベン。

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後半60分、追加点が東京に入ります。羽生が倒され、自分でクイックにFKを始めます。アーリア→秀人→アーリアと渡り(全部フリー)、バイタルの谷澤へ縦パス。ブリスベンのMF3人が揃ってましたけど、谷澤はその間の小さなスペースに入ってました。このあたりの二次元の空間感覚が谷澤の持ち味ですね。谷澤は前を向き、CBの間にスルー。走り込んだ千真に渡り、落ち着いてゴール。東京4-2ブリスベン。

DFの裏を狙うプレーが少なかったのが、シュート欠乏症の原因の一つです。その意味でも、とても良いゴールでした。

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ここで突き放すゴールが奪えると完璧な試合だったのですけど、ふたたび東京はリトリートします。ブリスベンに攻め込まれるシーンが増えます。まだ多くの時間を残してましたし、2点差は怖いですから、ちょっとドキドキしました。ここで千真に代えてルーカスを投入。ルーカスは前線からチェックしようとしてましたから、ポポさんの「下がり過ぎるな」というメッセージだったのかもしれませんね。ブラボーな判断だと思います。

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結局このまま試合終了。東京4-2ブリスベン。グループステージを突破しました。ACLベスト16進出が決定です。

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この試合、両チームを通じて警告ゼロ。最近のJで黄色や赤色をいっぱい見てますから、とっても爽やかな印象を受けた試合ですね。ブリスベンはとってもクリーンでした。ただ、東京の直近2試合のビデオをもし見ていたなら、(実際にできるかどうかはともかくとして)ブリスベンは違うサッカーをする選択肢があったと思います。それでも、あくまでもクリーンなプレーをチョイスしたところに、オージーの魂を感じますし、とっても心地よかったです。

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気持ちよくプレーする時間と空間をもらえるなら、東京はとっても強いですし、結果も残ります。それを再認識できました。残念ながらACLとJリーグとは別物ですけど、東京の基本であるフォアチェックとクイックなパス回しを振り返ることができたことが、チームにとって勝利に加えて良かったと思います。まあ、いまは今日の結果の余韻を楽しみたいですけどねw。

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雨の影響で9,000人弱のお客さんでしたけど、さすがに16強となればもうちょっと入るかな。ぜひホームでやりたいものです。なので、次の蔚山戦はアウェーで難しい試合になるでしょうけど、頑張ってほしいです。


2012J1リーグ第8節FC東京vs清水エスパルス@味スタ20120428

2012-04-28 23:12:30 | スポーツ

春が一気に通り過ぎ、初夏がやってきました。東京です。

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ファミリージョインデー。

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ドロンパ寸劇。悪役登場。

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正義の味方、ドロンパ見参。あれ? 主役はコナン君じゃないのか?

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対決。てか相撲。

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格闘技はドロンパらしくないということで、ダンス対決。

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寸劇を影でささえる黒子さんは誰?

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阿久根社長ww。

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リーグ戦2連敗、ホームゲームも2連敗で向かえた第8節の相手はエスパルス。貯金がかろうじて一つ残ってます。ここが序盤の踏ん張りどころかもしれません。

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非常に悔しい敗戦です。貯金を全部使ってしまいました。4勝4敗のイーブン。ゴールデンウィークの入口でつまづき、サポーターとしてはションボリですね。敗戦はもとより残念なのですけど、それにも増して残念なのは清水の戦い方。今日は理不尽を招致で、清水を批判したいと思います。負け惜しみ上等。

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東京はひさびさのベストメンバー。梶山とアーリアが戦線に戻ってきました。ルーカスもスタメンに復帰し、連敗脱出に最善の体制で臨みます。ただ、ポポさんが不在です。仙台戦の退席で、1試合のサスペンション。代わって長島コーチが指揮をとりました。戦略家のゴトビさん相手に、ベストメンバーに戻ったプラス要素よりも監督不在の影響が心配でした。

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まあただ、東京はベストメンバーだろうが監督がいなかろうが、やり方は全然変わらないんですけどね。

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清水は4-1-2-3と4-1-4-1を併用するやり方です。伊藤翔とアレックスをウイングに起用。今日の右SBは吉田豊でした。

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清水の守備は、ようするに仙台モデルです。ただ普段はクリーンな戦いをしますから、東京対策の臨時プランです。したがって普段からアグレッシブな守備を信条とする仙台と違い、洗練されていません。「アグレッシブ」ではなく、「ラフ」。前線の3枚、ジミー・フランサ、アレックス、伊藤翔が東京の司令部にプレッシャーをかけてきます。高木がスタメンでなかったのは意図だと思います。180cmオーバーのゴツイ選手を前線に並べ、プレッシャーの効果をあげたのでしょう。プレッシャーなんて綺麗な言葉では説明がつかないですね。秀人、アーリア、宏介、徳永、モリゲ、ヒョンスに襲いかかってきます。さすがにマッチョ徳永には効きませんが、スキルフルな秀人やアーリアには効果的です。宏介には、清水サポの大ブーイングの後押しを受け、大前と吉田豊が入れ替わり急襲します。前節までの清水の警告総数は13枚。それに対して、今日一日で実に8枚のイエローカードが出ました。ジミー・フランサとアレックスのレッドカードを含めると、なんと10枚。この数字が、今日の清水の酷さを物語ってます。ちなみに前節の仙台は4枚です。レフリーが違いますから比較はできませんけど、にわか仕込みのアグレッシブがいかに危険なプレーを生むかを表すデータだと思います。東京の選手に怪我がなくてよかった。

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清水の攻撃について。なにしろSBのポジショニングが高いです。岩下とヨン・ア・ピンが開き、2バックになります。前節までの清水を見てないのでわからないのですけど、今日は、ヨン・ア・ピンから前線のジミー・フランサまたはタッチライン際深い場所にロングフィードを送る、シンプルな戦い方できました。手数をかけず、シンプルに東京ゴールに迫るという意図でしょう。フィードを清水が確保できた場合は、ほとんどの場合小野伸二にボールを集めます。伸二のポジショニングによって、シュートアテンプトが決まる。つまり、伸二が東京ゴール前でボールを持ったときは脅威でした。それから宏介に対峙する大前元紀と吉田豊のコンビ。縦に向かうパス交換で宏介を振り切ったとき、効果的なクロスをどちらかがゴール前に待つアタッカーに供給してました。東京は何度か危ないシーンがありました。だけど、少なくとも守備陣形がちゃんとセットした状態であれば、東京の守備網を突破するのは至難の技です。加えて、ジミー・フランサにしろアレックスにしろ伊藤翔にしろ、シュート精度が低いですから、それほど不安はありませんでした。

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守備重視できた清水に対しても、東京のポゼッション力は上回ります。前半30分頃からアレックスの足がとまり、それに比例して秀人とアーリアが攻撃をオーガナイズできるようになりました。ボランチが機能しなければ、東京自慢の梶山も両SBも両ウイングも消えてしまいます。とくにほぼトップに入った梶山は、序盤完全に消えてました。でも、秀人とアーリアがパスを前線に供給するようになると、梶山がゴール前中央で決定的な仕事をするようになります。梶山が入ると、東京に中央突破の可能性ができますから、相手にとっては脅威でしょう。目下の東京の課題は、この時間帯、相手の戦い方に慣れ自分たちのプレーが出来始めた時間帯で確実に得点すること。それができないので、ズルズル相手のペースに引きずり込まれることになるのです。で、今日もやっぱり得点できず、前半終了。

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後半11分、ジミー・フランサが2枚目の警告で退場します。伊藤翔をトップにあげ、小野をボランチ、アレックスと大前をハーフに下げ、ボックス型の4-4-1にシフトを変更します。小野が下がり目になりますから攻撃力が落ちますけど、守備バランスは崩れませんから、ゴトビさんのゲームプランに大きな影響はなかったと思います。清水はとくにリトリートすることなく、戦い方を変えませんでした。落ち着いたところで小野に代え高木、伊藤に代え高原投入。投入直後はフォアチェックする高木、高原に対し、リスクを犯したくない清水DFとギャップが生まれ、東京にとって都合のよいスペースができるシーンがありました。東京はこの時間帯に得点したかったですね。

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ところが、清水に更に退場者が出ます。後半28分、アレックスも2枚目の警告を受けました。清水は高原と高木に攻撃を委ね、7人で守りを固めます。それでも守備バランスが崩れたわけではないので、ゴトビさんはもう、勝ち点1で十分満足したことでしょう。

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サッカーの神様は悪戯好きです。後半32分、試合が動きます。太田のバックパスをカットした高原がドリブル。東京は前がかりになってましたから、DFラインが崩れ、さらに広大なスペースがありました。左サイドから高木が猛ダッシュ。ヒョンスも並走しますけど、一歩高木が速かったです。ゴール前で高原から丁寧なパスを受け、高木がワントラップしてゴール。東京0-1清水。

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東京は猛攻しますが、閉じこもった清水の守備網を破れません。後半37分には秀人を下げ、平山を投入。守りを1枚削るのかと思えば、梶山がボランチに、ルーカスがトップ下に下がっただけ。前線の数は変わらず。このシーン、ワンボランチでもよかったのでは?。さらに後半43分、ヒョンスに代え千真。ようやく2トップになりますが、問題は最終ライン。それまで重要な攻撃のカードだった徳永と宏介がCBに入った3バックになりますから、サイドから選手が消えてしまいます。パスの供給先がなくなり、無力なパス回しか強引な中央突破に攻撃が限られてしまいます。むしろ秀人を中央に置いた3バックにして、徳永と宏介の攻撃力を活かすべきだったのでは、とよっちさんが仰ってました。ポポさん不在のハンデがあるとはいえ、東京ベンチの失策だったかもしれませんね。結局得点できず、試合終了。東京0-19人の清水。

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もちろん清水は、二人も退場で失うという償いは果たしているわけですから、ルール上はこれ以上の罪を問われる必要はありません。そんなことはわかっています。それから、相手のことを云々言う前に、東京ががっちりゴール前を固める相手を崩せないことにも問題がある、なーんてことは重々承知のうえです。それでも、今日の清水のようなサッカーを、断じて許してはなりません。サッカーに対する冒涜です。守備重視やフォアチェックなんて聞こえがいいですけど、怪我をさせんばかりの悪意があるラフプレーを重ね、勝ち点1、あわよくば勝ちをかっさらおうなんて、誰が許していいものですか。

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と、これはあくまでも東京サポの立場からみた批判です。もちろん恣意的な批判です。広島と鹿島が、東京は守りを固めた相手から点を取れないことを発見しました。仙台と清水は更に、東京のビルドアップ起点にプレスをかけることで、東京のポゼッションを無力化できることを証明しました。これから対戦する相手が、最低でもドローを求めるなら、仙台清水モデルをコピーしてくることが容易に想像できます。さらに手数をかけずシュートまで持っていくことができる攻撃力を持ったチームであれば、どカウンターで勝ち点3を狙うこともできる。極端に言うと、攻撃陣を2枚失ったからと言って、守備のバランスが崩れなければ東京の攻撃は止められるということを清水が発見したわけです。となれば、警告や退場を覚悟のうえでラフプレーをしかけてくるチームがいないとも限らない。東京は、もし今後もプレースタイルを変えないのであれば、クラブが全力をあげて、様々な手段でこれを阻止する必要があります。ようするに、ピッチ外の戦い、ポリティカル・ネゴシエーションです。優勝を狙うためには、そのくらいのしたたかさを持っていたい。清水への合法的な批判の手段はないものだろうか。

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自分は東京サポをリスペクトしています。誇りですらあります。だけど今日は、ちょっと残念でした。批判の矛先を東京に持っていってしまった。数的有利になったとはいえ、清水の守備バランスが崩れたわけでなく、心理的には逆に東京が追い込まれる状況でした。それなのにワンミスでため息や罵声が飛ぶようでは、選手をサポートするどころかプレッシャーになるだけです。そんなのサポーターじゃない。選手を落ち着かせ、勇気づけるべきでした。バックスタンドにそんなサポーターもどきがいっぱいいました。

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帰り際、スタジアムの外周で母子ずれサポが言ってました。「近くのおじさんがどなってて怖かったね」。「サッカーって怖いね」。今日はゴールデンウィークの初日で、初めて味スタに足を運んでくれた人も多かったと思います。新しいファンにまたスタジアムに来てもらいサポーターになってもらうためには、我々サポーターが勝ち負けに限らず良い雰囲気を作ってあげないといけないと思います。我々がホームゲームごとにスタジアムに集うのは、勝ち負けとは違う、それを超越した魅力がそこにあるからですよね。新しいファンも、それに気づいた人はサポーターになってくれるんです。とにかく門戸を狭めないこと。選手に問題がある場合、たとえば覇気を感じられないとか、一体感がない場合のブーイングは、奮起を促すという意思表示として必要だと思いますけど、少なくとも今日の内容でブーイングは必要ないです。まして選手の挨拶を受けないなんて。個性的とか蝗とか言われ、いい気になってる場合じゃないです。お客さんではなく、真にチームをサポートするファンになりたいものです。

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梶山はまだ、フィジカルコンディションが戻ってないようですね。動けてはいるけど、局面で相手をぶっとばすパワーはまだないみたい。でもこれは、試合を重ねれば戻ってくるでしょう。

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前節でも言いましたけど、東京がやるべきことは変わりません。パススピードをあげ、トラップを正確にし、小さなスペースを見逃さない戦術眼を磨き、ポゼッションを高速化すること。ただ、もう一つ。シュートを撃つこと。今日は清水に退場者が出たこともあり、二桁シュートを記録しましたけど、効果的なアテンプトは少なかった印象が強いです。ゴール前で相手DFラインにギャップを作る動きしたい。もっと裏のスペースを狙ってもいいと思います。ポゼッションにこだわらず、ショートカウンターを加えたハイブリッドな攻撃を試みてもいいと思います。

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貯金があったおかげで、まだ五分の星取。シーズンは長く、これからです。チームだけじゃなく、クラブもサポーターも一体になって、はやく連敗から脱出し、もう一度連勝街道に戻りたいですね。

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2012J1リーグ第7節ベガルタ仙台vsFC東京@ユアテックスタジアム仙台20120421

2012-04-22 23:34:24 | スポーツ

今年の桜前線は、例年より2週間程度遅れているようで、仙台はまだ五分咲きくらいの感じです。

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桜前線とともに北上する「プチ東北の旅」のテーマは、目下のところJリーグ首位で無敗のベガルタ仙台の強さを確認することです。

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いやあ、仙台はものすごく強かったです。完敗です。グーの音も出ません。久しぶりにゴレアーダ敗戦を目の当たりにしましたけど、脱力感も不満も絶望もありません。むしろ、いいものを見せてもらったという感謝の気持ちすらあります。

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東京は、梶山がまだ不在。さらにまたまたアーリアがサスペンション。梶山のところには、ACLでよかった大竹が谷澤に代わって入りました。アーリアのポジションも、同じく北京戦でよかったヨネ。さらにトップもルーカスに代え千真。ようするに、北京戦で調子がよかったメンバーを中心にスタメンスコッドを組んできました。ポポさんが常日頃、コンディションがいい選手を使うと言ってましたけど、これはどうやら本当のようです。

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権田とヨネは怪我が心配されましたけど、元気にスタメンをはってました。

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というわけでメンバーこそ違えど、東京の戦い方は基本的に変わりません。

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仙台は中盤がスクエアな4-4-2。布陣はオーソドックスですけど、戦い方は攻守とも非常に個性的です。いや、個性的というよりも、現代サッカーの教科書があるとしたら、それを完璧に実行できるチームです。

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仙台の強さを下支えするのは、コレクティブな守備です。まず仙台vs東京は中盤の攻防戦から始まります。仙台は、東京のフォアチェックを止めるために、3列目で無駄なポゼッションをしません。スペースにむけ、シンプルにボールを入れます。だから、仮に東京にボールを奪われたとしても、東京陣深い位置になります。東京がビルドアップしようとする時には、すでに仙台は守備陣形をセットした状態です。仙台の陣形は、中央をぎゅっと締めることから始まります。FWから東京のボールホルダーにじわーと圧をかけ、パス回しを外へ外へと追い出します。東京のSBにボールが入ると、そこには仙台のアリ地獄が待っています。SB、ボランチ、CBで組むトライアングルが、東京のサイドプレイヤーを囲みます。このトライアングルの距離感と連動性が絶妙なんです。ただ囲むだけであれば、それは東京の思うつぼ。パスとトラップ技術に長けた選手が多い東京にとっては、逆にトライアングルの中心はフリースペースとも言えますから。でも仙台のトライアングルはタイトで、しかも立ったままじゃない。必然的に東京のポゼッションは、コンサバティブになります。

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もうひとつ、仙台の守備の特長は、非常にタイトなコンタクトです。危険な局面では、ファールを辞さないプレーで東京のキーマンをつぶしてきます。山田直樹の件に始まり仙台の激しいマークは物議を醸してるようですけど、誤解を恐れず言えば、やられるほうにも問題はあると思います。極端な話になりますけど、怪我は結果論で、仙台も怪我をさせる悪意がある訳じゃないです。コンタクトを厳しくするのは、精神面を含めて合法な戦術のひとつです。仙台が激しいのをわかっているなら、コンタクトを避けるか、パワーで上回る準備をすればいいのです。まあ、怪我をさせるのは良くないですけどね。コンタクトの激しさにフォーカスがあたりますけど、それより注目すべきなのは、仙台の戦術眼。全員、試合の流れを左右する局面を察知する能力が高いです。これはホントに素晴らしい。

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攻撃のポイントは4つ。まずはコレクティブなポジションチェンジです。流動的というよりは、決まり事がしっかり守られている感じがしました。たとえば関口がインサイドに入ってくると、赤嶺がサイドに流れるとか。仙台のアタッカンチ4人は、全員ユーティリティです。どこでもできる確かな技術があってこそ、できる戦い方だと思います。

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そのうえで、各自のスキルが非常に高いです。ウィルソンは、足元も上手いしポストも上手い。おまけにスピードがありますから、攻め手がないときは、とりあえずウィルソンを目指すという決まり事が作れます。太田と関口は、スキルフルなうえにシュートイメージがありますから、ボールを持つと相手に受け身に回らせることができます。だからシュートで攻撃を終えることができる。赤嶺は抜け目なく、常にゴール前のスペースに飛び出るイメージを持ってます。赤嶺だけでなく、4人がかわりばんこに、繰り返し繰り返し東京ディフェンスラインの裏を突いてきます。これは東京にとって、非常に脅威だったんじゃないかと思います。

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さらに4人の攻撃陣に加えて、菅井と朴柱成の両SB。ウイングがスペースを開けるとすかさず攻撃参加してきます。今日はどちらかというと控えにしてたような気がしますけど、相手にオーバーラップがあることを意識させるだけで効果があるのです。十分脅威でした。

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最後にセットプレー。FKでは太田吉彰、関口、復帰した梁さん。CKのターゲットも豊富だし、いずれも脅威。赤嶺、ウイルソン、角田、次郎、上本。

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さて、サッカーは相対的なスポーツです。お互いに「自分たちのサッカーをする」ことを志向するチームですから、仙台の戦い方に対して東京の戦い方が上回れば、東京に勝ち目がくるということです。

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試合の趨勢を決めるポイントは、両者の戦い方の交差点にあるわけです。仙台のコレクティブな守備に対し、東京のスキルフルなボールポゼッションが上回れば試合を優位に進めることができたのです。ようするに、ボール回しのスピードと意外性。それが、結果としてゴールに至るという、正のスパイラルにつながるのです。だから東京は、もっとパススピードとスペースムービングのスピードを上げるべきだったんです。残念ながら今日のメンバーは、個人で局面を打開しようとした。パススピードをあげるということは、判断のスピードもあげるということ。つまり、視界にいる選手に難しいことを考えないでどんどんパスを出す。残念ながら、この基本に徹することができませんでした。

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それからフォアチェック。仙台は東京のフォアチェックを避けるため、どんどんスペースに出すか、関口に渡してドリブルさせてくる。それすらもできないようなフォアチェックが、今日の東京には必要だったんです。

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基本的に東京はクリーンなチームです。仙台はそこもついてきました。流れが掴めそうな局面で意図的にファールされ、東京の選手はストレスを溜めていたと思います。ストレスが溜まるとプレー精度は落ちます。

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ジリジリと仙台の強さを肌に感じていた前半を、なんとか凌ぎきれると思ったアディショナルタイム、先制を許します。次郎のFKを東京ディフェンスラインの裏に抜けた赤嶺が受け、ゴール。東京0-1仙台。

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仙台の追加点は後半13分。松下のクロスを、石川ともつれ合いながら関口がヘッドで押し込みます。東京0-2仙台。

178

この時点で東京はまだ崩れてませんでした。後半20分頃からしばらく、東京の攻勢が続きます。草民、ルーカス、谷澤の投入が功を奏したことと、仙台が守りに入ったことが要因でしょう。サッカーって難しいですね。どんなに強いチームでも完璧に90分を支配できることはない。逆に言うと、この時間帯が東京の勝機でした。ここで1点とれてたら両者の心理に何らかの影響を及ぼせたと思います。ある意味流れを断ち切ったのは東京自身、ていうかポポさんでした。後半30分にささいなプレーの抗議で退席処分。イケイケムードを止めてしまったし、以降選手への指示を塚田さんがやるという混乱っぷりでした。大一番にポポさんも気合が入り過ぎたのかな。それから、ポポさん不在時のセカンダリがいない問題も浮き彫りになりました。

198

その直後、後半31分、仙台に3点目が入ります。角田の深い位置からのクロスをヒョンスが弾きます。それが富田の正面に。富田のシュートぎみの縦パスが太田に入り、ゴール。東京0-3仙台。

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これで東京は切れました。仕方ないです。人間ですから。大事な試合で気合いが入っていた分、ショックが大きかったでしょう。

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締めは次郎。後半42分、松下のFKが、次郎→ウイルソンと渡り、最後は次郎が押し込みました。東京0-4仙台。

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仙台は梁さんを投入。キャンプ中の怪我からようやく復帰。試合はこのまま終わりました。東京0-4仙台。

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結果はゴレアーダをくらいましたけど、悲観する必要はないです。仙台対策から事を始めない東京なればこそ、この結果になったとも言えます。正面からぶつかりあって力負けしたわけですから、自分達の現在地がわかってかえって良かったと思います。この強い仙台を倒さないと東京のリーグ優勝はない。

212

確かにベストメンバーでぶつかったらどうだったか、興味はあります。結果論ですけど、千真と洋平のチョイスも今日に限ってはミスキャストでした。でも、チャレンジがあって初めて成長と成果を得られるわけですから、ミスはむしろ歓迎すべきことです。ミスを言い訳にするより、この結果を正面から受け入れたほうがチームの将来にとって良いと思います。

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サポーターも同様。試合後のブーイングはいただけないなぁ。「このサッカーやるって決めたんだろ!」って声が聞こえましたけど、まさにその通り。東京のサッカーで仙台越えをすればいいのです。ブーイングより、勇気を持て、自分達を信じろ、俺達も信じてるという想いを込めた拍手が相応しかったです。

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仙台の惜しむらくは、空席が目立ったこと。ある意味、今年のJで最高の組み合わせとなる今日の試合だったのに。しかも仙台はダントツの首位なのに。楽天の存在はやっぱり大きいのかな。震災も影響もあるんでしょうか。現場は頑張っているんですから、今度はユアテックを満員にするために営業が頑張る番だと思います。すばらしいサッカーをしていますから、どうかどうか、仙台の皆さん、近隣の東北の皆さん、ベガルタ仙台を観に行ってください。

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4月の負け越しが決まりました。貯金もひとつになってしまった。でも悲観する必要はありません。もとより3月、4月は難敵が続く日程でしたから、勝ち越せたことのほうが大事。まずは上々と見るべきです。とにかく連敗しないこと。リーグ戦初の連敗となりましたけど、ここで止めたいです。そして広島、鹿島、仙台を2戦目で破る。そのための成長を期待しましょう。

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