ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2013Jリーグプレシーズンマッチザスパクサツ群馬vsFC東京@正田醤油20130224

2013-02-26 01:02:18 | サッカー

いよいよ2013シーズンが来週末開幕します。楽しみですね。チームはスタートラインに立つための総仕上げの時期ですね。実戦で確認をしているところでしょう。

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自分は開幕戦はお留守番です。代わりに、期日前開幕することにしました。プレシーズンマッチです。お相手は、ザスパクサツ群馬。2013モデルの東京を確認することが主旨ですから、今回はザスパにはまったく言及しません。あしからず。てか、マジでザスパのプレーはまったく見てません。現実には目にしているのですけど、記憶しようとしないこともできるんですねー。人間の脳は不思議です。

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宏介のゴールの1点で完封勝利しました。乱暴な言い方ですが、結果はどうでもいいので、試合内容には触れませんw。

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いちおう先に得点だけ。後半36分。忠成に代わって河野を投入した効果がすぐに表れました。最終ラインの裏に抜け出した河野のシュートはポストに当たって跳ね返ります。そこに詰めたのが攻撃参加していた宏介。ザスパ0-1東京。

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今シーズンの目標は、チームの全員が公言する通り、もちろんリーグタイトルです。FC東京2012シーズン総括であげた優勝するための課題を振り返ってみます。

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4つ課題をあげたうち以下の3つは、さすがに1試合ではわかりませんので割愛します。

(1)コンディショニング。心身のバイオリズムが落ちたときでも成績を維持するメソッドの確立。

(2)落とすべきではない試合の削減。とくに試合の最終盤におけるディフェンスの集中力維持。

(4)キーポジションのコンディショニングとバックアップ。

で、(3)得点力の向上。とくに早い時間帯での先制点が重要だと思っています。今日の先制点は後半のしかも36分。ザスパの攻撃を脅威に感じるシーンはほとんどなかったので負ける予感はまったくしなかったのですけど、それでも前半のうちに先制していれば、もっと試合を支配できたと思います。ようするに、課題は課題のまま。

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ただまあ、ポポさんが監督である限り、そしてそれを自分が楽しんでいる限り、仕方ないのかなとも考えるようになりました。自分は、ポポさんはロマンチストだと思っています。ロマンチストには、ゴールという結果を重視する監督とゴールに至る過程を大切にする監督の二種類があります。ポポさんはどちらかというと後者でしょう。2013シーズンに臨むチームの方向性は、やはり2012モデルの延長線上にあるようです。ポポ東京のプレー方針は、試合をオーガナイズすることにあります。これは今シーズンも変わらないと思います。誤解を恐れず言えば、やみくもにゴールを狙うことを目指していません。その結果シュートアテンプトは少なくなりますけど、この方針である限り理にかなっていると思います。ポポさんが目指すのは、アーティスティックなプレーの結実としてのゴールです。

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ただ、ゴール数も少なくていいということではなく、ゲームを試合すればゴールする確率も上がるから、自ずと数も増えるという考え方です。数撃ちゃ当たる大作戦ではないと言ったほうがわかりやすいかもしれないですね。まとめると、魅力的なプロセスの末にあるゴールで試合にも勝利することで、サッカーの楽しさを見ている人に伝えて、味スタに来てくれるお客さんを増やすということでしょう。

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だから、今シーズンの東京はきっと、プロセスの魅力を去年よりワンランク上げることと、最終局面で可能性の高いシュートを撃つ数を増やすことを目指していると思います。

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そんな今シーズンの課題感を想像しつつ、今日をベンチマークに、2013スタートモデルを確認してみましょう。見た限り、フォーメーションを4つのブロックに分けて見ることができるのが、今シーズンの興味深いところです。

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まずCBです。今日のチョイスはモリゲと加賀。昨シーズンより2バックの傾向が強くなりました。攻撃権を持っている時は、ワイドに開きます。後述しますけど、これはSBを押し上げる意図でしょうけど、今シーズンはボールを持っていない方のCBが攻撃参加するという進化をしています。ですから、実質CBが1枚になる時もありました。ボランチが両CBの間に降りてきてリスクマネジメントします。SBの裏をボランチが受け持つのではなく、CBに守らせます。ボランチに誰が入ってもデカイですから、中央に不安はないです。フィードは昨シーズン同様です。あまりロビング系のフィードは使いません。CBから直接前線につける際も、原則はグラウンダーのようです。選手チョイスの条件は、広範囲なエリアを受け持てるスピードと1on1の強さを併せ持つこと。かつ、オーバーラップしてフィニッシュに絡むこと。モリゲは固定として、加賀のスピードとヒョンスのフィードの競争です。二人とも強さと攻撃能力は高いレベルにありますから、どちらが入っても魅力的ですね。どちらが入ってもポカがあるところも含めw。

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東京最大のストロングポイント、SBです。CBがワイドに開くことで、SBのポジションを押し上げます。効果的にターンオーバーできたときは、実質2バックにして両SBとも高く位置取ります。今日のゴールのように、SBが最終局面で絡むような攻撃ができれば、試合を支配している証拠です。非常に魅力的だしゴールする確率も高まるでしょう。やはり徳永と宏介は換えの効かない選手ですね。コンディショニングが特に気になる選手です。とはいえ、とくに宏介がシーズン通して戦えない可能性も否めないので、丸山、北斗、巧がどうそこに挑むか楽しみです。

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次にボランチ。昨シーズンより少し役割分担がはっきりしているような気がします。というよりも、選手の個性に合せた役を担わせているという方が正しいかもしれません。だから、組合せによってボランチの機能が異なるような気がします。ヨネはバイタルエリアのスウィープ、ショートパス、縦の攻撃参加がタスクです。アーリアはビルドアップのハブ、前目のスウィープ。秀人は長短のパス供給、サイドチェンジ、ポジショニングによる中盤守備のフォロー。

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3人のなかでは、秀人が最もゲームのオーガナイズ力が高い印象です。秀人が入ると、チームの心臓部になります。昨シーズンに比べ、攻守ともポジショニングが良くなったような気がします。前半ヨネとアーリアが組んだときはヨネがハイプレスの標的になっていましたけど、秀人が入るとザスパのプレッシャーはまったく効かなくなっていました。現時点では、秀人とヨネの組合せがベストのような気がします。

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最後のブロックは、前線です。得点力にもっとも影響するブロックですね。前線を考える際に、ポスト梶山は避けて通れないポイントです。梶山は時間の魔術師です。梶山に預けておけば、チームが攻撃モードに変わるための一瞬の時間、いわゆるタメを作ってくれます。モリゲが2012年までのモデルを評して「良くも悪くも梶くんのチーム」と表現したのは、そういうことを意味していると思います。2013年は、はたして誰がタメを作るのでしょう。

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現時点でのポポさんの答案は、負荷分散のようです。タメを作る選手は、相手のプレッシャーをモロ被りします。梶山はボールを取られないテクニックだけでなく、体幹が非常に強い選手です。ですからタメられた。千真にしろ慶悟にしろ忠成にしろアーリアにしろ梶山に並ぶ存在ではありませんから、前線の4人が流動的にポジションを入れ替えることで、タメ役が被るプレッシャーを分散しています。ルーカスが入るとまた違うかもしれませんけどね。もうひとつの負荷分散は、サイドチェンジの常用です。昨シーズンは局面突破に偏った印象がありました。梶山中心のスモールゾーンを基軸にしますから、自然とそうなりますね。相手にしてみれば守備のポイントを絞ることができるわけですから、梶山を含めた東京のパス回しvsプレッシングという局面の構図です。今シーズンは、サイドチェンジで攻撃をダイナミックにしようとしているのかもしれません。いずれにしろ負荷分散です。

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前線の組合せは、なんとなく見えてきているような気がします。攻撃のプロセスだけを重視するのであれば、千真、慶悟、忠成、アーリアが最適です。ここにルーカスが入っても同様。ようするにゼロトップ。この組合せは、互いの距離感を共有できているようです。なので、パスが小気味良く回ります。

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大宮と五輪代表で数回慶悟を見ているはずなのですけど、これほどダイナミックに動ける選手とは思いませんでした。動き方のテイストは、一枚高い位置にいるヨネな感じです。攻守に渡って動き回っています。ですから、梶山と慶悟を単純比較できません。慶悟の特性を考えても、負荷分散モデルは合理的だと思います。

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ただ、このブロック全体の重心が下がると最前線にアタッカーがいなくなる傾向があります。これではシュートアテンプトは望めません。だから、連動性を犠牲にしてでも異分子を入れるチョイスもあります。それがナオ、ネマニャん、河野です。昨シーズンの実績に基づくと、ネマニャんが一つ抜けているでしょうか。

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河野がいいですね。シュートアテンプトが上手くなってます。小さなモーションでクイックにシュートを撃てるようになっています。ということは、体のバランスを短時間で調整できるようになっているのでしょう。大袈裟にいうとメッシ的。異分子として、今シーズン最注目かもしれません。

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草民は両グループに跨るともどちらにも属さないとも言える、得意なポジショニングです。プロですからそれで良いのでしょう。今シーズンも草民が必要な状況があるような気がします。

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忠成のフィット感にびっくりしました。コンディションはそれほど良くないと思うのですけど、チームのやり方には既に馴染んでいます。東京ユースだからというより、ミシャのもとでプレーしたからでしょう。犬猿のなかでもサッカーのベースは同じですからねw。

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相太は河野とは違う特異な異分子です。主軸を構成するメンバーは継続的な運動量を求めらます。河野のようなシューターでもない。相太はもっとも梶山に近いキャラクターだと思います。東京がデンとした目標を据えた攻撃を志向するとき、相太の活躍を見られるかもしれません。

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今日はとても強風でした。とくに前半は風下の影響をモロに受けていました。ピッチコンディションもそれほど良くなかったこともあり、ショートパス主体の前半は、ディスアドバンテージだったと思います。ですから、単純に後半のセットがベストとは言えないと思います。ていうか、そんな感じでシーズンを進めて欲しいと思います。昨シーズンのように選手を固定せず、状況に応じて適した組合せをチョイスして欲しいです。昨シーズンはほぼ、相手に合わせる作戦を採りませんでした。作戦はそれで良いと思いますけど、できれば選手は相手を汲んで選択してもらいたいです。

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ザスパはスパーリングパートナーとしては物足りなかったですけど、チェック観点は幾つか提供してくれました。作戦面では、5バックとカウンターです。ザスパの守備が整ってない序盤こそ良いリズムを作れましたけど、次第に5バックに手を焼くようになりました。結局崩しきったのは一回限りですから、まだまだ課題ですね。一方カウンターのほうは鋭さがなかったので、ベンチマークとして不十分ですね。J1のカウンターチームに対峙したとき、東京の2バックはどう対処するのでしょうか。

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ゴールの時間帯には課題が残りましたけど、試合内容は良かったと思いますし、今シーズンの可能性を強く感じました。多様性も持ち合わせるようになれると思います。楽しみです。

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赤城おろしは半端なく寒かったです。だけど、大満足でした。シーズンを戦い抜く強かさが伴っていれば、本気で優勝を期待できるような気がします。

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味スタのホーム開幕をワクワクしながら待つことにします!

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FC東京フェスティバル2013 presented by 東京ガスライフパル

2013-02-16 13:45:25 | サッカー

開幕が待ち遠しい如月でございます。昨シーズンは夏におこなれたFC東京フェスティバル。味スタのスケジュールが合わなかったそうですね。今シーズンは公約通り、オフシーズンに開催されました。新体制のお披露目も兼ねています。

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自転車で会場に向かいました。京王線府中駅付近の高架です。

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そこをくぐって南下します。この交差点を下った先に見える場所が、今日の会場。

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なんと、JRAの東京競馬場です!w。

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橘ゆりかちゃんがビバパラ収録中でした。

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自転車を置きまして見上げたら、東京競馬場に突如出現したイナゴの群れw。

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自分の群れに合流。

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さ、入場です。今年も阿久根さんのお出迎え(#^.^#)。

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なかに入ると、サポーターでごったがえしてました。

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青赤バナー。

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ターフィーくんにカメラ目線いただきました。

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当日のプログラムと参加選手・スタッフでございます。

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スタンドに出ますと、こんな感じ。グルメは長蛇の列で断念しました。さすがイナ。。。

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まさに、競馬場。

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まずはトークショーです。大熊清テクニカルダイレクターと福井哲アカデミーアドバイザーの「育成年代講座」です。コメントを載っけます。

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[役割]

大熊さんは、普及・育成を通じトップチームでレギュラーを張れる選手を育てること。福井さんは、大熊さんをサポートしつつ、JFAにも関わっているので、クラブの中と外を繋げる役割。

[育成ビジョン]

たくさんのサポーターの支援のなかで、FC東京の誇りを持つ人を育てること。人間性を育てること。さらに、長友のように世界で活躍する選手を育てること。

[下部組織の構成]

U18、スクール、U15が深川と小金井(むさし)。東京は広く人口も多いので、いろんな選手を発掘するために東西2拠点で運営している。

[選考基準]

U15は、年間1400名ほどの受験者のなかで昨年は36名が合格した、狭き門。書類選考はなく、経験豊富で柔軟な視点を持つ育成のプロが数名で、いろんな観点で選手をチェックし、選考している。最終的には保護者面接もある。選考のポイントは、テクニックとともに閃きを持っているか。それから、理解力があるか。人となりもチェックする。

[プロ排出]

これまでトップに上がった選手は19名。他クラブを含めプロの排出は50名。最近は、たくみのように大学を経てプロになる選手も出てきていて、移籍も活性化しているので、選手はいろんな選択肢を持っていてよい。ただ、FC東京で育ったという誇りと自覚という、東京を愛するDNAを持ち続けて欲しい。

[トップに上がる選手への期待]

トップチームの選手には、サポーターの代表として、心技体をバランスし、敢闘精神を持ちピッチ上で人間性を表現してほしい。梶山と権田は、育成段階からプロになる素材だと思っていた。プロになる選手は、そんなに時間をかけないでもわかる。プロはいま、わずか1,000名くらい。育成段階で特異性を持っていないとプロにはなれない。本田圭佑のように有言実行できるような、育成段階から自立している選手を育てたい。

[育成環境]

広島が育成の成果を上げているが、環境が良い。全寮制で時間を共有できることは大きい。A代表は高体連出身選手が多いが、U19を見るとほとんどクラブ出身である。世界的に見てもクラブ中心の傾向が強い。育成の環境整備が重要な課題である。

[トップチーム監督の方針とユースの関係]

トップチームの監督のカラーを育成方針にダイレクトに反映させるものではない。監督やテクニカルダイレクターが変わったとしてもブレない、確固たる東京のサッカーを確立することを目指す。それは、勝利のメンタリティーを持つ人間性を育てること。

[プレミアリーグ復帰]

プレミアは、アウェイ環境など、良い経験を積める魅力的な場である。プリンスもレベルは高いが、プレミア昇格を目指したい。

[注目選手]

今年のU18は、明るく積極的な選手が多い。川上、矢島、鴨池などが現時点の注目選手。

[サポーターへの希望]

サポーターには、時に厳しく時に暖かく、自分の子供のような目で見守ってほしい。ダメな時はダメと指摘することが選手を育てる。

[ユースのやりがい]

大熊さんは、環境によって選手が大きく変わる面白さ。福井さんは、トップチームのスタメンの半分がユース出身となることを目指すこと。

[今後の育成]

大熊さんは、心技体をバランスした、実力と人間性を併せ持つ選手を育てること。サポーターの代表として、サポーターに支持されるような選手を育てること。キャプテンシーを持った選手を育てること。福井さんは、首都東京をジャンピングボードにして世界に羽ばたける選手を育てること。

[サポーターへのリクエスト]

試合を観に来てほしい。厳しく暖かく接していただくことで、選手に良い刺激を与えてほしい。そうすることで、より良い環境を作ることができる。

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大熊さんと福井さんのトークを、上からU18の選手が聞いてましたw。期待してるぞー!。それにしても土屋さんのファシリテートは素晴らしいですね。サポーター目線で質問を構成してくれますから、ボクらが聞きたいことをちゃんと聞いてくれます。無意味な質問がないのに、しっかり楽しい。30分という短時間なのに、充実したトークでした。

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屋外ステージに行きますと、俺たちのキング。アマが来てくれました。マイクスタンドに帽子をかけて、お茶目さんw。「東京のことはいつもテレビで観てチェックしている。ずっと東京を愛してる」

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ドロンパショー。

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馬場内には行きませんでしたけど、ここも賑やかそうでした。

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今日の司会陣です。魂さん達。今日はジプシーキングのBamboleo♪を何度聴いたかわかりませんw。

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ターフビジョンに、かっこいいオープニングCGが流れていました。

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当日の司会(その1)。土屋さんと一平さん。

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当日の司会(その2)。ゆってぃとジョナサン。

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さて、スタンドから選手登場。

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阿久根社長。

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ポポさん。

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それでは、今シーズンの全選手をご紹介します。まずは、モリゲ。徳永。

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加賀さん。宏介。ヨネ。アーリア。

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秀人。塚田さん。平松。

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慶悟。たま。拳人。

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北斗。河野。ネマニャん。容平。草民。カズ。ヒョンス。

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丸山。

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新選手会長、廣永のスピーチw/i馬(競馬場だからw)。「ご紹介いただきました、選手会長の廣永です。今日は競馬場ということで、馬を呼んできました。今日はこんなにも多くのサポーターにお越しいただき、選手一同とても嬉しいです。今日は短い時間ですけど、一緒に楽しみましょう」

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塩田(馬)。ルーカス。

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権田。

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たくみ。

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ナオ。千真。

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最後に、東京のスカーフを嬉しそうに見つめる、野澤。

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新加入選手のトークショーです。カズ、たくみ、たま、野澤の4人。

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[今シーズン東京に加入して]

カズ「あまりおもしろい話をしちゃうと、他のみんなが困るので、この辺でやめますw」

たくみ「中学から所属する東京のトップチームでプレーできて嬉しいです」

たま「ゴールしてサポーターにかけよりたいです」

野澤「名前を覚えてもらいたいです」

[リラックス法]

カズ「ネギタン塩」

たくみ「寮に入るので、家具を探すことです」

たま「代官山のスタバで読書することです」

野澤「僕も寮に入るので、家電を探すことです。テレビを買いました」

[上下関係]

カズ「昔は厳しかったそうなんですけど、僕の頃から緩くなってきました。いま下の奴から先輩と見られている感覚がないです」

[外から東京を見て]

野澤「憧れでした。とくに梶山選手です」

たま「パスサッカーが魅力的でした。大学では、人間的に成長したと思います」

たくみ「クロスからのシュートは少なかったと思います。今シーズンはわかりませんが、自分の価値はそこだと思っているので、クロスで勝負したいです」

[見てほしいプレー]

野澤「ワンタッチプレーです。秀人さんが目標です」。ここでカズがチャチャ「組みたくないのはヨネだろ?。ヨネって言え」w。「いえ、レベルが高いので、まだ届かないです」

たま「ドリブル、パス、ゴールに絡むプレーです。中央でプレーしたいです。組みたい左右のMFは、ルーカスとナオさん。あと、千真さんがやり易いです」

たくみ「走り回りたいです」

カズ「ヘディングとチーム愛です。今日たまが緑のシューズを履いてますけど、あとでちゃんと言っときますw。目標は加賀さん。チームで体幹のトレーニングをしていて、当たり負けしないようになってきました」

[今シーズンの目標]

野澤「Jデビューです」

たま「即戦力として加入したと思っています。スタメンを狙いたいです。たまという渾名は、ストレッチしてる姿がタマちゃん(アザラシ)に似ているからです。ダサいと思っていたんですけど、いまは気にいってます」

たくみ「シュワ~をしたことがないので、今シーズンはゴールを決めてシュワ~をしたいです」

カズ「怪我しないことです。それから試合に出ることです。エア乾杯は借り物だったので、もう返しました」

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続いて、大分出身コンビのトークショーです。モリゲと慶悟。

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[慶悟の加入]

モリゲ「そろそろ来てもいいと思っていました。大分では1年だけ一緒でしたけど、慶悟は周りを活かすタイプで、それはいまも変わらない印象です。昨年大宮と味スタで対戦したとき、外国人選手といいコンビネーションを組んでいたなと思いました。慶悟は、誰と組んでも合わせられると思います」

慶悟「森重さんはヤンチャでした。何をしたかは言えませんけどw。サッカーの話をしましょうw。昨年対戦した印象は、強くて足元がうまいということです。あと、権田は止めすぎですw。昨年の開幕で開始すぐのシュートを止められまいた。今となっては、ゴールしなくてよかったと思ってますw」

[今シーズンの日程]

モリゲ「日程は、開幕とホーム開幕くらいしか見てませんw。大分は開幕ですから、昨年みたいにスタートをよくしたいので、しっかり勝っていきたいですね」

慶悟「ユースから大分ですけど、昇格はびっくりしました。プレーオフになってからは、昇格あるかなと思っていました。一発勝負に強い印象がありますから」

[大宮]

慶悟「2年間いました。僕は以前所属したチームと対戦したことがないので、いろんなこと言われると思いますけど、楽しみです。大宮はシーズン終盤に強いイメージがありますね。中にいてわかったことは、チームが残留争いに慣れているんです。ロッカールームでも、みんなあんまり焦ってないんです。それが強さの秘訣でしょう」

土屋さん「じゃあ、もし今年東京が残留争いをしたら、東選手がいることで安心できますね。俺なんかもっと辛い経験をしてきたんだからってロッカーで言ってくれるから」(会場大ブーイングwww)

[注目している対戦相手]

モリゲ「レッズです。自分というより、監督同士がw。ホントにあの二人は大変なんですw。昨年はホーム、アウェイとも引き分けでしたから、決着をつけたいです。誰よりも監督がw」

[東京の選手]

慶悟「外から見てた時は、こわい選手が多い印象でした。誰でも点をとれる気がします。入ってみて、やっぱりパスを出せば決めてくれるイメージを持ちました。とくにアーリアとルーカスとプレーすると、テクニックがあるから楽しいです」

[梶山移籍の影響]

モリゲ「ユース出身の選手がのびのびしてきましたw。は、冗談ですけど、昨年までは良くも悪くも梶くんのチームでした。でも、梶くんがいなくなったことは、チームとして成長できるチャンスだと思っています。梶くんがいた時とは違う形で、攻撃サッカーを全員で作っていきたいです」

[東京の印象]

慶悟「大宮は中堅選手が多くて落ち着いた印象でした。東京は若い選手が多いので、元氣ですね」

[サポーター]

慶悟「今日もそうですけど、サポーターが多いですね。昨年、オリンピックから帰ってきたとき味スタで試合したんですけど、東京ゴール裏が東コールをしてくれました。とても嬉しかったです。日本全体のサッカー選手を応援しているような、あったかいサポーターという印象を持っています」

[サポーターにどう呼ばれたい?]

慶悟「慶悟です」

モリゲ「さかなクンじゃないの?」

土屋さん「あ、言っちゃったw。触れないように気をつかっていたのにw」

慶悟「自分でも似ていると思っています。嫌じゃないですよ。サポソンでさかなクンコールされたらテンション下がるからやめてほしいですけどねw」

[今シーズンの目標]

モリゲ「怪我なく、イエローカードなくシーズンをプレーしたいです」

慶悟「自分は優勝するために東京にきたので、優勝です」

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U18の選手たち。ダンスしてました。

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黄昏時を迎え、いよいよエンディングです。

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相太のスピーチ。なぜかウロウロしながらw。自分自身の今年の目標は?。「怪我をしない」

塚田通訳のスピーチ。ポポさん曰く、塚田さんの長所は「食欲が大せい」w。

モリゲのスピーチ。「こんにちは。今日は短かい時間でしたけども、楽しんで貰えたでしょうか?。あんまり多くは語りませんが、今年は本当にリーグ優勝を目標にして、ここにいる選手、スタッフ全員で、そしてサポーターの皆さんと一緒に、その目標を達成したいと思います。今日はありがとうございました」

ポポさんのスピーチ。「皆さん、寒いですか?。寒いねえ。これだけ皆さんの暖かい気持ちを感じると、私たちは寒さを感じてません。皆さんどうですか?。本当にこれだけたくさんの皆さんに足を運んでいただいて、大変嬉しく思っていますけど、ホーム開幕戦ではこの何倍もの方に足を運んでいただいて、スタジアムを満員にしていただきたいと思っています。私は約束事を破るというのが大嫌いで、昨シーズン皆さんと、味スタを満員にしようという約束をしたんですけど、果たすことができなかったので、今年は必ず皆さんと一緒になって味スタを満員にすることを実現したいと考えています。あと、今日たくさんのお子さんにお越しいただいたので、こうやって子供たちの姿を見ていると、FC東京の未来は安泰だなと感じます。私たちは今シーズン、自分たちの持っている力すべてを出しきって、ぶつけて、タイトルをとりに行きたいと思っています。皆さんと一緒になって一丸となって戦う姿勢を見せて、タイトルを取りに行きましょう。ありがとうございました。今日来てくれた皆さんに、ブラボー」

最後に、みんなでYou'll Never Walk Alone♪を歌いました

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楽しいひと時でしたー。同時進行でいろんなプログラムがありました。トークショー中心で見たので、選手と触れ合うようなプログラムは参加しませんでした。トークショーでは、結構中身のある話が聞けて、大満足です。選手たちは、またキャンプに戻ります。開幕はもうそこまで来てます。楽しみですね!

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レ・ミゼラブル(Les Misérables)

2013-02-11 02:16:14 | 映画

前売り券を持っていると観に行かないということがありますよね。自分もそうです。やっぱり観たいと思った直感に従うのが一番かと。

レ・ミゼラブルも然り。前売りを持ちつつなかなか行けませんでした。けど、ようやく観念して観ることにしましたw。

評判通りのすばらしい作品です。ショコラのように濃厚な善と愛の物語です。終わってみれば、キャストのほぼ全員が善い人なんです。結果論も含めて。

フランス革命後、ナポレオン政権の晩年1815年が物語のスタートです。ジャン・バルジャンは社会の底辺にいますから、ナポレオン時代はほとんど関わりがありませんね。新しい人生を軌道に乗せ、最愛のコゼットと出会う1832年前後は、ブルボン王政復古の時代です。その後、劇中では登場しませんけど1830年の7月革命を経ます。この革命でブルボン王朝は崩壊しますけど、ブルジョワジーと呼ばれる資本家階級による政治は、下層階級の困窮を変えるものではなく、市民の不満が再燃します。その不満を代弁する形で、1832年6月に学生が暴動を興します。そのなかでコゼットは、マリウスと出会います。

ミゼラブルは不幸という意味ですけど、この物語はトラジェディではありません。むしろ善行によって深い愛を得る、幸福の物語です。今更ストーリーをお話するのは野暮なので、心に残った名曲をご紹介します。

ミュージカルを観たことがないひともどこかで聴いたことがある名曲がこれでもかと出てきます。

エポニーヌがとってもいい人なんです。この作品でもっとも有名な楽曲でしょうか?。サマンサ・バークスの歌が一番涙腺が危なかった瞬間です。"On My Own" 

ファンティーヌの娘を想う心の叫びがびんびん伝わってくる、アン・ハサウェイの熱唱です。"I Dreamed A Dream" 

革命家と恋する娘と恋する学生と逃亡者と追跡者。それぞれが運命行方を待つ心境を重ねて綴るクインテッド(五重唱)。"One Day More"。重唱シーンは何度か出てきます。ミュージカルならではなんでしょうね。ミュージカル初体験の自分には衝撃でした。

ラストシーンでも出てきます。"Do You Hear the People Sing? (The People's Song)"

コゼットとマリウスの告白シーン。このシーンも、芽生えた愛を確かめる恋人と、自ら導いた失恋を目の前で確認するエポニーヌの感情を素晴らしい重唱で表現していました。"A Heart Full Of Love”

えっと。号泣するために観に行ったのですけど、結局泣けませんでした。うるっと程度でした。ロングランミュージカルで不朽の名作ですから、自分程度の素人が批判するに値しないことは承知の上で暴挙に出ますw。自分都合で感想することをどうかご容赦ください。

泣けなかった理由を考えまするに、二つございます。一つは、感情移入が弱いんですね。自分が泣くシナリオは、感情移入できる対象が特定できることが条件です。この作品は、「ジャン・バルジャンの逃亡とジャベールの追跡」、「コゼットの成長」、「7月革命後のブルジョワ政権に不満を持つ1832年6月の学生暴動」、「コゼットとマリウスの恋とエポニーヌの片想い」と主要な4つのテーマに加え、ファンティーヌの悲劇、ガブローシュの活躍、安宿主人夫妻の活躍?というサブテーマも絡むので、自分の感情が分散されちゃいました。これではなかなか心を移すことができません。ミュージカル版を忠実に再現した作品だそうなのですけど、舞台を観たらまた違う感想になるのかなと思います。ライブの迫力から伝わる魅力は、サッカーでよくわかっていますから。

じつはミュージカルを観たことがないのです。四季を観たいと思いつつ、今はどうかわかんないですけど人気作はずいぶん先じゃないとチケット取れないと聞き、面倒くさくてw。なので、ミュージカルという演出の方法論を初めて経験しました。で、良さがなんとなくわかりました。音楽は聴く側の感情に訴え、かつ記憶に残す最高のメソッドだと思っています。クラシックの作曲手法にありますように、コードの進め方で、聴く側の高揚、不安、焦燥、安堵などの感情に働きかけることができます。ミュージカルは、オペラほどではないにしろクラシックの手法をベースにしていますから、音楽の力で感動を伝えることができるのだと気づきました。ただ、もう一つの泣けなかった理由はそこにあると思います。インストルメンタルなら静表現ができますけど、声楽は基本的に常に何かの感情が入ります。つまり、常にハイテンション。この作品もまた然り。冒頭でショコラのように濃厚と言いましたけど、自分の意図の片方はそういうことです。旋律に乗っていない普通の会話は極めて限られますから、158分間常に何かの感情が動いています。自分が感動するプロセスを考えると、一旦落ち着き(静)があってそこから一気に感情を動かされると涙腺が決壊するというパターンが多いです。涙は、作中の楽曲にはやく乗れるひとの特権だと思いました。なにしろ楽曲もハーモニーも最高に素敵ですから、自分も何度か涙腺の閾値を超えようとしたんですけど。

とは言え素晴らしい作品であることは間違いないです。複雑なストーリーを絶妙にバランスさせている構成ですから、割と長いお話なんですけどまったく飽きません。アクション劇ではないですけど、ノンストップのジェットコースタームービーです。

トム・フーバー監督とは、「英国王のスピーチ」で出会いました。心理を描くのが巧みな監督さんですね。

この作品を素晴らしいものにしているのは、何と言ってもキャストでしょう。

ヒュー・ジャックマンは実は初めてまともに観ました。「ニューヨークの恋人」をテレビでちらっと見た程度。ですけど「Xメン」で有名ですから。男前なんだけどちょっとヒラメ気味の独特の表情は、悲しく重い過去を背負うジャン・バルジャンにピッタリでした。仮釈放から教会で生き方を変えるまでのシーンで、歯を汚していたのが印象的です。

同じく歯で印象的なのが、アン・ハサウェイです。コゼットのために歯を売るシーンがありますけど、その後"I Dreamed A Dream"を歌うシーンでは、左下の歯がなくなっているのです。CGなのかホントに抜歯したのかはわかりませんけど、ビックリしました。先日ダークナイト・ライジングでセクシーな容姿を見たばかりですね。

"On My Own"を歌うエボニーヌ役のサマンサ・バークスは、この作品が映画デビューだそうですね。ミュージカル俳優さんで、舞台でも"On My Own"を歌ったんでしょうか。切なさがいっぱいで、ホントに素敵な歌声でした。

マリウスを演じたエディ・レッドメインは、どこかで見たような気がするのですけど、初めてでした。繊細で一本気な人柄がよく出ていましたね。

アンジョルラス役のアーロン・トヴェイトがとても印象に残りました。美しいのです。革命に殉じた学生の高潔な精神をとても表現できていました。

ラッセル・クロウはよく見てますから、あえて言うことはないですねw。いつになく抑えた演技でした。彼だけフランス的な香りがしなかったのは気のせいでしょうか。

もちろんハッピーエンドということもあるんですけど、鑑賞後幸福感に包まれるんです。これは登場人物がみんな良い人だからだと思います。極端なところですと、安宿の主人夫妻バベとクラスクーも、結果的にはコゼットとマリウス、それからジャンと娘夫婦を引き合わせることになりますから。観終わって幸せな気持ちになれる映画は、素敵な作品だと思います。

個人的に、泣く気満々で臨んだ作品ですので、泣けなかったことで辛口なことを書いてしまいましたけど、素直に素晴らしい作品です。よほどミュージカルが合わない人でない限り、誰でも楽しめると思います。実はウチの両親がミュージカルが苦手でw。素直に音楽に身を委ねるのが、この作品の楽しみかたでしょう。オススメです。


塀の中のジュリアス・シーザー(Cesare deve morire)

2013-02-04 23:42:47 | 映画

銀座テアトルシネマでございます。草刈さんの映画を観て以来ですね。ふと、テアトルシネマって劇場劇場?と思ってみたりw。

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塀の中のジュリアス・シーザーを観ました。ひさびさのイタリア映画です。「ミルコのひかり」以来です。

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非常に重厚なテイストの作品でございます。ジュリアス・シーザーというシェイクスピア作品の重さのみならず、刑務所が舞台というコンテクストが重みを増しています。かなり見ごたえのある作品です。

レビッビア刑務所には、重警備棟の服役囚たちによる“Compagnia dei Liberi Artisti Associati(連携している自由なアーティストによるカンパニー)”という演劇実習があります。構成プログラムの一貫なんでしょうね。100人以上もの服役囚が3つのカンパニーに分かれて参加していて、彼らが演ずる芝居は一般のひとに披露されているんだそうです。

この年のテーマは、シェイクスピア。ジュリアス・シーザーです。キャストは、刑務所内のオーディションで決まります。

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この作品のストーリーはとてもユニークです。まず刑務所内にある劇場で行われた本番芝居のラストシーンから始まります。オーディエンスのオベージョンをキャストが受けたあと、今回の舞台が企画されたところに時間が巻き戻されます。ここからモノクロームになります。オーディションで、悲しみと怒りを表現することを求められた服役囚のなかから、キャストが選ばれました。さっそく台本の読み合わせが始まります。

劇場が改装中ということで、刑務所の一室で稽古が進められます。面白いのは、ここからの展開です。キャストの稽古風景を紡ぐドキュメンタリーなんですけど、これがジュリアス・シーザーの物語に沿っているのです。芝居のドキュンメンタリーはメイキングであることが一般的ですけど、本作はさながら、刑務所全体を劇場にしつらえた芝居という趣向です。本物の劇場が改装中というのは、設定だったのかもしれません。

モノクロームの映像、刑務所の風景、ひとりを除き現役の服役囚によるキャスティングというエッセンスが、本作版ジュリアス・シーザーのオリジナリティです。シェイクスピアには詳しくないのでわかりませんけど、ストーリーそのものは、たぶん新しい解釈をしているわけではなく、オリジナルをシンプルになぞっているのだと思います。そんなことをしなくてもよいほど、本作のシチュエーションに個性があるということでしょう。

演出方法も、芝居のような盛り上げ方なんです。はじめのうちはキャストだけがシェイクスピアの世界に浸り、他の服役囚とは距離があったのですけど、シーザーが戴冠するシーンくらいからすべての囚人がさながらローマ市民になっていくのです。警備する警官だけ、芝居のオーディエンスとして扱われています。ブルータスとアントニーの演説シーンでは、舎房の金網越しにアントリーの扇動に煽られる市民を見事に演出しています。

ひょっとすると、各シーンで舞台として使われている刑務所内の施設も、オリジナルの舞台設定をモチーフにしているのかもしれません。残念ながら知識がないのでわかりませんけど。チャールトン・ヘストンの「'70版ジュリアス・シーザー」と見比べても面白いかもしれませんね。

本作のラストは、フィリッピ平原でブルータスとオスタディアヌスが戦うシーンから本番芝居で、カラーに戻ります。舞台美術の赤と黒のコントラストといい、モノクロームとカラーの使い分けといい、ヨーロッパの作品らしいですよね。

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監督は、パオロとヴィトリオのタヴィアーニ兄弟です。ともに80歳を超えてらっしゃる大ベテランなんですね。なかなかイタリア映画に触れる機会がありませんから、本作で初めて拝見しました。

各キャストの個性が濃いのでみんな紹介したいのですけどキリがないのでw。それに基本的に素人だし。主要な4人だけ。

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舞台監督はファビオ・カヴァッリ。当然このかたもリアルに舞台監督です。このかたは服役囚ではありません。レビッビア刑務所の演劇実習の共同責任者なんだそうです。キャストの喧嘩シーンがあるのですけど、ファビオはただ待つのみ。そりゃあそうですよね。

キャシアス(カッシオ)役のコジモ・レーガは終身刑。「終身刑の自伝」を出版しています。ラストシーンで彼が語る言葉が、本作のテーマなのかもしれません。「芸術を知って、舎房は牢獄になった」。

コジモの想いを実現したのが、ブルータス(ブルート)役のサルヴァトーレ・ストリアーノです。2006年に出所し、現在は俳優として活躍しています。本作の時点ではすでに社会復帰していますから、撮影のために刑務所に戻ったということですね。ある意味ジュリアス・シーザーの主役であるブルータスの苦悩を、張り詰めたテンションの緊張感で見事に演じていました。「シェイクスピアの意図はわかった。あとはどう観客に伝えるかだ」という台詞が印象に残りました。

シーザー(チェザーレ)役はジョヴァンニ・アルクーリ。この人も「内なる自由」という本を出版しています。非常に威厳と高潔さが漂っていて、まさにカエサルという雰囲気です。シーザーが留めを刺されるシーンの有名な台詞、「ブルータス、お前もか」もちゃんと登場します。キタ━(゜∀゜)━!ってなりますw。

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イタリアの伊達男なんて生易しいものじゃない、裏社会を生きてきた服役囚が醸し出す迫力と、芝居がはけた後に彼らが有無を言わさず現実に引き戻される寂寥感がリアルに伝わります。メッセージ性というよりは、刑務所と服役囚たち合意のもと、彼らという素材を活かしたエンターテイメントだと捉えてよいと思います。ですから、敢えて難しく考えず、素直に楽しんでよいんだと思います。マジで、おもしろいです。オススメ。


ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日(Life of Pi)

2013-02-04 01:42:44 | 映画

雪が降ったと思ったらこの土曜日は春のような陽気で、うつろぎなお天気です。インフルエンザも風邪も流行ってます。どうぞ、ご自愛くださいね。

ひさしぶりに映画を観ました。「ライフ・オブ・パイ」でございます。じつは「もうひとりのシェイクスピア」を観たのですけど、途中でお腹が痛くなる不覚(T_T)。全部観れなかったのです。結構面白かったんだけどなー。

さて、「ライフ・オブ・パイ」。最高に素敵なファンタジーです!。ベンガルトラと二人っきりで漂流した青年パイ君のサバイバルストーリーですけど、根底に流れるのはインディアン・イデオロギーなんだと思います。もちろん自分はインド思想にまったく無知です。でも問題なく楽しめます。一般的な”インド的”イメージを認識してさえいれば、理解できると思います。

物語は、カナダで暮らす現在のパイが、数奇な経験を、初めて訪れた小説家ヤン・モーテル(原作者自身)に語るいう設定で進行します。ピシン・パテルは、インドで生まれた男の子です。水泳が趣味のパパジ(おじさん)がパリで体験したプールの素晴らしさから、ピシン(フランス語でプールだそうです)と名付けられましたけど、ヒンドゥー語だと「おしっこ」w。当然友達にいじめられます。一計を案じたピシンは、πを暗記し学校の皆に披露することで自らをパイと呼ばせることに成功し、いじめを乗り切りました。

パイのパパは実業家で、動物園を経営しています。ママは植物学者。パパの動物園にやってきたベンガル・トラ、リチャード・パーカーに興味津々なパイは、パーカーを餌付けしようとしますけどパパに止められます。パパは野獣の恐ろしさをパイに教えます。パイは、信仰に影響されないニュー・インディア思想を持つパパからは「理性」を、そして、パパと同じくニュー・インディアンながら、敬虔な信仰心も持つママからは「観念」を学んで育ちました。

パパの決断で、動物園の動物とともにカナダに移住することになった一家は日本船籍の貨物船に乗り込みますけど、嵐の夜に船が沈没してしまいます。ひとりぽっちで漂流することになったパイとライフセーブボートに同乗したのは、なんとリチャード・パーカー。船の外にも中にも命の危険が。どうなるパイ!。

物語の冒頭、パイというあだ名の由縁が語られるなかで、パパがパイを諭して語った言葉が、この物語をいとおかしいものにしているんだと思います。それは、「様々なイデオロギーに触れ自分なりの考え方をすべきだが、理性的な判断のもとで生きろ」という言葉です。この作品では、理性的な判断を求める問いが大きく二つあります。

ひとつ目は、この物語そのものが真実なのか?。あ、もちろんフィクションですけど、フィクションのなかで真実なのかという意味です。現在のパイは、ヤンに二つのサバイバルストーリーを語ります。果たしてどちらが真実なのか?。ヤンが「トラと漂流したほうが素敵だ」と答えたときにパイが見せたミステリアスな微笑みを含め、オーディエンスの理性に問いかけているんだと思います。もちろんエンターテイメントですから、社会問題としてではなく、純粋に「あなたならどっちの物語を受入れますか?」という問いかけです。自分はもちろん、トラとの漂流物語を楽しみます。

もうひとつは、パイが生き延びた過程です。ヒンドゥー教とキリスト教とイスラム教を信じるパイは、観念として漂流を捉え、死を受け入れても不思議ではない状況だったと思います。でも、パイは理性的に判断して、サバイバルすることを選択しました。それでいて、生死の狭間を漂う日々の傍らには、いつも神がいました。結局雷鳴のなかでパイが見た神は、ヴィシュヌなのかイエスなのかアッラーなのかわかりませんけど、たとえばそのシーンが信仰という観念と理性の共存を象徴していたと思います。雷鳴のなかには神が確かにいました。でも、雷鳴に怯えるリチャード・パーカーを見て、自分と彼を生かしたいという理性をパイは取り戻します。パイは、彼の家族を奪い彼とパーカーに試練を与える神を畏れます。また、彼とパーカーに海の幸を与える神に感謝します。一方で、ライフセーブボートにあったサバイバルマニュアルを参考に、命を維持する工夫をします。人間が生きるためには、観念と理性が両方必要ということを示唆しているような気がします。

パイという名は、理性と観念の同乗を象徴していると思います。西洋的な数学である円周率は、その存在そのものがとても宇宙的な観念に満ちています。すばらしいネーミングだと思います。

小難しい感想はほどほどにしてw。映像がなにしろ綺麗です。CGの使い方も好みがあるかと思いますけど、やっぱりファンタジーで使われるのが一番しっくりきますね。とくに、満天の星空と光るクラゲの群れの真ん中に漂うボートと、その周囲をクジラが巡るシーンは、息をのむほどの美しさでした。それから、ミーアキャットの群れがパイを一斉に見るシーンは、とっても微笑ましかったです。リチャード・パーカー、オレンジ・ジュースをはじめとして、シマウマやハイエナのどこまでがCGなのかわかりませんけど、フルCGだとしても異論はまったくありません。それもこれも、ファンタジーストーリーだからだと思います。やっぱりCG技術そのものがファンタジーだからでしょうね。

それから、ストーリーが素晴らしいです。パイの由縁という割と淡々とした入り方をしますけど、漂流してからはハラハラドキドキのエピソードがこれでもかと続き、とにかく飽きません。あっという間の127分です。映画とはこうありたいですね。

アン・リー監督の作品は初体験です。「グリーン・デスティニー」、「ハルク」、「ウッドストックがやってくる」が代表作なんですね。インド文化に縁がないかただからこそ、インド的なイメージを適度なライトさで表現できたのかもしれません。インドのかたが観ると、どんな感想を持つのか興味深いです。

青年パイを演じたスラージ・シャルマが、なにしろ魅力的なのです。とってもハンサムです。理知的ななかにも繊細な雰囲気を漂わせている表情が、理性と観念をバランシングしているパイを見事に表現していたと思います。少年時代と現在を除くとほぼ孤独な漂流シーンでしたから、パイを演じる役者さんによほどの魅力がないと作品が死んでしまいます。ですから、この作品に対するスラージ・シャルマの貢献は、とても大きいですね。

現在のパイを演じるイルファン・カーンも魅力的な表情をしています。先ほど紹介した、ヤンに問いかけるシーンで見せたミステリアスな微笑みは、珠玉です。YesともNoとも取れるし、そのどちらでもないかもしれない。もしくは何も考えてないのかもしれない。極論すると、あの笑顔がこの作品を決定付けているとも言えると思います。

少年パイの両親も素敵です。ママ役のタッブーは42歳でいらっしゃるのですね。失礼ながら、とてもそう思えないほど若々しく、とても美しいです。パパはこの作品のコンダクターだと思います。パパがパイに語る言葉が、その後のストーリーを方向づけしています。アディル・フセインはニュー・インデュアを象徴するビジネスマンの価値観を好演していました。男前ですしw。

「スラムドッグ$ミリオネア」、「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」、それに今作と、現代インドに触れる機会が増えてきました。この作品は、リアルな現代インドというよりは、何ども言ってますけど”インド的”なイメージをベースにしたファンタジーです。なので、インド独特のアクの強さはありませんから、身構えなくて大丈夫ですw。

なにしろ、大袈裟ではないファンタジーに触れたいかたに、とくにオススメです。ぜひ一度触れてみてください。