ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2013J1リーグ第32節FC東京vs湘南ベルマーレ@味スタ20131123

2013-11-27 01:25:21 | サッカー

先日つくばに行きましたら、銀杏がすっかり黄色で、秋の深まりを感じました。今週末、小金井公園も色づき始めました。

Dsc_2360

Dsc_2372

Dsc_2370

Dsc_2378

Dsc_2383

Dsc_2387

クリスマスマッチの会場がユアスタに決まって、天皇杯機運が高まるなか、そういえばリーグ戦もあったね、と思い出しましたw。湘南戦です。アウェイでは悔しい逆転負けを喫していますから、連敗するわけにはいきません。

Dsc_2393
すべては、ネマニャんによるネマニャんのための試合になりました。90分間の低調な試合内容に消沈していた青赤サポを、アディショナルタイムの一発でいっぺんに笑顔にしてくれました。

297_2

東京は、天皇杯大宮戦でよかったたまを今日もスターターで使います。代表遠征帰りの秀人のコンディションも考慮したんだと思います。ヨネの相棒はアーリア。前線は天皇杯と同じ布陣で、トップ下はルーカスです。

113

結論を言うと、同じ布陣が続けて通用するほどJリーグは甘くはないです。そもそも大宮と湘南は、戦い方が違いますから、この時期に選手のコンディションだけで布陣を選んだのだとしたら、ちょっとナンセンスだと思います。湘南はオーソドックスな3-4-3。オーソドックスとは、ポポさんが萌えるミシャ的な3バックではないという意味です。GKはアレックス・サンターナ。PKのパフォーマンスが楽しみでしたけど、今日は無し。3バックは、真ん中に大野で左右に鎌田と島村。ボランチはハン・グギョンと永木。WBは右に古林、左に高山。アタッカーは、右に武富、左に菊池。1トップはウェリントンです。

105

湘南の戦い方が、この試合を形作りました。湘南の立場は、まずは勝つしかない状況です。今日甲府が勝つか引き分け、もしくは湘南が負けるか引き分けで、湘南の降格が決まります。ようするに他力ですけど、勝つしかない。こういう状況下での作戦は、監督のキャラクターで両極端になると思います。曹さんの選択は、コンサバティブな作戦でした。湘南はリトリートします。キックオフには、WBを下げて5バックで入りました。ウェリントンだけ前に置き、5-4-1の3ラインを作ります。ただ、見た感じこの布陣に熟れているわけではないようでした。真ん中の4枚の距離が微妙に開き、両ボランチの脇にスペースがあります。東京にとって狙い目に見えましたけど、これが罠でした。湘南は東京をサイドにおびき寄せます。湘南がリトリートしますから、たまと慶悟にボールが入ります。でも、湘南の守備はここからが非常に堅かったです。東京はインサイドに基点を作る攻撃を得意としますけど、内側にボールが入ると、湘南の圧力が高まります。

135

東京は湘南がリトリートすることは予見していたようで、序盤はロングボールで打開しようとします。逆に湘南も、東京のロングボールを予見していたのでしょう。そのためのリトリートだと思います。ショートパスだろうがロングボールだろうが、引いた状態であればゴール前の状況は変わりませんから。結局、5枚で作る湘南の守備網を、ロングボールの手をかけない攻撃でも崩せません。もう一つ曹さんのリトリートの意図は、チームを落ち着かせたかったんじゃないでしょうか。勝たなければいけない状況では、どうしても攻撃に重点が置かれますけど、試合は90分間ですから。まして東京相手に90分間攻め続けられるチームであれば、今この順位にいませんから。逆に、ワンチャンスを狙う自信はあったんでしょう。サッカーとは得てしてそういうものですから。

136

曹さんの作戦がはまって、序盤から湘南の意図通りの試合展開になります。東京の攻撃を封じられることを確認した湘南は、15分を過ぎる頃から少しづつモードチェンジをします。本来湘南は、獰猛な攻撃的なチームです。隠していた牙を剥き始めます。狙いは、まずは宏介の背後です。顕著なのは、古林のポジショニングです。序盤の古林は最終ラインに張り付いていましたけど、東京の攻撃を測った後は、本来のアグレッシブな位置にポジショニングします。湘南の攻撃ルートは2つ。まずはウェリントンのポストです。序盤はこれが多かったです。東京に攻められますから、ゴールキックからのターンオーバーが多いのは必然です。ウェリントンのポストは、尽くモリゲに阻まれました。ひょっとすると、これは湘南としては折込み済みだったかもしれません。

077

もう一つのルートが、中盤でターンオーバーしてからのビルドアップです。古林は、この形が出来るようになって活きました。湘南は、リズムが安定してくると中盤の守備で仕掛けるようになります。東京が後方でボールを持つとグギョンと永木がセット。中央をしっかり固めて、東京をサイドにおびき寄せます。WGにボールが入ると、ダブルチーム、トリプルチームを仕掛けます。これでパスミスを誘引。ターンオーバーです。湘南の右サイドアタックは、古林をできるだけ高く位置取らせることを思考します。このため、サイドチェンジを使います。左で作っている間に東京を押し下げ、ボランチを経由して右に持ち出します。この時、永木もしくはグギョンが古林の後ろに寄り、基点になることで宏介を引き付け、古林を押し上げます。古林は長めのボールが蹴れるクロッサーです。もしもう少しクロスの威力が高く、中央のアタッカーが競合いに強かったら、湘南は十分J1で通用する攻撃力を持てたでしょう。

212_2

右の攻撃が活性化することで、東京の攻撃を幾分か抑制します。東京が受ける時間ができます。これを見て、湘南はまた一つギアを上げます。左の攻撃を開始します。左は高山です。高山はドリブラーです。徳永との1on1からマイナスのクロス。あるいは、ドリブルインしてからのシュート、ラストパスが魅力の選手です。古林とはテイストの違うアタックを左サイドで展開します。左右のサイドアタッカーを活かすため、永木、グギョン、菊池がフォローします。とくに、ボランチのコンビは面白いですね。永木とグギョンは動くボランチです。片方が動けばもう片方はバックアップします。この連携が高い精度で出来ることは、湘南の強みでしょう。あと少し、二人ともパスの威力が増せば、より危険な香りがする中盤に変わると思います。

178

東京はまったく打開策を見いだせないばかりか、時間を追うごとに状況は悪くなります。唯一の救いは、ルーカスのキープ力。ルーカスがボールを持つことで湘南を引き付け、さらにその囲みを突破してチャンスを作ってくれます。が、残念ながら活かせません。東京得意のアタックは、縦横柔軟なタベーラです。けして独力突破で打開するようなチームではありません。攻撃のバランスが崩れるんでしょうね。厳しいことを言えば、結局の所、2年かけても引いた相手を崩すだけの威力を持った攻撃を作れなかったことが、成績に覿面に現れているということです。足りないものは何か、来年に向けてしっかりと考え、議論して欲しいですね。

229

前半は完全に湘南にオーガナイズされてしまいました。スコアレスのまま前半終了。

012

前半があまりにも酷かったので、後半頭から何か手を打ってくるかと思ったのですけど、とくに動きはなし。戦い方も変わりません。湘南も、前半のような様子見はなく、よって湘南が攻めます。いっそう攻め手がダイナミックになったような印象です。曹さんは、ギアを一つ上げます。武富に代えて亀川を投入。湘南のなかで唯一機能し切れていなかったのは武富でした。亀川を左WGに持ってきて、好調の高山を一列上げます。菊池を右アタッカーに置きます。これが奏功します。東京に攻めさせてカウンターという形が取れるようになり、湘南は広いスペースを使って攻めるようになります。これで、高山の脅威が増します。そしてその流れのなか、先制されてしまいます。

185

後半21分。右サイドで永木のパスを受けたグギョンが、なぜかバイタルエリアにいた大野にパス。この時ゴール前にはウェリントン、高山がいて、モリゲ、ヒョンス、徳永が見ています。やや下がり目の菊池にはヨネ。グギョンにはアーリア。グギョンの前方タッチライン際には古林がいて、慶悟がつきます。大外に亀川がいて、これはフリーです。グギョンの後ろに永木がいて、ルーカスが見ています。東京は千真以外、全員が自陣にいる状態です。おそらく、古林が慶悟を引っ張り、グギョンがサイドに流れることでアーリアを引っ張ることで、バイタルエリアの東京の守備をルーズにしたんだと思います。そこにいたのが大野という意外性。余っていたのは宏介ですけど、ラインを崩して大野につくべきか、迷うところですね。グギョンのパスを受けた大野は、大きくインサイドにトラップ。これが効果的でした。宏介の寄せをこのトラップでかわし、前方の菊池とタベーラ。菊池の戻しを受けた大野は、ダイレクトスルー。そこに、アーリアを振り切ったグギョンが上がっていました。宏介が大野につき、ヨネも菊池に寄せ、モリゲは中央を守っていますから、宏介の背後はガラ空きです。そこに大野が入れたスルーをグギョンが受け、ダイレクトシュート。これは権田が弾きます。こぼれたボールが高山に。高山はダイレクトで叩き込みました。東京0-1湘南。

198

失点後、ポポさんがようやく動きます。たまに代えて秀人を投入。アーリアを一枚上げて、ルーカスを右サイドに持ってきます。先制されると目が覚める東京のイメージがあって、なんとなくすぐ追いつくような気がしていたら、直後に同点ゴールが生まれます。

151

後半23分。湘南陣に東京が攻め込みます。モリゲがオーバーラップした後のポジションにヒョンスが回り込み、中央の秀人からパスを受けます。ヒョンスはルックアップ。目の前に慶悟。左に宏介。最前線に千真とルーカス。バイタルエリアにアーリアがいます。秀人を入れると、ヒョンスのパスコースは6つ。ヒョンスの選択は、アーリアでした。ヒョンスはアーリアに預け、そのままオーバーラップします。アーリアはダイレクトに、ダイナミックなタベーラ。この時湘南は、バイタルエリアの守備網がガタガタです。永木とグギョンが縦に並んでいて、脇にギャップがあります。古林がヒョンスに寄せ、鎌田がやや中途半端に前に出ていて、結果、右サイドにスペースができます。そこをアーリアが狙います。アーリアがワンタッチで落としたパスはヒョンスに入り、ヒョンスはダイレクトショット。これが島村に当たり、サンターナの逆をつきます。やっぱり東京はタベーラですね。これほど縦に長いタベーラは初めてみました。ヒョンスならではのプレーです。東京1-1湘南。

285

中央に軸が欲しいなと思っていましたら、東京は千真に代えて相太を投入します。と同時に、3バック、2トップにします。アーリアをボランチに戻し、慶悟がトップ下。ルーカスと相太の2トップです。これで試合がダイナミックに動き、ノーガードの打ち合いの様相を呈してきます。

210

湘南も一度攻撃の火が入ってしまいましたら、なかなか消せるものではありません。守備陣と前線のコンセンサスにギャップが出来ても不思議ではありません。少し縦に間延びするようになります。曹さんはイケイケを選択です。2枚同時交代です。鎌田に代えて梶川、菊池に代えてステボを投入。ウェリントンとステボの2トップ。梶川がトップ下。亀川が3バックに下がります。高山のドリブルに加え、ステボの高さが加わりますので古林のクロスが脅威を増します。さらに梶川が中央でつなぎ、チャンスメークします。お互いにオープンな打ち合いになり、ようやく試合は面白くなってきました。

223

ポポさんがようやくようやく攻撃のスイッチを押します。ルーカスに代えて、必殺仕事人、あるいは藤枝梅安、リーサルウェポン、ようするにネマニャんを満を持して投入です。そして、つまんないミステリードラマは、最後に最後に大どんでん返しのクライマックスを迎えます。

244

後半アディショナルタイム。東京のカウンター。ヨネからのパスをバイタルエリアで受けたアーリアは、大野と梶川の寄せをワントラップでかわし、無理な体勢から左足で前方にロブ。このボールが、大野が飛び出した背後にポトリと落ちます。そこにネマニャんが走り込んでいました。さあお待ちかね。ネマニャん劇場ひとり舞台の開幕です。ネマニャんはトラップしつつの軽い右足裏ワンフェイクでボールをコントロールし、追ってきた古林を転倒させます。サンターナと1on1になったネマニャんは、サンターナの動きを見て、冷静にゴール右側に流し込みました。スーペルゴラッソ。東京2-1湘南。

340

出場してわずか3分でゴールしたネマニャンは、まるでウルトラマンみたいですねw。千両役者が値千金の必殺ゴールを上げ、味スタは瞬時にお祭りになりました。クライマックスから一気にグランドフィナーレ。このまま試合終了。東京2-1湘南。

266

それにしても教訓の多い試合でした。勝ってこそ教訓も意味がありますから、勝ってホントに良かったです。これから先、リトリートが予想されるのは、天皇杯ベスト8の仙台です。今日の湘南は、ある意味我慢しきれず攻勢に出てくれましたから、時間はかかりましたけど逆転の要素は見えていたかもしれません。仙台は幾分試合巧者です。スコアレスというギャンブルも選択肢として有り得ますし。引いた相手を崩す術を、もう一度再考してほしいです。

325

苦しんだ分だけ、ジリジリした分だけ、つまんなかった分だけ、勝利の喜びが大きい試合でした。ネマニャんにすべてを救われた試合でした。これでサポも選手も笑顔になれるんですから、それでいいんです。あらためて、ネマニャんの威力を確認できましたから、天皇杯に向かって弾みになります。

329

元旦のアディショナルタイムにネマニャんが決勝ゴールを決め、東京全員で泣き笑うシーンを想像したかたも多いんじゃないでしょうか。この選手、スタッフで、一緒にタイトルを取りましょう。

348


第93回天皇杯4回戦大宮アルディージャvsFC東京@NACK520131116

2013-11-17 14:52:14 | サッカー

今週の急な寒気が、週末にはおさまりました。ここのところ週末は雨続きだったのですけど、今週末は快晴。

003

なんですけど、なぜか寒いナイトマッチの天皇杯4回戦。相性の良い大宮、相性の良いNACK5です。リーグ戦のゴレアーダも記憶に新しいですね。と言っても自分は東北に行ってたので生で見れませんでした。個人的に2ヶ月遅れの追体験を期待します。今日のYou'll Never Walk Alone♪

316

東京は期待に答えてくれました。いろんな要素が詰まってバラエティに富んだ3ゴールに平松の復帰戦が加わり、松花堂弁当のような試合になりました。

362

東京は代表の遠征でモリゲ、秀人、権田が不在です。GKには塩田。今日のCBは加賀と丸山のコンビ。セレッソ戦で捻挫をおったヨネが心配されましたけど、無事にスタメン。ヨネの相棒はアーリア。右WGにスタメンはジェフ戦以来のたまを置き、アーリアに代わってトップ下にはルーカスが入ります。このトップ下の選択がこの試合のポイントになりました。

038

大宮はスロベニア代表組の遠征が予想されましたけど、今回は見送りベストに近いメンバーを組める条件が整っていました。でも、ズラタンがサスペンションで不在です。ニールは代表招集で不在。菊池も怪我で不在です。CBは片岡と高橋が組みます。ここが最大の不安要素でしょう。青木がスタメンに復帰、金澤とのコンビ復活です。チョ・ヨンチョルは今日はオプションで、代わって大輔が左ハーフです。右は不動の大剛。ズラタンに代わってノヴァコヴィッチの相棒はのりおです。

148

小倉さん体制になってからの大宮を初めて見るので戦い方を知らなかったのですけど、概ね組織的なやり方なんだろうなと予想していました。このようなチームは、よほど練度が高くないと組織が整うまでアイドリングが必要です。東京に必要なのはアイドリング!!!ですねw。というわけで、序盤は東京がいい入り方をします。リズムよくパスが回り、千真、ルーカス、慶悟、たまが積極的にシュート狙います。序盤の東京の攻勢を、大宮は凌ぎました。CBに不安を抱えていましたから、最初の10分を凌げたのは、大宮にとって大きかったと思います。10分を過ぎる頃から、大宮の守備陣形が整うようになりました。大宮の守備位置はけして低くないのですけど、この時間帯はいったんリトリートしています。これが落ち着きを持てた理由かもしれません。東京のアタックを抑えこむことに成功した大宮は、攻勢に出ます。

349

大宮は攻撃もとても計画的です。選手の連動が面白いです。大宮はサイドアタックに偏重します。サイドに優れた選手を多くいますから、ナチュラルな選択です。とくに右サイドが大宮のストロングポイント。右で舵を取るのは、大剛の仕事です。大剛が内に絞るか縦に行くかを選択し、その動きが大宮の攻撃パターンを決めているようです。大剛が内に絞る場合、村上が空いたスペースを使います。大剛は、対峙する宏介を引っ張る意図です。そこを村上が狙い、金澤もしくは高橋からのロングボールを受けます。大剛が引く場合も、この攻撃の類似形です。大剛が縦を狙う場合は、村上はステイ。左で形が作れてビルドアップが出来ている場合に、チャンスメーカーとして大剛を使う意図です。この形の方が、本来大宮が志向している攻撃でしょう。

127

左は、本来はヨンチョルの仕事場です。なので、左はチャンスメークがタスクです。ヨンチョルの場合は独力突破がありますから、スピードとパワーで相手陣深くまで入り、全体を押し上げます。大輔の場合は基点です。大輔がキープすることで、下平がオーバーラップします。

036

中央の形を作るのは、青木とのりおの仕事です。大宮のボランチは縦の関係に近く、金澤がアンカー、青木が攻撃という分担でしょう。青木は左右のサイドアタックの動きを見て、中盤を広範囲に動きます。トップ下を置かない大宮のバイタルエリアのハブ役を、青木と大剛が分担するイメージです。青木は守備でも中盤をスイープしていて、運動量がとても豊富です。のりおはCBを引っ張ってスペースを作ります。大宮のフィニッシャーは、誰が考えても大エースノヴァコヴィッチです。そのエースに対峙するのは加賀ですけど、加賀をまる裸にするのがのりおの仕事。なので、丸山や両SBの間をウロチョロして、東京守備陣を攪乱します。

232

この大宮の計画的組織的な攻撃がはまります。前半の東京は、序盤を凌がれた後、ほぼ大宮に試合をオーガナイズされます。攻撃でも、守備陣形を整える大宮にシュートアテンプトを許して貰えません。前半は大宮のCKが目立ちました。それだけ大宮は、縦に向いた意識が高かったのでしょう。それでも、東京のほうも大宮の攻勢を凌ぎ切ります。これは、大エースノヴァコヴィッチにほとんど仕事をさせなかった加賀と、のりおの動きに釣られず落ち着いていた丸山の功に負うところが大きいと思います。とくに加賀は、普段はスペースのフォローを担っていますし、1on1を苦手としていますから、序盤はヒヤヒヤするシーンがありました。それでも90分守りきりましたから、リーグを代表するアタッカーとの対峙を制しきったことは、自信につながるんじゃないかと思います。

095

前半はなんとかスコアレスで凌げるけど攻撃はノーチャンスかなと思っていたら、最後の最後に、この試合の方向を決定づけする先制ゴールが生まれます。

255

前半アディショナルタイム。大宮陣深くの徳永のスローインから。ペナルティエリアで金澤を背負ったルーカスがスローインを受けます。ルーカスのマーカーが金澤だったというのがポイントかもしれません。大宮がノヴァコヴィッチ以外のほぼ全員がゴール前に戻っていて、人数は揃っています。徳永の前に大輔。徳永の近くにいたたまに下平がつきます。真ん中に青木。つまり、青木の脇のバイタルエリアにスペースがあります。ルーカスには片岡がつくべきだったのか、スペースをのりおが埋めるべきだったのか。たまのポジショニングがよかったのか。ルーカスがキープしている間に、たまが面白い動きをします。数歩ゴール側に歩むフェイクをしてからルーカスの前のスペースに入ります。この動きに下平が釣られました。たまは、ルーカスが落としたパスをワントラップしてシュート。ゴラッソ。大宮0-1東京。

160

このまま前半は終了。

190

東京、大宮とも、内容は悪くないので選手交代は無し。東京の攻撃は、大宮にオーガナイズされていたとは言え、けして悪くはなかったです。ポイントはトップ下に入ったルーカスでした。ルーカスはバイタルエリアを自在に動き、基点になります。対峙する金澤とのフィジカルのミスマッチもあり、ルーカスにボールが収まります。問題はそこから。大宮が守備陣形を整えますので、ルーカスに入ってから攻撃をディレイさせられるのです。たまのゴールは、大宮の陣形の間隙を抜い、かつ時間をかけない潔いアタックだった点がゴールに結実しました。これからのシーズン終盤と来シーズンに向け、高く評価していいゴールだと思います。ようするにたまを使おうってことですけど。

247

それでも大宮はいい内容で戦っていたので、試合の趨勢は、加賀vsノヴァコヴィッチと大宮守備陣形vs東京アタッカーのプレースピードという構図になりました。いずれ、次のゴールを決めたほうが勝利に近づきます。そして、理想的な時間帯で追加点が生まれます。

226

後半9分。東京の右アタックを凌いだ大宮がサイドを変えます。村上が大剛に出した縦パスをヨネが狙っていました。大剛が受ける前にインターセプト。そのままボールをホールドし、中央を目掛けドリブルイン。この時大きくトラップしたことが効きました。大宮は東京の攻撃を凌いだ直後のチャンスで、ダブルカウンターのような形になります。金澤は最終ラインに残り、青木は攻撃参加中。バイタルエリア中央がぽっかり空きます。東京も中央には千真しかいません。ヨネに高橋と金澤が寄せます。片岡もヨネを見ています。千真が片岡の背後を狙ってゴール前に向かいます。ヨネの決断は早く、大宮守備陣がヨネに注意を向けた直後に躊躇せずスルー。これがゴール正面の千真に通ります。落ち着いて決めました。久々のカズマックスゴール。大宮0-2東京。

237

千真のゴールは、8月31日以来2ヶ月半ぶりです。ヨネと千真のホットラインも久しぶり。千真のノーゴール期間は、アーリアがトップ下に入っていた期間とちょうど重なります。選手間の感覚はさすがに見てる側にはわかりませんけど、アーリアのポジションとパスリリースのタイミングが、ひょっとすると千真のイメージと微妙にずれているのかもしれません。ルーカスはとてもプレーがナチュラルですから、オーソドックスな正統派アタッカーの千真に合うのかもしれませんね。もしくは慶悟のようにスペースメイクするタイプ。ようするに、千真は合わせるより合わせてもらいたい選手なんでしょう。ただ、チーム全体の攻撃のダイナミックさと意外性、エンターテイメント性を考えたら、アーリアがベストです。来シーズンに向けた課題ですね。

346

後半途中地震がありました。スタジアムで感じたのは2012年のお正月以来。

303

小倉さんが動きます。のりおに代えて悠を投入。これはむしろ助かりました。ノヴァコヴィッチを我慢してゴール前に置き続けたほうが、実は怖かったのです。なにしろ加賀ですから。高さのある悠を置くことで役割をシェアする2トップに変えました。ノヴァコヴィッチが中盤に下がってパスを受けるようになります。もちろんこの形には大宮は慣れていると思うのですけど、支点が分散することで、大宮の特長である攻撃の計画性が弱まります。ズラタンとヨンチョルがいればタレント力が加味しますから、むしろこの形のほうが良いんだと思うのですけど、今日は逆効果でした。大宮の攻撃が止まります。

242

ポポさんは落ち着いて試合をオーガナイズにかかります。十分に動けているように見えたたまを下げ、経験が多くフレッシュなナオを投入。たまは守備で時々ポカをしますから、2-0リードの怖さを考慮しての交代でしょう。早くて良い判断だと思います。東京はルーカス、千真、ナオの前線からの守備で、大宮の攻撃を前後に分断します。一方の大宮は、2枚同時交代です。大輔に代えてヨンチョル、村上に代えて今井を投入。ヨンチョルが出られる状態だったのなら、悠より先にヨンチョルを入れたほうがよかったような気がします。攻撃力をアップして反攻に出ようとした大宮の気持ちを断ち切る追加点が生まれます。

280

後半37分。ゴール正面のFK。壁の真ん中にいたルーカスが、慶悟が動き出すとともに壁を離れて左にずれます。壁の左端にいた金澤と悠に対するスクリーンプレーのような意図なんでしょうか。宏介はその左端を狙います。ゴール右隅に決めました。ゴラッソ。大宮0-3東京。

285

これで試合は決まりました。ポポさんは、ルーカスをネマニャんに代えた後、素敵な演出をチームとサポーターに魅せてくれました。長い長い治療とリハビリを越え、平松がピッチに戻ってきました。後半アディショナルタイムのわずかな時間ですけど、千真に代えて平松を投入。ボランチに入った平松は、1アタックも見せ、元気に走り回っていました。おかえり平松。このまま大団円ムードで試合終了。We are TOKYO♪ポポさんの挨拶と平松のシュワ~。大宮0-3東京。

341

引退が決まっているルーカスのトップ下起用は、ある意味来シーズンの編成を考えない、2013のフィナーレに向けたスペシャル布陣だと思います。エース千真との相性を考えたら、ひょっとすると昨年末の布陣を基本に、慶悟をトップ下に置く形に戻してくるかもしれませんね。

082

東京は2年ぶりにベスト8進出です。次は、12月22日。お馴染み青赤のサンタ帽が東京ゴール裏を覆う、クリスマスパーティマッチです。対戦相手は仙台。一転、苦手な相手ですけど、だいたいベスト8は苦手と対戦してきています。ここを突破したら、元旦優勝が見えてきますから、大一番は必至。なによりACL出場権をとらないといけませんから。リーグ戦もあと3試合。ポポさんとルーカスのサウダージに浸るわけにはいきません。二人に花向けするためにも、お正月までずっと、ワクワク感と緊張感を持ちたいですね。

207


息をひそめて -シリア革命の真実

2013-11-16 13:26:55 | アート・文化

東京の紅葉が始まりましたね。東京大学正門の銀杏並木も、黄色と緑色のシンメトリーなコントラストが綺麗です。

Dsc_2342

初観劇から5日たちました。演劇は後を引く効果があるのでしょうか?。それが普遍性なのかこの作品に限るのか、なにしろ初体験ですから、いまはまだわかりません。もし演劇が普遍性を持つのであれば、個人的にセンセーショナルな出会いをしたかもしれません。

Dsc_2357

ワンツーワークスの「息をひそめて -シリア革命の真実」を観ました。赤坂REDシアターです。

Dsc_2355

おそらく珍しいのではないかと思いますけど、ドキュメンタリー作品です。登場人物はすべて実在で(または、実在した)、台詞もインタビューに基づくもので、翻訳と演出上のアレンジはあると思いますけど、ほぼ発言を忠実に再現しているのだそうです。

Dsc_2358

タイトルで推察される通り、テーマはシリア情勢です。登場人物は20人。萩原流行さん演じるクリスチャンのサミー以外は反体制側のインタビューで構成されます。はじまりは、2010年10月に起こったジャスミン革命と2011年のムバラク政権崩壊に刺激を受けたスンニ派のシリア国民が、非武装の平和的抗議活動をアンダーグラウンドに展開するところから始まります。抗議活動の拡大と表面化、組織化に対して、アラウィー派のアサド政権の圧迫が次第に激化。軍による実力行使がシリア国内で始まります。これに対し反体制側の一部は自由シリア同盟、アル・ヌスラ戦線などを組織。やがてシリア内戦に至り、現在も解決の端緒すら見えず、争いの構図が複雑化し泥沼状態が続いています。2012年8月の山本美香さんの銃殺事件。2013年8月には、政府軍による化学兵器の使用が報じられました。日本でもメディアが取り上げはじめます。つい先日も、国連の仲介による話し合いの提案に対し、一部の反体制側が同意せず、実現に至ってないというニュースがありました。

Dsc_2351

ドラマはこの流れをインタビューと時々流れるフイルムだけで表現します。その他の演出は効果音くらいです。とてもシンプルなんだけど、背景と言葉が強烈ですから、強いメッセージが直接こころに響きました。この作品は、イギリスの劇作家3人が、実際にシリアに入って取材した地元の人のインタビューで構成されています。台詞の端々にも、イギリス人に対して語っている様子が伺える箇所が何度か出てきます。作者の意図が反体制側に寄っていることもあって、アサド政権側の意見は、比重が少ないです。サミーとデモ参加者くらい。なので、真実、シリアの複雑さをレポートするものではないと捉えたほうがいいと思います。それでも、この作品のメッセージは、シリアの現状に対するポリティカルな意味での真実追求ではなく、つまり体制やイデオロギーの是非ではなく、人道的な意味でシリアで起こっていることの事実を伝えることがテーマなんだと思います。多くの場面は反体制側の被害を描写しますけど、時々、政府側の住民や軍人の被害を伺わせる台詞もあります。自由シリア軍にアルカイダがついていたり、そのアルカイダが自由シリア軍を攻撃したり、もはや事態は、誰が何のために争っているのか、わからなくなっていることが想像されます。それでも、そこでとてつもない数の人が無残な死を被っています。今年7月の国連発表では、軍人民間人を合わせ、国内の死者数が10万人に及んでいるとのことです。

Dsc_2365

日本に暮らす自分には、現実感がありません。ニュースでしか見聞きしなかった以前も劇を見た今も、やはり肌身に実感することはありません。正直に言うと、被害規模が大きければ大きいほど、現実感が喪失されます。これは、東日本大震災でも経験しました。実際に現地を見ないと、その空気から伝わる質量に比する実感はありません。それでも、ただ「シリア情勢」と大雑把に括る固有名詞ではない、何か名状し難い憤りと悲しみを、劇を通じて感じることができました。「シリアで今まさにこの時も、普通ではない理由で普通ではない数の人が死んでいる」。それこそが、この作品に関わる人のメッセージなんじゃないかと思います。

Dsc_2367

初観劇にして、めっちゃ濃い作品でした。萩原流行さんと松田洋治さんというテレビや映画でおなじみなキャストを間近で見れたのも感激でした。形桐レイメイさんが印象に残りました。若い俳優さんらしいナイーブな青年の雰囲気があって、ひょっとしたらこれからメジャーメディアでもお見かけするんじゃないかと思います。

Dsc_2361

観劇後、こちらも初のガレットをいただきながら、いろいろ問題はあるけどやっぱり普通の暮らしを普通に送れる我が国を想いました。


ごちそうさんロケ地の旅 ―20131109 BKワンダーランド秋 ごちそうさんフェスティバル―

2013-11-14 22:42:42 | 連続テレビ小説ごちそ...

東京は、急に冬がやってきましたね。師走の寒さだそうです。風邪などお召ではないですか?。くれぐれもご自愛くださいませ。仕事で名古屋に行きまして、JR名古屋高島屋はもうクリスマスの準備が整ってました。くるみ割り人形のクリスマスデコレーション。

Dsc_2351

大阪に参りました。NHK大阪放送局です。今年何度目かしら?w。

190

朝9時に付きましたら、お目当ての整理券はすでに150人満席だそうです。そりゃそうだよねと苦笑しつつ、素直に諦めました。だって並ぶの寒いもん。

Dsc_2355

今日は、大阪放送局でBKワンダーランド秋の開催日です!

Dsc_2398

そう。ごちそうさんフェスティバルです。

Dsc_2399

BKと言えば、どーもくんコスプレ展示。やっぱりごちそうさんでしょうw。

Dsc_2394

開明軒。大将はたーちゃん。

Dsc_2391

えーと、とにかくおむすび。

Dsc_2392

このコスプレ、いまだにわからないんですけど、源太?

Dsc_2393

め以ちゃんと悠太郎さんコスプレ。

Dsc_2358

先ほどの整理券は、プレミアムトークショーの座席の待機列でした。立ち見は自由です。大阪放送局の1階アトリウムに特設ステージがありまして、その座席が150席。席を取り囲むようにバリケードがあって、その外は自由に立ち見できます。9時の時点で、バリケードの周囲はすでに埋まっていました。自分も最前列に立てたんですけど、プレミアムトークショーの時間まで3時間半も立てませんて。結局、立ってた人もいました。気力と体力に脱帽です。

Dsc_2396

10時からBKワンダーランドのオープニングがありました。立ちっぱなしはあきらめて、オープニングとごちそうキッチンを座って見ることにしました。最前列です。オープニングは、あほやねん!すきやねん!の生放送を兼ねていることを直前に知りまして、NHKの生放送に映るんかーと、にわかに緊張しました(^^ゞ。拍手の練習をして楽しかったです。残念ながら本放送は、カメラがこっちを向かなかったので映らなかったと思います。司会の川中美幸さんがお綺麗でびっくりしました。

Dsc_2357

オープニングのあとは、ごちそうキッチン。ごちそうさんの料理監修をされている広里貴子さんが、会場で実際に豆腐ステーキ納豆ソースとスパニッシュオムレツを作っていました。いい匂いがしてきて、お腹が好きましたw。ゲストに民子役の宮嶋麻衣さんが来てました。めーーーーちゃ可愛かったです。宮嶋さんは撮影時に手が震えるので食事シーンは苦手とか。だからお弁当のシーンも、め以ちゃんと桜子さんは食べてるのに、民ちゃんだけお茶飲んだり二人の話を聞いてるらしいです。収録終わってから桜子さんと三人で楽しく食べるんだそうです。あと、宮嶋さんは納豆好きで、夜に食べる習慣なんだとか。

Dsc_2356

実は、宮嶋さんを見たくて朝早くに来たわけですw。ホクホクして、さて、いよいよ。今日は特別開放のここに入ります。

Dsc_2359

NHK大阪放送局大阪放送会館です。

Dsc_2364

8階に参ります。な、なんと。ごちそうさんのスタジオセットが見れるのです(o^^o)。もの凄いワクワクです。

Dsc_2362

1階。普段入れないエリアです。

Dsc_2365

このパスを入口で貰います。エントランスにセキュリティがありました。

Dsc_2368

8階に参ります。2機あるエレベーターは、どちらもドアの外側と内側にごちそうさんラッピングがしてありました。エレベーター内は、雨のち晴レルヤが流れていました。8階につきまして、エレベーターを折り、左に行くとこの案内があります。

Dsc_2383

ここからいよいよT1スタジオです。

153

スタジオのドアは二重になってます。このポストは、最初に入った時はなかったのですけど、セットを見学している間に設置されたようです。

152

お守り。渋谷のスタジオでは見かけなかったのですけど、大阪特有なんですかね。

Dsc_2375

これはたぶん、普段は当日の収録シーンのリストが貼ってあるボードだと思います。後ほど登場します。

Dsc_2379

め以ちゃんと悠太郎さんが迎えてくれます。

149

いよいよ撮影現場です。西門家と門前の道のセットです。

143

西門家の前の祠。

007

祠の木。

144

西門家の前の道。大阪に来ため以ちゃんと悠太郎さんは、奥から歩いてきましたね。「亜貴子ちゃんって知ってる?。悠太郎の幼馴染みでなぁ。あの子ぉが良かってんわぁ」。め以ちゃんと和枝さんがやりあってたのもこの道。てか、名シーンがあり過ぎてキリがないので、今回は省略させてください_(_^_)_。

102

向かいの家の鉢植え。

045

向かいの家の自転車。

111

西門家塀と隣家の屋根。

013

向かいの電信柱。

026

電信柱の広告。なんと、天満天神亭!。ちりとてちんとコラボです。あとで気付いたのですけど、いま放送中のセットは、井上時計店の広告が貼ってありますね。

110

斜向かいの銭湯の二階。

117

角の大京商店の店看板。

025

大京商店の電灯。

030

大京商店の荷物。

033

大京商店脇の電信柱。

113_2

西門家の隣家の鉢植え。たぶんこれは、仮置きだと思います。この先は、め以ちゃんが「もうーーーヽ(`Д´)ノ」って言いながら走っていった道になってます。たぶん新しいセットを組んでいるんでしょう。

027

隣家の玄関の鉢植え。

028

西門家と隣家の間の細い路地。

<a


2013J1リーグ第31節FC東京vsセレッソ大阪@味スタ20131110

2013-11-12 22:20:37 | サッカー

いつの間にかの11月です。

Dsc_2419

2013年のJ1リーグもラストシーンを迎えました。残念ながら、事実上リーグでのタイトルとACL出場権は難しくなりました。ここから先は、天皇杯優勝と目の前の試合の勝利が目標になります。

354

味の素が、スタジアムのネーミングライツを更新してくれました。また5年間、よろしくお願いします。

Dsc_2451

今日はAJIMONOTO DAY。東京は珍しく動員をかけました。ひさしぶりの4万人突破です。動員だけでなく、曜一郎の効果もあったと思いますけど、さすがに4万人入ると、スタジアムの密度が濃いですね。東京の活躍で、初めて来られたかたを魅了したいものです。今日のYou'll Never Walk Alone♪

030

曜一郎を座長とするクルピ一座のショーになりました。多少自虐的に言うと、初めてサッカーを観た人はサッカーの魅力を感じてくれたんじゃないかと思います。スコア以上の完敗でした。

090

東京は、秀人がサスペンションで不在です。ポポさんの選択はアグレッシブでした。1stチョイスは通例、アーリアを一枚下げることですけど、アーリアはトップ下に残します。いまの東京は、アーリアを軸に攻撃を組み立てますから、その形を崩したくなかったのでしょう。ヨネの相棒はヒョンス。モリゲの相棒には加賀が入ります。

065

結果的に、このシフトがセレッソのプランにぴったりはまってしまいました。セレッソは最近不動のメンバーです。GKはキム・ジンヒョン。怪我の藤本に代わりモニがCBに入り、山下と組みます。SBは右に酒本左に丸橋。ボランチは扇原と螢。ファビオ・シンプリシオを真ん中に置き、右に健勇左に南野のアタッカンチ。1トップは曜一郎です。

296

セレッソ最大の特長は、なんと言っても攻撃力です。守備は、攻撃を始めるためにやるのではなく、攻撃を支えるために行います。セレッソの守備は、ビルドアップの起点にハイプレスを仕掛けることで始まります。後に述べますけど、セレッソは攻撃陣がボールを奪われない絶対の自信があるようです。従って、東京のターンオーバーポイントは、とても低い位置になってしまいます。必然、ポゼッションするにしろカウンターにしろ、起点は最終ラインです。セレッソはまず、ここにプレスをかけます。主には扇原のタスクです。扇原はハイプレスのみならず、螢が攻撃参加した時のバイタルエリアのケアも担います。以前はむしろロングフィードを長所としてプレーを選択していたような気がしますけど、いまはむしろ運動量とポジショニングが優れていて、すっかりボランチらしくなりました。加えて安定感もあります。

114

ハイプレスのもう一つの目的は、攻守を切り替える時間を作ることです。東京は、ひさびさにスタメン復帰のモニを狙ったカウンターをプランしていたと思うのですけど、セレッソの帰陣がはやく、結局モニを裸にできませんでした。山下はモニのバックアップを受け、千真とアーリアのポストをアグレッシブに潰しにかかります。

220

セレッソの守備の堅さは、終局的にはゴール前の手堅さにあります。2CB+2ボランチで作るスクエアに、さらに両SBも絞り、ペナルティエリアに堅牢な砦を作ります。最後までこの砦を攻略できませんでした。

129

さて、堅実な守備に支えられ、セレッソのアタッカーは、リラックスしたなかで自慢のテクニックを惜し気もなく披露します。スムーズなパス回しの根拠は、ファビオです。ファビオはバイタルエリアで細やかに動き、ヨネのプレッシングポイントを少しだけずらします。これは、攻撃ルートの確保だけでなく東京が高い位置でターンオーバーすることを防ぐ効果も生みました。ヨネが前半で退いたこともあり、最後まで東京はファビオを捕まえられませんでした。この点で、この試合で最も重要なキーマンはファビオだったと思います。

199

ファビオがハブになることでパスコースを作りますから、健勇と南野は自在に動くことができます。南野はファビオとの距離感を意識しつつ、左サイドのアタックを組み立てます。健勇は右からのダイアゴナルな動きで、曜一郎とトップを入れ替わります。

099

健勇が開けたスペースに酒本が上がってきます。酒本のクロスがもう少し効果的ならば、セレッソの攻撃はもっと脅威が増すでしょう。今日の丸橋は酒本に比してバランサーだったようで、ドリブルは少なかったです。

268

もうひとつセレッソの攻撃に厚みを加えるのが、ボランチの攻撃参加です。ファビオにボールが入ると、螢が 立てに勢いよく上がってきます。そこにクロスが入ると、止めるのは一苦労でしょう。

169

そして真ん中には曜一郎がいます。曜一郎は、ひとりだけ異次元です。曜一郎がボールを持った時に漂う危険な静寂感は、おそらく敵味方を越えサッカー選手として生きる本質を実感させるでしょうし、それはまた、観てる側も敵味方を越え、サッカーファンとしての本質を呼び覚ますものだと思います。いま、リアルタイムで曜一郎のサッカーを体験できることに至上の喜びを感じます。また、そんな日に4万観衆という舞台を東京が用意できたことが誇らしいです。

097

セレッソの攻撃陣は、加賀を狙っていました。南野は加賀の背後、健勇はガチの1on1、曜一郎はスキルフルに勝負してきます。加賀の課題ですから当然ですけど、この狙いに対しては加賀は完封しました。試合が動いたのはむしろ左サイドでした。

127

前半31分。右サイド際で酒本がどフリーで上げたクロスを健勇がトラップ。バイシクルで前に送ったパスを曜一郎が頭でつなぎ、ファビオに。ファビオはモリゲと絡んでボールをコントロールできませんけど、こぼれたボールが南野へ。南野をマークしていた宏介は、モリゲをサポートしてファビオを見てしまいます。ダイレクトでコンパクトに振り抜いた南野がゴール。酒本のクロスの時点から、東京は受けに回ってしまいました。東京0-1セレッソ。

116

前半はこのまま終了。前半の東京は、千真が数度ビッグチャンスを掴みましたけど、ゴールには繋がりませんでした。今日のセレッソの調子では、仮に千真が先制しても試合の主導権は変わらなかったと思いますけど、結果はまた違っていたかもしれません。

188

後半から、負傷のヨネに代わってナオが右に入ります。アーリアが一枚下がり、ルーカスが左。慶悟がトップ下です。ナオの役割は健勇と似ていて、ダイアゴナルに入ってゴール前で基点になります。正直それなら相太を真ん中に置いてもよかったかな?と思います。モニと山下に苦労していた千真の負担を分散できますし、そもそもナオはチャンスメーカーですから。セレッソの上手な試合運びに攻め手を封じられ、ジリジリした展開が続くなか、ついに追いつきます。

214

後半25分。バイタルエリアでルーカスが中央のアーリアにパス。ルーカスには螢が寄せます。この時扇原は慶悟に引っ張られて最終ラインに張り付いてます。モニはダイアゴナルに動くナオを見てます。山下は千真。丸橋と南野がゴール前にいますけど、立っているだけ。必然、アーリアはどフリーです。おざなりに丸橋が寄せますけど、その前にアーリアはミドルを突き刺しました。東京1-1セレッソ。

213

クルピさんは直後に動きます。健勇と南野を同時に下げ、同じポジションに楠神と枝村を投入。活きは少し落ちますけど、クオリティを下げないまま攻撃陣をリフレッシュします。

229

ただ、二枚同時とは思いませんでした。追いつかれたとは言えまだ主導権はセレッソが握っていますから、打ち手を自ら不利にしたような気がしました。なので、ここからはいつ誰をポポさんが使うかが、勝負の行方を左右すると思っていました。ポポさんの選択は、慶悟に代えて河野。結果的には、これは外れました。同点で残り20分。攻撃加重か守備重視かは、CBとボランチのオプションがいない状況では選択肢は自ずと決まります。東京がペナルティエリアでボールを持てるなら、スキルフルなシューターである河野が活きます。でも今日は、広いスペースを独力で使う必要がありました。もしくは先にも言いましたけどモニと山下対策。つまり、ナオのタスク変更、ネマニャん、相太のいずれかを選ぶほうが合理的だと思います。もちろん選手のコンディションのことはわかりませんから、そういう判断はあり得ないことではありません。ただ、ゴール前でポスト役を担わされ、ミスマッチで果たせない河野を見ているとちょっと可哀想になりました。成す術を自ら放棄した形になった東京は攻め手を見出だせません。空しく時間が過ぎるなか、今日の主役の見せ場が最後の最後に訪れます。

266

後半42分。ジンヒョンはGKを東京最終ラインの背後に送ります。曜一郎はモリゲと加賀の間を抜け、ここはスピードのある加賀ではなくモリゲの背後を狙います。そこにジンヒョンのフィードが落ちました。曜一郎はワンタッチでフィードに合わせ、寄せてきた権田の股を抜いてシュート。ゴラッソ。東京1-2セレッソ。

238

ポポさんは相太とネマニャんをスタンバイさせます。選んだのは相太。時間が無いなかビハインドになったので、よりゴールに近い場所を厚くしたかったのでしょう。クルピさんは、それを見てファビオを下げ横山を投入。中盤をフレッシュにします。結局さすがの相太も何もさせてもらえず、このまま試合終了。東京1-2セレッソ。

284

明確な力さを感じました。指向を同じくするサッカーを同じ2年間取り組んだ結果の差を、今日は確認できた気がします。おまけにセレッソは、試合に出た選手の5人がアカデミー出身で、さらに3人が生え抜き。しかもその選手達が主力。もっと言うと毎年のようにエースを抜かれてもいます。異次元の曜一郎とファビオがいるからと言えばそれまでですけど、チームの総合力も完成度も凌駕されてしまった気分になってしまいました。マリノス、鹿島にも距離を感じましたけど、チャンピオン経験クラブだからと言う納得をしました。だけど、立場が同じクラブに対してこの差は、エクスキューズの余地がありません。

106

とは言え、選手の総合的なタレントでは、むしろ東京は勝っています。違いを生む圧倒的な個性の補強と共に、チームの完成度を高める取り組みと勝てるマネージャーを求めてもいい時期に東京は来ていると思います。

337

そのためには、最低現体制の維持は必要です。なにしろACL出場権。なんとしても天皇杯優勝です。

157

秋も深まり、残り試合も少なくなりました。だけどサウダージ感じてる余裕はありません。ひとつ一つの試合を大切にしてほしいです。

333