ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2015J1リーグ第7節モンテディオ山形vsFC東京@NDスタ20150425

2015-04-26 14:30:18 | サッカー

閑けさや 岩にしみ入る 蝉の声。

北の三連戦のスタートは、山形でございます。

ちょうど天童で人間将棋をやっていました。将棋のことはぜんぜんわかんないんですけど、棋士さんがおしゃべりしながら対局されるんで、おもしろかったです。勝つというか、お客さんを楽しませることと、駒にぜんぶ動いてもらうことが目標みたいで、通常の対局とはちょっと違う難しさがあるみたいですね。

山形といえば、さくらんぼ。今回の旅の一番のテーマはさくらんぼの花を見ることです。山形県内の自治体の観光サイトを見てもさくらんぼの花見のことはまったくと言っていいほど無くて、駅の観光案内でも情報がなく、もしかして山形県人限定の秘密の楽しみなんじゃないかと思いました。さくらんぼはハウス栽培なので、花見と言っても風情がないっていうのが実際のところみたいですけど。で、天童や南陽に行けば、ちょっと郊外をお散歩するといっぱい観ることができます。NDソフトスタジアム山形の近くにもさくらんぼ農園がありました。

さくらんぼの花を観られたので本日のメインイベント、J1に復帰したモンテを観に来ました。山形は毎年の東北ツアーに必ず組み込んでいまして、今年で5年連続。これまではモンテのユニを着ていたわけですけど、ようやく青赤ユニで大好きな山形に来ることができました。

JR奥羽本線に天童南という新駅ができまして、NDソフトスタジアム山形まで徒歩で行ける距離感です。さくらんぼのお花見がてら、試しにそぞろ歩きしてみました。

駅の入口は東側のみ。イオンモールに向かい、ここを左折。

鉄道をくぐります。

鉄道をくぐったらまっすぐ歩きます。

ここを右折します。

広い道を道なりに進み、ここを左折。

まっすぐ歩くと国道13号線に出ます。左折して北上。

すぐ右手に、山形県総合運動公園があります。

試合前に、先日逝去された海保前理事長の追悼の黙祷がありました。ご冥福をお祈りいたします。

本日はユルネバがありませんでした。いつ以来かな?。

カズのエアゴールとも言うべき宏介のFKゴールを守り切り、連戦を乗り切る省エネ勝利です。

東京は、ナオとカニーニが負傷で離脱中。カップ戦の快勝を受けて、布陣にスライドさせます。シフトはいつも通り。GKは権田。CBはモリゲとカズ。SBは徳永と宏介。3CHは右からたま、梶山、ヨネ。トップ下は河野。2トップはよっちと慶悟です。

山形は昇格を勝ち取った形を継続しています。シフトは3-4-2-1。GKは山の神。3CBは右から當間、西河、竜也。ボランチは松岡とアルセウ。WBは右にキム・ボムヨン左に利弥。2シャドウは右に川西左にロメロ・フランク。1トップはディエゴです。

山形は基本的に昇格モデルのサッカーです。湘南や山雅と同じ。ただ、ちょっと違うのは、個々の選手が個性的で、組み合わせによっては面白いサッカーができそうなところです。なので山形は、フレームワークとして昇格モデルを採用しつつも、それはあくまでも、前提として選手の個性を活かそうというアプローチをとっていると思います。

守備ですけど、これはもちろん昇格モデルの基本。山形もコンタクトに強い、いかにも東北らしい粘っこい選手を並べます。基本的にマンマークで、よっちには當間、慶悟には竜也をつけて厳しくマークします。フォローに西河がいて、2トップを自由にしません。

山形は守備パターンを二つ持っています。これも昇格モデルの基本。東京が自陣でボールを持つ場合は、アタッカー3人が積極的にフォアチェックを仕掛けます。それをかいくぐってビルドアップをはじめると、山形は素早く切り替え、整然と守備網を作ります。なので山形は、ロングカウンター、ショートカウンター、ビルドアップ、いずれの攻撃パターンに対応できる仕組みを持っていますし、そのクオリティはJ1に足るものだと思います。

山形の個性がより発揮されるのが攻撃です。山形の攻撃パターンは二つです。今日はまず、ロングフィードをディエゴに付けるパターンから入りました。これはただ、攻撃を意図するというよりも、守備のリズムを整えるためのリスクマネジメントだと思います。

本来のポストは、2シャドウを使うことを意図しています。山形の特長のひとつが2シャドウです。川西、ロメロともにドリブラーですけど、タレントは少し異なります。川西はスピードで勝負するタイプで、ペナルティエリアのサイドを目掛けたスペースメイクを繰り返します。ロメロはパワー系で、二人くらいに囲まれてもおかまい無しに強引に仕掛けます。昇格モデルは得てしてサイド偏重に成りがちですけど、中央突破の選択肢があることが山形の最大の長所だと思います。

とはいえ、山形のストロングポイントは、つまりJ1で差異化に足る要素は、サイドアタッカーです。ボムヨン、利弥とも、スピードとパワーを兼ね備えたドリブラーです。それぞれの特長は、ボムヨンは顔に似合わずテクニシャンで、セットプレーを任されるほどですからクロッサーです。ボムヨンがアタッキングサードに入るシーンがあまりなかったので、折り返しのクロスの精度は確認できませんでした。昨年のプレーオフでは頻繁にアタッキングサードに顔を出していた印象があるので、ここがある意味で山形の現在地を示していると思います。

左の利弥は、2015山形の売りのひとつだと思います。掘り出し物というと失礼だけど、また一人東京のアカデミーからおもしろい逸材が出てきました。対峙するたまが再三ファールで止めざるを得ないほど、利弥のスピードに苦労していたような気がします。利弥のほうは何度もアタッキングサードに進出していました。クロッサーというよりはシューターなのかもしれません。ただ、アタッキングサードに入ってから何もできませんでした。クロスなのかカットインからのシュートなのか、アタッキングサードでの役割をはっきりさせたほうがいいでしょう。

なので、しばらくは流れが定まらない時間が長く続きます。東京は、こちらは主導権を握るために、左で構えるよっちにフィードを送りますけど、當間と西河に前を向かせて貰えません。

そこでビルドアップにプラン変更しますけど、これも山形の素早い帰陣から作る5+2の守備網が堅く、ペナルティエリアに進入できません。膠着状態になったと思っていたら、突然試合が動きました。

22分。宏介の右FK。東京はニアから慶悟、モリゲ、カズ、梶山がペナルティエリアに並び、少し遅れてたまとよっちが入ってきます。山形はゾーンです。ニアから松岡、ディエゴ、ボムヨン、西河、竜也、當間がペナルティエリアに並びます。その手前に利弥がいます。宏介がなんとなく山形の守備ラインと山岸の間目掛けて上げたクロスに、西河の後ろから前に出てきたカズが合わせようとしますけど、これはエア。ボールはそのまま山岸が伸ばした手の先を抜けました。山形0-1東京。

さて、東京はリードすると例によってリトリートします。試合ごとにリトリートモードの安定感が増しているような気がします。必然的に山形が攻撃権を持ちます。ポゼッションの高まりとともに山形は、先に述べたサイドアタックの頻度が増します。だけでなく、最終ラインがつるべの動きを見せます。西河と當間が左にスライドして、竜也を押し上げます。竜也は利弥をバックアップするとともに、利弥と絡んでもしくは利弥と入れ替わって攻撃に顔を出します。達也は利弥と違って純粋なクロッサーなので、左サイドの攻撃のバリエーションが増えます。山形の左サイドが活性化します。ここが現在の山形の生命線かもしれませんね。

前半は東京リードのまま終了。

後半頭から、ミステルがシフトをアジャストします。よっちを真ん中に据えます。今日はナオがいないので、もとより売り出し中のジェットストリームアタックはできません。前半は左サイドで基点を作ろうとしていました。河野が左に寄せ、よっちをフォローしていました。よっちのポストから、河野を基点にヨネ、宏介を抜け出させようという意図でしょう。これは當間のがんばりでよっちのポストを機能させず、山形が阻止します。

そこで、よっちのマーカーを西河に変えるという意図がひとつ。これで実質前線三人の1on1のマッチアップができます。つまりタレント勝負。

さらに慶悟にポストを担わせます。慶悟は左右に幅広く動き、ライン際で基点になります。東京の攻撃コースを散らし、山形を揺さぶる作戦だと思います。

ただ、いずれにしろ今日はカウンターが効きません。一番の要因はよっちです。足の調子が万全でないこもあるのでしょう。ターゲットを西河に変えてもなかなか前を向けません。シュートレンジでボールを持っても、今日はアテンプトできませんでした。現状のリトリートモードの課題はここでしょう。カウンターの威力をつけること。守備を固めることは、ロングカウンターの脅威を相手に与え続けてはじめてモデルとして完成と言えます。いまは前線にスピードのある選手を並べることでカウンターの選択肢を増やす選択をしていますけど、基点を置いて精度を高める選択もあります。昨年相太が好調だった頃のような。ロングカウンターのパターンの多様性も威力向上の策ですから、組み合わせの選択肢も多いことですし、取り組んでみてほしいと思います。

というわけで、ミステルは守備の安定をチョイスします。河野に代えて秀人を投入します。同時にシフトを4-4-2に変更します。たまが右メイヤでヨネが左です。山形の生命線であるサイドに数的イーブンを作る意図でしょう。

さらにそれを強化します。60分頃、たまとヨネを左右入れ替えます。山形最大のストロングポイントとなりつつある利弥と竜也対策をヨネに担わせる意図だと思います。

ただ、まだヨネのコンディションは万全でないのでしょう。ミステルは続いて、ヨネに代えて容平を投入します。慶悟を右メイヤに下げます。容平と慶悟は、大きく言うと組み立てでのスタイルが似ています。容平のほうがパスを呼び込みますけど、サイドで基点になるタスクは変わりません。

同じタイミングで石崎さんも動きます。川西に代えて陵平を投入します。アタッカーをリフレッシュする意図だと思います。

山形がゴリゴリ攻めかかりはじめます。中央突破もサイドアタックも織り交ぜます。でも東京の中央の網を抜けられません。ペナルティエリアにすら入れません。

そこで石崎さんが動きます。松岡に代えて中島を左シャドウに投入します。ロメロをひとつ下げてボランチに入れます。これで前線に純然たるFWタイプが揃います。強引にでもグリグリ押し込むほうを選択しました。石崎さんは、どうしてもホームで闘う姿勢を示したかったんでしょう。山形の勝ち点はすべてホームマッチです。なんとなく内弁慶的なところがあるのかもしれません。遠方ゆえ圧倒的にモンテサポが多く、しかもリズミカルなスネアドラムをベースにした、歌い易くキャッチーなチャントが醸し出す独特の一体感がNDスタにはありますから、そういうところも後押しになっているのかもしれません。山形のような地方クラブにとっては、内弁慶こそ必要なビジネスモデルだと思います。

同時にミステルが動きます。最後の仕上げに入ります。たまに代えて羽生を投入します。たまを良く引っ張ったと思います。今日のたまは、体をはった守備で、利弥に手を焼きましたけど結果的には完封しました。最小得点差なので、たまのコンディションを考慮して安全策をとったのでしょう。

山形の猛攻実らず、このまま試合終了。山形0-1東京。

東京はとくに守備が強いチームなので気に病み過ぎる必要は無いと思います。山形はディシプリンがしっかりしていて、チームとしてのコンセンサスがきっちり整理されている魅力的なチームです。このようなチームとの対戦は、気持ちいいです。

今日はメインスタンドで観ました。興味深いことに、試合終了後に東京側で引き上げる選手を見ようと集まる地元のかたが多かったことです。試合中も、山形を応援しつつ東京の代表4選手への注目を隠そうとしません。そういうことは、他ではあまりありません。とくによっちのグッズが売れていたようですけど、これは純粋なサッカーへの興味に由来するノーサイドのマインドに寄るもので、鳥栖や山雅が失いつつある純朴性が、山形にはまだ残っています。素晴らしい個性だと思います。ホームサイドの集客はリテンションがテーマでしょうけど、メインは対戦相手の集客力を利用した新規ファン獲得も重要なテーマだと思います。今日は東京サポが押しかけているとかで毎年楽しみな酒菜一さんにはお邪魔できなかったんですけど、変わりに入った花膳さんで、J1に上がった経済効果の、現場レベルでの実感を聞かせていただきました。昨年までとはホームマッチ日のお店の客入りが段違いなんだそうです。昇格と残留を、チーム単体では考えられない事情が地方クラブにはありそうです。

カウンターの課題が残りますけど、日に日に増す守備の安定感は、最終的な戴冠に向け、少なからず下地になりそうです。連戦は、その後に燃え尽きないようペース配分も必要ですから、アウェイでの最大勝ち点獲得は、まずは上々ですね。

さて、北の三連戦、次はこれまた美酒と美食の街、新潟。試合後の狂騒にこころおきなく踊れる結果を得たいものです。


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