ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2015J1リーグ第10節ベガルタ仙台vsFC東京@ユアスタ20150506

2015-05-07 15:20:27 | サッカー

風薫る爽やかな皐月の杜の都、仙台。

仙台から石巻に参りました。

今年3月21日に全線復旧した石巻線で参りましたのは、毎年恒例にしている復興地域の見学、今年は女川です。

女川から仙台に戻りまして今度は北上。本日は北の三連戦最終戦。仙台戦でございます。

本日のYou'll Never Walk Alone♪

本日のカントリー・ロード♪

本日は、ベガッ太さんのお誕生日です。おめでとうございます!。こちらは、CASA VEGALTAの入口に飾ってあります、アイロンビーズで作ったベガッ太さんです。なんとサポーターのかたのお手製だそうです。

ベガッ太さんは凄いです。試合前に相手チームの選手と握手するマスコットはいっぱいいるのですけど、審判団にまで握手して、さらに選手と一緒にアップし始めるのは、日本広しと言えどベガッ太さんだけでしょう。これからも暴れてください。

仙台の猛攻を予定通り凌いだ東京が、ほぼプラン通りの内容で勝ち点3を得ました。優勝戦線に残りました。

東京は今日も攻撃陣を再編成します。シフトはいつも通り。GKは権田神。CBはモリゲとカズ。SBは徳永と宏介。3CHは右から羽生、梶山、ヨネ。今日のトップ下は慶悟です。2トップは今日のよっちの相棒は遼一です。

仙台は前節に菅井が復帰しましたけど、今度は次郎が離脱。期待の新加入の博文もまだ復帰できず。守備陣が満身創痍です。ホントに気の毒。シフトはオーソドックスなスクエアの4-4-2。GKは六反。今日のCBは急造で、本来は共にSBとして起用される多々良と直樹。SBは右に菅井左に今日は二見が入ります。ボランチは富田と梁。メイヤは右に茂木左に野沢。2トップは今日のウィルソンの相棒は奥埜です。

最終ラインに不安満載と言えど、噂通り仙台はアグレッシブです。試合開始から猛ラッシュをしかけてきます。いきなり申し上げますけど、仙台は発展途上のチームです。手倉森さんのカウンターサッカーからの脱却を昨年からのテーマにしています。ただしけして順調ではありません。手倉森さんのサッカーを体現していたメンバーは、少なくともレギュラークラスのクオリティーは高く、ゆえにまずはコンサバティブに、編成を大きく変えることなくスタイルだけを変えようとします。ところがいざチームをリビルドしようとしたら、主力が次々と引き抜かれました。赤嶺はガンバ、角田は川崎、吉彰は磐田に復帰、ヤナギは引退、武藤は浦和、広大は山形。仙台の2012以降の失速は左サイドの主力、パク・チュソンと関口が抜けた穴を埋められず攻撃が右に偏ったことと、世代交代の失敗です。左サイドについては、SBは相変わらず苦しんでいますけど、野沢が入って新しくキーマンになりつつあります。深刻なのはベテラン勢の怪我による離脱です。仙台の仙台たる所以、つまり仙台の心臓部は、角田と富田と菅井です。この三人が揃って怪我勝ちで、安定してスタメンに名を連ねるシーズンは、結局二度とありませんでした。そして今や角田が抜け、菅井も離脱が多く、キャプテン富田の負担がいろんな意味で多くなり過ぎているのではないかと思います。それでも昨年武藤が成長して、これからという時に大幅にチームをリビルドする必要に迫られ、晋さんはホントにしんどいと思います。

さて、渡邉仙台の取り組みは、攻守それぞれひとつずつあります。仙台はまず、守備でイニシアチブを握ろうとします。2トップが前線からフォアチェックをしかけ、サイドに追い込みます。これに守備網が連動するのが仙台の志向するサッカーです。トップの追い込みと同時に、メイヤがSBをチェックします。これでパスミスを誘い、次のパスコースを狙ってトランジションします。トランジションすると、そこからは仙台の十八番。伝家の宝刀ショートカウンターを炸裂します。

ただ、カウンターの形は以前とはちょっと違います。赤嶺、関口、吉彰、ヤナギで組んでいた2011年の手倉森仙台は、アタッカーが連動してダイナミックな動きを見せ、守備網を撹乱して一気にゴールに迫るスタイルでした。

今年の仙台のカウンターは、サイドに基点を作ります。左右でパターンが少し異なります。これはメイヤのキャラクターに依るものです。茂木は純粋なクロッサーのようです。なので、茂木と菅井が入れ替わってクロスをゴール前に供給します。菅井にはカットインからのシュートもありますから、菅井を活かすためにメイヤにはサイドを担当することが求められます。これは吉彰がいた頃から同じ。

左は二見がクロッサーを担います。野沢は内に絞り、攻撃にアクセントをつけます。

攻撃のタクトは梁が振るのと、富田がダイナミックに動いてサードアタッカーとなる点は、手倉森時代と同じです。

仙台の攻撃の取り組みは、大きなサイドチェンジです。仙台はアタッキングサードに入る前に茂木と野沢が大きくパス交換します。相手を揺さぶってアタッキングサードにギャップを作る意図だと思います。

ただ、今日の仙台のアグレッシブネスは、手負いの獅子のように感じました。ベストメンバーならいざ知らず、なにしろ後方の不安を隠せませんから。なので、仙台の猛攻を一定時間耐えることが今日の勝機だと思っていました。

東京はやはり守備を固めます。15分頃にシフトを4-4-2に変更します。サイドアタックのチームに対して、例によってサイドでの数的不利を解消する意図です。野沢がクロスバーにあてたシュートなど、何度かピンチがありましたけど、これで守備が安定します。

25分に、流れが変わる事件その一が起きます。仙台の2トップは、赤嶺とヤナギがいた頃は、どちらかというとウィルソンがサイドに流れて基点になっていました。今日はウィルソンは真ん中に構えて奥埜がチャンスメークします。ウィルソンはカズとマッチアップしてプレッシャーをかけていました。カズは全消し対応していましたけど、唯一、圧力に屈します。カズに倒されて得たPKをウィルソン自身がアテンプトします。これを権田が神セーブ。なんか、ウィルソンがセットしている時からすでに雰囲気がありました。なので、落ち着いて見られました。

ただ、依然仙台に攻撃権があります。そして、決定的な事件その二が起きます。

34分。ペナルティエリア手前左寄りの宏介のFK。東京はペナルティエリアに入った辺りのファアにお団子になるパターンです。ニアから遼一、梶山、よっち、カズ。慶悟がニア、モリゲがファアでちょっと離れ気味に立っています。仙台はゴール寄りに6人、離れて野沢と茂木の2列横陣のゾーン。この手前二人、野沢の背後に慶悟、茂木の背後にモリゲが隠れます。ここがゾーンの落とし穴、勝負の分岐点でした。宏介のクロスと同時に慶悟がニア、モリゲがファアにダイアゴナルに飛び込みます。それぞれフリー。宏介は仙台のゾーンをギリギリ越える絶妙のクロスをファアに送ります。モリゲは右足ダイレクトで地面に叩きつけるボレーを合わせました。スーペルゴラッソ。仙台0-1東京。

これで一気に流れが変わります。東京に攻撃権が渡り、オーガナイズします。不思議なことに、先制された仙台はリトリートします。てか、引き込もります。ここが今日の、実質的なターニングポイントになりました。通常であれば先制されると攻撃に出ますし、東京は攻撃権を渡すチームです。なのでリトリートしたというより、攻撃する意欲を無くしたようにも見えました。

なので今日の東京は横綱相撲で臨みます。滅多に見られないので楽かったです。東京はポゼッションします。シフトを4-3-1-2に戻します。仙台は守備時には4+4の2ラインを引くのですけど、ゾーンディフェンスの連携が無く、ブロックの守備が甘くなります。東京はたぶん、序盤の少ない攻撃時に仙台のウィークポイントを見切っていたんじゃないかと思います。ゆえのポゼッション。仙台の甘々ブロックのスペースを東京のアタッカーが面白いように使って次々と基点を作り、ショートパスがつながります。これには二次的な効果があります。仙台を囲うように攻撃陣形を作れるのでセカンドボールも拾い続けることができます。そして東京が完全に試合を支配します。

見た目にもわかりやすくオーガナイズできた試合は今年初です。前半はほぼ東京の想定通りだったでしょう。リードを保って終了。

後半も流れは変わらず、それどころか東京の優勢を揺るぎなくするゴールが生まれます。

48分。ヨネが二見に倒されて得たPKを、よっちが冷静にど真ん中に決めました。仙台0-2東京。

この時間はゴールショーとなります。

52分。仙台陣内に入った左サイド。遼一が基点になって羽生に落とします。この時すでに宏介が攻撃参加していて遼一の前にいます。宏介は遼一のポストと同時に走り出していました。羽生がそれを見て、アタッキングサードに走り込む宏介の前に落ちる絶妙フィードを送ります。この時ゴール前は、ニアによっちファアに慶悟の二人。それぞれ直樹と二見がついています。宏介に菅井と多々良が寄せますけど追いつけません。宏介はルックアップ。この流れの中で、東京の3人は冷静にタスクを分担します。慶悟はダイアゴナルに飛び込みます。これに二見がつられます。直樹はボールを見ています。ここでよっちはステイ。このため直樹はよっちを見失います。宏介はこれを見逃しません。よっちに送ったクロスはやや流れますけど、よっちはタイミングを合わせて左ダイレクトで振り抜きました。ゴラッソ。仙台0-3東京。

結局このゴールが決勝点になりました。なのでショーとは言え、千金のゴールです。よっちは直前まで別メニューが続いていたらしいのでコンディションが万全ではないと思います。その状況で誰もが望む結果を残すのですから、今更ながらホントにすごいですね。

東京が遠くに行ってしまってから、ようやく晋さんが動きます。まだ後半もはやい時間帯だったし、打ち手がほとんど無い守備の崩れですから致し方無いとも思います。でも攻撃がスタックしていましたし、そもそも仙台の生命線は前線からの守備ですから、アタッカーをはやめにリフレッシュしても良かったかなと思います。茂木に代えてハモン・ロペスをトップに投入。奥埜を右メイヤに下げます。これだけでは状況は変わりません。

先にミステルが動きます。羽生に代えて秀人を投入します。同時にシフトを4-4-2に戻します。仙台の再突撃を予感して、サイドの守備を厚くする意図だと思います。

直後に晋さんも動きます。奥埜に代えて金園を投入します。ポジションは同じ。これが効き始めます。金園は内に絞ります。奥埜をメイヤに置いたのも、インサイドの基点を増やす意図だったと思います。でもたぶん奥埜は前半から走り回っていたので、エネルギー不足だったのでしょう。金園と野沢が代わる代わるバイタルエリアに入り、基点になります。ウィルソンのポスト頼みで攻撃の形がまったく作れていなかった仙台のアタックがつながるようになります。それでも東京の堅い守備網を崩すには至りません。

続いて晋さんが動きます。二見に代えて蜂須賀を投入します。この意図は正直よく分かりませんでした。序盤の二見は、野沢が開けたスペースに積極的に進出して、パワフルなドリブルで徳永と勝負できていました。二見ほどのオラオラ感がない蜂須賀ですけど、まさか守備の安定も無いでしょうからたぶん二見のコンディションでしょう。今の戦力では、実質ロペスと金園しか攻撃のカードが無いのも晋さんの苦悩でしょう。

さて、最終版にミステルがちょっと面白い選択をします。まずよっちに代えて容平を投入します。これは、安全圏に入ったのでよっちのコンディションを考慮したのでしょう。でもそれだけでは無い気がします。容平に出来るだけ多くプレー機会を与えたいんじゃないかと思いました。東京の事情で。

それ自体は流れには影響しなかったのですけど、次の最後の一手が流れを変えてしまうことになります。遼一に代えてまるを投入します。同時にシフトを3-4-1-2に変更します。

これが裏目に出ます。守備のバランスが崩れます。というか、3バックへの移行には慣れているので、あまりにもタイミングが悪かったというべきでしょうか。4+4で高い位置からSBを閉じ込めていた蓋が外れます。加えて、仙台が金園が機能することで再び息を吹き返し、手負いの獅子モードに戻りつつありました。そしてユアスタが沸騰します。

88分。ミッドサードとアタッキングサードの境目付近の梁のFK。仙台はペナルティエリアにかかる辺りに一列横陣です。これに対し東京もゾーンで一列横陣。この形は以前失点しているのでちょっと危ないなと思っていました。梁は大外にフリーでいた多々良にフィードを送ります。多々良はフリックしてゴール前にマイナスに折り返します。これに、みんながゴールに向かうなか、一人ステイしていた直樹が左足ダイレクトで合わせました。ゴラッソ。仙台1-3東京。

もしかすると東京には、もう1点与えてもいいくらいの計算があったかもしれません。そのくらい仙台の猛攻と仙台サポの独特の後押しはヒートアップしていましたから。

90分。菅井からのロングフィードがゴール正面どフリーの野沢に渡ります。アタッキングサードに入ります。野沢にモリゲとカズがつきます。野沢の右前にロペスがいて宏介が見ています。左前のウィルソンは徳永がケア。数的には有利な状況です。この時、野沢のケアでヨネが寄せています。そのヨネの背後を金園が上がってきます。野沢はこれを見逃しません。ロブをペナルティエリア左サイドに上げます。ウィルソンは徳永を引きつけて内に寄せます。なのでロブに金園がフリーで追いつきました。金園に権田が寄せます。その瞬間、金園はマイナスのクロスを折り返します。右サイドでは、権田が出たのを見た宏介がゴールをケアするために下がります。ところが、これでロペスを離してしまい、ゴール正面でどフリーにします。ロペスは金園のクロスを左足ダイレクトで合わせました。ゴラッソ。仙台2-3東京。

むしろ、このゴールで東京の3バックが落ち着いた気がします。WBを下げて5バックにし、仙台にゴール前に入ることを阻止します。仙台の攻撃が散発になるとともに、サポからも吐息が出るようになりました。なにがあったのか、晋さんが退場しました。

ありていに言うと、今の仙台ではここまでがやっとでしょう。サポの願い虚しく、東京が逃げ切りました。仙台2-3東京。

なんとリーグ戦でユアスタ初勝利です。2013年の天皇杯の印象が強いのですっかり忘れていました(^^ゞ。

我ながららしくなく、ものすごく上から目線で言いますと、最後に盛り上がって良かったなと思います。それほど今日の仙台は、東京の先制以降は成す術が皆無でしたから。最終版の熱気は、ミステルが演出したとは言え、むかし昔の青赤部活サッカーを思い出して、とても懐かしかったです。ある仙台サポさんが、今日負けたら選手が普通に帰れないんじゃと心配してましたけど、最後に盛り上がったので、ブーイングはあったけど応援する声も少なくなかったです。

とは言え、正直仙台が心配です。他所者の妄言ですけど、今のプランは闘い方に幅がなさ過ぎます。仙台には戻ることが出来る回帰点があるのですから、もしかしたらはやめの決断が必要かもしれません。選手のタレントもそっちのほうがあっている気がします。

最後にバタつきましたけど、ミステルのある意味確信犯的なミスなので、チームにはまったく影響はないと思います。コンディションが心配ですけど、よっちにゴールが戻ってきました。今日の前線のセットは距離感とタイミングが良くて、しっかり機能していたと思います。もしかしたら懸案の新しい攻撃モデルの軸になるかもしれませんね。

ACLでリーグ戦が無かった浦和にプレッシャーをかけることが出来ました。次は強敵鹿島。順位はともかく挑戦者であることに変わりはありませんから、粘り強く闘って欲しいです。