支持率が10%台に落ち込む中、野田首相は解散を余儀なくされた。民主党政権下の経済3年間はどうであったのか。GDP(国内総生産)は、実質年率3.5%減(2012年7~9月期)の大幅なマイナス。マニフェストに反して、自公との談合で消費税の増税だ。先の見えない暗闇に突っ込むようなものだ。
民主党政権下で貧困はさらに深刻になったと言わざるをえない。
民間企業で年間を通じて働いても、年収200万円にも満たないワーキングプア(働く貧困層)は1000万人を超えて推移している。
09年に1721万人だった非正規雇用は11年には1802万人(被災3件の推計値を含む全国結果)まで増えている。雇用者に占める割合も同じ3年間に33.7%から35.1%へと増加。
1年以上仕事に就けない長期失業者は09年に95万人だったのが、1年後の10年には128万人まで急増している。
重大なのは貧困の進行と同時に、貧困の格差が広がっていること。年間1億円以上の所得がある人たちは1万1107人から1万2750人へと増えている。
自民党政権による貧困と格差の拡大を批判して民主党は政権を実現した。政権交代直後の鳩山内閣が09年12月に決定した「新成長戦略」は「(2000年代の『構造改革』路線)一部の企業が生産性の向上に成功したものの、選ばれた企業のみに富が集中し、中小企業の廃業は増加」「いわゆる『ワーキングプア』に代表される格差拡大も社会問題化」したと述べていた。09年総選挙マニフェストには「時給1000円(全国平均)の最低賃金を目指します」と掲げていたものだ。
しかし、民主党政権は最低賃金の大幅引き上げをはじめ、「格差是正」の具体策はとってこなかったではないか。それどころか、労働者派遣法の改悪など「格差拡大」政策をとってきたのだ。その結果、貧困と格差はますます深刻になってきたといわざるをえない。こんなときに消費税増税の実施では、経済はどん底に落ち込んでしまう。いま、必要なことは雇用を守り、国民の懐を温めること。NECや日本IBMがおこなっているような違法な解雇は政治の責任で止めさせなくてはならない。
※参考 しんぶん赤旗2012年11月14日
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