リコールを届け出たトヨタ自動車の豊田章男社長は9日の記者会見で、「トヨタ車の品質や安全に関して、多くのお客様に心配をおかけしました。改めておわび申し上げる」と陳謝した。が、「ほんの一瞬だけブレーキの抜けがある」「しっかり踏み込んでいただければ」と「欠陥」を認めていないようなことも言う。ほんとうに責任を感じているのだろうかと疑ってしまう。
車は凶器にもなる。現にアメリカでは死亡事故も発生している。「ほんの一瞬が」どれだけ危ないか。車を運転しているドライバーなら誰もが体験しているはずである。ユーザーの不安や心配に心を配らない、トヨタの「感覚」こそ問われている。
また、ユーザーが国交省にプリウスのブレーキの不調を訴えた例は、02年から18件あったという。国交省はこうした訴えをもとにトヨタに対してどのような指導をしてきたのかー。厳しく問われることでもある。
トヨタ社長「抜ける」連発、安全性明言避ける yomiuri online
…トヨタはこの日午後3時30分から、東京・文京区の東京本社で記者会見を開いた。豊田社長は海外のメディアも含め300人以上の報道陣を前に、自分で新型プリウスを運転して今回の問題を確認したことを明らかにし、「表現が難しい。『抜ける』という表現が一番だと思いますが、ほんの一瞬ブレーキが抜けて、止まる。ほんの一瞬です」などと「抜ける」という言葉を繰り返した。同席した佐々木真一副社長も「不具合」という言葉を避けて、安全性に問題があったとの認識をはっきり示さず、「わずかに」「ほんの」などの表現でユーザーの感覚的な問題だということにこだわり続けた。(記事全文はコチラから)
9日の衆院予算委員会でも、トヨタの経営姿勢と政府の責任が指摘されている。
…吉井氏は、トヨタが海外売り上げ比率を伸ばしていくのに比例してリコールが急増している実態を強調し、その背景に、海外工場での現地調達、開発期間の短縮、正社員の非正規への置き換え、下請け単価をアジア単価に引き下げさせるなど、無理な生産の急拡大があるのではないかと指摘しました。
その上で政府の問題として、日本のリコール制度がメーカーまかせでユーザーの安全を守るものになっていないと指摘した吉井氏。これまでトヨタが行ってきた「サービスキャンペーン」(自主改修)は国に通知するだけですみ、公表が必要な「リコール」(回収・無償修理)隠しにつながるとして、トラブル情報を公開し、原因と対策を明示するよう求めました。(記事全文はコチラ)