満を持して望んだ2009年1月31日の世界経済フォーラム年次総会「ダボス会議」の特別講演。美しい日本語をと言ったまではよかったが海の向こうでも読み間違い。この臆面もないところがリーダーたるの用件かも知れない。「決然」を「けんぜん」、「見地」を「かんか」、「基盤」を「きはん」と読んでいたという。
河邑哲也さんの「本と話題」(しんぶん赤旗09年1月21日)を紹介しましょう。
これまで、日本語ブームは何度かあったが、いま、漢字ブームだという。昨年度の「漢字検定」の受験者は270万人。7年前より100万人以上増えているそうです。その主催する財団法人・日本漢字能力検定協会が文部科学省から(公益法人なのに)もうけすぎだと指摘されるほどに。そりゃそうだろう、京都・左京区の南禅寺近くに6億7000万円の邸宅を購入しているほどだ。漢字検定もなんだかうさんくさく思ってしまう。(話がそれてるぞ)
そんななか、漢字本も続々出版されている。1年前に出版された出口宗和著『読めそうで読めない間違いやすい漢字』(二見書房・476円)はすでに13冊に及び、発行部数は49万部という。昨秋、麻生首相の漢字の誤読で、一気に売り上げが増えたと言うのですから、笑いが止まらないとはこのことでしょう。
『読めそうで…』では入門編、研究編にわけていて、たとえば入門編の当て字では「こちとら嫡嫡の江戸っ子でぇ」「翻筋斗うって倒れた」。新聞では当て字は使わないのでお目にかからない。それぞれ「ちゃきちゃきの」「もんどりうって」と読むそうです。これが入門編だというのですから負けず嫌いな方なら、読んでやろうじゃないかという気持ちもおきてくる。
研究編は「漢検1級への道」と銘打つように、常用漢字はあまり出てきません。出てきたとしても読めません。「強ち」「戦く」「阿る」「略」。みなさん、読めますか?それぞれ「あながち」「おののく」「おもねる」「ほぼ」と読むそうです。
ほかに、クイズ形式のものも。現代言語セミナー編『つい他人に試したくなる 究極の読めそうで読めない漢字』(角川文庫・400円)はシリーズ第4弾で、累計50万部という。「某総理大臣にも、是非読んでもらいたい!」とうたいクイズ形式で紹介しています。
たとえば、「行火」「湯湯婆」「褞袍」ー「寒い冬をあたたかくするものです。何と読むでしょう」。答えは「あんか」「ゆたんぽ」「どてら」です。
異色として根本浩著『書けない漢字が書ける本』角川SSC新書・760円)なども紹介されています。
さあ、漢字を覚えて某総理の秘書にでも雇ってもらいましょうか。
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