夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

今年観た映画50音順〈わ行〉

2023年12月31日 | 映画(わ行)
《わ》
『ワム!』(原題:Wham!)
2023年のイギリス作品。Netflixにて配信。
1980年代に洋楽を聴いていた人なら誰でも知っているイギリスのポップデュオ、ワム!
ジョージ・マイケルとアンドリュー・リッジリーの出会いからワム!結成、
世に認められるまでの紆余曲折、ジョージのソロ活動と解散に至るまでのドキュメンタリー。
観はじめて驚いたのが、「私、ジョージ・マイケルの相方の名前知らんやん」ということ。
そうですか、アンドリューという人だったのですね。顔もわかりませんでした。
それだけジョージの印象が強かったワム!だけど、
小学校のときに転校してきたジョージの案内役を買って出たのがアンドリュー。
当時のジョージといえば眼鏡で小太りの少年で、アンドリューのほうがイケてます。
20歳を前にしてヒットメーカーとなるも、モテモテのイメージにじゃまをされて、
曲の評価が低いことに悩んでいたジョージ。
また、19歳のときにアンドリューにはゲイであることをカミングアウトしていたけれども、
なかなか公表はできずにいた苛立ちなども収められています。
ワム!のファンとまでは行かずとも、ワム!を知っている人には興味深い作品。
本作を観てからしばらくはワム!の曲が頭の中を流れっぱなしでした。
 
《を》《ん》
今年もありませんでした。誰か、これで始まるタイトルの映画を作ってくだ〜い。
 
今年も1日たりとも休まずに更新することができました。
毎度おつきあいをありがとうございました。
どうぞ良い年をお迎えください。

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今年観た映画50音順〈ら行〉

2023年12月31日 | 映画(ら行)
《ら》
『ランナウェイ・シーフ』(原題:Chor Nikal Ke Bhaga)
2023年のインド作品。Netflixにて配信。
マックス・アジア航空の客室乗務員ネハは、乗客のアンキットにナンパされ、
最初は鬱陶しく思うも、根気強く誘われるうちに惹かれて交際開始。
気をつけていたはずが妊娠し、アンキットに打ち明けるとまさかのプロポーズを受ける。
喜ぶネハだったが、アンキットには多額の負債があることが判明。
彼はダイヤモンドの保険を扱う会社の社長だが、従業員がダイヤを紛失したため、
その返済を迫られて大変な立場にいると言うのだ。
お互いに別れることなど考えられないアンキットとネハが妙案はないかと考えたところ、
ネハが搭乗する旅客機でダイヤの密輸がおこなわれることを知る。
この場を乗り切るにはそれを盗んで返済に充てるするしかない。
ふたりで万全の計画を立てたうえで、当該便にアンキットも客として搭乗。
計画どおりに上手く進むと思いきや、その旅客機がハイジャックされて……。
こんなの、詐欺師の常套手段じゃあないか。アンキットが明らかに怪しいと思っていたら。
とっくにアンキットに騙されたことを知っていたネハによる、すべてが復讐劇。
信頼のおける男性スダンシュに相談してチームを編成し、偽ハイジャックを仕組んだのでした。
ハイジャック騒ぎを起こし、本物のダイヤを偽のダイヤとすり替えて頂戴する。
密輸を企てていたのは国家の偉いさんで、窃盗の罪はアンキットにかぶせることに成功。
実に小気味の良い仕返しだったけれど、ラストシーンは要らないと思いました。
アンキットも生き残らせておいて続編を作る気なら、かなりウザい(笑)。
 
《り》
『リトル・バットマン クリスマスの大冒険』(原題:Merry Little Batman)
2023年のアメリカ/イタリア/フィンランド作品。Amazonプライムビデオにて配信。
“バットマン”=ブルース・ウェインの息子ダミアンは、父親のようなスーパーヒーローを夢見る少年。
クリスマスイブに父親からベルトをプレゼントされて有頂天。
これはきっと父親が自分も一人前だと認めてくれた証だと信じて疑わないが、
任務に就くように連絡を受けたブルースについて行こうとすると拒否される。
ふて腐れながらも、訓練を積めば父親と共に戦うことが許されるはずだと、
執事のアルフレッドがマシュマロを買いに出かけるように仕向けて家の中で猛特訓。
ところがその折にクリスマスプレゼントを狙う泥棒がやってくる。
応戦したものの、ベルトを盗まれたダミアンは奮起し、ベルトを取り返しに外へと飛び出す。
泥棒はあの“ジョーカー”の手下で、戦利品がベルトだけなのを知って激怒するが、
手下が撮影していた小さなバットマンの動画を見て狂喜。
この小さなバットマンにベルトを奪い返しに来させてホリデーシーズンの街を壊すことを思いつく。
まんまとそれに乗せられて、破壊屋となってしまったダミアンだったが……。
楽しいアニメーション作品です。
最後はダミアンの想い同様にジョーカーが可哀想になってくる。
ジョーカーはゴッサムシティを壊したかったわけではなく、仲間と行動したかっただけ。
手錠をかけられたジョーカーがブルース父子とテーブルに着くシーンに笑った。
アルフレッドの声を担当するのはジェームズ・クロムウェル。もう83歳ですか。長生きしてほしい。
ブルースの声はルーク・ウィルソン。兄オーウェン・ウィルソンより見る機会が少ないけれど、まだ50代前半。頑張れ。
 
《る》
『ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ』(原題:The Electrical Life of Louis Wain)
2021年のイギリス作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
19世紀後半から20世紀初頭にかけて、擬人化された猫のイラストで人気を博した画家ルイス・ウェイン。
英国の上流階級に生まれながら、父親が早世し、6人兄妹の長男だった彼は、
一家の大黒柱となることを余儀なくされる。
純粋で変わり者の彼が恋したのは、長女が妹の家庭教師として雇ったエミリー。
紳士と下流階級の女性の恋愛は非難の的となるが、周囲の反対を押し切ってふたりは結婚。
妹たちとは別に居を構えながらも、絵で稼いだ金を仕送りして家族を支え続ける。
エミリーが乳癌を患ったのをきっかけに猫を飼い始め、ピーターと名付けて可愛がる。
しかしやがてエミリーは他界、失意のどん底にあったルイスは、絵を描くことに没頭し……。
青年時代のルイスから老人のルイスまで、ベネディクト・カンバーバッチが違和感なく演じています。
エミリーにはクレア・フォイ、キレ者の妹キャロライン役にはアンドレア・ライズボロー
また、ルイスの絵を最初に評価したウィリアム卿をトビー・ジョーンズが演じています。
いくら描いても版権は出版社にあったりして、騙されていたといわざるを得ない。
ずっと金の心配をする暮らしを強いられていたことには胸が痛む。
猫が上流階級でも飼われるようになったきっかけは彼の絵なんですね。
 
《れ》
『レンフィールド』(原題:Renfield)
2023年のアメリカ作品。日本では劇場未公開。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
20世紀初頭、不動産弁護士だったレンフィールド(ニコラス・ホルト)は、
つい吸血鬼ドラキュラ(ニコラス・ケイジ)の提案に乗ってしまった結果、
90年経った今もドラキュラのために食事(つまり人間)を用意したり、
ドラキュラが殺されそうになれば駆けつけて守ったりと、すっかり下僕に。
共依存症の人々のグループカウンセリングに参加したレンフィールドが、
パワハラ上司から逃れたいと思い切って打ち明けたところ、人々が後押ししてくれる。
一方、犯罪組織を追っていた女性警察官レベッカ(オークワフィナ)は
殺し屋のテディに狙われたところをレンフィールドに救われる。
レンフィールドのことを英雄と称えるレベッカだったが、
人間を殺戮しつづけている者の正体がドラキュラで、その手下がレンフィールドだと知る。
一旦はレンフィールドを敵視したものの、レベッカの姉カミールが犯罪組織に拉致され、
しかも犯罪組織にドラキュラが接触中だと判明し、
ふたりは協力してカミールを救出、ドラキュラを地獄へ送り込むと決めて……。
ニコラス・ケイジとニコラス・ホルトとオークワフィナまで出演しているのに未公開とは。
でも確かに、劇場で観たいほどの作品ではありません。家でじゅうぶんでした。
ニコラス・ケイジ扮するドラキュラの顔をこれ以上大画面では観たくない(笑)。
 
《ろ》
『六月十三日の夜』(原題:The Night of June)
なんと90年近く前の1932年アメリカ作品が今年DVD化されました。
TSUTAYA DISCASにてレンタル。
スティーヴン・ロバーツ監督と聞いても知らないし、俳優も知らない人ばかり。
なぜに今頃DVD化したのかわかりませんが、確かに面白い。
郊外の町に並ぶ4軒の家、カリー家、モロー家、ストローン家、ブレイク家。
カリー家の主人ジョンの妻エレナはピアニストだったが、
事故で負傷してから情緒不安定になり、夫とモロー家の娘トルーディの浮気を疑っている。
ブレイク家の娘ジンジャーとモロー家の息子ハーバートは恋人同士だが、まだ未成年
両家の母親がふたりの交際に反対しており、口やかましく言われて敵わない。
ストローン家は夫婦と息子、夫の父親が同居しているが、舅と嫁の間で諍いが絶えない。
ある日、嫉妬に駆られたエレナが銃で自殺。第一発見者は夫のジョン。
銃に残された指紋から、ジョンが容疑者として逮捕されて……。
こんな展開で自殺かどうかなんてすぐにわかりそうなものなのに、
そうはならないのがこの時代の作品らしいところだなぁと思います。
ジョンには事件当時のアリバイがあるけれど、トルーディに迷惑がかかるから言えない。
隣人たちもそれぞれ言えない事情があって、それを隠そうとすると、
ジョンに不利な証言ばかりになってしまいます。
裁判が始まってからがとても面白かった。昔の作品もいいなぁと思わされます。

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今年観た映画50音順〈や行〉

2023年12月30日 | 映画(や行)
《や》
『屋根裏のアーネスト』(原題:We Have a Gohst)
2023年のアメリカ作品。Netflixにて配信。
これ、邦題が『屋根裏のアーネスト』なのか『ウィー・ハブ・ア・ゴースト!』なのか不明。
後者の場合は「や行」ではなくて「あ行」の作品になってしまいます(笑)。
Netflixのオリジナル映画一覧では前者になっているので、そっち採用ということで。
夫婦と息子2人、4人家族のプレスリー家は、歴史的建造物だという一軒家に引っ越し。
そのわりに安価なのを訝るが、不動産屋は顔をひきつらせながらながら事故物件ではないと言う。
しかしそれは真っ赤な嘘で、この家の屋根裏にはアーネストという幽霊が住み着いていた。
最初にアーネストと遭遇したのは、次男の高校生ケヴィン。
これまでの住人と同じように脅せば出て行くだろうとアーネストは思っていたのに、
儲け話にすぐに乗っては失敗する父親フランクのせいで引っ越しばかり強いられたケヴィンは、
幽霊などまるで怖くない、自分の今までの人生のほうが千倍怖かったのだからと言う。
アーネストは姿を見せることができても声を発することができない。
しかも記憶障害を起こしており、生前の自分が何者で何が起きたのかさっぱりわからないらしい。
成仏できないのは何か理由があるからにちがいないと、ケヴィンはアーネストに協力を申し出る。
隣家の変わり者女子ジョイも一緒に調べてくれることになり……。
アンソニー・マッキー演じるフランクが終盤まではどうしようもない(最後に挽回するけれども)親父。
長男のフルトンと共にアーネストを利用して金を稼ぐことしか考えていません。
母親のメラニーも夫と長男の行動を黙認しているところはありますが、最後はやっぱりケヴィンの味方。
コメディ色が強い作品を期待していたらそうでもなくて、その代わりにミステリー色が強い。
アーネストがとどまっていた理由が想像以上に悲しいものでした。
なんといってもアーネスト役がデヴィッド・ハーバーですもの。台詞はなくても表情だけで泣かせる。
 
《ゆ》
『赦し』
2022年の日本作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
監督は、インド出身で日本を拠点に活動するアンシュル・チョウハン。
17歳の女子高生だったときに、同級生を殺害した福田夏奈(松浦りょう)は、
20年の刑を言い渡されて7年服役したところ。
弁護団は殺人の事実は認めつつも、未成年の犯罪で20年の刑は重すぎるとして再審請求
事件をきっかけに別れた被害者の両親(尚玄MEGUMI)は再び過去と対峙することを余儀なくされる。
やがて、夏奈は被害者・樋口恵未(鳴海花音)から凄絶ないじめを受けていたことがわかり……。
少年犯罪の加害者と被害者遺族を描いたドラマですね。
こういうテーマの作品を観るとどちらかに肩入れしたくなるものですが、
松浦りょうの容貌は決して美人とか可愛いとかいったタイプではないし、
見た目から同情するようなことにはなりません。
それを監督は狙ってキャスティングしたのかと思うほど。
肩入れはできないけれど、尚玄演じる被害者の父親が、
若気の至りでいじめたら、殺されてもいいというのか」という台詞はすごく嫌でした。
若気の至りならいじめてもいいのかっちゅう話です。そんな言葉で済まさないでほしい。
 
《よ》
『夜明けまでバス停で』
2022年の日本作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
実在のホームレス女性殺人事件をモチーフにした作品で、監督は高橋伴明
居酒屋に長年アルバイトとして勤務する北林三知子(板谷由夏)。
アクセサリー作家でもあり、如月マリ(筒井真理子)が経営するカフェで教室も開いているが、
コロナの煽りを受けてどちらもしばらく休業に追い込まれてしまう。
その結果、三知子は同僚の小泉純子(片岡礼子)や石川マリア(ルビー・モレノ)と共にクビに。
介護施設での住み込み職員にオンライン面接で採用されて安心したのも束の間、
出勤してみるとコロナ禍で雇えないと言われて途方に暮れる。
住むところも金もなく、それを誰にも言えず、インターネットカフェまでもが休業中。
致し方なく長距離バスが出払った後のバス停で過ごす日々が続くのだが……。
居酒屋チェーンの社長の息子を演じるのが三浦貴大
役だということを忘れるぐらい嫌な奴で、しばらく彼の顔を見たくない(笑)。
同類かと思われた店長の寺島千春(大西礼芳)を途中から大いに応援しました。
「元気なんてありません。ランチするお金なんてありません」、そう言えたら。
でも言えたからって、誰が助けてくれるのでしょう。
そりゃ爆弾のひとつも作って何もかも吹っ飛ばしたくなるわ。
根岸季衣柄本明など、公園に集うホームレスに励まされるけど、現実はこんなもんじゃ済まないのかな。

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今年観た映画50音順〈ま行〉

2023年12月30日 | 映画(ま行)
《ま》
『マジック・マイク ラストダンス』(原題:Magic Mike's Last Dance)
2023年のアメリカ作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
チャニング・テイタムが自身の体験をモチーフにした“マジック・マイク”シリーズ最終章。
シリーズ第1作を撮ったスティーヴン・ソダーバーグが監督に返り咲き。
男性ストリッパーとして大人気を博しながら破産してすべてを失ったマイクは、
資産家女性マックスの豪邸で催されるパーティーにバーテンダーとして雇われる。
マイクの過去を聞きつけたマックスは、試しに踊らせたマイクに魅了され、
元夫から権利をもぎとったロンドンの劇場でストリップダンスショーを興行したいと考える。
由緒正しい劇場でこのようなショーを成功させようとするとさまざまな横やりが入るものだが、
マイクとマックスは協力してなんとか話を進めて行き……。
ソダーバーグ監督復帰ということで期待して観ましたが、第2作同様にぐだぐだ。
それでもやはりストリップダンスショーというのは楽しいもので、
そのパフォーマンスは結構見応えがあります。
確か昔は整形しないことを公言していたはずですが、絶対やってるでしょ。
これ、サルマ・ハエックかなぁと確信を持てないまま最後まで。触ってないならすみません。(^^;
 
《み》
『ミッドナイト・マーダー・ライブ』(原題:On the Line)
2022年のアメリカ作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
2023年1月に開催された“未体験ゾーンの映画たち 2023”にて上映されました。
エルヴィスは、生放送でリスナーからの相談を受ける深夜ラジオ番組のDJ。
女性アシスタントのメアリーと長らくコンビを組んできたが、
ある日、青年ディランが新アシスタントとして加わることに。
リスナー男性からの電話をディランがエルヴィスへと取り次ぐと、様子がおかしい。
その男性はゲイリーと名乗り、メアリーの前任者ローレンの恋人だったと言う。
エルヴィスのせいでローレンは仕事を辞めたあと自殺したとの言い分で、
エルヴィスの自宅に侵入したゲイリーは、妻子を人質に取ってラジオ局へと向かい、
建物のあちこちに爆弾を仕掛ける。ゲイリーを探すエルヴィスとディランは……。
丸ごと全部、新人イジメのドッキリでした。
と思いきや、実は騙されていたのはエルヴィスのほうだということが最後にわかります。
ここまでのドッキリ悪趣味すぎる。
人もいっぱい死んで(ないけど)、退屈はしないけど、とても嫌な感じが残ります。
何をやっているんだか、メル・ギブソン
 
《む》
『ムーンシャーク』(原題:Shark Side of the Moon)
2022年のアメリカ作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
1984年にソ連は冷戦の対米兵器として“ハイブリッドシャーク”を開発。
それはサメに足のついた鮫人間で、兵士として出動させる予定だった。
戦闘能力はもちろんのこと、知的能力も信じられないほど向上し、
ロシア語の読み書きもできるまでになった鮫人間がある日暴走。
何十頭という鮫人間を海に逃がしては大変なことになると、
セルゲイ博士はロケットに鮫人間を誘導して月へと飛び立つ
それから40年が経ち、女船長のトレスが率いるNASA宇宙船が月へと向かう。
ところが途中で何者かによって航路を妨害されて月の裏側へと不時着
そこでは鮫人間たちが文化を築き上げ、町を生成していたが、そんなことをトレスたちが知る由もない。
鮫人間に襲われて命を落としそうになったところを救ってくれたのがセルゲイとその養女アクラで……。
まったくもってバカバカしい。観る前からC級臭が漂っていましたが、まぁ、嫌いじゃない。
こんなアホくさい作品でよくも真面目に演技できるよなぁと思わずにはいられません。
鮫人間に足を食いちぎられようとも冷静な船員ヘンリーには度肝を抜かれました(笑)。
原題の“Shark Side of the Moon”ってなんだかシャレてますよね~。
 
《め》
『女神の継承』(英題:The Medeium)
2021年のタイ/韓国作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
タイ東北部イサーン地方の村を訪れたドキュメンタリーチームという設定のモキュメンタリー
村人が崇拝する地元の神バヤンの精霊の霊媒であるとされる女性ニムに取材する。
あるとき、ニムの姪ミンに変調が見られたことから、
ミンの母親ノイ(=ニムの姉)は霊媒の代替わりの時期が来たと考える。
ところが、ニムによれば、ミンはバヤンではなく悪霊に取り憑かれていると言い……。
原案と製作を務めたのは、『チェイサー』(2008)、『哀しき獣』(2010)、
『哭声/コクソン』(2016)のナ・ホンジンだけあって、さすがに怖い。
画面を凝視したら絶対眠れなくなるので、しばしば目線をずらしながら観ました。
何の悪霊かと思ったら、昔、ノイの夫の先祖が村人の首をはねまくっているのですと。
それで、人間のみならず動物や虫までもが一族を恨み、末代まで祟ると決めた。
バヤンの霊媒となり得るノイは夫の先祖のことを知らずに嫁ぎ、
霊媒となることを拒んでキリスト教信者となった過去がある。
それもこれも、祟りの一環でノイが霊媒となるのを阻止されたのでしょうか。
祟られたノイの夫がまず死んで、息子は妹との近親相姦に苦しんで自殺。
こうして一族が次々と不審死を遂げ、残った娘が取り憑かれる。ラストは阿鼻叫喚。
お祓いは成功せずにみんな悪霊にやられちゃいますよん。
悪いことをしたら祟られる。怖っ。凄まじいバッドエンド。(T_T)
 
《も》
『森の中のレストラン』
2022年の日本作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
訳あって、森の中で首を吊って自ら命を絶とうとしていた京一(船ヶ山哲)は、
通りかかった猟師・欣二(小宮孝泰)に救われる。
欣二をオーナーとする森の中のレストランでシェフを務めることになった京一。
フランスの三つ星料理店に在籍した経歴を持つ彼の料理を食べに遠方から客が来るほどの賑わい。
一方で、夜に訪れる一人客はここで好きなものを食べてから自殺するつもりで、
「最後の晩餐」にありつくための店としてひそかに有名。
ある日やってきたのは、母親と共に父親から虐待を受けている少女・紗耶(畑芽育)。
死にきれずにいたところを京一と欣二に拾われ、このレストランで働き始めるのだが……。
京一が死のうとしていたのは、愛娘を喪ったからでした。
しかも愛娘は飛び降り自殺者の巻き添えを食らって亡くなっています。
本作で長編映画デビューを果たした泉原航一監督は、
ゲートキーパー(自殺の危険を示すサインに気づいて必要な支援につなげる人)という言葉があることを知り、
映画を撮るテーマとしてそれを選んだとのこと。
ラストで京一が愛娘を喪う原因となった青年の親をレストランに招待するシーンにちょっと考えさせられました。
そうですよね、子どもを喪って悲しいのはこっちだけじゃない。
向こうも同じように子どもを喪っているのに、謝ることしかできないのですから。

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今年観た映画50音順〈は行〉

2023年12月29日 | 映画(は行)
《は》
『ハート・オブ・ストーン』(原題:Heart of Stone)
2023年のアメリカ作品。Netflixにて配信。
MI6の秘密諜報員チーム、パーカー、ベイリー、ヤンと組む新人IT部員ストーンは、
実は国家を超越した秘密諜報機関チャーターのハート部門のエージェント。
ハートは世界の全情報をハッキングできる量子コンピュータ“ハート”を守っている。
あるとき、MI6のシステムが何者かによってハッキングされ、
追跡の結果、インドの犯罪組織に関わるケヤ・ダワンがハッカーだと判明。
ダワンの狙いはまさしくハートで、ハートを奪われれば世界が危ない。
MI6チームはダワンを追ってリスボンに向かうが、ハートを狙う組織に襲いかかられる。
ITしか扱えない部員を装っていたストーンはやむを得ず戦闘能力を発揮し、
チームのメンバーたちは、ストーンがチャーターのエージェントであることを知る。
ハートを守るという目的は同じだとして行動を共にしようとするが、
チームを裏切ってダワンと組んでいたのがパーカーだった。
ベイリーとヤンはパーカーにあっけなく殺され、ストーンはパーカーを憎む。
また、MI6メンバーを殺すとは聞かされていなかったダワンも、パーカーのやり方に疑問をおぼえ……。
ストーン役はガル・ガドット。ダワン役は『RRR』(2022)でシータを演じたアーリヤー・バット
アーリヤー・バットは30歳だというのに、まだ子どもの天才ハッカーの雰囲気です。
ガル・ガドットって、身長が180cm近いのにカワイイ。美人。素敵。
大画面で観たい作品だから、劇場公開してほしかったなぁ。
 
《ひ》
『人質 韓国トップスター誘拐事件』(英題:Hostage: Missing Celebrity)
2021年の韓国作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
韓国の国民的俳優ファン・ジョンミンが若者5人組に拉致監禁される。
目的はもちろんカネで、ジョンミンの口座から送金せよと言う。
犯人グループはこれより前にとあるカフェに押し入っており、誘拐された店主はすでに殺害され、
共に誘拐された従業員女性パク・ソヨンの行方を警察が捜していた。
ジョンミンが監禁された小屋にソヨンの姿もあり、
ジョンミンはなんとか自分と彼女の命を救おうとするのだが……。
ファン・ジョンミンが本人役を演じる異色のサスペンスアクションで、とても面白い。
犯人から身代金にいくら出すかと聞かれたジョンミンは、5億ウォンと答えます。
日本円にして5千万円ぐらいだからえらく安いなと思ったら、
送金の1日の上限が5千万円なのですと。それを超えると疑われるよと犯人を言いくるめる。
ソヨンは37回就職試験を受けてようやく採用されたばかりで、父親が喜んでくれたのにと涙ぐむと、
ジョンミンが下積み時代にオーディションを100回受けた、自分は田舎出身で、不細工で、
だけどここまで来たよなんて話すところはしんみりしましたね。
同じく本人役でパク・ソンウンがカメオ出演しているのも楽しいです。
 
《ふ》
『ファミリー・スイッチ』(原題:Family Switch)
2023年のアメリカ作品。Netflixにて配信。
ウォーカー家は4人家族。
夫ビル、妻ジェス、長男ワイアット、長女CC、次男はまだ赤ん坊のマイルズ。
クリスマスには揃って歌い踊るビデオを撮る仲良し家族だったはずが、
長男も長女も親の余興につきあう年齢でもなくなり、まったくやる気なし。
このままでは家族がバラバラになってしまうとジェスが懸念していた折、
謎の占い師アンジェリカと出会ったのをきっかけに、
天文台望遠鏡を覗きながらそれぞれがふて腐れたままひそかに心の内を明かす。
翌朝目覚めると、なんと家族の体が入れ替わっているではないか。
ジェスとCC、ビルとワイアット、そしてマイルズはなんと飼い犬のピクルスとチェンジ。
見た目はそのままなのに、中身が入れ替わってしまった4人と1匹は、
何もわかっちゃいないマイルズとピクルスを除いて右往左往。
よりによってその日は4人それぞれにとって人生で最も大事と思われる日。
ビルはおっさんバンド“ダッド・オア・アライブ”のレコード契約がかかる日で、
ジェスは昇進をかけたプレゼンテーションの日。
ワイアットは飛び級で大学入試を受ける日で、CCはサッカーのトライアウトの日。
今まで縁のなかったことをこなせるはずもなく、絶体絶命と思われたが……。
誰かと体がスイッチするという設定は全然目新しくないですよねぇ。
2人きりじゃなくて家族全員の体が入れ替わる点だけが新しい。
でもこういう話は何番煎じであろうと心は温まるもの。
相手の立場になってみなければわからないことがこうしてわかる。
 
《へ》
『蛇に濡れる女』(英題:Obsessed)
2022年のロシア作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
ある夜、自由奔放な監察医リザが友人マーシャを乗せて車を走らせていたところ、
道路の真ん中にヌボーッと立つ全裸の若い女性に出くわす。
危うく轢きかけて怒鳴ろうとするも、明らかに様子がおかしいその女性を放っておくことはできず、
リザは自宅へと彼女を連れ帰って介抱した後、関係を持つ。
後日、殺人事件現場へ検死のために赴いたリザは、遺体があの夜の女性であるのを見てびっくり。
検死の結果、死因は窒息死で、体内からは強力な筋弛緩剤が見つかる。
また、遺体の胸部には薬剤を用いて建物の写真が焼き付けられていた。
リザは刑事たちとともに事件を解決しようとするが、同一犯の仕業とおぼしき殺人が次々に起こる。
しかも被害者はすべて、リザが肉体関係を持った相手ばかりで……。
ロシア作品を観る機会はそうそうありませんから、まぁまぁ期待を抱いて観はじめました。
車に乗ってハイスピードでぶっとばす冒頭シーンなどは夜景も美しくて爽快。しかし後が続かない。
なんといってもこの邦題ですもの、エロティックサスペンス狙いであることは明らか。
リザは相当のヤリマンで(笑)、でも凄い美女というわけでもなければ色っぽくもない。
途中、「犯人がわかった」と言い出すけれど、驚愕(でもないか)の多重人格オチ。
少女の頃から継父に性的虐待を受けていたリザがマリアという女性を生み出し、
リザとは違って残虐な性分のマリアが犯行を重ねていたのだよということで。
なんか、この手のロシア作品は暗いだけでありきたり、つまらない気がします。エロ不要。
 
《ほ》
『炎のデス・ポリス』(原題:Copshop)
2021年のアメリカ作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
ネバダ州の砂漠の真ん中に建つ小規模な警察署、ガンクリーク警察署。
ある夜、路上で暴れている男がいるとの知らせに女性警官ヴァレリーが急行すると、
男はヴァレリーに殴りかかり、応酬したヴァレリーに捕らえられて留置所へ。
調べてみると男はテディという詐欺師
22回も逮捕されているのに1回も起訴されていないのは何かある。おかしい。
するとその直後、泥酔した男が車で警察官を轢きかけて放り込まれてくる。
実はこの男は殺し屋のボブで、泥酔は演技。
大物を繋ぐフィクサーのテディは組織を裏切って追われる身で、
殺されないようにわざと警官を殴って留置所に入り、
テディを殺すために雇われたボブも留置所に入るために泥酔を装っていたのだ。
ところがテディの始末を命じられた別の殺し屋アンソニーもガンクリークにやってくる。
サイコパスのアンソニーは、署内に乗り込むと警官を見つけては撃ち殺す。
アンソニーと撃ち合いになり、重傷を負いつつ留置所に逃げ込んだヴァレリーは、
テディとボブのどちらかに救急セットを取りに行ってもらわねばならなくなり……。
詐欺師のテディは善人なのかと終盤まで思わされますが、実はこいつがいちばんクズ。
殺し屋のほうが詐欺師より信用できるんだわと思いました(笑)。
まるでジェラルド・バトラーの主演作品のような触れ込みですが、
観れば主役はヴァレリー役のアレクシス・ラウダーでしょう。
ヴァレリーがボブを追走するシーンで終わるから、続編もあるのかも。

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