夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ザ・メニュー』

2022年11月27日 | 映画(さ行)
『ザ・メニュー』(原題:The Menu)
監督:マーク・マイロッド
出演:レイフ・ファインズ,アニャ・テイラー=ジョイ,ニコラス・ホルト,ホン・チャウ,
   ジャネット・マクティア,ジュディス・ライト,ジョン・レグイザモ他
 
仕事帰りにイオンシネマ茨木にて2本ハシゴの2本目。
前述の『ある男』の次に。
 
知らないのですよ、マーク・マイロッド監督。
何を撮った監督なのだろうと調べてみたら、ほとんどがTV番組。
過去に3本撮っている劇場映画のうち、2本は日本未公開。
あと1本はサシャ・バロン・コーエン主演の『アリ・G』(2002)だけど未見です。
あらすじをチラリと読んだら主演が主演だからふざけています。
本作の主演はレイフ・ファインズゆえ、そういうふざけ方ではないはず。
でも超ブラックでした。凄絶(笑)。
 
太平洋岸の孤島に存在する高級レストラン“ホーソン”。
船でなければたどり着けないこの島に今宵招待されたのは8組の客。
なかなか予約が取れない有名店に招かれて、皆、鼻高々。
 
そんななか、店の凄さをわかっていない唯一の客がマーゴ。
グルメ評論家や俳優などセレブたちが並び、
マーゴを誘った男性タイラーも自らの舌に自信を持つ美食家だが、
シェフのスローヴィクが出す料理にマーゴは一向に魅力を感じず。
 
ラグジュアリーな雰囲気でスタートしたディナーに、やがて不穏な空気が漂い始める。
どうやらここに集められたのはスローヴィクが恨みを持つ客たちばかりで……。
 
アミューズからメニューを見せられる形式なのが楽しい。
マーゴは魅力を感じない料理でも、やっぱり料理が出てくる映画は外せません。
 
以降ネタバレを含みますのでご注意ください。
 
完璧なディナータイムを計画していたスローヴィクにとって、
本来の招待客の代理としてやってきたマーゴは受け入れがたい。
彼女のせいで計画が台無しになってしまうと考えてマーゴを呼びつけ、
奪う側と与える側、どちらの側につくか決めろと迫ります。
 
スローヴィクから恨みを買っていた理由がさまざまで、中には理不尽なものも。
つまらん映画に出ていたから許さないとか、ちょっと気の毒ですけどね(笑)。
 
ひとり1250ドルの食事を何度もしにくるような客でも、前回食べたものをひとつも覚えていない。
自分の料理は褒めてくれたけど、ほかの才能ある料理人を何人も潰した。
不正を働いて金を儲けておいて、オーナーの肩書きを自身のものと勘違いしている。
そしてアルコール漬けの母親もスローヴィクが憎んでいるうちのひとりです。
 
レストランのスタッフを含めて全員死ぬことが企図された夜、
マーゴは自分はターゲットではなかったのに殺されてしまうことを知ります。
さてこれをどう乗り切るか。
 
マーゴ役のアニャ・テイラー=ジョイ、私にはまだ『ウィッチ』(2015)のイメージが強いですが、
不思議な魅力を持つ女優だと思います。
落ち目の俳優役のジョン・レグイザモは悲壮感漂って可笑しい。
タイラー役のニコラス・ホルト『トップガン マーヴェリック』でルースター役に名前が挙がっていたそうだけど、
こうしてポヤンとした顔を見ると、やっぱりルースターはマイルズ・テラーですね。
 
結局、いちばん美味しそうだったのはハンバーガーか。
こんなふうに食べてもらうことこそ、シェフの望みなのかもしれません。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『ある男』 | トップ | 『母性』 »

映画(さ行)」カテゴリの最新記事