夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

怪しいドリンク、レッドブルって

2006年04月28日 | 映画(番外編:映画と食べ物・飲み物)
最近気になっていたのは栄養ドリンク、レッドブル。
発祥国はタイで、いまや世界でいちばん売れているドリンクです。
それが日本にもやっと上陸。
今月初めからセブンイレブンで販売されるようになりました。

原価5円と噂されるこのドリンクは、世界中で儲けに儲けて
昨年からはレッドブル・レーシングなるF1チームも持っています。
ダンナがモータースポーツを見てレッドブルが気になる一方、
私は映画に登場するゆえに気になっていました。

『終わりで始まりの4日間』(2004)は
若手俳優ザック・ブラフの監督・主演作。
日本では劇場未公開でしたが、『チキン・リトル』(2005)で
彼がチキン・リトルの声役に抜擢されたため、
このたびDVD化されたようです。

精神安定剤を常用する三流役者のアンドリューが
母が亡くなったとの連絡を受け、9年ぶりに帰郷します。
旧友に再会するも、浮いた感のある彼の前に現れたのは
ナタリー・ポートマン演じる風変わりな少女サム。
緑の美しいニュージャージーを舞台に、
ふたりの過ごす時間を綴ったコメディです。

アンドリューのバイトするロサンゼルスのベトナム料理店で、
横柄な若い客たちが揃って注文するのがレッドブル。
これはさっそく私も飲んでみなければ。

日本での販売価格は250ml缶、275円。高っ!
味は普通の栄養ドリンクと何ら変わりはありません。
リポビタンDとか、オロナミンCとか、そんな味。
それがなぜにこんなに売れるのか。

そもそも世界中で爆発的に売れたのは
レッドブルの怪しいウワサのようです。
2本以上飲むと死に至る危険があり、死亡者が続出したとか、
販売を禁止した国もあるとか、ドラッグのようにクセになるとか。

これらは単なるウワサではありません。
カフェインが多量に含まれているので、
摂取しすぎると本当にヤバイみたい。

レッドブルで思い出したのはカーフェソフト。
これはつまりカフェインの錠剤で、薬局で普通に買えます。
眠気ざましに効くと聞き、昔、夜中のドライブ中、
ダンナが服用してみたことがあります。
そしたらマジで効きました。目、ギンギン。
でも、あきらかにテンションが高い。集中力皆無。
オ~イ、戻ってこ~い!みたいな感じ。

レッドブルもカーフェソフトも、宣伝どおりの
試験勉強中の学生や長時間の運転にはどうだかなぁ。
「目」だけ開けていないと困るってときにはどうぞ。
血走りますけどね、目。

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女なら、言われてみたいこんな台詞。

2006年04月25日 | 映画(番外編:映画と邦題・字幕・台詞)
ここ数ヵ月の間に観た映画で、グッときた台詞はいろいろ。
そんななかで、おそらく既婚の女性なら、
夫から言われてみたいであろう台詞ふたつ。

詳しい台本を用意しないことで有名な
マイク・リー監督の『ヴェラ・ドレイク』(2004)。
そろそろレンタル店の新作棚から落ちる頃。
1950年代のイギリスを舞台にした作品です。

労働者階級に属する中年主婦、ヴェラは、
化粧っけのまるでない、慎ましく優しく朗らかな女性。
家族を何よりも大切にし、家政婦として働くかたわら、
困っている隣人にも無償の愛を注ぎます。
そんな彼女には家族にも言えない秘密がありました。
望まれない妊娠をした女性たちに、
ヤミで中絶手術を施していたのです。
あるとき、それが世間に知れ渡ることになり……という物語。
中絶の是非よりも、家族のありかたがテーマになっています。

グッときた台詞は夫とその弟の会話のなかで。
「ヴェラの心は黄金だ。兄貴は幸せだよ」と言う弟に対し、
ヴェラの夫は「いや、ダイヤモンドだ」。

もう1本は『トラブル IN ベガス』(2004)。
ピンクレディ化粧品のカリスマ販売員、ハーモニー。
幼い頃からエルヴィス・プレスリーには特別の想いを抱いています。
美のスーパー・アドバイザーとして講演するために
彼女がピンクのキャデラックで全米を巡っていると
行く先々で遭遇するエルヴィスのコスプレをした人びと。

彼らはもうすぐラスベガスで開催される、
エルヴィスのそっくりさん大会の出場者。
そしてハーモニーと関わるエルヴィスのそっくりさんが
なぜか彼女の前で次々と不慮の死を遂げます。
口紅が額に突き刺さったり、郵便箱が脳天を直撃したり。
自分が疫病神だと思ったハーモニーは
次に出会ったコスプレ男との恋もあきらめようとしますが……。

映画としては至って並みの出来のコメディですが、
メンフィスのバーベキューにはイカレました。
久々に帰郷したハーモニーを母は食事に誘います。
メンフィスでいちばんのバーベキューを食べさせる店。
そのバーベキュー・バーガーを食べながら、
母と娘が交わす会話。

母「ほんとに罪な味よね」。
娘「パパがいつも言ってた。
  このバーベキューとママの腕の中は
  この世の天国だって」。

これらの台詞のポイントは、2作とも
「本人のいないところで口に出された言葉」だということ。
いないところで言われたと後で知ったら、
そりゃもう涙。

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『キング・オブ・ロストワールド』

2006年04月22日 | 映画(か行)
『キング・オブ・ロストワールド』(原題:King of the Lost World)
監督:レイ・スローナー
出演:レット・ガイルズ,ジェフ・デントン,ブルース・ボックスライトナー,
   サラ・リービング,クリスティナ・ローゼンバーグ他

“キングコングとジュラシックパークの迫力が襲う、
モンスターパニックの決定打!”
……DVDの売り文句は期待できそう未公開のB級。
しかし実際は驚きの超ドC級だったのであります。

オープニングロールは海の上空。
と思うまもなく、飛行機が崖にぶち当たって墜落。
機体は大破するも、やたらと生存者多し。
「怪我はないか」って、あるに決まってるやろ。
「もう大丈夫だ、落ち着け」って、どこが大丈夫やね~ん。

ここで画面はいきなりジャングルへ。
どうやら機体は崖のこっち側とあっち側、真っ二つに割れた模様。
先に映し出されていたのは機体の後方部、
いま映し出されているのは前方部が落ちた場所。
気を失っていた客室乗務員が目を覚ますと、
巨大ゴリラが襲ってくる。ここまでわずか3分30秒。

さて、ふたたび後方部。
救援を呼ぶためには通信機が必要。
通信機のあるコックピットは前方部。
ならばみんなで前方部へということで、
後方部の一団はジャングルへと向かうのであった!

……まず名前が全然わからん。
ジョンとエドは最初に紹介しあってたけど、そのほかは?
「ジャニンを残していけないわ」とか
「ルシアに任せるわ」とか涙目で言うてるけど、それ誰よ。
サマリーって?ほならナタリーは?デイナは?あーれー。

ジャングルに入るとまず巨大グモが出現。
不用意にクモの巣に手を触れた人は、
あっというまに糸で巻き巻き状態に。
続いて人食い植物が出現、今度は蔓で巻き巻き状態に。

ひっくり返りそうになったのは40分を経過した頃。
巨大サソリにぶった切られてジョン、昇天。
アンタ、主役やったんとちゃうんかい。

さらには怪しい原住民が出てきて、
翼竜に生け贄として差し出すために
一団を次々とさらってしまうのであります。

最後は巨大ゴリラと翼竜と戦闘機、
勝利を手にするのはどいつだ?って、
どいつでもええっちゅうねん。

ええい、ラストもバラしちゃお。
生き残った3名はジャングルを抜け出る手段なし。
女「ここで死ぬのね」。
男「今日は死なないさ」。
なんで言い切れるねん。

めまぐるしい展開やのに
眠たくなるってどーゆーことよ。
こんな作品が完成して世に出たことに
ある意味、感服。わおっ!

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『そして、ひと粒のひかり』

2006年04月20日 | 映画(さ行)
『そして、ひと粒のひかり』(原題:Maria Full of Grace)
監督:ジョシュア・マーストン
出演:カタリーナ・サンディノ・モレノ,イェニー・パオラ・ベガ,ギリエド・ロペス他

アメリカとの合作ではありますが、
珍しいコロンビア映画です。

17歳の少女マリアは農園で働く。
市場に卸すバラの刺を削ぎ落とす仕事。
家では母と乳児を抱える姉がマリアの帰り待っている。
稼ぎのほとんどを家に入れているにもかかわらず、
母も姉もそれが当然といった表情。

ある日、勤務中に気分の悪くなったマリアは
トイレに行きたいと申し出るが、上司は許可しない。
仕事の遅れを罵られるうち、マリアは嘔吐してしまい、
怒った上司は汚れたバラをマリアに洗わせる。

ばかばかしくなったマリアは仕事を辞める。
啖呵を切ってみたものの、他にあてがあるでもなく、
しかもどうやら妊娠したようだ。
交際中の相手を別に愛してはいないし、
結婚したって先にあるのは姉のような暮らし。

これからのことを思い悩んでいるところへ、
知り合ったばかりのフランクリンが声をかけてくる。
「麻薬密輸組織の元締めを紹介する」との言葉に、
最初は断りながらも報酬に惹かれて話を聞きにいく。

それは「ミュール」と呼ばれる1回5,000ドルの仕事。
ヘロインを詰めたブドウ大の袋を50~60粒飲み込んで、
コロンビアからニューヨークまで運ぶのだ。
十分に家族を養っていけるその報酬額に
マリアは引き受ける決意をする。
のちに友人のブランカも同じく仕事を引き受けたことを知り……。

おもしろいのは、マリアもほかのミュールたちも
麻薬自体にはまったく興味がないということ。
たいていの麻薬絡みの作品は、ヤク中の主人公が
ボロボロになって更生して……って感じで、
それはもう観るのが辛くて苦手なのですが、
ヤク自体には興味がないのに、
それを胃に詰め込むミュールの姿はヤク中より凄惨です。
袋を傷つければ自分の胃の中で破裂して死に至る。
そうならないために、ブドウを袋に見立てて飲み込む練習。

南米の映画を観ると、いつもそのパワーに圧倒されます。
生きるか死ぬかの瀬戸際で暮らす人たちからは
死ぬことをも恐れない強さを感じ、
だから生きることの意義がより強く感じられます。

カトリック系キリスト教の国で、
マリアという少女が子どもを宿す一方、
同じ体内にヘロインを詰め込み、生き抜こうとする。
そのラストは綺麗事に終わらず、
でも希望を見せてくれる優れもの。

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カンノーロを食べてみた。

2006年04月17日 | 映画(番外編:映画と食べ物・飲み物)
週末、立ち寄った神戸方面の洋菓子店で
目に飛び込んできたのがカンノーロ。
前々から気になっていたものの、
そのお店では1日限定30本のみの販売。
いつもショーケースを覗いて、
お盆いっぱいに盛られているときにはソソられず、
売り切れになっているときに限って食べたいと思う。
人の心理ってそんなもの?
この日は残すところあと2本。迷わず購入しました。

カンノーロはシチリアのお菓子です。
気になっていたのは『ゴッドファーザー PART3』(1990)に登場するから。

アル・パチーノ演じるマフィアのドン、マイケル。
しかし、息子のアンソニーは跡継ぎとなることを望まず、
オペラ歌手になりたいと言います。
マイケルは後継者として甥のヴィンセントを指名し、
それが原因で内部抗争が勃発。
アンソニーがオペラ歌手としてデビューを飾る日、
息子の晴れ姿を見に来たマイケルと彼の命を狙う殺し屋。
パレルモのマッシモ劇場が悲劇の舞台となります。

さて、こんなストーリー中、マイケルの妹コニーが、
名付け親でありながら、いまや敵対する間柄のアルトベッロを
殺害するために使うのがカンノーロ。
アルトベッロはコニーの差し出すカンノーロを警戒しますが、
コニーがみずから口をつけるのを見ると安心して手を出します。
嬉しそうにほおばるも、毒にやられて息絶え絶えに。

カンノーロの見た目はコルネみたいな感じです。
薄いパイ風生地をくるりと巻いてパリッと揚げ、
リコッタチーズ入りのカスタードクリームをたっぷり。
本場ではここに砂糖漬けのフルーツが入り、
そのフルーツの種類はお店によって異なるとか。
このお店のものにはレーズンが入っていました。
洋酒の香りがほんのり、粉砂糖がまぶされています。

ひと口食べたコニーがなぜ大丈夫だったかをバラすと、
この片側にだけ毒を盛っていたんですね。

生地サクサク、クリームしっとり、旨いです。
でも油の匂いが少し鼻をついて、
なんだか知ってるような味と匂いやなぁと思ったら、
そう、まさにアレ、箕面の紅葉のてんぷら。

初めてのカンノーロはとても美味でしたが、
どうしても紅葉のてんぷらを彷彿とさせます。
あれはあれで好きですが、シチリアのお菓子を食べて
箕面の猿を思い出してしまうとは。
てなわけで、同じお店のものなら、ナポリのお菓子、
スフォリアテッレやパスティエーラのほうがより美味し。

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