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『フローズン・グラウンド』

2020年05月22日 | 映画(は行)
『フローズン・グラウンド』(原題:The Frozen Ground)
監督:スコット・ウォーカー
出演:ニコラス・ケイジ,ジョン・キューザック,ヴァネッサ・アン・ハジェンズ,
   ディーン・ノリス,ジーア・マンテーニャ,ラダ・ミッチェル他
 
 
2013年のアメリカ作品。
ニコラス・ケイジって、相変わらず映画に出まくっている様子。
高く評価される作品は最近まったくないけれど、別に最近に限らんか。
言われたって気にしない、その姿勢は潔いのかもしれません(笑)。
 
私はどうやらタイトルに「フローズン」と付くとスルーできないみたいで。
『フローズン・リバー』(2008)のような佳作もたまにありますが、
抱腹絶倒のB級シチュエーションスリラーが多い。
これもたぶんその手のやつなんだろうと思ったら、なんと実話が基。
1980年代に全米を震撼させた実在の連続猟奇殺人犯の逮捕劇を題材にしています。
 
1983年、アラスカ州アンカレッジ。
手錠をされて傷だらけの少女シンディが警察に保護される。
23歳と偽っていたが、シンディは17歳の娼婦
客であるロバート・ハンセンという男に監禁レイプされ、
命からがら逃げてきたというが、ロバートは地元の名士。
警察は所詮娼婦の言うことだとシンディの話に取り合わない。
 
一方、州警察では相次ぐ身元不明女性の変死事件を調査中。
数週間後に刑事を辞めて平穏な生活を送るつもりのジャック・ハルコムは、
またしても発見された変死体について調べるうち、
地元警察が事件化を見送ったシンディの調書に目を留める。
 
変死体は同一犯による連続殺人なのではないか。
ロバートこそが殺人犯だと確信したジャックは、
警察にないがしろにされたおかげで不信感あらわなシンディを守ると誓い、
なんとかロバートの尻尾を掴もうとするのだが……。
 
ジャック役にニコラス・ケイジ、ロバート役にジョン・キューザック
この共演といえば思い出す、『コン・エアー』(1997)。
あのときは連邦捜査官役で格好よかったジョン・キューザックが
本作では変態殺人鬼役ですもんねぇ。
彼にはいつまでも善人役の俳優でいてほしかったけど、仕方ないか。
 
殺人犯といってもウィキペディア等でたいしたページを割かれていない、
特に日本語版ではあまり知り得る情報はないことも多々ありますが、
ロバート・ハンセンについてはウィキペディアに長い長い説明が。
モチーフにした程度の作品かと思っていたら、かなり忠実なようです。
ニコラス・ケイジ主演なのに(笑)。
 
ロバートのやり口は、女性をだいたい1週間程度監禁した後、
林に連れて行って放ち、狩りをするかのごとく猟銃で撃ちます。
遺体は熊などに齧られて凄惨な状態に。
妻子もある身で、妻は敬虔なクリスチャン。
夫のしでかしていることなど露とも知らなかったのがまた悲惨です。
 
決定的な証拠がなかなか出ないなか、
のらりくらりとかわそうとするロバートから
なんとか自白を引き出そうとするジャック。
この掛け合いがなかなかスリリング。
当時「偽りの年齢」のほうに近かったヴァネッサ・アン・ハジェンズ
17歳の役というのはちょっとキツイかなぁ。上手かったけど。
 
実話ベースなのに、ニコラス主演というだけで
普通のスリラーに思われてしまうジレンマ(笑)。
そこも含めて面白かった。

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