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『COME & GO カム・アンド・ゴー』

2021年12月16日 | 映画(か行)
『COME&GO カム・アンド・ゴー』
監督:リム・カーワイ
出演:リー・カンション,リエン・ビン・ファット,J・C・チー,モウサム・グルン,
   ナン・トレイシー,ゴウジー,イ・グァンス,デヴィッド・シウ,
   千原せいじ,渡辺真起子,兎丸愛美,桂雀々,尚玄,望月オーソン,天人純他
 
アジア全域で活躍するマレーシア出身のリム・カーワイ監督。
こんな監督がいらっしゃるのだと私が初めて知ったのは、
『FLY ME TO MINAMI 恋するミナミ』(2013)を観たときでした。
 
大阪大学出身。北京電影学院で映画を学び、中国で監督デビュー。
その後、日本に戻って2作目を発表。
3作目は『新世界の夜明け』(2011)、4作目が『恋するミナミ』。
そして8作目に当たる本作が「大阪3部作」の最終章。
 
テアトル梅田にて鑑賞。結構たくさん客が入っています。
上映時間をよく確かめずに観に行ったら、158分で驚いた。
 
大阪・梅田周辺が舞台。
キタに集まるさまざまな国の人たちの群像劇
 
中崎町に暮らす男性(桂雀々)。向かいの家で白骨化した死体が見つかり、何やら騒がしい。
その捜査にやってきた刑事(千原せいじ)。妻(渡辺真起子)は日本語学校の教師。
彼女はネパール人の生徒と不倫中。その生徒は料理屋でバイトしている。
マレーシアからあるセミナーの講師として招かれた男性。
中国からの観光客集団もいれば、台湾人で大人のおもちゃ屋に出入りする日本のAVファンも。
 
売れっ子になることを夢見て韓国から来たイマドキの美人女性たちと、彼女らを仕切る男。
出稼ぎにやってきたベトナム人は、母親が体調不良との連絡を受けて帰国を希望するが、却下される。
ミャンマー人の留学生女子は、学費の捻出に苦労。バイト先のコンビニ店長はセクハラ野郎。
当てなく地方から出てきた若い日本人女性(兎丸愛美)は、AVのスカウトに引っかかる。
 
てな具合に、いったいどれだけ登場人物がいるんだというぐらい、大勢のアジア人がいます。
この中できちんとステータスが確立されているのはマレーシア人の講師ぐらい。
招聘されているからお金の心配なんてないし、パリッといい服を着て、毎日接待されている。
行きたくないのに連れて行かれたナイトクラブで兎丸愛美演じる女性を見かけたり、
中国からの観光客のうちのひとりである老人が道に迷い、
AVファンの台湾人男性と出会って飲みに行ったり、それぞれの繋がりが少しずつあります。
 
2時間半超という長尺作品でしたが、知っている場所ばかりが映るから、飽きません。
特に、私が愛用している中崎町の有人駐車場が映ったときは興奮しました(笑)。
しかも一度のみならず、何度も映るんですもの。いつものおっちゃんたちがいないのは残念。
 
目からウロコのこともたくさん。
特に、中国では日本のAVが大人気ということにびっくり。
もしも日本人AV女優と偽って韓国人女性を起用すれば、
中国人は即見抜くという話には目が点になりました。
 
大好きな大阪キタ。
この街の中で、こんなふうに行き場をなくしてさまよっている人たちがいっぱいいるのかな。
ちょっと切ないですね。
 
それにしても、2つ向こうの席のオッサン。
上映開始後1時間以上経ってから入場してきて、着席するやスマホや紙切れをいじりだし、
鞄の中をごそごそしているうえに、咳払いのうるさいこと。
結局、その場に1時間足らずいて退席しよりました。なんやったん!?

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