《ま》
『マードレス 闇に潜む声』(原題:Madres)
2021年のアメリカ作品。Amazonプライムビデオにて配信。
舞台は1970年代。
メキシコ人のベトとメキシコ系アメリカ人のディアナは夫婦。
まもなく第一子が生まれる予定で幸せいっぱい。
農園のマネージャーの職を得て、意気揚々とカリフォルニアへと引っ越してくる。
ところが新居は写真で見たものと違って古く、至るところに魔除けがあって不気味。
気を取り直して近所へ買い物に行けば、周囲はスペイン語を話すメキシコ人ばかり。
スペイン語の苦手なディアナは取り残されたような気持ちになる。
やがて体調を崩しはじめたディアナは、その原因が
農薬だと考えるように。
それをベトに主張してもちっとも取り合ってくれない。
出産が近づいて入院したディアナは、自分が殺されるのではという疑念に駆られ……。
不可解な事象の原因は呪いなのか農薬なのか。
ところが真相は、1970年代にアメリカで密かにおこなわれていた移民の断種。
この真相は確かに非常に怖いけれど、ホラーとしては怖さも何もかも中途半端。
そしていちばん怖かったのは、異常なスピードで人参を切るシーンです(笑)。
《み》
『ミリオンダラー・スティーラー 史上最大の作戦』(原題:El Robo del Siglo)
2019年のアルゼンチン作品。日本では劇場未公開。
2006年にアルゼンチンで実際に起きた
銀行強盗事件に基づく。
事件が起きる1年前の雨の夜、歩行中だったフェルディナンドは車に水を浴びせられる。
おかげで濡れてしまったタバコを捨て、それが流れる先を見るとリオ銀行の前。
トンネルを掘れば銀行の貸金庫にたどり着けるのではなかろうか。
そう考えた彼は、元泥棒のマリオや信頼できる友人など5人を集め、銀行強盗を計画。
翌年彼らが決行したのは、地上で普通に銀行強盗が起きていると見せかけて時間を稼ぎ、
その隙にトンネルを抜けて貸金庫からすべてを頂戴するというもので……。
いや〜、賢い。ぬぼーっとしたオッサンたちに見えるのに、素晴らしいです。
人質は取ったものの死人はもちろん怪我人すら出さず、本物の拳銃に見えたのもモデルガン。
まんまと計画を遂行して大成功を収めたというのに、バレてしまったのはなぜか。
メンバーのうちのひとりが浮気して、怒った妻が天井裏のカネのことを警察に話したから。
バカだねぇ(笑)。モデルガンだったおかげで刑期はかなり短く済んだらしい。
《む》
『胸が鳴るのは君のせい』
2021年の日本作品。
原作は紺野りさの同名少女コミック。
篠原つかさ(
白石聖)は、高1の3学期に転校してきた有馬隼人(浮所飛貴)に恋をする。
高2の最終日、友人たちに絶対に両想いだからと太鼓判を押されて隼人に告白するが、
「そういう目で見たことがない」とあえなくフラれてしまう。
ところが、つかさがフラれたことを言いふらした同級生を隼人が殴り、隼人は停学処分に。
つかさはフラれてもあきらめずに頑張ると隼人本人に宣言するのだが……。
つかさを狙うほかの男子が登場したり、隼人の元カノが出てきたり、定番。
キュンキュンするやつはいくつになっても好きなはずが、
これはキャストがあまり私の好みではなかったのか、キュンキュンできず。
キャストのせいなのか、歳を取ったせいなのかは不明です。(^^;
《め》
『めまい 窓越しの想い』(英題:Vertigo)
2019年の韓国作品。
女子社員に一番人気のバツイチ上司ジンスと密かにつきあっている。
幼い頃に父親から殴られて鼓膜が破れたせいで、
このところよく耳が聞こえなくなったり吐き気をもよおしたりする。
再婚した母親からはヒステリックな電話がしょっちゅうかかり、
何もかも不安に感じているソヨンを外から見つめる窓拭き清掃員グァヌだったが……。
深夜のオフィス。エロ系かと思うような冒頭シーンにちょっと引きました。
そんな作品だとはまったく思っていなかったから(笑)。
深夜のオフィスで行為に及んでいた相手はソヨンだけでなく男性もいたという、なかなかヘヴィーな話。
ジンスがクビになった後、ソヨンのことも社内の噂になって彼女は死を考える。
姉を亡くしているグァヌは、ソヨンまでも死なせたくない。
静謐な雰囲気はありましたが、静かすぎてなんだか物足りない。
《も》
『モデル・シチズン 忍び寄る魔の手』(原題:Model Citizen)
2020年のアメリカ作品。Amazonプライムビデオにて配信。
一人娘で8歳のゾーイの
親権を巡って元夫のニックと係争中。
大病院の
顧問弁護士ニックが相手ではアマンダの分が悪いが、親権は絶対に勝ち取りたい。
ある晩、モデルの大手事務所が面接してくれることになり、
突然の話ではあったが、このチャンスは逃せない。
急遽
ベビーシッターにゾーイを預け、指定された面接場所へと向かうのだが……。
面接なんて大嘘で、危険を感じたアマンダはすぐに逃げますが、
拉致監禁されてしまいます。
アマンダはいったい誰にどのような目的で襲われたのか。黒幕はニック。
しかしニックの企みではアマンダだけを誘拐、犯人もアマンダだけを連れ去ったはずが、
ゾーイまで行方不明で、作戦が狂う。
母親と離れたくなかったゾーイがアマンダの車に隠れて乗っていただけで、
ニックとしてはアマンダが殺されてくれれば好都合なわけですが、
犯人はニックから金を引き出さなければ収まりがつかない。
ニックがマジでクソ野郎で、憎々しかった犯人にも同情したくなる。面白かった。