夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『レプリカズ』

2019年05月31日 | 映画(ら行)
『レプリカズ』(原題:Replicas)
監督:ジェフリー・ナックマノフ
出演:キアヌ・リーヴス,アリス・イヴ,トーマス・ミドルディッチ,ジョン・オーティス,
   エムジェイ・アンソニー,エミリー・アリン・リンド,アリア・リリック・リーブ他
 
シネマート心斎橋で『リトル・フォレスト 春夏秋冬』を観てから梅田へ移動。
TOHOシネマズ梅田にて本作を鑑賞。
 
医療系バイオ企業で働く神経科学者のウィリアムは、
死亡した人間の意識を人工脳に移す研究をおこなっている。
あとわずかで成功というところまでは来ているはずだが、そのあとわずかが上手くいかない。
上司のジョーンズから、次に失敗すれば研究は打ち切りだと言い渡される。
 
週末を家族とともに過ごして来週から仕切り直そう。
ウィリアムは同僚のエドに留守番を頼み、
妻モナ、長男マット、長女ソフィー、次女ゾーイと車に乗り込む。
 
外は嵐で視界が悪い。それでも家族旅行に皆ウキウキ。
ところが倒れてきた大木を避けきれず、車ごと池に突っ込んでしまう。
気がつけばウィリアムのみ軽傷で、あとの4人はすでに息がない。
 
ウィリアムは自分の研究を使って家族を生き返らせることを決意。
エドが必死で止めるのも聞かず、必ず成功するはずだと手伝わせる。
しかし、クローンを作成するためのポッドは3つのみ。
ゾーイを除く3人のクローン作成に取りかかるのだが……。

睡魔には襲われませんでしたから退屈はしませんでしたが、突っ込みどころ満載。
 
近未来という設定でもなさそうなのに、家でクローン作成って、ムリムリ〜。
だいたいクローンを培養するポッド3つもエドがひとりでトラックに積めるのか。
そんなすごい研究をしている企業のセキュリティ、甘すぎやろ。
そもそも事故現場の池に車放置したままやし。事故の痕が残っていないわけがない。
クローンに起きているとおぼしき不具合もスルーしまくり。
 
3人をよみがえらせることに没頭し、
妻の職場にも子どもたちの学校にも連絡しなければならないことは考えもせず。
エドに指摘されてやっと思い至り、家族のスマホやPCをチェックして、
当人らに成り代わって返事しまくる姿もアホくさい。
 
よみがえった妻は最初は自分がクローンだなんて思いもせず、
しかし「何があったの」などと夫に詰め寄って判明。
もっと葛藤がありそうなもの、意外とあっさり受け入れて。
存命時は夫の研究が道義に反していると言いたげだったのにさ。
 
キアヌ・リーヴス自身がプロデューサーとして名を連ねています。
なんかこんなんつくりたかったのはわかるけど、無茶苦茶すぎて苦笑い。
ムリムリ〜っ!

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『リトル・フォレスト 春夏秋冬』

2019年05月29日 | 映画(ら行)
『リトル・フォレスト 春夏秋冬』(英題:Little Forest)
監督:イム・スルレ
出演:キム・テリ,リュ・ジュンヨル ,ムン・ソリ,チン・ギジュ他
 
タイ出張から帰国したダンナはへろへろながら、
いつもの土曜日と同じく20時すぎから外食予定。
車の運転はしたくない、でも美味しいパンは食べたいと言うので、
前日に予約済みだったパンを私が車で受け取りに行きがてら、
シネマート心斎橋で映画を観てそのまま北新地へ向かうことに。
 
どうしても観たかった作品です。原作は五十嵐大介の同名人気コミック。
日本では『リトル・フォレスト 夏/秋』(2014)、『リトル・フォレスト 冬/春』(2015)に分け、
橋本愛主演で映画化されました。それを韓国でリメイク
 
物語はオリジナル版とほぼ同じ。
 
田舎に生まれ育ったヘウォン(♀)(キム・テリ)はソウルへ。
しかし就職にも恋愛にもつまずいて、故郷へ逃げ帰る。
幼なじみのジェハ(♂)(リュ・ジュンヨル)、ウンスク(チン・ギジュ)と再会、
心の傷が癒えるまで、しばらくここにとどまるつもり。
 
久しぶりに土に触れ、農作物を育てるへウォン。
料理上手だった母親(ムン・ソリ)の影響で、ヘウォン自身も料理好き。
旬の食材を用い、一日三度の食事とおやつを丁寧につくる。
 
ただこれだけの映画なのです。でも、とてもいい。
 
私は電車や車ですぐに映画を観に行ける場所でなければ住めませんが(笑)、
本作を観ていると田舎暮らしもいいかなと思います。
 
自分で育てた野菜や鶏が産んだ卵を用いてつくる数々の料理
食用花の盛り付けも美しいパスタ、春キャベツのサンドイッチ、じゃがいものパン。
クレームブリュレ、栗の甘露煮、すいとん、激辛のトッポギ。
家出してしまった母親がつくってくれた思い出のチヂミは、お好み焼きそのもの。
マヨネーズをかけて、削りたてのかつおぶしをたっぷりかけて。
 
一方で従軍慰安婦問題が大きく取り上げられ、
親日派リストに載っているとされる韓国人が作った校歌は取り消される。
 
本当に韓国の人は日本が嫌いですか。日本人も韓国が嫌いですか。
こんなにも韓国人と日本人は似たものを食べて美味しいと思い、
同じ映画を観て笑い泣いているのに、激しい反日反韓が取りざたされる。
すごく寂しく悲しいことです。
 
日本人であっても韓国人であっても、本作に癒される部分は多いはず。
 
どうでもいいことですが(笑)、字幕にひとつ文句を言いたい。
「利いたふうな口を」という字幕が2回あった気がします。
そのあとに続く言葉は「利く」なんだから、変だよ。
それを言うなら「知ったふうな口を利く」あるいは「聞いたふうな口を利く」ではないかと。
いや、もしかしたら「きいたふうな口を」と、平仮名だったのかな。
だったら「聞いたふうな口」だから間違いじゃないか。
それを確かめるためにもう1回観る気はないけれど。(^^;

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『コンフィデンスマンJP ロマンス編』

2019年05月27日 | 映画(か行)
『コンフィデンスマンJP ロマンス編』
監督:田中亮
出演:長澤まさみ,東出昌大,小手伸也,小日向文世,竹内結子,三浦春馬,
   江口洋介,織田梨沙,瀧川英次,マイケル・キダ,前田敦子他
 
TOHOシネマズ伊丹にて、前述の『居眠り磐音』とハシゴ。
 
古沢良太のオリジナル脚本が好評を博したTVドラマとのことですが、
私は一度も観たことなし。
観ていた人のほうがこの劇場版も楽しめるのだと思いますが、まったく問題なし。
 
コンフィデンスマン(=信用詐欺師)のダー子(長澤まさみ)は、
次のターゲットとして香港マフィアの女帝ラン・リウ(竹内結子)に狙いを定める。
彼女が持っている伝説のパープルダイヤを頂戴するつもり。
さっそくボクちゃん(東出昌大)、リチャード(小日向文世)、五十嵐(小手伸也)、
新メンバーのモナコ(織田梨沙)とともに香港へと降り立つ。
 
占い師としてランに近づくが、ランはなかなか餌に食いついてこない。
そうこうしているうちに、同じくランを狙う詐欺師ジェシー(三浦春馬)が現れる。
ジェシーはダー子の因縁の相手で、今回も何かと邪魔をされて前途多難。
おまけにかつてダー子たちにいっぱい喰わされたヤクザ赤星(江口洋介)が
復讐に燃えてダー子を探しまわっている様子で……。

問題なしとは言ったものの、TVドラマ版を観ていない私には退屈なシーンも少々。
で、うつらうつらしかけちゃったりもしたのですが、最後の最後は興奮しました。
 
こうしてあらすじを書いていても、結局これ自体がウソなわけでしょ(笑)。
長澤まさみが相変わらずイイ。ほんと、可愛いだけだった彼女はどこへ。
ずっと見ていたいぐらい、くるくる変わる表情に私は首ったけ。
 
ジェシーより赤星、つまり三浦春馬より江口洋介。
登場人物のあの方もこの方もそうおっしゃっています。同感!
 
というわけで、ものすごくあっさりしたレビューになりましたが、
いろいろ考えずに気持ち良く騙されるべし。
 
TVドラマ版も観てみよっと。

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『居眠り磐音』

2019年05月26日 | 映画(あ行)
『居眠り磐音』
監督:本木克英
出演:松坂桃李,木村文乃,芳根京子,柄本佑,杉野遥亮,佐々木蔵之介,
   奥田瑛二,谷原章介,中村梅雀,柄本明,佐戸井けん太,波岡一喜他
 
ダンナが3週間の出張からついに帰国するので、
飲み会&映画三昧もこの日が最後。
仕事帰りに映画を観に行くラストチャンスになる金曜日が
ちょうど本作の公開初日だったから、TOHOシネマズ伊丹へ。
 
時代小説への苦手意識はずいぶん薄まりましたが、
人気があるらしい佐伯泰英の原作は知りません。
観てからなら登場人物をイメージできて読みやすそう。
 
坂崎磐音(松坂桃李)、小林琴平(柄本佑)、河出慎之輔(杉野遥亮)は幼なじみ。
佐々木玲圓(佐々木蔵之介)の道場で共に鍛錬を積み、
3人とも豊後関前藩で将来を嘱望される藩士となる。
琴平にはふたりの妹がおり、上の妹・舞(宮下かな子)はすでに慎之輔の妻。
下の妹・奈緒(芳根京子)はまもなく磐音と祝言を挙げる予定。
 
ところが、3人が江戸から戻ってきた日、
慎之輔は舞が不貞を働いているとの噂を聞かされ、
愚かにもそれを信じたうえに舞を斬り殺してしまう。
妹を殺された琴平が今度は慎之輔を殺して立てこもる。
駆けつけた磐音は琴平に勝負を挑まれ、泣く泣く琴平を斬る。
 
奈緒に何も告げずに立ち去った磐音は、江戸で長屋暮らしを始める。
大家・金兵衛(中村梅雀)の紹介で鰻屋に就職。
穏やかで誠実な人柄ゆえ、誰も磐音の剣の腕前など知りもしなかったが、
金兵衛に連れられて訪れた両替屋・今津屋でたまたまそれを披露するはめに。
今津屋の主人・吉右衛門(谷原章介)に請われて用心棒となる。
金兵衛の娘で今津屋に勤めるおこん(木村文乃)もすっかり磐音を気に入った様子。
 
吉右衛門の話によれば、老中・田沼意次(西村まさ彦)が発行した新貨幣をめぐり、
両替屋の間に揉め事が起こっているらしく、
別の両替屋・阿波屋の主人・有楽斎(柄本明)が陰謀を企てていることがわかるのだが……。

善人と悪人がはっきりしていてわかりやすい。
ツラ構えからして、何もここまで悪もん顔にせんでもと思うぐらい柄本明の顔が凄い。
今はここまでえらいあばた顔の人おらん。(^^;
これだけ悪いと、斬りつけられてもなかなか死なないのですよね。
バタッと倒れてからもうだうだ喋るから、私がもう一回斬りたくなりました(笑)。
 
優れた剣士で、かつ、頭もいい。
有楽斎に対抗するすべを思いついた磐音が、吉右衛門を通じてさまざまな人に相談。
それに乗る人たちを演じるのは、 橋本じゅん早乙女太一中村ゆり陣内孝則
日頃から誠実な商いをしていると、こういうときに力になってくれる客がちゃんといる。
磐音に想いを寄せながら、磐音と奈緒のことを気にかけるおこんちゃんもいいねぇ。
 
しかし花魁ってすげぇな、あんなん履いて歩けるんや。
と、映画の筋には何も関係ないことを思う。

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『芳華 Youth』

2019年05月24日 | 映画(は行)
『芳華 Youth』(原題:芳華)
監督:フォン・シャオガン
出演:ホアン・シュエン,ミャオ・ミャオ,チョン・チューシー,ヤン・ツァイユー,
   リー・シャオファン,ワン・ティエンチェン,ヤン・スー,チャオ・リーシン他
 
平日に休みを取り、京都・東福寺で女子会ランチ
12時に東福寺駅で待ち合わせていたから、その前に1本映画を観ることは可能だったけれど、
前日晩に『ドント・ウォーリー』、前々日晩には2本観ているから、
ええ加減、体がしんどい。無理をするのは止めて、10時過ぎまではごろごろしていました。
 
美味しくごはんを食べて昼酒も呑み、京都駅のイノダコーヒでお茶。
名古屋からわざわざ日帰りで来てくれている友人を見送って解散。私は大阪へ戻る。
 
まっすぐ帰ろうかなぁ、1本観て帰ろうかなぁとまた悩む。
どうしても観たかった本作は、この日観ておかなければ機会を逃しそう。
えいっ、観逃して後悔するのは嫌だから、しんどくても行ってやる。
 
文化大革命のさなか、1970年代の激動の中国が舞台。
原作は『妻への家路』(2014)のゲリン・ヤン。
あの頃、初恋を心に秘めて、あなただけをみつめていた――。」
このキャッチコピー、グッと来ませんか。
予告編から想像していた物語とは少し異なる青春群像劇でした。
 
文化大革命の末期、17歳のホー・シャオピンはダンスの才能を認められ、
軍の歌劇団“文芸工作団(文工団)”に入団する。
故郷ではつらい目にばかり遭ってきたシャオピンは、
新しい生活に夢と期待を抱き、意気揚々。
 
離れざるを得なかった実父に自分の軍服姿を見せたいと思っていたのに、
入団当日には軍服が支給されず。
支給を待てない、どうにも待ちきれないシャオピンは、
同室のリン・ディンディンの軍服をこっそり持ち出して写真館へ。
実父に送る写真を撮り、元の場所へ返したから大丈夫。
しかしそれがバレていじめられるはめに。
 
体臭がきついと陰口どころか面と向かって言われ、
ダンスのさいに組んでくれる相手もいない。
周囲になじめずにいる彼女に、唯一優しくしてくれたのが模範兵のリウ・フォン。
フォンに対して恋心が芽生えるが、フォンはディンディンのことが好きで……。
 
予告編を観た折、てっきりシャオピンが主役だと思っていました。
始まってみると、語り手は同じ文工団のエース的存在シャオ・スイツ。
彼女の目線を通してシャオピンやそのほかの団員のことが描かれ、
スイツ自身の切ない想いも。シャオピンとスイツ、ふたつの片想い。
 
青く切ない恋の話ばかりではありません。
1979年に起きた中越戦争が描かれるシーンは、『オーヴァーロード』よりもグロいほど。
全身にやけどを負ったり、手足がもげたりする様子に目を覆いたくなります。
 
故郷を抜け出せば幸せになれると思っていた少女が、
いじめに遭い、戦争を体験し、一気に英雄扱いされ、精神に異常を来す。
自分の想いを打ち明けられないままに迎える人生の終盤。
静かに実った恋が嬉しい。
 「すべての人々の輝かしい青春時代に捧ぐ」。
 
なぜフォンがディンディンみたいな性悪を好きになったかだけは解せませんけどね。(^^;

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