夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『TAP THE LAST SHOW』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の9本目@なんば)

2017年06月30日 | 映画(た行)
『TAP THE LAST SHOW』
監督:水谷豊
出演:水谷豊,北乃きい,清水夏生,西川大貴,HAMACHI,太田彩乃,
   佐藤瑞季,さな,六平直政,前田美波里,岸部一徳,六角精児他

前述の『怪物はささやく』の後に。同じくTOHOシネマズなんば別館にて。

ちなみにこの劇場は、千日前の繁華街の中にあります。
同じビルに大型パチンコ店が入っていて、
エレベーターに乗ったときにパチンコ店の従業員とおぼしき女性に笑われたことも(笑)。
1階の外はまだまだ大にぎわいの時間だけれど、4階の劇場フロアは閑散。
もしかして“おひとりさま”になるかもと思いましたが、私以外に客2人いました。
しかしなんばのシネコンで20時半の回に客3人ってどうよ。

“相棒”シリーズの水谷豊の映画監督デビュー作で、本人が主演を兼ねて。
脚本はTVドラマ『ナースのお仕事』や『下剋上受験』の売れっ子脚本家・両沢和幸。
タップダンスの監修は、本編にアステア太郎の役名で登場するHIDEBOHさん。

天才タップダンサーでありながら、ステージで大けがを負い、
引退を余儀なくされた渡真二郎(水谷豊)。
30年が経過したが、酒に溺れて自堕落な日々を送っている。

そんな彼の前に、タップの殿堂“THE TOPS”のオーナーで、
盟友の毛利喜一郎(岸部一徳)が現れる。
毛利はついにTOPSの看板を降ろすことに決めたと告げ、
ついては伝説のダンサー・渡の演出によるラストショーをおこないたいと言う。

気乗りはしない渡だったが、オーディションの場に引っ張り出される。
厳しい選考の末、選ばれたのはMAKOTO(清水夏生)、RYUICHI(HAMACHI)、
MIKA(太田彩乃)、YOKO(佐藤瑞季)の4人。後日JUN(西川大貴)も加えられる。

MAKOTOは美容院で見習いとして働く森華(北乃きい)と同棲中。
タップダンサーとして生きてゆくことを夢見ながら、
今は日雇いの仕事で日々をしのいでいる。

RYUICHIはホスト。熟女の固定客を得ながらダンスに励み、
自分こそいちばんだと思っているのにMAKOTOに上を行かれているのがつまらない。
そのうえ、どもり癖のあるJUNにまで抜かれて腹立たしい。

令嬢のMIKAはバレエからの転向。
体が弱かった彼女のためにバレエを始めさせた父親は大反対し、
一刻も早くダンスを辞めさせようとしている。
すでに婚約者もおり、このショーがきっと最後のダンスになる。

ぽっちゃり体型のYOKOは、MIKAのそんな気持ちに気づかず、
同じくオデブの彼氏とともに能天気。

こんな面々がラストショーにこぎつけることができるのか。
肝心なときに毛利が倒れて、資金繰りも困難に。
毛利の秘書・吉野完治(六平直政)とマネージャー・夏木萌(さな)は
それでも酒を飲みつづける渡に呆れ、困り果てるのだが……。

終盤はさみ込まれる数々のシーンに、TVのシリーズものみたいな臭さを感じます。
が、本作出演のためのオーディションを勝ち抜いたダンサーたちは本物だから、
タップダンスのシーンがとにかく凄い。
ショーを丸々見せてもらえるのがめちゃくちゃ嬉しい。
演技を見るよりも、ダンスのショーを楽しむ映画です。

さて、水谷さんは今後も監督業を続けるおつもりか。
そのつもりなら次はどんなネタにチャレンジしましょ!?

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『怪物はささやく』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の8本目@なんば)

2017年06月29日 | 映画(か行)
『怪物はささやく』(原題:A Monster Calls)
監督:J・A・バヨナ
出演:ルイス・マクドゥーガル,シガーニー・ウィーヴァー,フェリシティ・ジョーンズ,
   トビー・ケベル,ジェニファー・リム,ジェラルディン・チャップリン他
声の出演:リーアム・ニーソン

ダンナが金曜日に帰国するから、仕事帰りに映画を観られるのは木曜日が最後。
結構眠りが浅いほうなので、睡眠時間は7時間以上確保したいところなのに、
月曜日から映画三昧のうえに、帰宅後はちょっとだけ本も読みたくなって、
ずっと5時間を切っています。だいぶへろへろ。
こんな生活を続けていたら、1月末のようにまたぶっ倒れるかもと思いつつ、
映画を観られるときに観ておかないと後悔しそうでまた映画。

17:15の終業後、なんばで18:10に上映開始の本作に間に合うか。
道路の混みかた次第だけど、チャレンジの価値はあり。
結果、あちこちちょっとずつ混んでいて、18:20に黒門市場近くのタイムズに入庫。
TOHOシネマズなんば別館に到着したのは18:25を少し回った頃。
本編の最初から観られないなんて許しがたいことだけど、まぁいいや、タダだもん(笑)。

2007年に47歳で亡くなったイギリス人作家シヴォーン・ダウドが遺したアイデアを、
同じくイギリス人作家のパトリック・ネスが引き継いで完成させた児童文学。
それをスペイン出身のJ・A・バヨナ監督が映画化。
私はスペイン語圏やポルトガル語圏の映画が大好きで、
同監督の『永遠のこどもたち』(2007)は今も心に残っています。

冒頭を観逃してしまったわけですが、ほぼ問題なくついていけました。

13歳の少年コナー。不治の病に冒された母親と二人暮らし。
母親の余命がわずかであることを受け入れられない。
母親を入院させて祖母がコナーを引き取ると言うが、
しつけの厳しい祖母とはどうしても一緒に住みたくない。

そんなコナーは絵を描くのが得意。
ある晩も机に向かって絵を描いていると、部屋の中がガタガタと揺れはじめる。
窓の外を見ると、教会の墓地に昔からある大木が、怪物となって迫ってきていた。
その怪物は、これからコナーに3つの物語を話すという。
4つめはコナー自身が真実の物語を話すようにと告げられるのだが……。

英語の作品ではありますが、監督がスペイン人なものだから、
スペイン語圏作品のようなちょっぴり暗い雰囲気。

多感な年頃のコナーを演じるルイス・マクドゥーガル、上手いです。
母親役には『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)のヒロイン、フェリシティ・ジョーンズ
祖母役にはこんな役が意外に珍しく思えるシガニー・ウィーヴァー
怪物の声をリーアム・ニーソンが担当しています。
ついでに、喜劇王チャップリンの長女ジェラルディン・チャップリンが校長先生役で。

コナーが真実から逃げずに向き合えるようになるまで。
自分の気持ちを正直に話すことは簡単なようでむずかしい。

へろへろでも観に行って正解。

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『バウンティ・ハンターズ』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の7本目@梅田)

2017年06月28日 | 映画(は行)
『バウンティ・ハンターズ』(原題:賞金猟人)
監督:シン・テラ
出演:イ・ミンホ,ティファニー・タン,ウォレス・チョン,カリーナ・ン,
   ルイス・ファン,ジェレミー・ジョーンズ・シュー他

『パトリオット・デイ』『映画 山田孝之3D』の次に。
フリーパスがなければ、これも観ていないだろう1本。
どこの映画なのか、誰が出ているのか全然知らなかったものだから、
ネットで調べてみたら、「バウンティ」だったり「バウンティー」だったり。
どうやら長音なしが正解のようですが、ウィキペディアでは長音あり。
TOHOシネマズの上映スケジュールでも長音があります。
長音とか中黒(・)の有無とか、私は気になっちゃうのですけれど。(^^;

韓中合作。韓流スターが中国に進出するのは最近の流行りなのでしょうか。
主演のイ・ミンホが大人気らしく、この日の観客もおばちゃんばっかり。
おばちゃん占有率の多い作品って、上映開始までがものすごくかしましい。
場内が暗くなってからもしばらくはやかましいですからね。
さすがに本編が始まる頃には皆さん静かになっていました。ホッ(笑)。

で、結論から言って、結構面白かったです。

インターポール(国際刑事警察機構)の職員だったサンとヨウは、訳あってクビになり、
今はヨウが取ってくるボディガードの仕事で生計を立てている。

アジア各地の“Aホテル”で爆破事件が相次ぐなか、
ある記者からボディガードの依頼を受け、サンとヨウが向かったのはAホテル。
記者とともに部屋へ入ると、そこには爆弾が仕掛けられていた。
記者は連れ去られ、ギャラを取り損ねてなるものかと、サンとヨウは追いかける。

ところがその途中、バウンティ・ハンター(賞金稼ぎ)の女性キャットと
その相棒で情報収集担当の天才ハッカー・スワン、
キャットの家の元執事で身を挺してお嬢様を守るベベから襲撃される。

落ち着いて話を聴くと、サンとヨウ、そしてキャットたち3人は、
何者かの罠にはまり、爆破事件の犯人グループとして仕立て上げられたらしい。
真犯人を突き止めるべく、5人は協力することになるのだが……。

さして珍しくもない巻き込まれ型ですが、笑えます。

本編前、サン役のイ・ミンホによる日本公開記念のご挨拶が流れ、
これを見たときはイマイチだと思いましたが、本編では確かにカッコイイ。
相棒ヨウ役のウォレス・チョンが三枚目の役回りでワラかす。
キャット役のティファニー・タンとスワン役のカリーナ・ン、めちゃ綺麗。

ベベ役のルイス・ファンは伊武雅刀に髪の毛を付けて若返らせたかのよう。
悪役のジェレミー・ジョーンズ・シューはつんくみたい。
その悪役に仕えるネエちゃんは剛力彩芽に年を取らせたみたいな感じ(笑)。
こうして考えると、アジア人ってやっぱりアジア人の顔なんですねぇ。

美男美女がいて、それぞれの役回りがはっきりしていれば、
そこそこ楽しい作品になるもんだ。
フリーパスよ、ありがとう!

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『映画 山田孝之3D』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の6本目@梅田)

2017年06月27日 | 映画(や行)
『映画 山田孝之3D』
監督:松江哲明,山下敦弘
出演:山田孝之,芦田愛菜

3D作品はフリーパスでは観られないものと決めつけていました。
何度目かのフリーパスをつくったときに、
特別料金の歌舞伎だかなんだかはフリーパス対象外だと言われたから。
それで、この日も前述の『パトリオット・デイ』と明日UP予定の作品は
フリーパスで観ようと窓口で発券してもらいましたが、
本作については数日前にオンライン予約済みでした。

で、どうして尋ねてみる気になったのか自分でもわからないのですが、
窓口にほかにお客さんがいなかったこともあり、急に聞いてみる気になったんです。
「3D作品はフリーパスの対象外ですよね」って、念のために。
そうしたら予想外のお返事、「3Dの追加料金をお支払いいただければご覧になれます」。
ぎゃ~、そうなの!?駄目だと思い込んでいたよ、ずっと。

で、さらについでに聞いてみたのです。
「対象外だと思ってオンライン予約しちゃったんですけど、もう無理ですよね」。
そうしたら嫌な顔ひとつせずに上司とおぼしき人を呼びに行ってくれて、
ちょっと偉い立場とおぼしきその人も、全然嫌な顔をなさらずに、
「予約番号をお教えいただけますか」とおっしゃる。

番号を伝えたら、クレジットカードで決済済みの代金をキャンセルしてくれたうえに、
もともとオンライン予約していた席をそのまま取ってくださいました。
かくして3D上映の追加料金300円のみ払って鑑賞。

今年の1月に薬を服用するための水をサービスしてもらって感激しましたが、
この日もなんて融通が利くんだと大感激。TOHOシネマズ、イイです!

山下敦弘監督と山田孝之が、カンヌ映画祭で賞を獲るために
芦田愛菜を主演に迎えて映画づくりに精を出す日々を記録したという、
テレビ東京の深夜ドラマ『山田孝之のカンヌ映画祭』から生まれた映画だそうで。
「山田孝之のカンヌ映画祭」はTSUTAYA DISCASの予約リストに載せたまま未見。
未見だけど、山田くんも山下監督も松江哲明監督も気になるから本作を観てみました。

まぁなんとも説明できません。
仕事のこと、家族のこと、友だちのこと、山下監督から聞かれるままに
山田孝之がつらつらと喋ります。後ろにはそのイメージ映像。

ほぼ真面目に見えますが、質問は時に「何カップが好きですか」。
Bカップだそうです。理想はCカップだけど、理想すぎるからBカップで。
タイプの女優は長澤まさみですって。
長澤まさみに野菜スープをつくってもらいたいそうです(笑)。

で、結局どこまでがお芝居ですか、山田くん。
彼のファンにしかお薦めできません(笑)。
はい、私は楽しかったです。

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『パトリオット・デイ』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の5本目@梅田)

2017年06月26日 | 映画(は行)
『パトリオット・デイ』(原題:Patriots Day)
監督:ピーター・バーグ
出演:マーク・ウォールバーグ,ジョン・グッドマン,ケヴィン・ベーコン,
   J・K・シモンズ,ミシェル・モナハン,ヴィンセント・カラトーラ他

ダンナの海外出張中に映画三昧の週。
月曜日は伊丹で2本、火曜日は他に予定ありで映画は観ず。
水曜日は有休を取って午後から映画3本。

まずはHEP NAVIO8階のTOHOシネマズ梅田で3本分を発券。
晩ごはんはどうせ抜くから、お昼にしっかり腹ごしらえしようと思うけれど、
NAVIOから離れるのは面倒くさい。7階に下りて超久しぶりの“壁の穴”

学生の頃はよく行った“壁の穴”、たらこスパ発祥の店と言われています。
クレオパトラ、シーザー、楊貴妃という名前のノンアルコールカクテル、
知ってる知ってる~という人も多いはず。
この日は電車で梅田へ出ていたので、わざわざノンアルコールを頼む必要なし。
ひとりランチで泡と白をグラスで飲んでしまいました。うい~っ。

映画三昧すると本を読む時間が少なくなるものですが、
強行スケジュールにしなかったおかげで、コーヒーも2杯飲む時間あり。
ゆっくり本を読んでから、本作を鑑賞。

2013年のボストンマラソン開催中に起きた爆弾テロ事件を基にした実録ドラマ。
「パトリオット・デイ」とは毎年4月の第3月曜日、「愛国者の日」のこと。
ピーター・バーグ監督は最近すっかりマーク・ウォールバーグがお気に入りのよう。
そういえば数カ月前、NAVIOのエレベーター内でのこと、
本作のポスターを見た若い女性二人組が、「えっ、この人、『テッド』の人!?
こんな渋い人やったっけ!?もっとトボけた感じやなかった?」と驚いていてウケました。

2013年4月15日。
ボストン市警察巡査部長のトミーは、訳あってボストンマラソンの警備を命じられる。
殺人課のやり手刑事なのに、交通整理のような制服を着せられるとは。
しかし、この仕事が終われば元の仕事に戻れるはず。

50万人の観衆の声援を受け、ランナーたちが次々とゴール。
持病の膝の痛みに、妻キャロルにサポーターを持ってきてくれと電話する。
キャロルからサポーターが届けられた直後、
数カ所で爆発が起こり、多数の負傷者が出て大混乱に陥る。

トミーの的確な指示によって現場が閉鎖され、救急車が到着。
キャロルの無事を確認できたことには安心するが、事態の収拾は大変。
そこへFBI捜査官のリックがやってきて、捜査の陣頭指揮を執るという。

ボストン警察警視総監のエドは、地元の地理に詳しい者としてトミーを推薦。
リックから犯人の動線について聞かれたトミーは頭を働かせ、
犯人がどこから来てどこへ紛れ込んだかを突き止めてゆくのだが……。

たっぷりめに注がれたワイン2杯で眠くなるかもと思いましたが、そんな心配無用。
同じ監督と主演コンビだった『バーニング・オーシャン』よりもずいぶん引き締まっています。

犯人の見当がまったくつかないなか、目を皿のようにして監視カメラをチェックする捜査員たち。
そのうちひとつの映像から、トミーが容疑者の動きを読む過程が凄い。

容疑者が逃げ込む町の警察巡査部長役にJ・K・シモンズと、
芸達者なおっちゃんばかりで、面白くならないわけがありません。

幼い犠牲者の遺体が目の前にあるのに、
容疑者を追う決め手になるものがあるかもしれないからと、その場から動かせない。
覆いをかけられた小さな遺体を見守る警察官の姿に胸が苦しくなりました。

テロを起こす側の背景や心情には触れられることはなく、
正義は勝つという、いかにもハリウッド的な作品。
でも、本作に関してはこれでいいのだと思います。
決してテロを許さないという強い気持ちで立ち向かった捜査員たち。
今なお世界各地で起きているテロ、許すまじ。

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする