夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ラーヤと龍の王国』

2021年03月31日 | 映画(ら行)
『ラーヤと龍の王国』(原題:Raya and the Last Dragon)
監督:ドン・ホール,カルロス・ロペス・エストラーダ
声の出演:ケリー・マリー・トラン,オークワフィナ,ジェンマ・チャン,
     ダニエル・デイ・キム,サンドラ・オー,ベネディクト・ウォン他
 
実はその日、1本のみならず2本鑑賞。2本目に観たのが本作です。
「洋画は字幕で観る派」だけど、本作の字幕版上映館は非常に少ない。
そんななか、シアタス心斎橋では字幕版も吹替版も上映中。
思い切ってこれもグランシアターで鑑賞、4,000円也。
 
コロナを受けてか、劇場とDisney+プレミアムアクセスの同時公開。
 
遙か昔、古代アジアのクマンドラと呼ばれる世界では、
人類とドラゴンが平和に共存して暮らしていた。 
 
しかし、ドルーンという煙の怪物が出現して世界が脅かされた折、 
ドラゴンが自ら犠牲となって人類を救う。
と同時に、1つだった国は5つに分断されてしまう。 
 
それから500年が経ち、ドルーンが再来。
ドルーンの野望を阻止するため、少女戦士ラーヤは世界で最後のドラゴンを探す旅に出るのだが……。
 
鑑賞料金4,000円もするのに、一瞬寝てしまった。(^^;
椅子の座り心地がいいものだから、アルコールが少し入ると危ない(笑)。
 
でもこの劇場で観てよかった。
美しい風景の中、ラーヤと共に冒険している気分になれます。
だけど、ドラゴンの顔にどうしても慣れないのですよねぇ。
普通にドラゴンらしいドラゴンのほうが私はいいなぁ。
 
本編前に上映される短編『あの頃をもう一度』(原題:US Again)がめっちゃ好きでした。
この短編はDisney+では観ることができません。
これを観るためだけに来てよかったと思えるほど素敵な短編。
 
シアタス心斎橋のグランシアターへはまた行くと思います。
4,000円払ってでもまたここで観たい。

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『クイーンズ・オブ・フィールド』

2021年03月30日 | 映画(か行)
『クイーンズ・オブ・フィールド』(原題:Une Belle Equipe)
監督:モハメド・ハミディ
出演:カド・メラッド,アルバン・イヴァノフ,セリーヌ・サレット,
   サブリナ・ウアザニ,ロール・カラミー,ギヨーム・グイ他
 
イオンシネマ茨木で2本ハシゴする計画を変更して、
まずは109シネマズ箕面で『奥様は、取り扱い注意 劇場版』を鑑賞。
その後、イオンシネマ茨木に向かい、21:40からのレイトショーを。
 
フランス作品。
モハメド・ハミディ監督の作品はこれ1本しか検索にヒットしないから、
これがデビュー作なのでしょうかね。
 
北フランスの小さな町クルリエール。
全住民がサッカー大好きで、歴史ある地元のサッカーチームを支えている。
チームが強かったのは昔のこと、今は負けてばかりだが、
それでも皆サッカーを楽しめればそれでいい。
 
ところが、試合中にある選手が相手チームと審判に怒り、
それをきっかけに大乱闘となってしまう。
結果、この試合の出場選手全員が残りのリーグ戦の出場停止に。
いつもかつかつの人数でやってきたから、ほかに選手はいない。
このままではチームが消滅してしまうという危機に陥る。
 
そこで立ち上がったのが町の女性たち。私たちが出場しようと。
監督マルコの娘レアの発案を監督自身受け入れようとしないが、
町の女性陣は「女がサッカーをして何がいけないんだ」とキレ気味。
拒絶反応を示していた男性たちも、チームを救う道はそれしかないと、
渋々了承するのだが……。
 
あらすじを聞いたかぎりではもっと楽しめそうでしたが、
下ネタの多い(しかも面白くない)ジョークに興醒めだし、
テンポもイマイチよろしくない。
だいたい、みんなどの程度もともとサッカーできるんだよって話です。
サッカーをナメとったらあかんでしょ。
 
しかしそれ以上にあかんのが男性陣(笑)。
妻たちが夜間もサッカーの練習に出かけることになり、
家事や育児が一気に自分の身に押し寄せる。
子どもは父親の言うことをなかなか聞かず、
それを全部妻のせいにして、挙げ句やってられんと家出するのですから。
グラウンドを使えないように画策する夫もいたりして、
てめぇら、どんだけ器がちっちゃいねんと言いたくなる。
 
エンディングもイマイチです。
いい試合をしたけれど、女性チームとの対戦は試合として認めないって。
まぁ、認められて万々歳のエンディングとなれば、
一気にハリウッド的になりそうだから、これはこれでいいと思いますけれど。
 
女子サッカーを見るならば『ベッカムに恋して』(2002)のほうがいい。
本作は女性のサッカーを見るというよりは、
男性陣の駄目っぷりを見るという感じです。(^^;

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『劇場版 奥様は、取り扱い注意』

2021年03月29日 | 映画(あ行)
『劇場版 奥様は、取り扱い注意』
監督:佐藤東弥
出演:綾瀬はるか,西島秀俊,鈴木浩介,岡田健史,前田敦子,
   鶴見辰吾,六平直政,佐野史郎,檀れい,小日向文世他
 
ダンナ入院中で翌日退院という日。
朝1本映画を観に行き、日中はおとなしく家で待機していたのですが、
晩が来てじっとしていられなくなりました。
いくらなんでも今から容態が急変することはないやろと、
比較的近場のイオンシネマ茨木で2本ハシゴすることを企図。
 
思い立ってすぐに車で出発したら、新御の南行きが大渋滞。
こりゃ茨木までたどり着くのは無理だわと、計画変更。
こういうこともあろうかと他劇場の上映スケジュールも調べておいてよかった。
109シネマズ箕面で上映の本作にギリギリ間に合いました。
 
これもTVドラマ版を観たことがないのです。
夫婦共に凄腕のエージェントで、敵対する関係にある、
ブラピアンジーの『Mr.&Ms.スミス』(2005)みたいな話を想像。
 
特殊工作員の専業主婦・菜美(綾瀬はるか)は、ある事件がきっかけで記憶喪失に。
夫の勇輝(西島秀俊)は、実は菜美の監視を続ける公安警察の一員。
もしも菜美が記憶を取り戻したときに公安への協力を拒むようなことあがれば、
必ず彼女を殺すようにと上司の池辺(小日向文世)から言われる。
 
池辺が用意した勇輝の新しい名前は裕司、菜美は久実ということに。
勇輝の今回の任務は、小さな地方都市・珠海市に赴き、
新エネルギーとして注目される資源メタンハイドレートを巡る陰謀を暴くこと。
珠海市の学校に教師として着任した勇輝は、
記憶が戻らないことを気に病みながらも町に溶け込む菜美と
一見穏やかな生活を送っていたのだが……。
 
海にお宝資源が眠っているとわかり、それを掘るだけならまだしも、
嘘をついて金を儲けようとしているオッサンたち。
みんな顔つきが悪くてワラけます。その筆頭に佐野史郎
 
現市長役は檀れい。彼女は研究所の招致の賛成派ですが、
そこに陰謀が存在していることは知らない。清廉潔白。
一方、反対派で市長選に出馬することにしたのは六平直政
彼を含む反対派の人間が何者かに次々と襲われます。
絶対海を守るんだと息巻いていても、命の危険を感じたらそら怖いですよねぇ。
 
町でバーを経営する青年・珠里(岡田健史)がカワイイ。
彼を見ると、いつも仮面ライダー出身者だと思ってしまうのですが、
全然そうじゃないんですね。爽やかさがそっちっぽくないですか。
 
TVドラマ版から観ている方の感想は知らないけれど、
どんでん返しもあったりして、まったく未見の人も楽しめます。
原案と脚本が金城一紀ですもの、当然か。
彼にはまた『映画篇』のような小説も書いてほしいのに、
この頃はテレビがらみの作品ばかりなのがちょっと寂しいです。

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『ビバリウム』

2021年03月28日 | 映画(は行)
『ビバリウム』(原題:Vivarium)
監督:ロルカン・フィネガン
出演:ジェシー・アイゼンバーグ,イモージェン・プーツ,ジョナサン・アリス,
   セナン・ジェニングス,アイナ・ハードウィック他

ダンナが緊急入院して手術、3日間入院することに。
その間は私もおとなしく家にいるつもりでしたが、
術後の経過も順調とのこと、コロナ禍で面会も禁止だし、
映画の1本ぐらい観に行ってもええんちゃうかと。
一応、病院にいるダンナに「映画を観てきます」とメールしてから、
TOHOシネマズ西宮へ。

ハリウッド映画とは一味も二味も違うなと思ったら、
ベルギー/デンマーク/アイルランド作品。
監督はアイルランドの新鋭ロルカン・フィネガン。
とっても変です。私は気に入ったけど、人には鑑賞を勧めません(笑)。

便利屋のトムと小学校教師のジェマは仲の良いカップル。
いずれ結婚、そしてマイホームを手に入れることを夢見て、
ふらりと入った不動産屋で、ある物件を紹介される。

連れて行かれたのは郊外の“ヨンダー”という住宅地。
広大な敷地には何百軒、もしかすると何千軒もの同じ家が並んでいる。
自分たちの希望する家とはかけ離れていて、見るだけで帰るつもりが、
気づけば不動産屋の社員マックスは姿を消していた。

トムとジェマがヨンダーから出ようとすると、なぜか出られない。
何度車を走らせても、入ってきたはずの入口は見当たらず、
案内された9番の家の前へと戻ってきてしまう。

やがて車はガス欠になり、日も暮れて、致し方なく9番で眠る。
すると翌朝、家の前にダンボールに入った食糧が置かれていた。
その翌朝にはなんとダンボールの中に赤ん坊が入っていて……。

この赤ん坊は男児なのですが、ものすごいスピードで成長します。
98日目には小学生ぐらいの背丈。しかもオッサン声。
トムやジェマの話していたことを再現したり、とにかく不気味。

あとは謎の怖すぎる少年がいるだけだし、
ほぼ全編ヨンダーの中でのことだし、予算はあまりかかっていないかも。
それでこんなヘンテコで面白い(でも人には薦めにくい)作品を撮るのは凄い。

狭いところに閉じ込められるのは怖いと思っていましたが、
いくら広くてもそこから出られないところへ閉じ込められたときの恐怖。
いったい何者なのかわからない男児にママパパと呼ばれ、
その男児からずっと注視されている。気持ち悪いことこのうえなし。

原題の“vivarium”は、自然の生息状態を真似てつくった動植物飼養場のことなのだそうです。
ネタバレになりますが、ここで飼養されているのはミュータント
冒頭にジェマが小学校の児童にカッコウの托卵の話をするシーンがあり、
つまりはミュータントから人間が托卵されたのが最後にわかる。

最後はトムとジェマが無事脱出するというエンディングでもなく、
とても後味の悪い絶妙のシーンでおしまい。
明るい気分で帰りたい人は観ないでください(笑)。
年に何十本か以上の映画を観る人にはお薦めしたい。

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『ミナリ』

2021年03月27日 | 映画(ま行)
『ミナリ』(原題:Minari)
監督:リー・アイザック・チョン
出演:スティーヴン・ユァン,ハン・イェリ, ユン・ヨジョン,ウィル・パットン,
   スコット・ヘイズ,アラン・キム,ノエル・ケイト・チョー他
 
109シネマズ箕面にて、封切り日のレイトショーにて。
 
監督のリー・アイザック・チョンは韓国系の移民二世。
アメリカの田舎町で育った自らの体験を基にして撮った作品とのこと。
 
舞台は1980年代のアメリカ。
カリフォルニア州からアーカンソー州へと引っ越してきた韓国系移民のイ・ファミリー。
ジェイコブとその妻モニカ、長女アンと長男デビッドの4人家族。
 
「ガーデン」を造り上げることを夢見るジェイコブが買ったのは、
かつての持ち主が一文無しになって自殺した曰く付きの荒れ果てた土地。
彼が独断で決めたことにつきあわされたモニカは、連れてこられた場所を見て唖然。
新居は竜巻でも来れば飛んでしまいそうなトレーラーハウスだったから。
 
ジェイコブは韓国の農作物を育てて売ろうと目論むが、そう上手くは行かない。
そんな夫に苛立つモニカは自分が稼がねばと思うが、
心臓疾患のあるデビッドを置いて働きに行くのが気がかり。
そこで、韓国から母スンジャを呼び寄せて子どもたちの世話を任せようとするのだが……。
 
世界的に評価が高いようですが、ごめんなさい、私はあまり好きになれません。
モニカには共感できるところがあるものの、ジェイコブとスンジャ、
それから何人か出てくるアメリカ人が胡散くさすぎて嫌い。
宗教くさいところも多分にあるので、日本人としてはわかりづらいのかも。
 
スンジャ役のユン・ヨジョンは確かに素晴らしい女優ですが、
ほかの作品の彼女のほうがずっとよくないですか。
おばあちゃんらしくなくて、口が悪くて、品がなくて、
脳卒中を起こしても「私は役に立ちます」アピールが強くて、
結果、火事を起こしてしまうおばあちゃん。
 
火事のシーンがまるで『バーニング 劇場版』(2018)だったから、
そのシーンを思い出していたら、そうか、出演俳優も同じでしたか。
 
本作の「いい映画でしょ?」的なところが私は嫌い。
結局、ジェイコブはどうしてこの地に固執するのでしょう。
アメリカンドリームって、どこまで行けば叶ったと言えるのでしょうか。

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